先日よりSonyはXperia 1Ⅶの交換プログラムを提供していますが、文鎮化が起きた原因は製造不良だとしています。製造を自社から中国企業に切り替えたばかりで発生した最悪の事故という感じです。
今回SonyがXperia 1Ⅶからなぜサプライヤーを中国企業に委託するようになったのか主観的にまとめたいと思います。
中国離れを進めていた。
事前情報通りであればモバイル部門のトップが岸田さんに代わってから深刻な赤字を減らすために人件費が高騰していた中国の北京にあった工場を閉鎖。合わせて自社工場をタイに移動して2019年からフラッグシップモデルはタイで製造されてきました。
個人的にはあまり意識したことがありませんでしたが他のSony製品はどこで製造しているのか。2023年の記事になりますが、カメラに関しては中国での製造からタイでの製造に切り替えたとしています。
比率で言うと全体の9割をタイで製造するようになり、中国向けだけを中国で製造するようになったとの話です。生産拠点を変更した理由として米中関係の悪化によると政治的リスクを回避するためとしており、さらにこの当時でみると中国で突如ロックダウンが開始するなどゼロコロナ政策の影響で安定した製造が出来なかったのも背景にあるみたいです。
少なくとも中国で製造を継続するにもコストの面でも政治的な面でもリスクがあったのは認識していたことに違いはないと思います。
ただ単にコストカットだけじゃない。
ここからは個人の勝手な推測になりますが中国での製造を委託してもそこまでコストが下がらない可能性があるのかなと思います。自社製造とはまた違うのかもしれませんが中国でそれなりにコストを抑制して製造できるのであれば2018年に閉鎖する必要はなかったのかもしれません。
一方でXperia 1Ⅶは中国企業であるHuaqin(華勤技術)が製造を委託されています。Sonyにとって初めてのお付き合いというわけではなく、過去にはXperia Aceシリーズの開発から製造に、Xperia 10シリーズの製造を委託していたこともあります。
Sonyによると2026年の終わりまでに製造コストを最適化することを目標としていますが、ただ単に自社製造をやめて外部委託にするだけで最適化されるのか疑問も残ります。
その上で一部噂によるとハードウェアに関する定義を行うDeviceTreeと呼ばれるファイルの中にHuaqin(華勤技術)固有の定義が含まれていることが判明したとしています。
このことからもXperia 1Ⅶのハードの開発自体がHuaqin(華勤技術)に委託されていた可能性があることになります。つまり開発の一部と製造を委託することでトータル的にコストカットしようとした可能性があることに。
実際のところは不明でSonyがハードの開発に全く関与していないとは考えにくいです。結局のところ政治的リスクがあることからも中国離れを進めていた中で、中国回帰したのはある程度の開発から製造まで委託できる企業が中国にあったからと考えると整合性があるのかもしれません。
あくまでもソースコードを解析した結果で実際には不明なので丸呑みするにはリスクあります。ただモバイル部門はそこまでしてコストを抑制しないと継続出来ないくらいピンチなのかもしれません。