戦略がドンピシャ。Xperia 10Ⅶがここまで売れた理由は「あれ」

上半期に正式発表されたXperia 1Ⅶでは残念なことに深刻な不具合である文鎮化が発生しました。昨年からいい流れがきていたからこそXperia 1Ⅶの不具合で流れが完全に遮断されると思いきや下半期に正式発表されたXperia 10Ⅶが想定以上に売れている印象を受けます。

今回SonyがXperia 10Ⅶについて国内大手サイトにインタビューに応えているのでまとめたいと思います。

在庫がいまだに不安定。

Xperia 10Ⅶが国内で発売されて約2ヶ月が経過しようとしていますがSony Storeにおける在庫状況はいまだ安定しておらず歴代Xperia 10シリーズと比較しても異常事態に感じます。

また毎年Xperia 10シリーズの開封レビューを公開していますがXperia 10Ⅶに関しては9万回近く再生されており歴代の2倍以上の再生数と注目度が高いことに違いはないと思います。

今回国内の大手サイトがSonyに対してインタビューを行なっており内情を少し知ることが出来ました。

より積極的に購入したユーザーが増えた。

まず市場の動向が歴代Xperia 10シリーズと比較しても大きな変化があるとしています。従来Xperia 10シリーズを購入したユーザーの7割は電池持ちが悪くなってきたとか動作性が悪くなってきたとか買い替えるしかないと受動的な理由で購入している層が圧倒的に多かったとしています。

一方でXperia 10Ⅶに関してはこの機種に興味を持ったと能動的な理由で購入したユーザーが全体の5割と歴代の3割から着実に改善しておりXperia 10Ⅶが魅力に感じた可能性が高いと思います。

また従来のXperia 10シリーズは歴代Xperia AceシリーズやXperia 10シリーズからの買い替えの層がメインだったのがXperia 10ⅦではXperia 5シリーズやXperia Xシリーズとハイエンドモデルを使っていたユーザーが買い替えの対象に選んでくれるようになったことに言及しています。

つまり価格の面からも妥協で選ぶのではなく単純に欲しいと思ってもらえる機種に仕上げられたことになります。

ターゲット層の拡大。

またXperia 10Ⅶを開発する上でSonyはターゲット層をより広げることも意識したとの話です。Xperia 10シリーズは安心して買って頂くことに加え安心して使って頂くことがテーマとしています。

だからこそ日常使いにフォーカスしておりSnapdragon 6 Gen 3を採用することでパフォーマンスを担保しつつアプリの肥大化が進んでいるからこそRAMを8GBに強化したとしています。

またディスプレイの見やすやにも直結する部分として120Hzに対応したことで残像をより低減しています。たかが残像と思うかもしれませんが低減されるだけで眼精疲労にも地味に違いが発生すると思います。

少なくとも120Hzに慣れている人間からすれば60Hzの機種を使うと目が疲れて仕方ないです。

また安心して長く使ってもらえるように最大4年はへたりにくいバッテリーを搭載した上にアップデートサポートを最大6年に対応するなどライトユーザーが求めることをさらに強化しています。

さらにディスプレイやスピーカーやカメラの進化によってオーディオビジュアルや撮影を楽しみたいと思うユーザーもターゲットにすることで今まで以上に興味を持ってもらえた可能性があります。

現に直販版を購入するのはオタクが中心になりますがSony Storeで在庫が非常に不安定な状態です。つまり今までXperia 10シリーズに興味を持つことがなかったオタクもしくはオタク寄りの人も興味を持ったと判断することできSonyの戦略は上手くハマったと考えることが出来ます。

初動は好調。

そしてXperia 10Ⅶは実際に売れているのかという質問に対して売れていると回答しています。インタビュー時点では約1ヶ月分のデータしかなかったみたいですがSonyの想定を超えて売れているとしており初動に関しては極めて好調と今までのXperia 10シリーズはほぼなかった動きなのかなと思います。

またキャリアショップでも入荷すれば品切れの繰り返しになっていることにも言及しています。ではなぜ売れているのか気になるところですが一つはターゲット層をより広げたことだと思います。

そして2つ目としてはデータからもデザインが強く支持されていることが判明したとしています。

デザインが高評価。

日常においての使い勝手の良さにも直結する部分でXperia 10ⅦはXperia 10シリーズの良さである軽さ/持ちやすさ/片手での操作のしやすさを意識して踏襲しているとの話です。

エントリーモデルなら話が変わってくると思いますが最近のミドルレンジモデルは大型化傾向です。理由としてはコストカットで筐体サイズが小さくなればなるほど開発コストは嵩みやすいです。

正直アスペクト比が21:9から19.5:9に変更されたことで前モデルよりは持ちにくくなったと思います。ただ今までが異常なほど持ちやすかっただけでXperia 10Ⅶでも取り回しの良さは健在です。

ちなみに大きく変更されたカメラデザインですがSonyとしてはライフスタイルになじむシンプルなでデザインをさらに進化させたとしており造形としてはすごくパキッとした直線と直線が連なるようなデザインの採用とSonyもかなり拘りを持った上でデザインを変更したことになります。

シンプルさを強調するためにカメラバンプを目立たせないようにバックパネルとなだらかになるように処理しています。また本体を横向きに持った際にカメラ横に指がおけるようにスペースを設けたと指摘しています。

カメラの強化。

またカメラに関しては暗いところで上手く撮影出来ないとか上手く撮れたつもりが失敗していたとの声も多いことからもXperia 10Ⅶではメインカメラセンサーを大型化しています。

さらに新たに搭載された即撮りボタンに関してそのまんまですが撮りたい瞬間を逃さないようにするために採用したとしています。例えば写真を撮りたいと思った時にバックやボケットから直感的にボタンを押してカメラを起動させられるように意識したとしており縦向きのまま撮る人が多いからこそ配置にも配慮しています。

アスペクト比の変更。

そしてアスペクト比を19.5:9に変更した理由としてはXperia 1Ⅵから変更された時と同じだとしています。SNSによる縦動画の普及などスマホを縦向きのまま動画を見るニーズが多くなったことから本体横幅を広げることでコンテンツの視認性を最大化するためにアスペクト比を変更したとしています。

ただSonyとしては21:9から変更することはかなり慎重に様子見をしていたみたいです。

ライトユーザー向けだからこそ。

一方でオタクからすればXperia 10Ⅶの不満点としてSoCとストレージ容量だと思います。SoCに関してはライトユーザーの日常使いを優先していることを考えれば無難な選択肢です。

自分のようなオタクからすればスペック上の箔が欲しいと思っちゃいますが結局中途半端にSoCを強化して本体価格が高くなってしまうと誰も幸せにならないのかなとも思っています。

ターゲット層が明確だからこそSnapdragon 6シリーズを割り切って搭載していると思います。

ベースモデルと拡張性。

そしてストレージに関してSonyのデータによると128GBモデルで十分との話みたいです。他の市場は不明ですが国内市場は昔から一環してベースモデルが一番売れるのは変わらないです。

フラッグシップの一部機種はベースモデルで256GBからとなっていますが多くのユーザーは256GBが必要との判断ではなく単純に最も容量が少ないモデルでも事足りると判断している可能性が高いです。

ただアプリ容量が肥大化していることからも今後の状況次第で強化する可能性があるとの話です。ストレージオプションを用意すればより多くのユーザーにリーチすることが可能だと思います。

ただそれでも128GBモデルしか用意しなかったということはコストに見合っていない可能性があります。またXperiaの場合はSDカードスロットを搭載しているため一部データを逃すことも出来ます。

どっちにしろ128GBのままでは現実的ではないですがストレージオプションを増やすよりもUFS4.0などストレージ規格を強化した方がアプリの起動速度の改善など恩恵が大きい可能性があります。

コンセプトの一貫性は重要。

もちろんオタクからすれば物足りない部分はたくさんありますがこれでいい感はかなり強めです。ようやくXperia 10シリーズからおすすめしやすい機種が出てきてくれたなという印象です。

一方でXperia 10Ⅶでこれだけ調子がいいと来年の後継機種のプレッシャーはデカいと思います。特にRAMやストレージのコストは来年からバカみたく増加すると言われており最新機種を出すだけでも値上がり要因が強めとも言われているので価格に関してはちょっと心配です。

やはりミドルレンジモデルであることを考えるとこれ以上の値上げは厳しいのかなと思います。

一方でSonyは日常使いを主軸にユーザーからどんなに批判されてもコンセプトを貫いたからこそXperia 10Ⅶを開発することが出来たと思っておりやはりブレないことが一番重要に感じます。

結局ネットでの声は自分のようなオタクなど全体の2割に含まれるユーザーのものが多いと思います。つまり声が大きく聞こえるだけで実際には少数派の声なので信念を貫くのが一番だと思います。

まとめ。

今回はXperia 10Ⅶが売れている理由について少し見えてきたので簡単にまとめてみました。個人的にはXperiaが好きだからこそここ数年のXperiaの売れ行きの調子がいいのは嬉しいところです。

来年はどのような機種を出してくるのか不明ですが今から楽しみであることに違いはないです。

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