先日には今年の夏頃に正式発表が予測されているGoogle Pixel 10シリーズのデザインが判明しました。現行モデルと比較するとデザインはほぼ変わらないからこそ中身の進化に期待したいところです。
今回Android AuthorityがGoogle Pixel 10シリーズのカメラ構成に言及しているのでざっくりとまとめたいと思います。
進化どころか退化した無印。
今回海外サイトが内部情報の筋からPixel 10シリーズのカメラに関するドキュメントを確認することが出来たことからリークしていますが個人的にはかなりショックという感じでした。
まず無印となるPixel 10に関してリークしたレンダリング画像からトリプルレンズカメラに進化していることを確認出来ます。そのためPixel 10 Proとの差別化が難しくなると思っていましたがそんなことはなかったです。
メインカメラセンサーは1/1.95インチのGN8に変更としており現行モデル対比で大幅に小型化しています。正直中華系のコスパが良いと言われる機種のメインカメラセンサーよりもかなり小さいという感じです。
いくら無印とはいえフラッグシップモデルでこのサイズのセンサーを搭載している機種はほぼないです。それくらいメインカメラセンサーは一気に小型化しており下手なミドルレンジモデルよりも小さいです。
Pixel 9a | Pixel 9 | Pixel 10 | |
---|---|---|---|
Main
|
Samsung GN8
50 MP 1/1.95” |
Samsung GNV
50 MP 1/1.31” |
Samsung GN8
50 MP 1/1.95” |
Ultrawide
|
Sony IMX712
13 MP 1/3.1″ |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Sony IMX712
13 MP 1/3.1″ |
Telephoto
|
–
|
–
|
Samsung 3J1
11 MP 1/1.3” |
Selfie
|
Sony IMX712
13 MP 1/3.1″ |
Samsung 3J1
11 MP 1/3.2” Autofocus |
Samsung 3J1
11 MP 1/3.2” Autofocus |
そして超広角に関してはIMX858から1/3.1インチのIMX712に変更でインカメラは維持です。また新たに追加される望遠は1/3.2インチとPixel 9 Pro Foldと同じセンサーを採用しています。
個人的には最低でもPixel 9と同じカメラ構成で望遠だけがちょっとしょぼいかなと思っていました。ただ今回の情報通りであれば広角と超広角はPixel 9aと一緒で望遠に関しては折畳式機種のPixel 9 Pro Foldの望遠と一緒でハードだけで見れば現行モデル対比で大幅に退化します。
望遠に関してはPixel 9 Pro Foldと同じであれば最大20倍で実用性はそこまでないと思います。ざっくり言ってしまえばPixel 9aに望遠をつけてインカメラがちょっといい程度という感じです。
Googleの高いカメラソフトの技術があるため高照度の環境であればどうにかなると思います。ただ低照度の環境になると現行モデル対比で劣化している可能性があり残念としかいいようがないです。
望遠が追加されたとはいえ搭載しているセンサーを考えると最大ズーム倍率に差があったとしても8倍程度までであれば下手したら望遠がないPixel 9の方が優秀なんてこともあるかもしれません。
先ほどの話とも重複しますがPixel 10をトリプルレンズカメラ構成にすることで上位モデルとどのように差別化するのか気になっていましたが上位モデルを強化して差別化するのではなくPixel 10を退化することで差別化している感じでおそらく多くのユーザーが望まない流れです。
もちろん実際に使ってみないと分からない部分もあるとはいえカメラに拘りがない人はPixel 9aで十分という感じでそれなりに拘りがある人はPixel 10 Proを選ぶしかなくなった感じです。
ちょっと個人的に今回のGoogleの判断はあまり良くない方向に向かっている印象を受けます。
Proは進化もない。
次にPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLを確認すると現行モデルから進化が全くないです。少なくとも今回の情報通りであればセンサーは進化していないのでレンズ構成に変更があるのか気になるところです。
またGoogle Tensor G5では完全に独自となるGoogle ISPを搭載していることに加えGoogle Tensor G5を搭載するだけでも画像処理自体は改善してくる可能性が高いと思います。
とはいえセンサーが変わらないのであれば劇的な進化に期待出来ないところで個人的に気になる低照度の環境における白飛びやフレアにゴーストがどこまで改善しているのか。
Pixel 10 Pro | Pro XL | Pixel 9 Pro | Pro XL | |
---|---|---|
Main
|
Samsung GNV
50 MP 1/1.31” |
Samsung GNV
50 MP 1/1.31” |
Ultrawide
|
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Telephoto
|
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Selfie
|
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” Autofocus |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” Autofocus |
リークしているGoogle Tensor G6のドキュメントからもGoogleは現在最大100倍ズームの開発を進めていると言われておりズーム強化に合わせてセンサーも刷新されるとの予測でした。
またPixel 9シリーズでは超広角/望遠/インカメラと刷新されたばかりだったのでPixel 10は刷新されてもメインカメラセンサーのみかと思っていましたがProに関しては全く変更がないです。
正直十分に推測できた範囲なので問題ないですがPixel 10のカメラが退化したからこそ現行モデルから何も変わらないPixel 10 Proシリーズのカメラが余計につまらなく感じます。
少なくともカメラに期待するのであればPixel 11シリーズまで待った方がいいかなと思います。
微妙に退化した折畳式機種。
そして折畳式機種であるPixel 10 Pro Foldに関してはメインカメラセンサーのみ変更されています。
Pixel 10 Pro Foldのデザインを見た時から大きな変更はないかなと思っていたことに加えPixel 9aでメインカメラセンサーが変更されたことからもPixel 10 Pro FoldでもメインカメラセンサーがGN8に変更される可能性があるかなと思っていましたがその通りの流れなりました。
Pixel 9 Pro Fold | Pixel 10 Pro Fold | |
---|---|---|
Main
|
Sony IMX787
64 MP (cropped) 1/1.73” |
Samsung GN8
50 MP (cropped?) 1/1.95” (cropped?) |
Ultrawide
|
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
Telephoto
|
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
Selfie (inner)
|
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
Selfie (outer)
|
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
Pixel 9aを実際に使ってみないと分からない部分でもありますがIMX787から画素数が低下しています。さらにセンサーサイズが小型化したことでどの程度の影響が出るのか現時点では不明です。
Pixel 9シリーズが搭載しているGNVと比較すればかなりの差がシーンによっては生じます。一方で今まで搭載していたIMX787がそこまで優れたセンサーという印象もなかったので良くも悪くも実使用の部分で変わらない可能性があり進化もなければ退化もない可能性があります。
先日正式発表されたOppo Find N5を見ると薄型化のためかコストカットのためなのか広角と超広角は劣化しており今後登場するHonorやvivoの折畳式機種がどうなるのか気になります。
個人的には薄型化を優先するばかりカメラを犠牲にしてほしくない感じでPixel 10 Pro Foldは現行モデル対比で分厚くなっているからこそもうちょっと頑張ってほしかった感じになります。
もちろんカメラソフト次第の面もありますがメインカメラだけでみれば今年の7月頃に発表が予測されているGalaxy Z Fold 7の方がまだマシという感じになっていくのかもしれません。
とりあえず今回の情報通りだとPixel 10シリーズでカメラの進化にあまり期待出来ない状況です。
価格差と価格の合理性。
正式発表されたら絶対欲しい機種であることに違いはないですが現時点だとマイナス要素が多めです。デザインは現行モデル対比でほとんど変わらずカメラに関しては維持か退化という感じになります。
Googleの今の最優先事項としてはブランドロイヤリティを改善させることと言われています。どんなに安売りしてユーザー数を増やしたとしても一過性で終わったら正直意味がないです。
ユーザーにPixelを好きになってもらいGoogleのサービスを使ってもらうことで収益性の改善が最大の目標です。そのためにファンを増やす必要がありPixelの最大の返品理由とされている電池持ちの悪さと発熱のしやすさをPixel 10シリーズで改善することでユーザーの満足度を上げたい可能性があります。
Google Tensor G5でTSMC製に切り替わると聞くとパフォーマンスが劇的に改善すると期待したくなるところで最新の3nmプロセスノードに新しいパッケージング技術の採用と聞くと余計にそう思っちゃいますがリークしているアーキテクチャを見るとそんなことはないです。
少なくとも大型コアはSnapdragon 8 Gen 3やExynos2400と一緒で大型コアは1個のみです。そのため単純に考えるとベンチマークスコアで200万点を超える可能性はかなり低いかなと思います。
なので他社の同世代のSoCと比較するとベンチマークスコアで見れば周回遅れもいいところです。ただPixel 9シリーズをみると不安定なSoCを無理やり押さえ込むことで無理に安定させている印象を受けます。
一方でGoogle Tensor G5でパフォーマンスが劇的に改善する可能性は低いと思いますがSoCに対して余裕のあるチューニングを採用することで全体的に安定させたいのかなと思います。
少なくともSoCに余裕が出れば消費電力を抑制できるので安定性は現行モデルより改善します。それでPixel 10シリーズを購入した人のユーザビリティを上げて次に繋げる狙いがあると思います。
ただ現時点での情報をみる限りPixel 10シリーズは安定性含めた使いやすさに集中しすぎの印象を受けます。フラッグシップモデルだからこそ使いやすさとは別に何か新しい特徴がほしいところですが現時点での情報を見ると電池持ちが安定して発熱しにくくなったけどカメラやデザインは変わらず。
iPhoneやGalaxyがしっかり売れていることを考えると多くの人は使いやすさを望んでいます。ただそこしか進化がないのであれば最新機種をわざわざ購入する必要はなくなってくるかなと思います。
またビルド品質に差があるとはいえPixel 10が仮に現行モデルと同じく13万円だとしてPixel 9aとの価格差を許容させることができるほどの差があるのか正直微妙なところだと思います。
Pixel 10 Proが売れにくい状況になるかと思いきやPixel 10が売れにくい状況になる感じです。これだったらPixel aシリーズもフラッグシップモデルに統合した方が分かりやすいと思います。
まとめ。
今回はPixel 10シリーズのカメラに関する情報が出てきたのでざっくりとまとめてみました。個人的にはかなり残念で現行モデルから為替の影響があったとしても値上げになったら厳しめに感じてしまいます。
とりあえず今年は本当最低限のアップデートに留める可能性が高くなってきたのかなと思います。