一時期は為替に対して非常に安かったこともあり国内市場において一気にシェアを拡大した印象を受けます。一方でPixel 8シリーズの頃からは為替に対して比較的忠実という印象で今や他社とほぼ価格差はないです。
今回はGoogle Pixel 10 Pro XLとGalaxy S25 Ultraの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
デザインを比較。
完成度でみれば圧倒的にPixelよりGalaxyの方が高いですがPixelが気になるユーザーもそれなりに多い印象を受けます。まずデザインから確認していきたいと思いますが縦幅に関して意外にも一緒で横幅に差があります。
自分は手が大きくないので横幅が少しでもスリムな方が良くPixel 10 Pro XLの方が持ちやすいです。
本体の厚みの差は気になりませんがPixel 10 Pro XLの方が持ちやすい上に重いことからもずっしり感はかなり強めでPixel 10 Pro XLの重さはどうしてもユーザーを選ぶと思います。
一方でサイドフレームを両機種ともフラット形状ですがGalaxy S25 Ultraの方が角ばっています。その結果手へのフィット感という面ではだいぶ差がありPixel 10 Pro XLの方が手に馴染みやすい印象を受けます。
ただPixel 10 Pro XLはサイドフレームが光沢仕上げで指紋が目立ちやすいのがデメリットかと思います。
あとは耐久性にどこまで違いがあるのか不明ですがPixel 10 Pro XLはサイドフレームがアルミに対してGalaxy S25 Ultraはチタンなので落とした時の結果が変わってくるかもしれません。
そして両機種ともバックパネルはフラット形状かつGorilla Glass Victus 2の採用と同じです。カラバリは完全に好みで質感の部分でみると個人的にはGalaxy S25 Ultraの方が上に感じます。
ざっくり言えばPixel 10 Pro XLはポップに対してGalaxy S25 Ultraはクールという印象です。
また好みが分かれる部分としてカメラで垂直型を採用しているGalaxy S25 Ultrの方がスッキリしている印象を受けますがテーブルなどに置いた時に左右にかなりガタガタします。
一方でPixel 10 Pro XLは全くガタガタしないのでユーザーの使い方で評価が分かれそうです。
デザイン全体で見ればGalaxy S25 Ultraの方が質感が高く感じますがPixel 10 Pro XLの方が単純に持ちやすいのであとは重さを許容できるかどうかで選ぶのが分かりやすいかなと思います。
ディスプレイを確認。
そしてディスプレイを確認していくと筐体サイズの差以上にディスプレイサイズに違いを感じます。Pixel 10 Pro XLの方が四隅がかなり丸みを帯びている上にGalaxy S25 Ultraと比較すればベゼルが太い結果アスペクト比に違いがありGalaxy S25 Ultraの方がデカいです。
コンテンツの表示を比較。
とりあえずYouTubeを再生してみると自分の目だとGalaxy S25 Ultraの方が青みが強く見えます。ちなみに海外サイトの指摘通りであればPixel 10 Pro XLはSamsungのM14に対してGalaxy S25 Ultraは世代が古いM13を採用しているため発色に差があるのも納得できます。
ディスプレイ輝度を比較。
そしてコンテンツの見やすさにおいてもう一つ重要な要素となってくるのがディスプレイ輝度だと思います。海外サイトを参考にするとGalaxy S25 Ultraは自動調節で1417nitsとまずまずの記録だと思います。
一方で執筆時点でPixel 10 Pro XLのテスト結果は公開されていないので前モデルを参考にすると自動調節で2365nitsとPixel 10 Pro XLはそれ以上の可能性があります。
少なくともハードで見ればPixel 10 Pro XLの方が圧倒的に明るいディスプレイを搭載していることになります。
ちなみに実際に屋内で比較してみるとPixel 10 Pro XLの方が僅かに明るい印象を受けます。一方で晴れた日に屋外で比較した時はPixel 10 Pro XLの方が圧倒的に明るい印象です。
Galaxyはスペックの割には明るいと感じることが多いですがPixel 10 Pro XLが圧倒している感じになります。Galaxy S25 Ultraが暗いというよりはPixel 10 Pro XLがかなり明るいという感じです。
あと耐久性の部分としてGalaxy S25 UltraはGorilla Glass Armor 2を採用しています。具体的な違いは不明ですがCornigの発表をみる限りは耐久性がより優れていると思います。
また大きな特徴の一つとして反射率のカットでディスプレイ輝度が仮に低いとしてもディスプレイ自体が反射にくくなるので結果的にディスプレイの視認性は改善されると思います。
ただデメリットとしてはスクリーンプロテクターの選択肢がかなり限定的になってしまうことです。
Pixel 10 Pro XLは新機能として周囲の明るさに合わせてディスプレイの色味を調節するアダプティブトーンやPWM調光を強化しましたがGalaxy S25 Ultraと一緒です。
単純にコンテンツの見やすさという部分ではGalaxy S25 Ultraの方がデカくて分かりやすいです。ただ屋外で使うことが多い人はPixel 10 Pro XLを選んでおいた方が間違いないと思います。
基礎スペックを比較。
次に基礎スペックを確認していきたいと思いますがアップデートサポート期間は一緒です。Pixel 10 Pro XLはMaterial 3 Expressiveを標準搭載したことで今まで以上に幅が出た印象を受けます。
ただGalaxy S25 Ultraに関して課金をすれば様々なテーマに変更した上でカスタマイズが可能です。やはり拡張性というAndroidの大きな特徴を最大限活かしているのはOneUUIなのかなと思います。
あと設定に関して真逆の立ち位置だと思っておりGoogleは自動化を進めている印象を受けます。一方でSamsungに関してはカスタマイズをより強化している印象で好みがはっきり分かれます。
そして通信関連に関してGalaxy S25 Ultraはミリ波対応モデルがあるのは嬉しいところです。
容量構成を比較。
次に容量構成に関してRAMでみればPixel 10 Pro XLの方が多いですが注意点もあります。前モデルと同様であればRAM3GB分をロックした上でAI Coreを常駐させている可能性があります。
ちなみにメリットとしてはAIの起動や処理速度が改善しますがデメリットはRAMの容量が減ることです。
とりあえずオフライン処理で出来る消しゴムマジックで動作性を確認してみました。UIが違うため全然違うタイミングでの処理になりますがPixel 10 Pro XLの方がのんびりしている印象を受けます。
一方でかこって検索を利用している時など検索結果を表示するまではPixel 10 Pro XLが速い印象を受けます。
似ているようで似ていないAI
基本SamsungとGoogleはAIを共同開発している部分が多いので機能はかなり似ています。例えばGemini Live+カメラでおすすめのコーデをGeminiに選んでもらえる機能とかGalaxyの方が実装するのは早かったですがPixelも結局アップデートで同様に対応しています。
一方で個人的に現状一番の違いを感じる部分としてはPixelのマジックサジェスト機能です。例えば飛行機を予約しているユーザーがある用件で航空会社に電話をした場合にAIが電話番号を識別した上でGmailからチケット情報やフライトの時間や座席など自動的に表示してくれます。
Googleによると先回り提案としておりAIがユーザーの行動に基づいてアドバイスする機能です。何かするためにAIを使うという流れから何かする時にAIが自動で補助をしてくれると今までと全く違う流れとなっており個人的にマジックサジェストは割と革命的なAIなのかなと思います。
そしてストレージオプションに関してPixel 10 Pro XLは512GBモデルでさえカラバリが制限されています。一方でGalaxy S25 Ultraは1TBモデルまであることに加えカラバリの制限がないのは魅力です。
ちなみに両機種ともUFS4.0に対応した上でSDカードスロット非搭載というのも共通です。次に発熱とパフォーマンスの持続性を調べるためにベンチマークを3回連続で回してみました。
パフォーマンスの持続性と発熱を比較。
スコアに関しては雲泥の差という感じですが室温が高いせいかGalaxy S25 Ultraも伸びきれずという印象です。計測終了ごとに外部温度を計測したところGalaxy S25 Ultraは41.5/45.1/45.4度でPixel 10 Pro XLは35.0/36.5/36.3度と持った時の発熱の印象が正直全く違います。
両機種ともベイパーチャンバーを搭載しているため外部温度が高くなりやすいとはいえPixel 10 Pro XLは開封初日に計測してこの程度しか発熱しないのはちょっと恐ろしく感じます。
そして持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
安定率でみればPixel 10 Pro XLの方が高いですがスコアに関してはかなり低いです。少なくとも日常使いにおいてはPixel 10 Pro XLの方が安定している印象を受けます。
一方で負荷の高いゲームをやりたい場合はGalaxy S25 Ultraを選んでおいた方がいいです。
バッテリー関連を比較。
そしてバッテリー関連に関してバッテリー容量はPixel 10 Pro XLの方が僅かに多いですがここ数日使ってきた感じだとGalaxy S25 Ultraの方が電池持ちがいいのかなと思います。
これは今後じっくり使っていかないと分からない部分で最適化が終了してから様子見をしたいところです。また充電速度に関してGalaxy S25 Ultraは充電開始30分で72%でフル充電は59分です。
一方でPixel 10 Pro XLは充電開始30分で57%でフル充電に要した時間は1時間33分です。Pixel 10 Pro XLはバッテリーへの負荷を考慮したのか充電速度がかなり遅くなった感じです。
QI2への正規対応。
一方でワイヤレス充電に関してざっくりいえば両機種ともQi2に対応していますがPixel 10 Pro XLは本体にマグネットを内蔵した上で最大25Wの充電が可能となっています。
ケースを使えばGalaxy S25 UltraもQi2 Ready対応機種扱いになりますがマグネットに対応したアクセサリーを使う場合カメラデザインの違いからも相性が出るので注意が必要です。
Galaxy S25 Ultraは垂直型のカメラデザインだからこそアクセサリーによっては干渉します。
その他を比較。
その他生体認証に関してPixel 10 Pro XLはクラス3に対応した顔認証に対応で大きな差です。実質3D顔認証と同程度のセキュリティが担保されていることになるのでよりユーザーはより安心できるのかなと思います。
また両機種とも超音波式画面内指紋センサーで採用しているセンサーも全く一緒のはずです。ただGalaxy S25 UltraはOSの最適化が不十分なのかちょっと反応が悪い時があります。
一方でPixel 10 Pro XLはガラスフィルムを好むユーザーに嬉しい機能として最適化機能が追加されておりMade for Google対応フィルムであれば指紋認証をソフトレベルで最適化してくれます。
次に音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみました。音のバランス的にはGalaxy S25 Ultraの方が優秀に感じますが高音にばらつきを感じます。一方でPixel 10 Pro XLは今回の比較だと音の深みがまだまだ物足りないのかなと思います。
カメラを比較。
最後にカメラに関してメインカメラセンサーは両機種ともSamsungの1/1.3インチのセンサーを搭載していますが超広角と望遠に関してはGalaxy S25 Ultraの方が僅かに大きいです。
カメラ関連のAI機能でみると消しゴム機能や音声消しゴムなどGalaxyは後から追加されたことで自動識別してくれるようになっていることからGalaxyの方が分かりやすいかなと思います。
また音声消しゴムでみればPixelの音声消しゴムマジックのような2分縛りがないのも嬉しいです。一方でカメラコーチやオートベストテイクなど単純に機能としてPixel 10 Pro XLの方が充実しており動画ブーストで動画は最強クラスです。
とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはGalaxy S25 Ultra/Pixel 10 Pro XLの順番になっているので予めご了承下さい。
ちょっと雲が多い日だったということもありますがPixel 10 Pro XLの方が黒潰れしにくい印象を受けます。
広角で撮影。
Pixel 10シリーズから現実寄りの色味になったことからもGalaxy S25 Ultraとの色味の違いは好みが出ると思います。
次に接写してみましたがGalaxy S25 Ultraの方がフォーカスは甘くなりがちです。
Pixel 10 Pro XLの方が僅かに明るく補正されていることを確認することが出来ます。
ポートレートで撮影。
ようやくPixel 10シリーズからポートレートの最低倍率が1倍になったのは嬉しいところです。
フォーカスの問題なのかPixel 10 Pro XLの方が背景処理は強めの印象を受けます
次に2倍で撮影してみました。
Pixel 10 Pro XLの方が最短撮影距離はちょっと掴みにくいです。
そしてPixel 10 Pro XLにとって最大となる3倍で撮影してみました。
倍率が上がれば上がるほど背景処理に差がでる印象を受けます。
マクロモードで撮影。
両機種とも超広角を利用したマクロモードに対応しています。
単純にマクロモードであればGalaxy S25 Ultraの方が被写体に寄りやすい印象を受けます。
望遠で撮影。
まず両機種にとって光学となる5倍で撮影してみました。
次に10倍で撮影してみましたがPixel 10 Pro XLの方が僅かにノイズが多い印象を受けます。
20倍で撮影してみましたがGalaxy S25 Ultraの方がよりシャープな印象を受けます。
30倍になるとPixel 10 Pro XLは「超解像ズーム Pro」に切り替わります。ちなみにAIを使って望遠画質を補正しているのは両機種とも共通です。
明らかにPixel 10 Pro XLの方が綺麗に補正されていることを確認出来ます。
ちなみに両機種ともAIによってズーム性能を強化していることに違いはありません。
AIによるズーム補正。
とりあえず30倍で中距離撮影をしてみました。
超解像ズーム Proの弱点としては文字化けをすることがあることです、上記のサンプルもちょっとおかしいです。
「SEIKO」のロゴがPixel 10 Pro XLだと文字化けをしています。
ただ文字がなくなるとGalaxy S25 Ultraよりはまだ仕上がりがいいのかなと思います。
ズームで接写。
次に両機種とも光学となる5倍で接写してみました。
Pixel 10 Pro XLの方がノイズが多い印象を受けます。
そして10倍で撮影してみました。
10倍になるとPixel 10 Pro XLの方が明らかにノイズが少ない印象を受けます。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードでサンプルを撮影してきました。
やはりPixel 10 Pro XLの方が白飛びがしやすい印象を受けます。
広角(低照度)で撮影。
一方で広角になるとPixel 10 Pro XLも白飛びがかなり抑制されています。
Galaxy S25 Ultraに関してはちょっと手ブレが発生したみたいです。
望遠(低照度)で撮影。
まず2倍で撮影してみました。
次にGalaxy S25 Ultraにとって光学となる3倍で撮影してみました。
そして両機種とも光学となる5倍で撮影してみました。
望遠に関してはGalaxy S25 Ultraの方が安定している印象を受けます。
まとめ。
今回はざっくりとPixel 10 Pro XLとGalaxy S25 Ultraを比較してみました。直販版に関してGalaxy S25 Ultraは19万9800円に対してPixel 10 Pro XLは19万2900円と高いです。
ただキャンペーン期間含めてPixel 10 Pro XLの方が圧倒的に安く購入できる機会が多いです。なので定価でみれば価格差がほぼなくても実質価格でみると全然違ってくるのかなと思います。
自分はカスタマイズ性に興味がないのでPixelで十分という印象で何よりマジックサジェストが便利でこれだけでもPixel 10 Pro XLを選ぶ価値はかなり高いかなと思っています。
またポートレートの撮りやすさからもカメラにおいてもPixel 10 Pro XLの方が好きです。ただGoogleはどこでやらかしているか分からないのでGalaxyの方がある意味安心安全かもしれません。