今年の中華系のフラッグシップモデルをみると従来と筐体サイズはほぼ変わらずともバッテリーが7000mAhと超えてきている感じで一部情報によると来年は9000mAh前後を搭載した機種も登場すると予測されています。
今回はGalaxyにPixelやOppoなどスマホのバッテリーについて主観的にまとめたいと思います。
iPhoneに転換期。
今年のスマホ市場においてバッテリー容量がある意味話題になった年なのかなと思います。まず一つ目としてはiPhone 17シリーズでSIMスロットの有無でバッテリー容量が異なります。
ちなみにiPhone 17はeSIM専用かどうか関係なくバッテリー容量に違いはないと言われておりiPhone Airに関してはeSIM専用モデルしか存在していないため全ての市場で同じ容量です。
一方でiPhone 17 Pro Maxは物理SIMモデルが4823mAhに対してeSIMモデルは5088mAhです。少なくともAppleはeSIM専用モデルの販売地域を拡大するにあたって内部スペースを最適化しています。
その結果バッテリー容量を増加させた感じで前モデルまでは今回のようなバッテリーの違いはなかったです。
ただSIMスロットの有無でバッテリー容量が異なることからもコストが増している可能性があります。このことを考えると今後eSIM専用モデルの販売地域を拡大して生産コストも合理化する可能性があるのかなと思います。
何よりeSIMへの規制が厳しかった中国でiPhone Airを発売できたことを考えると中国市場でiPhoneに限らずeSIM対応機種が一気に増える可能性があり流れが大きく変わる可能性があります。
ちなみにiPhone 17 Pro Maxは歴代で初めて5000mAhを超えた機種となっておりAppleですらバッテリー容量を強化してきていることからもAndroidメーカーはさらに意識する可能性があります。
シリコンカーボンバッテリーの強化。
次に2つ目としては中華系のフラッグシップモデルでシリコンカーボンバッテリーをより強化しています。
数年前でみれば5000mAhもいっていれば大容量バッテリーを搭載している機種扱いだったのが今や5000mAhは決して多いとはいえずGalaxyのUltraモデルなどはいつになっても変わらないことからも批判の対象にもなっています。
一方で先日発表された機種でみればOppo Find X9 Proが75000mAhで同世代の中でも比較的バッテリー容量が少ないvivo X300 Proですら6510mAhと今年は6000mAh超えが当たり前です。
さらにXiaomi 17やOppo Find X9など無印ですら7000mAhを超えてきているので驚愕です。今年の始め頃だったと思いますがリーカーがいずれモバイルバッテリーが不要になることを指摘していました。
それこそ最近モバイルバッテリーの発火事故が話題になっているからこそスマホ単体でのバッテリー容量が増えるのはユーザーにとっても嬉しいところでコストカットにも繋がります。
一方でXiaomiでみると分かりやすいですがグローバル版と大陸版ではバッテリー容量が違います。その理由としてXiaomiはコストカットのためにバッテリー容量を制限したことを明らかにしています。
ちなみにvivoに関してもvivo X200シリーズからヨーロッパ向けのバッテリー容量を減少させています。
コストカットのため。
これはXiaomiと共通する部分だと思いますがEUで発売するにあたっての規制がかなり厳しいです。ざっくり言えば搭載しているバッテリーの品質などを全てメーカー側が証明する必要があります。
そのため各種テストだけでもかなりのコストがかかると言われており中華系を中心にですがバッテリー容量を減らした上で出来るだけ品質テストなどにおけるコストをカットしているのかなと思います。
ただユーザーからすれば同じ機種であっても販売地域によってバッテリー容量が異なるのは単純に電池持ちに影響が出るので不満の種になりやすくメーカーも苦渋の決断なのかもしれません。
ちなみにEUにおいては2027年からの新しいバッテリー規則においてユーザー自身が特殊なツールなしでバッテリーの交換ができる構造を義務化されていると言われています。
ただ調べた感じ必ずしもユーザーによる完全な着脱可能なバッテリーが要件とされておらずバッテリーの耐久性や分解及び修理のしやすさなどの代替による構成も許容される可能性があると言われています。
ちなみにGoogleはPixel Watch 4で修理のしやすさを意識した内部構造に刷新されています。iFixitによると今まで分解したスマートウォッチの中で最も修理がしやすいと評価しています。
なので当初は昔のガラケーのような換装式の内部構造を採用するイメージをしていましたが実際のところは出来るだけユーザーが自身で修理をしやすい内部構造を採用すると考えておくと分かりやすいのかもしれません。
シリコンカーボンバッテリーの品質。
そして3つ目に中華系はシリコンカーボンバッテリーを積極的に採用している中でGoogleやSamsungにAppleが採用しないのかその理由としてバッテリーの品質だと言われています。
ちなみにEUにおいて800回充電後にバッテリー容量が80%以上を維持する必要があります。一方で現状のシリコンカーボンバッテリーだと500回前後で80%以下になる可能性があります。
つまりシリコンカーボンバッテリーは現時点での技術でみれば劣化するのが非常に早いことになります。またバッテリー容量を増やすために一番分かりやすいのはシリコン含有量を増やすことです。
そのためスペック上のバッテリー容量を増やすことは出来ますが劣化も結局は早くなってしまいます。あくまでも推測に過ぎませんがおそらくヨーロッパ向けのモデルは同じバッテリーサイズでもシリコン含有量を下げることで品質を担保しつつ各種テスト含めてコストカットしているのかもしれません。
またシリコンカーボンバッテリーだからといってもセル密度には限界があり品質とのバランスが重要です。ちなみにリーク通りだとGalaxy S26 Edgeは4200mAhのバッテリーを搭載するとの予測です。
そしてリーカーによると現状Galaxy S26 Edgeが搭載しているバッテリーのセル密度が市場で最高クラスとも言われておりシリコンカーボンバッテリーを搭載すればいいという訳ではないです。
リーカーによるとGalaxy S25 Edgeで仮にOppo Find N5と同程度のセル密度を採用したシリコンカーボンバッテリーを採用しても内部スペースの問題から4100mAh前後だったと指摘しています。
結局シリコンカーボンバッテリーを採用しても200mAh程度しか変わらないなら品質を優先した可能性が高いです。Galaxy Sシリーズでみると基本は中華製のバッテリーを採用していますがGalaxy S25 Edgeは全てSamsung製としておりバッテリーにトラウマがあるSamsungだからこその決定なのかもしれません。
ちなみにGalaxy Z Fold7は2000回近くしてもバッテリー容量が80%を維持できるとの話です。またGalaxyのUltraモデルで長らく5000mAhを継続採用している理由も品質優先だからとの話です。
アメリカの輸出規制。
最後に4つ目として先ほどと重複しますがGoogleやSamsungがバッテリー容量を増やさない理由はアメリカにおける輸送規制の影響があると言われておりバッテリーのセル密度が規定されています。
ちなみにリーカーが計算したところGalaxy S25 UltraやPixel 10 Pro XLは輸送規制ギリギリだとしています。実際のところは不明ですがリーカーの指摘通りであればこれ以上バッテリー容量を増やせないです。
一方で6000mAhのOnePlus 13が規制にひっかからない理由としてはデュアルバッテリーを搭載しているからだと言われています。あくまでもアメリカの輸送規制は一つずつのバッテリーに対して規制がかけられている感じです。
そのためデュアルセルとなっているOnePlus 13は単一としてみれば完全にアウトになりますがそれぞれのバッテリーで条件をクリアしていることからもまだまだ余裕があるとの話です。
ちなみにこれは折畳式機種も同様でGalaxy Z Fold7やPixel 10 Pro Foldはまだ余裕があります。
何より中華系メーカーのほとんどはアメリカで発売していないからこそグローバル展開する際に配慮すべきはヨーロッパという感じでSamsungやAppleのようにアメリカ市場が優先のメーカーと比較すると割と柔軟にバッテリー容量が増やしやすくスペックの差に繋がっている可能性があります。
今度どうなるのか不明ですがSamsungやAppleは今後バッテリーの形状をOnePlusのようにデュアルにするなど何かしらの変更を加えないとバッテリー容量を増やすのは厳しいのかもしれません。
あとは単純にAppleやGoogleがシリコンカーボンバッテリーの搭載に消極的な理由としては先ほどのSamsungと一緒ですがコストとバッテリーの品質を懸念している可能性があります。
ただGoogleに関してはaシリーズを中心にバッテリー交換プログラムが提供されるなどバッテリーの品質が優秀とは言えない状況です。なのでシリコンカーボンバッテリーどうこうの前にもっとバッテリーにコストをかける必要があるのかなと思います。
まとめ。
もちろんバッテリー容量が増えれば電池持ちが絶対的に改善するとは言えない状況にあります。Appleを見れば分かりやすいですがSoC含めたチューニングの恩恵で電力効率はかなり優秀です。
一方でシリコンカーボンバッテリーを搭載した機種はスペックの割には電池持ちが良くないです。とはいえ電池持ちを改善するとなった時にSoCやソフトでの最適化には限界があるのでハードでゴリ押しが必要なのかなと思っており中華系がまさに今がその段階なのかなと思っています。
おそらくGoogleやAppleなどはシリコンカーボンバッテリーの技術がより成熟してきた中で品質とコストのバランスがとれるようになればいよいよ採用する流れになっていくのかもしれません。