見た目だけで判断するな。Pixel 10はどう進化しているのかまとめてみた

まもなくGoogleはPixel 10シリーズを正式発表予定となっており国内でシェアが高いメーカーから最新機種が発表されることで市場がかなり活気付く可能性があるのかなと思います。

一方でリークしているデザインをみる限りそこまで進化しているようには見えないです。今回はGoogle Pixel 10シリーズの進化ポイントをリーク情報を元にざっくりとまとめたいと思います。

ディスプレイはどう変わるのか。

まずディスプレイから確認していくとPWM調光がPixel 10 Proシリーズで強化される可能性があります。PWM調光はすごくざっくりいえばディスプレイの明るさを調整する方式の一つで人間の目では分からないスピードでオン/オフを繰り返してシーンにあった明るさに調整している感じになります。

ただ過敏な人にとっては明るさを調整する時に発生するオン/オフの切り替えでディスプレイがチカチカしているように見えるため中華系を中心にこのオン/オフのスピードをより速くしています。

そしてPixel 10 Proシリーズは現行モデル対比で2倍となる480HzのPWM調光に対応するとの予測です。自分は認識出来ないため改善されたとしても実感出来ないと思いますが人によっては嬉しい進化なのかなと思います。

PWM調光
Pixel 10 240Hz
Pixel 10 Pro 480Hz
Pixel 10 Pro XL 480Hz
Pixel 10 Pro Fold 240Hz

ただ強化されるとはいえスペックでみればGalaxyやiPhoneのフラッグシップモデルと一緒です。なので今まで他社に遅れをとっていたのが追いつく感じですが中華系対比では大きく劣ります。

ディスプレイ輝度の進化。

またもう一つの進化ポイントとしてはピーク輝度でPixel 10とPixel 10 Pro Foldのサブディスプレイは最大3000nitsになるとの予測でおそらくHDR表示で2000nitsになるのかなと思います。

ちなみにPixel 9はHDR表示で1800nitsでピーク輝度で2700nitsなので地味に底上げされる可能性があります。

Pixel 9(HDR/ピーク) Pixel 10(HDR/ピーク)
無印 1800nits/2700nits 2000nits/3000nits?
Pro 2000nits/3000nits
Pro XL 2000nits/3000nits
Pro Fold(サブ) 1600nits/2700nits 2000nits/3000nits?

一方でPixel 10 Pro Foldのメインディスプレイのピーク輝度に関する情報は現時点でないです。またPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLは現行モデル対比でスペック上の進化はないことになります。

個人的にはピーク輝度を強化するよりもディスプレイの自動調節をより強化してほしい印象です。また輝度の平均値を高めにすることでどんなシーンでも明るいと感じるディスプレイにしてほしいです。

おそらくディスプレイに関してはピーク輝度とPWM調光くらいであとはほぼ進化がない可能性があります。

基礎スペックはどう変わるのか。

次に基礎スペックに関して現時点でGoogle AIの新機能やアップデートサポート期間は不明です。一方でRAMに関しては現時点での情報では変更がないと予測されていますがストレージオプションは変更される可能性があります。

あくまでも市場によると思いますがPixel 10 Proでは1TBモデルがより多くの市場で発売される可能性があります。

Pixel 9 Pixel 10
無印 128/256GB
Pro 128/256/512GB/1TB
Pro XL 128/256/512GB/1TB 256/512GB/1TB
Pro Fold 256/512GB 256/512GB/1TB

そしてPixel 10 Pro Foldでは初めて1TBモデルが追加されるとの予測で幅広いニーズに対応できるのかなと思います。一方で全ての市場で共通かなと思いますがPixel 10 Pro XLでは128GBモデルが廃止と予測されています。

これはSamsungやAppleも同様の戦略を採用しており最上位は256GBモデルからと最低価格の底上げを狙っていると思います。またGoogleがSamsung製のストレージを継続採用ならPixel 10 Pro XLはUFS4.0に対応していてほしいところです。

128GBモデルが存在しているPixel 10 Proは容量でストレージ規格を変えるとは考えにくいです。このことを考えると128GBモデルが存在しないPixel 10 Pro XLとPixel 10 Pro FoldはUFS4.0にそろそろ底上げされてほしいところで強化されれば大容量モデルほど恩恵を受けると思います。

パフォーマンスはどうなるのか?

そして最大の特徴になるのが同社初のTSMC製のGoogle Tensor G5を搭載することだと思います。CPUでみるとGoogle Tensor G5のメインコアはCortex-X4とGoogle Tensor G4と同じです。

一方でその他は最新世代に刷新された上で高効率コアを2つ減らしてミドルコアを2つ増やしています。さらに全体的にクロック数を上げた感じでパフォーマンス自体はそれなりに改善している可能性があります。

アーキテクチャ Tensor G3 Tensor G4 Tensor G5
メインコア Cortex-X3 x1 Cortex-X4 x1(3.1GHz) Cortex-X4 x1(3.40GHz)
ミドルコア Cortex-A715 x4 Cortex-A720 x3(2.60GHz) Cortex-A725 x5(2.66GHz)
高効率コア Cortex-A510 x4 Cortex-A520 x4(1.92GHz) Cortex-A520 x2(2.2GHz)

またGPUに関してもARMから変更されており何よりTSMCの3nmプロセスノードを採用すると予測されています。半導体は小型化すると同じ面積にあたりでより多くのトランジスタを搭載できるようになるため処理性能が向上する上にトランジスタのゲート長を短くすることで処理速度自体も改善します。

さらにトランジスタ自体が小型化することで必要な電力が減少するため結果電力効率も改善します。

少なくとも4nmプロセスノードから3nmプロセスノードに切り替わるだけでもこれら恩恵があると思います。さらにアーキテクチャ自体も変更していることからもパフォーマンス自体はしっかり底上げされる可能性が高いです。

ただ他社のように超大型コアを搭載していないことからもパフォーマンス重視ではないと思います。何よりGoogleは電力効率の最適化を主軸にしているとの話でチューニングもしっかりすれば発熱しにくくなる上に電池持ちの改善と多くのユーザーにとってユーザビリティが改善します。

電池持ちはどうなるのか。

さらにバッテリー容量も増えると予測されていますが機種によってちょっとバラバラです。現行モデルは筐体サイズにバッテリー容量と一緒でしたがPixel 10 ProとPixel 10は筐体サイズが一緒でもバッテリー容量に違いがあるため内部スペースの問題なのかなと思います。

Pixel 9 Pixel 10
無印 4700mAh 4970mAh
Pro 4700mAh 4870mAh
Pro XL 5060mAh 5200mAh
Pro Fold 4650mAh 5015mAh

つまり両機種とも内部スペースに対して可能な限りバッテリーの容量を増やした可能性があります。そしてバッテリー容量が増加することもあるのか有線における充電速度が僅かに強化との話です。

ただおそらくですがフル充電に要する時間は現行モデルからほとんど変わらない可能性があります。一方でQi2に正規対応するとの話でワイヤレス充電速度はシリーズ共通で15Wになる可能性があります。

もし先日発表されたばかりの最新技術を採用しているなら25Wの可能性もあるかなと思います。一方でPixel Stand 2を使うことで現行モデルの充電速度はバラバラでしたがPixel 10ではどうなっているのか不明でGoogleはPixel Stand 3を準備している可能性があるとの予測です。

これは正式発表されてからでも十分で何より本体にマグネットを内蔵するのが一番デカいです。もちろん本体のデザインにも影響されますがこれでQi2対応のアクセサリーもほぼ使える可能性があります。

カメラはどうなるのか?

そしてカメラに関してPixel 10はPixel 9aと広角/超広角は一緒で新たに望遠が追加されるとの予測です。一方で新たに追加される望遠はPixel 10 Pro Foldと一緒でおそらく最大20倍に対応と予測されています。

カメラ Pixel 9a Pixel 9 Pixel 10 Pixel 10 Pro | Pro XL Pixel 9 Pro | Pro XL
広角
Samsung GN8
50 MP
1/1.95”
Samsung GNV
50 MP
1/1.31”
Samsung GN8
50 MP
1/1.95”
Samsung GNV
50 MP
1/1.31”
Samsung GNV
50 MP
1/1.31”
超広角
Sony IMX712
13 MP
1/3.1″
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
Sony IMX712
13 MP
1/3.1″
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
望遠
Samsung 3J1
11 MP
1/3.0”
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
インカメラ
Sony IMX712
13 MP
1/3.1″
Samsung 3J1
11 MP
1/3.0”
Autofocus
Samsung 3J1
11 MP
1/3.0”
Autofocus
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
Autofocus
Sony IMX858
48 MP
1/2.55”
Autofocus

ちなみにPixel 10 Pro Foldは広角がPixel 10と同じSamsungのGN8に変更されると予測されています。

カメラ Pixel 9 Pro Fold Pixel 10 Pro Fold
広角
Sony IMX787
64 MP (cropped)
1/1.73”
Samsung GN8
50 MP (cropped?)
1/1.95” (cropped?)
超広角
Samsung 3J1
12 MP
1/3.2”
Samsung 3J1
12 MP
1/3.2”
望遠
Samsung 3J1
12 MP
1/3.2”
Samsung 3J1
12 MP
1/3.2”
インカメラ(メイン)
Samsung 3K1
11 MP
1/3.94”
Samsung 3K1
11 MP
1/3.94”
インカメラ(サブ)
Samsung 3K1
11 MP
1/3.94”
Samsung 3K1
11 MP
1/3.94”

そしてPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLはセンサーには変更がないと予測されています。これだけで見ると大した進化がないように見えますが独自ISPの採用でソフトは進化している可能性があります。

Pixel 9 Pixel 10
無印 8倍 20倍
Pro 30倍 100倍
Pro XL 30倍 100倍
Pro Fold 20倍

またAIと合わせることでPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLは最大100倍ズームに対応すると予測されています。そしてシリーズ共通なのか不明ですがPixelとしては初めてテレマクロに対応するとの予測もあります。

現行モデルは超広角を利用したマクロ撮影に対応していますがどのような棲み分けをするのか不明です。一部情報によると被写体との距離に応じてマクロなのかテレマクロなのか自動で切り替えるとの話もありますが他社と同じように別途テレマクロモードを用意してくれた方が分かりやすいです。

少なくとも現時点での情報においてカメラはテレマクロの対応と独自ISPの採用という感じです。あとは細かい部分になりますがオーディオ消しゴムマジックや動画ブーストの制限を緩めてほしいところです。

少なくともGalaxyはオーディオ消しゴムで動画が2分以内と縛りがないのでGoogleにも上手くやってほしいところで動画ブーストもせめて20分くらいまで拡張されれば全然違います。

コスパが改善する。

あくまでも現時点でのリークでみると安定性の改善を中心にQi2含め充電周りもより強化されることになります。そしてカメラに関してはカメラソフトの進化で底上げしつつも新機能としてテレマクロやズームの強化になります。

そしてディスプレイはよりユーザーが見やすいディスプレイに進化と考えると分かりやすいかもしれません。一方で残念なことに現時点でGoogle AIの新機能が分からないためまだ全体像が見えてきません。

ただハードで見ると電池持ちの改善や充電周りにどれだけ魅力を感じるかどうかかなと思います。少なくともリーク通りであればヨーロッパにおいてもアメリカにおいても価格が据え置きと予測されています。

128GB 256GB 512GB 1TB
Pixel 10 $799 $899
Pixel 10 Pro $999 $1099 $1219 $1449
Pixel 10 Pro XL $1199 $1319 $1549
Pixel 10 Pro Fold $1799 $1919 $2149

つまりスペックが進化している分コスパが改善することになるので個人的にはかなり楽しみです。またAndroidでは割と蔑ろにされがちなアクセサリーもQi2に正規対応で増える可能性が高いです。

Googleは開発ポリシーとして80%のユーザーに満足してもらう80%ルールを採用しているとの話です。そのため残り20%のユーザーが好むゲームパフォーマンスやカメラ性能は正直期待できないです。

一方でユーザビリティを上げることでブランドロイヤリティの改善に繋げGoogleの収益を拡大さえることが本来の狙いだと思います。そのためにもPixelを少しでも長く使ってもらう必要があるからこそ安定性が中心なんだと思います。

あとはGoogle AIで噂されているMagiu Cueは噂通りであればゲームチェンジャーになると思います。もしAIとユーザーの架け橋になるのであればAIの付加価値はかなり高くなるかなと思います。

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