いよいよ国内でも発売されたPixel 10シリーズですが今年はマイナーアップデートのターンなのかなと思います。だからこそかユーザビリティを重視した進化が中心となった一方で価格は据え置きと頑張った印象です。
今回はGoogle Pixel 10と提供して頂いたGoogle Pixel 10 Proの比較レビューを主観的にしたいと思います。
デザインを比較。
9月8日までであればGoogle Storeにおいてキャンペーンが開催されており単純に安いです。またPixel 10 Pro Fold以外の3機種に関しては実質4万9800円から購入可能と価格差がないです。
なので現時点でみればPixel 10 ProとPixel 10で悩むならPixel 10 Proを買った方がいいかなと思います。ただ全てのユーザーが最大条件で購入できる訳ではないので主な違いを比較したいと思います。
まずデザインにおいて筐体サイズに関しては全く一緒ですがPixel 10 Proの方が3g重いです。ただ取り回しの部分において筐体サイズが一緒だからこそほぼ一緒に感じ両機種とも軽くはないです。
なので重さの違いは正直気にする必要はないかなと思っており分かりやすい違いは質感です。
Pixel 10はサイドがマット仕上げでバックパネルが光沢仕上げに対してPixel 10 Proはサイドフレームが光沢仕上げでバックパネルがマット仕上げと好みが完全に分かれるところです。
自分は屋内においてケースを外す人間なので出来るだけ指紋が目立ちにくい方がいいです。そのためバックパネルがマット仕上げを採用しているPixel 10 Proの方が好きかなと思います。
一方でバックパネルは両機種ともフラット形状かつGorilla Glass Victus 2の採用と一緒です。カメラ部分の大きさもケースが兼用できることを考えると全く一緒だと判断することができます。
ただカメラフレーム部分に僅かな違いがありPixel 10 Proは温度測定センサーがあります。とはいえアメリカのように体温測定に使うことが出来ないので個人的には全く使っていないです。
調理をする時や哺乳瓶のミルクの温度を計測する時にはいいかもしれませんが自分は今の生活スタイルだと使わないです。なので主観ですが温度測定センサーを搭載していることは少なくとも現時点でメリットを感じられないです。
何よりケースも兼用できることからも充電コイルの搭載位置なども完全に一緒だと思います。結局のところデザインはほとんど一緒なので質感とカラバリで判断するのが分かりやすいです。
ディスプレイを比較。
そして次にディスプレイですがディスプレイサイズやアスペクト比にベゼル幅は一緒です。一方で分かりやすい違いの一つ目としては表示解像度でPixel 10 Proは2Kです。
そのため動画や写真などコンテンツをより高精細で楽しみたい人はPixel 10 Proがおすすめなのかなと思います。
コンテンツの表示を比較。
ちなみにYouTubeを再生してみると自分の目だPixel 10の方が分かりやすい色味に見えます。単純にPixel 10の方がよりシャープに見えチューニングが結構違うのかなという印象です。
またコンテンツの視認性にも影響してくる可能性があるのがリフレッシュレートだと思います。Pixel 10は60/120Hzの2択に対してPixel 10 Proは1Hzからの可変式120Hz表示に対応しています。
実際に触っている感じだと特段違いを感じませんが電力効率の差に繋がってくると思います。特に待機状態における消費電力はリフレッシュレートを抑制できるPixel 10 Proが優秀です。
また自分の目だと識別出来ませんがPixel 10 ProはPWM調光を強化するオプションが追加されています。電池持ちにどこまでの影響があるのか不明ですがディスプレイの明るさを調整する際にユーザーによってはディスプレイがチカチカしているようにみえPWM調光の強化で低減してくれます。
ただ今までのPixelのディスプレイでチカチカを感じたことがない場合は気にしなくていいです。
ディスプレイ輝度を比較。
そして2つ目としてはディスプレイ輝度でPixel 10 Proの方がピーク輝度が地味に高いです。現時点でPixel 10シリーズのディスプレイテストの結果が公開されていないのでPixel 9を参考にすると自動調節で2232nitsに対してPixel 9 Proは自動調節で2331nitsとほぼ一緒です。
なので今後テスト結果を待つ必要がありますがPixel 10とPixel 10 Proもほぼ同じかもしれません。
ちなみに屋内で比較してみると僅かにPixel 10 Proの方が明るいかなという印象です。そして屋外で比較した時も本当に僅かですがPixel 10 Proの方が明るいのかなという印象。
正直Pixel 10は自分が試した感じだとかなり明るめに強化された印象で前モデルと全然違います。
スペックでみるとしっかりと差がありますが実際に比較してみるとそこまでの差を感じないです。Proを冠することからも拘りがある人向けの機種とはいえ分かりにくい違いかなと思います。
今回比較した感じだとPixel 10が無印なのに強すぎるからこそややこしくなっている印象です。
基礎スペックを比較。
そして基礎スペックを確認していくとサポート期間や搭載OSなどに違いは特段ありません。強いて言うならPixel 10 Proシリーズはミリ波対応も頑張って欲しかったところかなと思います。
ちなみに国内は関係ないですがアメリカだとPixel 10 Pro Fold以外SIMスロットが廃止です。iPhone含めていずれ国内でもeSIM専用モデルが発売される流れになるのかもしれません。
あと注意点としてPixel 10はWi-Fi6Eに対してPixel 10 ProはWi-Fi7と差があります。
容量構成を比較。
容量構成に関してRAMに差がありますが両機種ともRAMの一部にAI Coreを常駐させています。海外サイトのテスト結果通りであれば3.5GB分ロックされておりAI以外で使えるRAMの容量は減ります。
またRAMにAI Coreを常駐させることでAIの応答速度や処理速度が速くなると言われています。実際に消しゴムマジックで比較してみましたがPixel 10 Proの方が僅かに処理速度が速いのかなと思います。
そしてストレージオプションに関してPixel 10 Proは前モデルにあった128GBモデルが廃止となっています。ただUFS4.0に共通化されているのでデータの読み出し/書き出し速度が大幅に改善します。
さらにアプリの応答速度などにも影響が出てくると思うのでバリバリ使う人ほど差を実感するかもしれません。
またPixel 10 Proの512GBモデルはZoned UFSに対応しておりざっくり言えばストレージの寿命が伸びることに加え処理速度がさらに改善するなどストレージオプションで地味に分かれると思います。
少なくともPixel 10 Proの方がストレージに関してはよりよい経験が出来るかなと思います。そして発熱とパフォーマンを調べるためにベンチマークを3回回して負荷をかけてみました。
発熱とパフォーマンスの持続性を比較。
ちなみにPixel 10はベイパーチャンバー非搭載ですがPixel 10 Proはしっかり搭載しています。だからこそかベンチマークスコアは同程度ありながらもPixel 10 Proの方が発熱を感じやすいです。
計測終了ごとに外部温度を計測してみたところPixel 10は32.3/33.4/34.5度に対してPixel 10 Proは33.2/34.7/36.1度と地味に発熱している感じで実際には数値以上の差を感じます。
Pixel 10 Pro方が簡単に熱くなる印象でPixel 10は逆にベンチマークだと全然発熱しないです。ベイパーチャンバーだけの問題なのか不明ですが発熱に関しては印象が全然違います。
またパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
ハードにおける放熱性はPixel 10 Proの方が優秀なはずですが持続性はPixel 10の方が優秀です。またPixel 10 Proは設定してから数日が経過していますがPixel 10は開封初日と条件も悪いです。
今後様子見が必要とはいえ今回テストした限りではPixel 10の方が安定している印象を受けます。
バッテリー関連を比較。
バッテリーに関してカメラセンサーの大きさの差が影響したのかPixel 10の方が容量が多いです。電池持ちに関してはPixel 10を試し切れていないので何ともですがPixel 9は海外サイトのバッテリーテストにおいて13時間6分でPixel 9 Proは13時間11分と僅かな差がありました。
Pixel 10 Proはここ短期間使ってきた感じだと前モデル対比で僅かな改善という印象です。Pixel 10の方が前モデル対比でみればバッテリーの増加率が上なので違ってくるかもしれません。
ただ同じ傾向であるならPixel 10も前モデル対比で僅かな改善程度でPixel 10 Proともほとんど一緒という感じになる可能性があり今後じっくりと試していきたいかなと思います。
何よりバッテリーの最適化のことを考えると最低でも1週間は使いたいところで評価が難しいところです。
そして充電速度は一緒となっておりバッテリー容量の差からもPixel 10の方が僅かに遅いかもしれません。ちなみにPixel 9 Proは充電開始30分で56%でフル充電に要した時間が1時間24分です。
おそらく両機種ともこれくらいの充電時間なのかという感じで両機種とも決して速くはないです。また両機種ともQi2に正規対応しているのでマグネット対応アクセサリーで遊べるのがいいです。
その他を比較。
生体認証に関してはクラス3に対応した顔認証に加えが超音波式画面内指紋センサーを搭載しています。またMade for Googleの認定フィルムであれば両機種とも最適化出来るのは共通です。
そして前モデル対比で両機種とも共通で強化されたのがスピーカーで音量50%でテストしました。Pixel 10 Proの方が音全体が引き締まっている印象で音質が地味に優秀な印象を受けます。
カメラを比較。
最後にカメラですがハードでみればPixel 9とPixel 9aを比較している感じでかなりの差があります。ただ両機種ともGoogle Tensor G5で独自ISPに対応したことでカメラソフト自体は底上げされています。
とはいえAI機能はやはりPixel 10 Proの方が充実している印象でズームエンハンスや動画ブーストなどは相変わらずPro専用機能のままです。またマニュアル撮影に関してもPixel 10で対応していないのはちょっと残念に感じてしまいます。
あとはセルフィーを多用する人は間違いなくPixel 10 Proを選んだ方がいいと思います。とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはPixel 10 Pro/Pixel 10の順番になっているので予めご了承下さい。
センサーの違いも影響しているのかPixel 10の方が色味がかなり派手です。
広角(低照度)で撮影。
Pixel 10 Proはフレアが発生しています。
接写をしてみましたがセンサーサイズの差か背景処理に違いがあります。
意外にもノイズなどに差はそこまで感じないですが、色味に関してはPixel 10の方が僅かに濃い印象を受けます。
ポートレートで撮影。
両機種とも従来のようにクロップされず1倍から撮影できるようになったのは大きいです。ちなみにPixel 10 Proシリーズは新機能として高解像ポートレートモードに対応しています。
Pixel 10の方が被写体に寄りやすい印象を受けます。
次に2倍で撮影してみました。
Pixel 10はフォーカス精度の甘さがちょっと目立つ上にノイズが増えた印象を受けます。
そして3倍で撮影してみました。
自分が下手なためフォーカスが安定していないです。
マクロで撮影。
そしてPixel 10 Proは超広角を利用したマクロモードに対応していますがPixel 10は非対応です。ただPixel 10は広角を利用したマクロフォーカスに対応しており使い勝手が地味に違います
今回のような被写体だとPixel 10 Proの方が被写体に圧倒的に寄りやすいです。
望遠で撮影。
まず両機種とも光学となる5倍で撮影してみました。
次に10倍で撮影してみましたがPixel 10の方が僅かにノイズが多い印象を受けます。
ただ意外にもPixel 10にとって最大となる20倍ではそこまで明確な差はありません。
ちなみにPixel 10 Proは30倍からAI超解像ズーム Proに対応しています。
ズームで接写。
まず2倍で撮影してみました。
僅かにPixel 10の方がノイズが多い印象を受けます。
次に3倍で撮影してみました。
意外といい勝負になっていることを確認することが出来ます。
そして両機種とも光学となる5倍で撮影してみました。
Pixel 10の方が僅かにノイズが多い印象を受けます。より高照度の環境だと色味に違いはあれどスペックの差ほど分かりやすい違いはないです。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードでサンプルを撮影してきました。
白飛びはそこまでの差がないですがPixel 10の方が明らかにノイズが多いです。
広角(低照度)で撮影。
広角になってもPixel 10の方がノイズが多い印象を受けます。
Pixel 10の方が僅かに手ブレがしやすい印象を受けます。
望遠(低照度)で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
3倍で撮影してみましたがPixel 10の方が明らかにノイズが多い印象です。
最後に5倍で撮影してみました。単純にハードの差は低照度の環境の方が分かりやすいかなと思います。
まとめ。
今回はPixel 10とPixel 10 Proについてざっくりと比較レビューをしてみました。Google Storeにおけるベースモデルでみれば価格差は4万6000円とかなりの価格差があります。
正直今回比較した限りだとこの価格差ほどスペックに違いがあるのか疑問に感じてしまいます。一方で同じ容量構成でみた場合になると3万1000円になってくるので絶妙な価格差だと思います。
結局Googleとしても悩ませるのが狙いの可能性があり仮に2年使う場合は月々1290円の差です。一括で購入する場合は地味に大きいですが分割購入で月々1200円程度の差しかないならPixel 10 Proを選んで今のPixelで出来ることを最大限楽しんだ方がいいように感じます。
とはいえ安定性を重視している人はPixel 10を選んだ方がマシなのかなと思います。
製品提供:Google Japan