Sonyはユーザビリティを重視した結果だとしていますがXperia 1Ⅵではより一般化した印象を受けます。少なくとも前モデルのような機材的な印象が薄くなりスマホらしさが強調された印象です。
何より分かりやすい進化を遂げたからこそXperia 1Ⅵの評判も上々という印象を受けます。今回はある意味真逆の道を辿っている印象を受けるXperia 1ⅥとiPhone 16 Pro Maxの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
デザインを比較。
大人の事情があったのかもしれませんが専門性が薄れ一般化しているXperiaと専門性をより強化しているiPhoneと今回比較する2機種は真逆の道を辿っている印象を受けます。
まずデザインから確認してきたいと思いますが縦幅に関してはほとんど一緒ですが横幅に地味に違いがあります。少なくともXperia 1Ⅵは本体サイズの割にはディスプレイサイズが小さく原因は上下ベゼルです。
ただXperia 1Ⅵはフラッグシップでデュアルフロントスピーカーを搭載している唯一の機種でありスピーカーで明確な差別化に成功しているからこそデメリットよりメリットの方が大きいです。
本体の厚みはほとんど一緒ですがiPhone 16 Pro Maxのサイドフレームは直線的に対してXperia 1Ⅵは途中で段差があるという感じで何よりスリットが入っているため印象が違います。
iPhone 16 Pro Maxはサイドフレームにチタンを採用しつつ表面にブラスト加工を採用している一方でXperia 1Ⅵはアルミを採用していますがグリップ力を高めるために表面を特殊加工を施しています。
そのため材質以上に違いがある感じで本体サイズ含めてXperia 1Ⅵの方が持ちやすいです。
またカラバリによると思いますがiPhone 16 Pro Maxを想定よりも指紋が目立ちやすい印象です。また本体の重さに関しても30g近くの差があるのでXperia 1Ⅵの方が圧倒的に軽く感じます。
バックパネルは両機種ともガラスにマット仕上げは共通ですがXperia 1Ⅵは独自コーティングを採用しておりカメラ撮影する際にバックパネル部分で光が乱反射しないように配慮した結果です。
そのためXperia 1Ⅵは撮影体験を最大限改善するためとカメラのためのデザインという感じで何方かといえばガジェット感が強く単純にiPhone 16 Pro Maxの方が高級感を感じます。
カメラ部分のデザインに関しては好みが分かれる部分でXperia 1Ⅵの方がスッキリ見えます。搭載しているセンサーサイズの違いもありますがiPhone 16 Pro Maxはカメラバンプがやはり派手です。
またデザインで好みが分かれる部分としてiPhone 16 Pro Maxはパンチホールデザインを採用しています。
少なくともXperia 1Ⅵはノッチやパンチを採用していないのでスッキリ見えると思いますが一方でiPhone 16 Pro Maxと比較するとベゼルが太く見えるのでどっちを優先するかです。
ちなみにXperiaはサイドフレームやバックパネルのフラット化などiPhoneより先に採用していたので興味深い所です。デザイン全体でみれば好みで日常使う上で取り回しの良さでみればXperia 1Ⅵが圧倒的です。
ディスプレイを比較。
次にディスプレイサイズですがアスペクト比は両機種とも19.5:9を採用しているとの話です。一方でディスプレイサイズが0.4インチも違うのでiPhone 16 Pro Maxの方が単純にデカいです。
とはいえTwitterなどで確認してみると一度に表示できる情報量はほとんど一緒という印象です。
ディスプレイ輝度を比較。
そしてコンテンツの見やすさに直結する部分としてディスプレイ輝度ですがXperia 1Ⅵは海外サイトを参考にすると手動調節で792nitsで自動調節で1310nitsとなっています。
一方でiPhone 16 Pro Maxのテスト結果は公開されていませんがスペックで見れば前モデルと一緒なので自動調節では最大1787nits前後になるのかなと思いますが実際に比較してみると想定外でした。
屋外でサンプルを撮影してきた時にXperia 1Ⅵは遜色ない明るさを実現している印象です。さらに屋内なるとXperia 1Ⅵの方がむしろ明るいディスプレイを搭載している印象を受けます。
Xperia 1Ⅵのディスプレイは寒色系に対してiPhone 16 Pro Maxは暖色系の色味に見えます。色味の違いもあるのかXperia 1Ⅵの方が平均値が高いのか明るく見やすい印象を受けます。
ちなみにXperia 1Ⅵのサンライトモードは屋外での視認性を確保するために色のバランスを多少崩してまででも明るく補正するモードであり色彩が強化されるというモードではないです。
コンテンツの見え方を比較。
そしてYouTubeを再生してみるとディスプレイの明るさはXperia 1Ⅵの方が僅かに明るい印象を受けます。一方でXperia 1Ⅵは表示解像度がFHD+になったためかなり批判されましたが今回の比較だと黒の表現がより安定している印象をうけ再生するコンテンツによっては臨場感を感じます。
少なくともFHD+になったからと言って画質が劣っているかと言えばそんなことはないです。またリフレッシュレートに関して同じく1Hzからの可変式120Hzに対応していますがOSの違いからもXperia 1Ⅵはサクサク感強めでiPhone 16 Pro Maxは非常に滑らかです。
ただXperia 1Ⅵを使った後にiPhone 16 Pro Maxを使うと非常にもっさりした印象です。
これは普段iPhoneを使っているのかAndroidを使っているのかでも印象が変わるかなと思います。少なくともXperia 1Ⅵは一般向けの進化を遂げたことで分かりやすく見やすい印象です。
一方でiPhone 16 Proシリーズはベゼルのスリム化で耐久性やタッチパネルの不具合など地味に発生しているみたいなのでベゼルよりもパンチホールを先に改善させるべきだったのかもしれません。
基礎スペックを比較。
そして基礎スペックを確認していきたいと思いますがアップデートサポート期間に違いがあります。Xperia 1Ⅵは前モデル対比で拡張されたとはいえセキュリティで最大4年はちょい短いです。
これはユーザーの使い方次第で自分の使用年数に沿って選ぶのが一番分かりやすいと思います。ちなみにAndroidはセキュリティアップデートとメジャーアップデートに分離していますがiOSの場合は基本一括りとなっておりアップデートの配信回数にも違いがある感じです。
一方で通信関連を確認するとXperia 1Ⅵはミリ波対応モデルが存在していますがeSIMは弱めの印象を受けます。少なくとも現時点ではiPhoneのようにDual eSIMに対応していないので汎用性は限定されます。
容量構成を比較。
容量構成に関してiPhone 16 Pro Maxは最大1TBモデルまでありますがXperia 1Ⅵは最大1.5TBのSDカードまでに対応していることからも拡張性があるのは魅力だと思います。
またXperia 1Ⅵは直販版限定になりますがRAM16GBの最上位モデルが用意されています。
パフォーマンスの持続性と発熱。
そしてパフォーマンスの持続性を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。iPhoneは計測方法が違うとも言われているので単純にスコアを比較しても意味がないです。
一方で計測終了ごとに外部温度を計測してみましたがXperia 1Ⅵは35.3/37.7/38.2度でiPhone 16 Pro Maxは37.8/37.2/37.6度で実際に持ち比べてもそこまで変わらずです。
ただ今回の比較でみればiPhone 16 Pro Maxの方がサイドフレームが熱いため不快に感じるかもしれません。
次にパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。これも計測方法が異なるのかiPhone 16 Pro Maxのトップスコアがかなり低いことです。
なので単純に安定率は改善しやすくなる感じで現に94.8%と驚異的なスコアとなっています。逆にXperia 1Ⅵは50%以下で20分近くの負荷をかけるとだいぶ不安定になる印象です。
ちなみに計測終了後に外部温度を計測してみましたがXperia 1Ⅵは40.7度でiPhone 16 Pro Maxは44.8度とXperia 1Ⅵはスロットルダウンをかけて発熱を制御している一方でiPhone 16 Pro Maxは発熱制御よりもパフォーマンスの持続性を優先に見えます。
さらに計測方法が同じとも言われているGeekBench 6でもテストをしてみました。今回のテスト結果でみるとiPhone 16 Pro Maxの方がスコアは圧倒的に優秀です。
ただトップスコアを活かす機会が今回のベンチマークでみる限りはあまりない印象です。そのためゲームもハイパフォーマンスというよりは最初から抑え気味になるのかもしれません。
バッテリー関連を比較。
バッテリーに関して事前情報通りであればXperia 1Ⅵの方が容量は地味に多いです。一方で現時点でiPhone 16 Pro Maxのバッテリーテストの結果が公開されていませんが前モデルが16時間1分に対してXperia 1Ⅵは17時間半とスコアで見れば圧倒しています。
少なくともAppleの発表によると前モデル対比で電池持ちが改善していることが明らかになっており現時点でトップクラスの電池持ちを誇るXperia 1Ⅵを超えることが出来るのか気になるところです。
充電速度に関してXperia 1Ⅵは充電開始30分で50%でフル充電に要した時間は90分です。こちらもテスト結果待ちですがスペックでみると有線もワイヤレスもiPhone 16 Pro Maxが速いですがあとはAppleがバッテリーケアのために充電速度をどこまで調整しているか次第です。
その他を比較。
その他IP68は共通ですがXperia 1Ⅵはイヤホンジャックを搭載しているのがアドバンテージだと思います。生体認証に関してXperia 1Ⅵは指紋認証のみでiPhone 16 Pro Maxは顔認証のみと真逆です。
少なくともセキュリティを考えると3D顔認証に対応しているiPhone 16 Pro Maxが優秀です。そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたがiPhone 16 Pro Maxの方が音量が大きい一方でステレオ感がかなり強めの印象を受けます。
一方でXperia 1Ⅵはサラウンド感が強めとなっており再生方法によって印象も変わります。iPhone 16 Pro Maxは多人数で聴く際には分かりやすいスピーカーでXperia 1Ⅵは多人数というよりは一人でスマホ本体を正面において聴くことに最適化している印象です。
そのため楽しみ方が違う感じでXperia 1Ⅵの方が趣向性が強いように感じます。
カメラを確認。
最後にカメラを確認してきたいと思いますが両機種ともカメラ専用ボタンを搭載しています。Xperia 1Ⅵのカメラキーは一眼レフのような撮り心地を意識したもので撮影機能しかないです。
一方でiPhone 16 Pro Maxのカメラコントロールはズーム含めた各種調整が可能になっており搭載している目的が違うので何ともですがカメラコントロールの方が汎用性が高いと思います。
ただカメラキーのように半押しでのフォーカスが出来ないのは個人的にちょっと微妙です。
またカメラコントロールの搭載位置が自分の手かつiPhone 16 Pro Maxでみた場合に縦持ちだと低すぎて横持ちだと内側すぎてXperiaのような横持ち前提じゃないから中途半端に感じてしまいます。
またカメラコントロールは画面オフの状態だとカメラを起動出来ないのも地味に不便なのでXperiaのカメラキーに慣れている人ほどカメラコントロールは違和感が強いかもしれません。
ハードで見るとiPhone 16 Pro Maxの方がセンサーサイズは全体的に大きめです。Xperia 1Ⅵの望遠はちょっと異質で光学ズーム範囲が他機種と比較すると範囲が広めです。
とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはiPhone 16 Pro Max/Xperia 1Ⅵの順番になっているので予めご了承下さい。
意外にもXperia 1Ⅵの方が明るく補正されている印象を受けます。
広角で撮影。
Xperia 1Ⅵの方が明るく補正されていることも影響しているのか、ぱっと見白飛びしてように見えるかもしれません。
接写してみましたがXperia 1Ⅵの方が明らかに寄れる上に色味も安定している印象を受けます。
全体的にXperia 1Ⅵの方が色味はより忠実という印象を受けます。
ポートレートで撮影。
次にポートレートで撮影してみましたがXperia 1Ⅵの方が被写体に寄れないです。
被写体が少しでも大きくなるとiPhone 16 Pro Maxよりは寄りやすい印象を受けます。
次に2倍で撮影してみました。
iPhone 16 Pro Maxはフォーカス精度が甘い時が多く背景のボケ感もデフォルトだと弱いことが多いです。だからと言って強めにするとフォーカス精度がさらに厳しくなるので調整が非常に難しいです。
次に光学となるようにiPhone 16 Pro Maxは5倍でXperia 1Ⅵは3.5倍で撮影しています。
正直この倍率になると両機種とも複雑な被写体は撮影するのが難しい感じです。
望遠で撮影。
まずは1倍で撮影してみました。
次に2倍で撮影してみました。
次に両機種とも光学となる5倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵは僅かに白飛びしている印象を受けます。
次に10倍で撮影してみました。
そして15倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵはノイズがひどいです。
最後に20倍で撮影してみましたがiPhone 16 Pro Maxの方がまだマシという印象です。
ズームで接写。
まずは2倍で撮影してみました。
そして光学となる5倍で撮影してみました。
最後に10倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵの方が白飛びしかけておりノイズも多いという印象を受けます。
マクロで撮影。
Xperia 1Ⅵは被写体に寄りにくい上にフォーカスも甘いです。
なので一般的な「マクロ撮影」という感じよりは、あとちょっと寄って撮影したい時に使うのが分かりやすいです。
被写体に寄りますが個人的には「テレマクロ」を使った方が撮影するのが楽な時もあるくらいです。
広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかでサンプルを撮影してきました。ちなみに両機種ともナイトモードは自動でトリガーされる仕様となっています。
やはりXperia 1Ⅵの方が白飛びがしやすくフレアやゴーストも発生しやすい印象です。
広角(低照度)で撮影。
Xperia 1Ⅵの方が手ブレが発生しやすい印象を受けます。
全体的にiPhone 16 Pro Maxの方が明るく補正されている印象を受けます。
強い光源があるシーンだとXperia 1Ⅵはかなり厳しいです。
望遠(低照度)で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
次に3倍で撮影してみました。
最後に5倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵは低照度の公園だとかなり厳しめです。
まとめ。
今回はXperia 1ⅥとiPhone 16 Pro Maxの比較レビューを主観的にまとめてみました。良くも悪くもXperia 1Ⅵで一般化したことでiPhone 16 Pro Maxに対抗できるようになった印象を受けます。
一方でXperiaが今まで歩んできた道をiPhone 16 Proシリーズではより追従してきた感じに見えます。Xperiaの時はスマホなんかで映画なんて撮らないと批判だらけだったのがiPhoneでシネマライクが強化されるとすごいと絶賛の嵐になるのは正直よく分からない感じです。
何よりXperiaユーザーからすればiPhone 16 Pro Maxの進化は新鮮味を感じないかもです。そしてどちらがおすすめかとなればiPhone 16 Pro Maxを買った方が使いやすいと思います。
一方でオーディオ性能など拘りがあるのであればXperia 1Ⅵを選んだ方がいいと思います。あとはApple製品のエコシステムにどれだけ依存しているかでも印象が変わるかなと思います。