6月に発売されたXperia 1Ⅶは残念なことに一部個体で文鎮化問題が発生して販売が一時停止になりました。ただようやく先日には一部モデルの販売がSony Storeにおいて再開と販売停止期間がかなり長ったように感じます。
今回SonyがXperia 10Ⅶを正式発表したのでスペックやデザインについてざっくりとまとめたいと思います。
デザインを確認。
まず大きな特徴ともなっているデザインから確認していきたいと思いますが印象が全然違います。本体上部にはイヤホンジャックにマイクを搭載しており本体左側面はSIMトレイを確認出来ます。
そして本体右側面は音量ボタンに指紋認証が統合された電源ボタンとお馴染みの配置です。最後に本体下部を確認するとUSB-Cにマイクとスピーカーグリルがない分スッキリしています。
そしてサイドフレームはフラット形状となっていますが前モデル対比でエッジが効いている印象を受けます。
次に本体背面を確認するとフラット形状となっていますがサイドフレームと同様にプラスチックを採用しておりマット仕上げを採用していることからもまだ安っぽくは見えないです。
また従来は垂直型のカメラデザインでしたがXperia 10Ⅶでは並列型に刷新されています。さらにカメラフレーム部分もデザインのバランスをとるためか本体端ギリギリまで拡張されました。
その結果カメラフレーム部分に余白が発生しますがLEDフラッシュに加えSonyのロゴを刻印しています。
本体のカラバリはホワイト/ブラック/ターコイズと前モデルと比較すると落ち着いた色味です。ただ明るいと言えるカラバリがホワイトしかないのでホワイトに人気が集中する可能性があります。
Xperia 10Ⅵと比較。
そして前モデルと比較すると縦幅が僅かにスリム化された上で横幅がかなり増しています。これはXperia 1Ⅵの時と一緒でディスプレイのアスペクト比を19.5:9に変更したことが原因だと思います。
なので前モデル対比で単純に片手操作のしやすという部分ではかなり悪化した可能性があります。とはいえ他社の標準モデルと比較しても同程度でミドルレンジクラスでこのサイズ感はあまりないので出来るだけコンパクトかつ安い機種が欲しい人には魅力的な選択肢になるかもしれません。
そして本体の重さは168gと前モデル4g増量しましたが持ちにくくなった分体感は変わらないかもしれません。
プラスチックを採用したことで本体が重くなることを出来るだけ避けつつ耐久性も担保した感じに見えます。また従来通りIP68を継続採用しておりディスプレイはGorilla Glass Victus 2を採用しています。
デザインは今まで以上に好みが出るデザインで何よりアスペクト比21:9が完全に消滅しました。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認していくとアスペクト比の変更が大きな特徴なのかなと思います。インチ表示で見れば前モデルと同じ6.1インチですがアスペクト比の変更で視認性が改善していると思います。
リフレッシュレートを強化。
ちなみに表示解像度はFHD+と同じですがXperia 10シリーズで初めて120Hz表示に対応しました。ただ上位モデルのように1Hzからの可変式120Hzではなく60/120の2段階での切り替えになります。
ちなみに海外サイトによると開発者オプションからゲームにおける60Hzの制限をオフに出来るオプションがあるとしています。そのためほとんどのゲームを最大120Hzで楽しめるとしていますが消費電力も増加します。
あとはChromeやYouTubeなどGoogle純正アプリを中心に60Hzへの自動切り替えが可能と最適化されているとしています。ただ多くのアプリでは最適化されておらず120Hzで表示することが多いと指摘しています。
つまりリフレッシュレートが強化されたことで消費電力が大幅に増加した可能性があります。
輝度はほぼ変わらず。
そしてディスプレイの視認性に影響する部分としてディスプレイ輝度で海外サイトを参考にすると自動調節で1064nitsで前モデルの1010nitsよりは僅かに改善した感じです。
もちろん実際に使ってみないと分からないですがスコアでみればほとんど誤差のレベルです。何よりディスプレイにおいてはリフレッシュレートよりもアスペクト比の変更の影響の方が大きいのかなと思います。
実際に比較してみる必要がありますがコンテンツの見え方が地味に変わってくると思います。
基礎スペックを確認。
そして基礎スペックを確認するとAndroid15を標準搭載しているのは当たり前だと思います。一方でメジャーアップデートが4回にセキュリティアップデートが6年と大幅に強化されました。
これはXperia 1Ⅶと同じサポート期間なのでSonyもかなり気合いを入れたのかなと思います。
AIは物足りない。
そしてソフト面に関しては動画を簡単に編集できるVideo Creatorが新たに搭載されました。一方でAIに関しては消極的でかこって検索に対応しただけでまだマシなのかもしれません。
少なくとも他社の同価格帯の機種と比較するとAIは大幅に遅れている印象を受けます。また一応ゲームエンハンサーに対応していますがHSパワーコントロールなど最低限の印象です。
容量構成を確認。
次に容量構成に関してはほとんどの地域ではRAM8/ROM128GBの一択の可能性があります。国内でみればXperia 10シリーズで初めてRAM8GBに対応したことで他社にようやく追いついた感じです。
一方でSDカードスロットは健在で最大2TBのSDカードに対応したので地味に強化されました。そして注目されていたSoCですがSnapdragon 6 Gen 3の採用で大幅な進化にはなりませんでした。
搭載SoCは残念。
ちなみにSnapdragon 6 Gen 1と比較するとアーキテクチャやSamsungの4nmプロセスノードなどは一緒です。ただ全体的にクロック数を上げたことで処理性能が10%程度改善していると言われています。
ちなみにAnTuTuでみると前モデルが55万点前後に対してXperia 10Ⅶは60万点前後と誤差です。リフレッシュレートが120Hz表示に対応したことで動作性はかなり快適になる可能性があります。
ただそれなりに負荷をかけた時はほぼ変わらずでリフレッシュレートも制限される可能性があります。ちなみに海外サイトによると3D Mark Wild Life Stress Testにおいて安定率が80.3%とパフォーマンスの持続性はそこまで悪くないです。
何より従来通りゲームパフォーマンスなどを求めて購入する機種ではないことは明白です。
バッテリー関連を確認。
そしてバッテリー容量は前モデルと同じで5000mAhとなっており海外サイトのテスト結果を参考にすると12時間57分で前モデルの13時間56分と比較すると大幅に悪化しています。
Xperia 10Ⅴが16時間14分であったことを考えると世代を重ねるごとにどんどん悪化しています。もちろん同サイトのテスト項目でみればの話になりますがミドルレンジにしては良くないです。
また充電速度に関して充電開始30分で40%でフル充電に要した時間は1時間47分です。ちなみに前モデルは充電開始30分で36%でフル充電に1時間53分とトータルでみればほぼ一緒です。
一方で仕方ないのかもしれませんがフラッグシップモデルのようにワイヤレス充電には対応していないです。
スピーカーを強化。
そして生体認証は電源ボタンに統合された指紋認証のみで顔認証は相変わらず非対応です。またスピーカーはデュアルフロントスピーカーを継続していますがフルエンクロージャー構造を採用しました。
そのため前モデル対比でより立体的かつ臨場感があるとしていますが試してみないと不明です。何よりデュアルフロントスピーカーを搭載しているため上下ベゼルが太いのは仕方ないです。
ただ左右のベゼルも相変わらず太いままなのでフロント部分でみると古臭く感じる可能性もあります。
カメラを確認。
最後にカメラですがデュアルレンズカメラ構成というのは前モデルから変更はありません。ただカメラセンサーは変更されておりメインカメラは1/1.56インチのIMX766を採用しています。
また前モデルは1/2.0インチのセンサーをクロップして光学2倍相当としていたのでズーム画質も改善したかもしれません。
そして超広角に関しては前モデルと同様Sony製のセンサーを採用していないのは残念です。何より超広角はオートフォーカスに対応していないのでマクロ撮影などにも非対応です。
写真や動画は実際に使ってみないと分からないですが新たにXperia 10シリーズで初めてシャッターボタンを搭載しており長押しでカメラを起動して即時に撮れるようにしたとの話です。
ただXperia 1シリーズのように本体横持ちで使うことを前提にしておらず半押によるフォーカス合わせなどもなく単純にポケットから手にとってすぐに撮ることは想定しています。
なのでシャッターボタンの搭載位置も本体を縦向きで持つことを想定した位置に搭載しています。ちなみに海外サイトによると設定で他の機能の割り当てなどは出来ないと用途は限定的です。
唯一あるのはスクリーンショットを撮りたい時にシャッターボタンが使える程度です。
価格と発売日。
最後に価格に関して執筆時点で発表されておらず発売日すら分からない状態です。ちなみにイギリスでは399ポンドでヨーロッパでは449ユーロと前モデルから据え置きです。
おそらく国内においても直販版であれば6万円前後で購入することが可能になるかなと思います。何より実用的なミドルレンジモデルであることに拘っている感じでデザインこそ変わりましたがそれ以外は大きな変化はなくこれこそが逆にSonyにとっての強い拘りになるのかなと思います。
一方でXperia 5シリーズの代わりになる存在でもなく逆に従来の延長線のままならなぜわざわざ下半期に発表時期をずらしたのか不明で正直特段サプライズがないように感じます。
むしろiPhoneが出るタイミングに重なっているので話題にすらならない可能性もあります。