12月26日よりガイドラインの改正が行われ「下取り額」が制限される流れに。従来はキャリアが市場価値から大きく逸脱していない限り自由に設定することが出来ましたが、改正に伴い国が指定した業者が算出した下取り額をベースにする必要があります。
一方でキャリアが提供している「プログラム」は下取り額が制限されると実質負担金は高くなり結果値上げになります。今回SoftBankオンラインショップにおいて案の定iPhoneは安くなってAndroidは高くなっているのでまとめたいと思います。
当たり前の話。
今回のガイドラインの改正によって恩恵を受けやすいというべきか従来の価格を維持しやすいのが「iPhone」です。少なくともAndroidと比較すると人気が高いため市場価値が落ちにくいことから下取り額も高めに設定しやすい。
だからこそキャリアはAndroidも売れるように試行錯誤していた印象ですがガイドラインの改正によってAndroidを従来のように安く売ることが難しくなった印象を受けます。
ちなみに2024年の第1四半期において世界で最も売れた機種が「iPhone 15 Pro Max」で第2四半期においては「iPhone 15」となっていることからも、iPhoneは下手なエントリーモデルよりもよほど売れます。
またキャリアは下取りで回収した機種を海外にも流しているとの話があるので下取り額は高めに設定したとしても利益をとりやすい。一方でPixelで見ると以前はAndroidの中では値崩れがしにくい方でした。
ただここ数年でみるとGoogle Storeにおいて派手なセールが行われるため転売屋の餌食になりやすく市場価値が下がりやすくなっています。その結果で先日の記事にもまとめましたがPixel 9は約4万円と大幅な値上げになっています。
ただ逆に言えば今までの価格は市場適正価格ではなかったのかもしれません。とはいえキャリアもAndroidを売ろうと頑張っていたところ改正に伴い売りにくくなった。
何よりAndroidのフラッグシップモデルは今まで以上に売れなくなる可能性があり、今後よりiPhoneにシェアが集中していく可能性があります。
iPhoneだけ売れればいいのか?
AppleやGoogleは独占禁止法に抵触する可能性があるとか議論されていますが、今回のガイドライン改正はiPhoneが売れやすい環境を自ら率先して作ったと思われても仕方ないです。
海外ではiPhoneは高嶺の花だが良機種だからこそ頑張って買いたいと思うユーザーが多い。一方で予算的に厳しい人はAndroidを選んでいる感じですが、現状の国内を見ると下手なAndroidよりiPhoneの方が安く使えると逆転現象になっている印象を受けます。
もともと国内市場はiPhoneのシェアが圧倒的に高いです。その中でAndroidメーカーも直販版を強化したりキャリアと協力して販売を促進してきましたが、国の事情でキャリアでの販売が安定しないとなるとメーカーにとっては旨みは減ります。
なので本当に日本市場が大切だと思っているメーカーは直販版の販促に力を入れると思いますが、直販版自体のシェアが全体の1割未満と限定的です。なので多くのメーカーにとって旨みがなく今展開しているメーカーも今後の売れ行き次第では撤退する可能性も出てきます。
多くのユーザーにとってはあまり実感はないと思いますが、国内市場は割と選択肢が多い方です。ただ今後キャリアでiPhoneしか売れないとなると選択肢が一気になくなって、いずれは韓国みたくGalaxyかiPhoneの2択みたいに縮小されてしまいそうで怖いです。