総務省はキャリアに料金で勝負してほしいことからも端末の割引規制を強化しています。従来と比較すれば料金の単価は下がったのかもしれませんが、端末の割引が制限されたことからフラグシップモデルはどんどん売れにくい状況になっています。
また昨年末に行われたガイドラインの改正からも下取り額が制限されたことで、iPhoneが優位でAndroidが不利の状態になっています。今回は総務省もキャリアも結果iPhoneだけ売れる状況になれば十分だと考えている可能性があると思うので主観的にまとめたいと思います。
国内でiPhoneが売れた理由。
スマホ黎明期を知っている人ほどAndroidを嫌悪している可能性が高いです。それくらい初期のAndroidの完成度は酷く、自分が学生の時に使っていた某国内メーカーの機種は待機状態5分で電池残量が100%から0%になることが地味にありました。
一方でキャリアがiPhoneを取り扱う上での必須条件だったと言われていますが、ベースモデルは2年間の利用で実質0円で使える状態に。世界ではiPhoneは高くて高嶺の花になっている市場が多い中で国内はAndroidより完成度が高くめちゃくちゃ安いとなればみんな買います。
その結果docomoが取り扱いを始めた時に国内シェアは70%近くまでいったとされています。今でもiPhoneは国内で高いシェアを維持していますが、Androidを嫌悪しているユーザーがiPhoneを使い続けていることに加え最新世代でなければ安く購入できることが多い。
例えばアメリカなど主要市場において最新世代のiPhoneのシェアが高いですが、国内でみると型落ちのiPhoneの方が売れ行きがいいです。理由としては簡単で型落ちで安くなっているiPhoneを買っているユーザーが多い。
直近だとiPhone 14がばら撒きの対象になっていますが、Appleから販売奨励金が出ているのかキャリアもかなり推している印象。また若年層を中心にiPhoneのニーズが高いため型落ちとはいえ安くiPhoneが購入できるなら魅力に感じると思います。
何より国内でみるとiPhoneの人気が高い理由の一つとしては「安い」からです。
キャリアの端末管理も楽になる?
またiPhoneの下取り額が高い理由としては世界でニーズが高く国内である程度消費された中古であっても海外では高く取引されているとしています。結局キャリアが提供しているプログラムにおける「相殺金」が高い端末は、中古でそれ以上の価値があると判断することができます。
実際のところユーザーから引き取ったiPhoneをどこまで海外に流しているのか不明です。ただキャリアからすればiPhoneを安くすることでユーザーを惹きつけ、月々の利用料金からしっかり利益を確保した上で引き取った端末を高値で売却して利益を確保する。
なので噂通りであればiPhoneが売れる状況はキャリアにとっても楽な可能性があります。また先日の記事にもまとめさせて頂きましたが下取り額が制限されたということは市場価値が落ちやすいAndroidは売れにくくなります。
またどんなにメーカーが頑張ってもで国内市場において「スマホはキャリアで買うもの」という固定概念が出来上がっているので直販版の方が安いと分かっていてもキャリアモデルを購入するユーザーが多い。
つまりキャリアで取り扱ってもらえないメーカーは販売台数は限定される可能性があり、特にマーケティングをあまり強化できない資金力に余力がないメーカーは淘汰されていく可能性があります。
このことを考えると今後Androidの選択肢が減る可能性があり、そうなるとさらにiPhoneに人気が集中すると思います。韓国のように実質SamsungかAppleの2択しかないという状況になれば競争も発生しにくいので安くもなりにくいです。
またキャリアとしては取り扱うラインナップを削減できれば端末の管理コストを下げることもできます。
Pixelは希望の星。
少なくとも今後集約してしまうのであればトップ5にランクインしていないメーカーは淘汰されてもおかしくないです。なので直近でみるとApple/Google/SHARP/Samsung/Xiaomiあたりがうまく生き残れれば御の字という感じです。
また現状だとXiaomiはキャリアでの取り扱いがちょっと弱いことに加え、今後SamsungはSoftBankでの取り扱いが再開するとの話もあるので立ち位置が逆転する可能性があります。
結局高い端末が売れないとメーカーからすれば利益が出ない。この中で現状で最も購入しやすいのはPixelにも見えます。何より今後Pixelの勢いが落ちてきた場合が正念場なのかもしれません。
メーカーが淘汰されないようにするためには結局ユーザーのスマホの買い方が変わる必要があり直販版の非常が高くなる必要があると思います。とはいえ現状だとどんなに割引が制限されてもキャリアモデルの方が実質負担金は安く見えること。
さらにキャリアの方が安心ということからも買い方が変わることにあまり期待できないのかもしれません。