個人的には待望の存在だったPixel 10シリーズがようやく国内でも8月下旬より販売が開始しました。ただ自分が一番楽しみにしているPixel 10 Pro Foldは10月上旬の発売とちょっと先なのが残念です。
今回はGoogle Storeで購入したGoogle Pixel 10 Pro XLの短期レビューを主観的にまとめたいと思います。
気になる挙動。
発売以降短期間使ってきましたがQi2に対応したことでアクセサリーの幅が出て楽しいです。特に自分は屋内でケースを装着したくない人間だからこそケースなしでQi2に対応している充電スタンドにそのまま装着して充電が開始できるとこれだけでも日々のストレスが改善しました。
一方で短期間とはいえ使ってきて気になる部分もあるので今回は主観的にまとめたいと思います。少なくとも海外からの報告をみると充電が正常に出来ないとかディスプレイの表示がおかしいとか地味に不具合報告がありますが自分の手持ちでみれば話題になっているような不具合には遭遇していません。
もちろん遭遇したユーザーからすれば最悪だと思いますがどのメーカーの機種であっても発売直後は不具合が地味に多いのは一緒で今後アップデートで改善されていくのを様子見するしかないです。
その上で自分が気になった部分としてはGeminiが影響しているのかGmailを開くのが遅い印象を受けます。ただこれもGmailを直接開く場合は問題がありませんが通知パネルから該当のアプリを開く時にフリーズ気味というかいつになっても通知にあるメールが開かないとちょっとうざいなと思います。
対処方法としては単純に再起動をかければいいだけですが今までなかったのでちょっと気になります。何より今後深刻な不具合があればGoogleもPixel 10シリーズに関しては緊急でアップデートを配信してくれる可能性があり単純に考えれば10月のアップデートである程度修正されると思います。
使い方で大きく評価が分かれる電池持ち。
次に電池持ちに関して短期間使った感じとしては前モデル対比で僅かな改善に留まった印象です。
ちなみにPixel 9 Pro XLに関しては8月上旬頃に改めて使った時のデータという感じになります。あくまでも自分の使い方になりますがPixel 9 Pro XLもPixel 10 Pro XLも大きく変わっていないです。
Pixel 9 Pro XL | Pixel 10 Pro XL | |||
電池残量 | スクリーンオンタイム | 電池残量 | スクリーンオンタイム | |
1日目 | 50% | 3時間51分 | 57% | 3時間9分 |
2日目 | 61% | 4時間12分 | 61% | 3時間2分 |
3日目 | 65% | 2時間57分 | 57% | 3時間37分 |
4日目 | 62% | 3時間19分 | 67% | 2時間15分 |
5日目 | 63% | 3時間12分 | 56% | 3時間44分 |
その上でPixel 10 Pro XLはやはり最適化がそこまで進んでいないのか1日目や2日目は流石に悪いです。一方で5日目になるとちょっと落ち着いてきた印象でスクリーンオンタイムが3時間44分に対して電池残量が56%でPixel 9 Pro XLはスクリーンオンタイムが3時間51分で電池残量が50%です。
あくまでも自分の使い方だとPixel 10 Proの時と同じ傾向で前モデル対比10%近く改善した印象を受けます。もちろん今後様子見していく必要がありますが期待していたほどの電池持ちの改善はないです。
海外サイトのテスト結果。
一方で海外サイトのバッテリーテストを参考にすると10時間11分で前モデル対比2時間弱も悪化しています。正直自分の使い方だと負荷の高いタスクはあまりしないこともあり体感と大きく乖離している印象を受けます。
あくまでも自分の使い方でみれば13時間くらいのスコアがあってもいいのではと思うくらいです。おそらくですが通話とゲームのスコアが悪いことからも5Gモデムの消費電力が相変わらず多いこと。
さらにGPUの電力効率が悪いのかGPUに負荷がかかるタスクを行うと電池が一気に減る印象です。一方でゲームをそこまでやらないユーザーにとっては電池持ちの改善を実感することが出来るかもしれません。
とはいえ電池持ちが良いと呼ばれる機種と比較すれば電池持ちはまだまだ不安定なことに違いはないと思います。
発熱とパフォーマンス。
また3つ目として本体の発熱で時期的な物もありますが暖かくなることはそれなりにあります。特に室内でもポケットに入れておいたりすると何もしていないのに暖かくなる時があります。
ただ前モデルと比較して放熱効率が優秀なのかテーブルなどに置いておくと冷えるのは速いです。少なくともPixel 10 Proと比較するとPixel 10 Pro XLは発熱しにくく冷えるのも速いです。
ちなみに全く意味はないですが本体を冷却した状態でベンチマークを計測したところ150万点弱になりました。最近AnTuTuのバージョンが更新されたことも影響したのかまだ見れるスコアになりました。
ただ冷やしながら計測した代償としてカメラ部分が結露したので絶対に真似しないことをおすすめします。ちなみに海外のユーザーによるとGPUドライバーが最新の状態ではなく本来の3割程度との話です。
なので今後GPUドライバーが最新の状態に更新されればベンチマークは改善する可能性があります。ただPixel 7の時のように不意打ち気味にくるのかPixel 5の時のようにFeature Dropのタイミングでくるかは不明でGoogleも何かしらの意味があるからこそ制御していると思います。
Googleが理想とするSoC
とりあえずベンチマークにおいて散々叩かれていますが個人的に海外サイトの説明が妙に納得しました。少なくとも数年前から日常使いにおいてユーザーがある程度満足できる動作性を実現していると指摘しています。
つまり閾値を超えているからこそGoogle Tensor G5は効率性を改善しつつAIをより強化と指摘sています。Googleにとって良いSoCというのはより多くのAI機能をオフラインで動作させることが出来ることだとしています。
またAIをオフラインで動かすにはCPUもGPUも必要になるためTPUに合わせて底上げしている感じになります。何よりGoogleとしては閾値は絶対下回らないようにしつつAIを強化している感じでAIを言い訳にGPUなど処理性能強化しないわけではなく動作性が変わらないならこれ以上の強化は無駄と判断している可能性があります。
Googleは80%のユーザーが満足できる80%ルールを採用していると言われており一般層向けです。なのでカメラに拘る自分のような人間やゲームをガチでやりたいと思っているオタクは対象外なのかなと思います。
またコミュニティの方でアンケート調査をしましたが自分のチャンネルを見て下さる層でさえ全体の25%しかフラッグシップモデルに快適なゲーム性能を求めていない傾向があります。
結局ミドルだろうとハイエンドだろうとゲームやカメラを求めている比率はそこまで変わらないのかもしれません。負荷が高いゲームにGPUの問題で最適化されていないことからもとこんなスマホを販売するなよとの声もありますが結局みんながみんなゲームを求めているわけじゃないことがわかった感じです。
言ってしまえば今まで以上に80%ルールを体現したのがPixel 10シリーズなのかなと思います。そこそこできればいいと思う人にとっては特段問題がなくガチでやりたい人は他社を選べばいいだけとシンプルです。
とりあえず自分はやるゲームでは問題なく日常使う上で動作に不満もないので特段困っていないです。個人的には価格関係なく全部のフラッグシップに同じことをを求めても正直つまらないと思います。
なのでvivoはカメラでXperiaはオーディオでPixelはAIみたく際立っている方が面白いです。
良いところまできたスピーカー。
そして開封記事で間違っていた部分としてスピーカーでPixel 10シリーズはSIMトレイが上部に移動したことでスピーカーグリルが2つに増強されたと思いきや以前のように片側はマイクです。
とはいえスピーカーが強化されたことに違いはなく改めてテストをしてみました。iPhone 17シリーズと比較してどうなるのかは分からないですがだいぶ安定した印象を受けます。
ただまだまだ改善の余地があるのでGoogleには今後もスピーカーの強化を頑張ってほしいです。
逆に使いにくくなったカメラ。
最後に気になる部分としてポートレートで良かった部分としてはクロップがされなくなったことです。従来は機種によりますが1.5倍とか1.7倍とかクロップされていましたがPixel 10シリーズは他社と同様に1倍から撮影できるようになったのは比較する上でも分かりやすくなったと思います。
ただ最短撮影距離が変わらずクロップが解除された感じで被写体との距離を掴みにくくなった印象を受けます。娘を撮る時などは特段何も考えず撮影することができ従来通り動体でもそれなりに撮れる印象です。
ただ植物など被写体が小さくなると従来の感覚のままだと割と失敗していることが多いです。プレビュー画面では問題なさそうに見えても撮影後の写真を見るとフォーカスが甘くなっている感じです。
以前までは割と強気かつ無理に撮っても大丈夫だったのが今は無理に撮ると失敗しちゃう感じです。自分はポートレートを使う際に1倍で撮ることが多いからこそ余計に悪戦苦闘しているかもです。
Google Tensor G5の恩恵。
一方でハードが変わらないとリークした時はかなり残念でしたがGoogle Tensor G5ではGoogleの独自ISPが統合されたことで長らく苦手だった低照度における白飛びも改善した印象を受けます。
また色味に関しても以前のような魔法らしさはないですが現実寄りの色味になったのはプラスです。
ちなみに意見は分かれていますが30倍から使える超解像ズーム ProはGoogle Tensor G5を搭載しているからオフラインで即時補正が可能ですが似たようなことが出来るHonor Magic 7はオンラインの環境が必要で言ってしまえばSnapdragon 8 Eliteでさえ同様の処理が出来ないことになります。
AIと聞かれてピンとこないと思いますがPixelの場合は撮影や編集の際に強みが出る感じです。
まとめ。
今回はPixel 10 Pro XLを短期間使ってきたのでざっくりとですがレビューをしてみました。128GBモデルがなくなったことからも前モデル対比で最低価格は上がったので高くみえると思います。
ただ同じ容量構成でみれば価格が据え置きになったのは嬉しいところでキャンペーン期間内であれば安く購入できるのも魅力で良くも悪くもPixelは定価があってないような物なのかなと思います。
もちろん不満がないわけではありませんがPixelが好きだった人はさらに好きなる機種かもです。