GoogleによるとAppleからAndroidのシェアを奪還するためにもプレミアム部門の拡充が優先であることを明らかにしています。そのためPixel 9シリーズでは新たな小型のProモデルを追加した上で折畳式機種の命名規則を変更することでProモデルを拡充しています。
一方で為替の影響もあると思いますがラインナップ全体で高価格化しており手が届きにくくなった印象も受けます。今回はGoogle Pixel 9シリーズの中でどれを選ぶべきなのか各種テスト結果を元にまとめたいと思います。
デザインを確認。
まずデザインから確認していきたいと思いますが前モデル対比での進化ポイントは共通化しています。従来のようにサイドフレームにカメラフレームが一体化したデザインではなく独立したデザインを採用しています。
さらにサイドフレームに加えバックパネルもフラット化したことで全体的にスッキリした印象です。
その中でPixel 9のみバックパネルに光沢仕上げを採用したことで好みが分かれると思います。Pixel 9に関してはカラバリによって指紋の目立ちやすさが異なる感じで手持ちのグリーンだとそこまで目立たないとはいえPixel 9 Proシリーズのマット仕上げと比較すれば目立ちます。
一方でPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLはサイドフレームが光沢仕上げなので指紋が目立ちます。個人的にはPixel 9 Pro Foldがサイドフレームもバックパネルもマット仕上げなので好みです。
取り回しの良さに関しては物理的に小さくて軽い方がいいと考える人もいればスペックも含めて判断する人もいる感じで少なくとも後者の考え方だとPixel 9よりはPixel 9 Proの方がいいです。
ちなみに自分の手の大きさだとPixel 9 Pro XLの方が片手操作しにくい分地味に軽く感じます。ストレートタイプで見ればPixel 9がスペックの割にはデカくて重いという印象になります。
そして折畳式機種なので仕方ないと思いますがPixel 9 Pro Foldはシリーズの中では最も重くデカいとはいえ普段大型モデルを使っている人からすればそこまで苦になる感じではないです。
Googleのデザインの上の拘りの一つとしてテーブルなどに置いた時にガタガタしないことだとしています。Pixel 9 Pro Foldはカメラデザインからもガタガタしそうに見えますが実際にそんなことはないです。
デザインが似ているからこそ質感とサイズ感で自分の好みに合ったものを選ぶのが分かりやすいです。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイですがコストカットのためかPixel 9とPixel 9 Pro Foldのサブディスプレイは表示解像度がFHD+で1Hzからの可変式120Hz表示に非対応と差別化されています。
ただ正直なところ実使用においてそこまでの影響があるかと言えばそんなことはないと思います。
ディスプレイ輝度の違い。
一方で実使用において重要になってくる部分としてディスプレイ輝度で海外サイトのテスト結果を参考にすると手動調節にしろ自動調節にしろ最も明るいのがPixel 9 Pro XLとなっています。
とはいえ最も暗いPixel 9 Pro Foldでも自動調節で2000nitsを超えているので十分な明るさです。屋内では正直差を実感することは難しく屋外でPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLが本当に僅かに明るく感じる程度で個人的にはそこまで神経質になる必要はないかなと思います。
一方で手持ちの個体でみるとPixel 9 Pro XLは高照度の環境で本来であればディスプレイを明るくしなければいけないシーンでなぜか暗くなるなどセンサーの調整がイマイチの可能性もあります。
これはおそらくバグだと思いますが似たような報告があるので今後改善することに期待です。
コンテンツの表示を比較。
そしてYouTubeを再生してみるとPixel 9 Pro Foldが一番コンテンツを大きく表示しています。ただアスペクト比16:9の動画を本体縦向きで再生すると上下の黒帯はもったいない感じがします。
そしてPixel 9 Pro Foldを折り畳んだ状態で再生してみると最も小さく表示されている印象を受けます。ディスプレイサイズでみればPixel 9やPixel 9 Proと同じく6.3インチとなっていますが改めて比較すると本当に僅かに小さく表示される感じで逆にPixel 9 Pro XLが最も大きいです。
次にマンガUPで漫画を表示してみるとディスプレイサイズの大きさに比例して視認性が変わります。マンガUPだと見開き表示にするかしないかのオプションに簡単にアクセス出来るので便利です。
何より見開き表示で見れるのが最大の特徴で個人的にはこれだけも十分な価値があると思います。現状だとアプリ側の最適化やオプションに依存しているためKindleだと両端が切れます。
またサイコミでは見開き表示にならないなど全てのアプリで快適という感じではありません。ただマンガUPやマガポケなど自分が使っているアプリのほとんどは対応しており快適そのものです。
何よりPixel 9 ProとPixel 9を並べてPixel 9 Pro Foldのメインと同じという感じです。
一応Pixel 9 Pro Foldのサブディスプレイで表示するとPixel 9 Proとほぼ同じに見えます。少なくともPixel 9 Pro Foldはサブディスプレイでも視認性に困ることはないかなと思います。
ただ表示するコンテンツによっては僅かに小さく表示されることがあるので注意が必要です。何よりコンテンツの消費を優先したいならpixel 9 Pro Foldが絶対的におすすめです。
基礎スペックを確認。
基礎スペックに関してはアップデートサポート期間にしろほとんど一緒と考えた方が分かりやすいです。ただ通信関連でみると国内版はPixel 9 Pro Foldのみが唯一ミリ波に対応している感じです。
容量構成を確認。
一方でPixel 9のみRAMが12GBとなっており海外サイトによるとRAMの使用方法が地味に違います。Pixel 9 Proシリーズに関してはRAM3GB分がロックされておりAI Coreを常駐させているとの話です。
そのためAIをより迅速に起動することが可能な上に処理速度も改善すると言われています。あとは今後アップデートでPixel 9はRAM不足で対応できる新機能に限界が出てくる可能性があります。
他社と比較してGoogleはオフライン処理が中心だからこその弊害でAI重視ならProを選ぶべきです。ストレージオプションに関しては最大容量も重要ですが販路によってバラバラなので要確認です。
発熱とパフォーマンス。
そして負荷をかけた時の発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。
スコアにあまり意味があると思っていませんがシリーズの中でトップスコアが出やすいのはPixel 9 Pro Foldで逆にスコアが最も安定しないのはPixel 9 Proと個人的には想定外でした。
計測終了後に外部温度を計測してみましたが最も発熱を感じにくいのがPixel 9 Pro XLです。
逆に負荷をかけると最も発熱を感じやすいのがPixel 9 Proで個人的には想定通りという感じです。
1回目 | 2回目 | 3回目 | |
Pixel 9 | 34.8 | 35.4 | 35.8 |
Pixel 9 Pro | 35.5 | 36.1 | 36.0 |
Pixel 9 Pro XL | 33.8 | 34.5 | 34.5 |
Pixel 9 Pro Fold | 35.1 | 35.4 | 35.2 |
Pixel 9 Proシリーズはベイパーチャンバーを搭載して放熱性能を強化しているとはいえPixel 9 Proはかなりきつめのスロットルダウンをかけることから余計にスコアが安定しない印象を受けます。
ただ海外サイトによるとスロットルダウンをかけたあとに無理にパフォーマンスを上げようとしないことから余計に発熱して動作がガタガタにならないのはGoogleの判断が良かったと指摘しています。
そしてパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。トップスコアでみるとほとんど一緒ですがロースコアでみるとPixel 9とPixel 9 Proが低いです。
また安定率でみてもPixel 9 ProとPixel 9がちょっと悪いという感じでやはり筐体サイズが小さい分排熱が苦手で発熱しやすくスロットルダウンを強めにしている可能性があります。
バッテリー関連を確認。
バッテリー関連を確認するとPixel 9 ProとPixel 9 Proは筐体サイズの割には容量が多めです。一方でPixel 9 Pro Foldは薄型化の影響かバッテリー容量はもうちょい頑張って欲しかったところです。
そして海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にするとユーザーの使い方次第ですが最もスコアが優秀なのはPixel 9 Proで逆に最も悪いのはPixel 9 Pro Foldとなっています。
ただPixel 9 Pro Foldは折畳式機種の中では標準的なのでそこまで心配する必要はないです。一方でサブディスプレイのみを使った場合だと逆にPixel 9 Pro Foldが最も優秀になります。
なのでメインディスプレイとサブディスプレイの使用比率によっても電池持ちの印象が変わると思います。充電速度に関してシリーズ全体が速いわけではありませんがPixel 9 Pro Foldは遅いと思います。
有線で最大で21Wでワイヤレスで7.5WでPixel Stand 2には非対応とちょっとお粗末に感じてしまいます。
その他を比較。
その他Pixel 9 Pro Foldのみ防塵に非対応となるIPX8なので注意が必要だと思います。そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたが、あくまでも自分の耳だとPixel 9 Pro XLのスピーカーのバランスがもっともよく感じます。
一方でPixel 9 Pro Foldは筐体サイズを考えるともうちょっと頑張ってほしかったところです。
カメラを確認。
最後にカメラを確認したいと思いますがPixel 9にPixel 9 ProにPixel 9 Pro XLは広角と超広角は一緒のセンサーでPixel 9は望遠なしでPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLは望遠に加えインカメラも一緒とストレートタイプは望遠があるかないかの判断でもいいかもしれません。
一方でPixel 9 Pro FoldはフラッグシップのカメラというよりはPixel 8aに近い感じです。また今回のサンプルですがPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLは同じカメラ構成なのでPixel 9 Pro XLではサンプルを撮っておらず3機種でのサンプルになるので予めご了承下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはPixel 9/Pixel 9 Pro/Pixel 9 Pro Foldの順番になっているので予めご了承下さい。
本当に僅かですがPixel 9 Proの色味が濃く見えます。
広角で撮影。
センサーサイズに大きな差があれどPixel 9 Pro Foldも十分に頑張っている印象を受けます。
次に接写をしてみましたがPixel 9 Pro Foldの背面処理がちょっと雑に見えます。
自分の目だとPixel 9 Pro Foldが一番現実寄りの印象を受けます。
ポートレートで撮影。
Pixel 9シリーズのポートレートモードは最低倍率が1倍ではないからこそ、逆に被写体との距離感が難しくPixel 9 Pro Foldは割と簡単にフォーカスがずれる印象を受けます。
自分の撮り方の問題なのかセンサーサイズは一緒ですがPixel 9 ProよりPixel 9の方が寄って撮影できる印象を受けます。
次に2倍で撮影してみました。
今後アップデートで改善する可能性がありますが現状だとPixel 9 Pro Foldのポートレートモードがシリーズの中で一番癖があります。
マクロで撮影。
Pixel 9 Pro Foldは寄れたかと思いきやフォーカスは甘めです。
ただセンサーサイズが小さい分フォーカスがしっかり合った時は変にボケず逆にいい感じになります。
ズームで接写。
まずは2倍で接写してみましたがセンサーサイズの違いかボケ感に違いがあります。
次にPixel 9 Proシリーズは光学となる5倍で撮影してみましたがPixel 9は明らかにノイズが増えた印象で、Pixel 9 Pro Foldも光学とはいえノイズが増えた印象です。
そしてPixel 9にとって最大となる8倍で撮影してみましたが、最も安定しているのはPixel 9 Proという感じです。
次に中距離の被写体を2倍で撮影してみました。
次に5倍で撮影してみましたが、やはりPixel 9は明らかにノイズが増えるという印象を受けます。
そして8倍で撮影してみましたが接写の時と比較するとpixel 9 Pro Foldはまだ安定している印象を受けます。
望遠で撮影。
ここからはペリスコープを搭載しているPixel 9 Pro/Pixel 9 Pro Foldのみで比較しており、まずは2倍で撮影してみました。
次に5倍で撮影してみました。
流石に10倍になるとPixel 9 Pro Foldは一気にノイズが増えた印象を受けます。
次に15倍で撮影してみましたがPixel 9 Proもノイズはかなり多めの印象を受けます。
最後にPixel 9 Pro Foldの最大となる20倍で撮影してみましたがPixel 9 Proもそこまで余裕があるという感じではないです。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードでサンプルを撮影してきました。
チューニング不足なのかPixel 9 Proはフレアに白飛びが発生しやすいです。
広角(低照度)で撮影。
意外とPixel 9 Pro Foldも頑張っている印象を受けます。
ただやはりハードの差もあるのかPixel 9 Pro Foldは白飛びしやすい印象を受けます。
強い光源があるシーンだと差が分かりやすいです。
望遠(低照度)で撮影。
次に2倍で撮影してみました。
そして3倍で撮影してみましたがPixel 9は一気にノイズが増えた印象です。
最後に5倍で撮影してみましたがPixel 9 Proがやはり安定している印象です。またハードの違いももちろんありますがカメラソフトでも地味に差別化されている感じでPixel 9は動画ブーストに非対応となっておりPixel 9 Pro Foldは8Kへのアップコンバート非対応です。
またマニュアルモードはPixel 9 Proシリーズに限定されるなでやはりProが優先されています
Pixel Buds Pro 2を開封。
そして今回GoogleさんからPixel Buds Pro 2をご提供頂いたので確認したいと思います。パッケージは他の新製品と同様にプラスチックフリーとなってり本体のカラバリに合わせた感じです。
付属品を確認するとUSB-Cケーブルにイヤーキャップと非常にシンプルとなっています。
正直な話自分はオーディオ関連の専門的な知識がないので素人が感じたことを確認するとイヤホン自体が小型化したことに加え固定用アーチを搭載したことでフィット感の調整が可能になりました。
自分の耳だとイヤーキャップ部分をSにして無理やり耳に嵌め込んでいることが多かったですがフィット感を調整できることでイヤーキャップがMのままでもしっかり装着できるようになりました。
また音質は前モデル対比で明らかに改善していることを確認できノイキャンもしっかり強化されています。タイミングよく飛行機に乗る機会がありましたがエンジン音を完全に消すことは無理でも前モデルと比較する音楽により没頭できるイヤホンに進化した印象を受けます。
ちなみに外部音取り込み機能ですが前モデル対比でクリアになったことを実感できます。ただキッチンの換気扇などは変に音を拾って逆にノイズになっている印象で苦手な音もある感じです。
何より素人目線でみてもPixel Buds Pro 2はしっかり進化していることを実感できます。
まとめ。
今回はPixel 9シリーズの各種テスト結果が揃ったので改めて総まとめをしてみました。Pixel 9 Proは電池持ちが良かった一方で発熱しやすくパフォーマンスの持続性は微妙という感じです。
一方でかなり安定している印象を受けるのがやはりPixel 9 Pro XLかなという印象を受けます。個人的には取り回しを求めるならPixel 9 Proでコンテンツ重視ならPixel 9 Pro Foldです。
製品提供:Google Japan