AQUOS R9 pro 短期レビュー。本音で語ったらかなり辛口になってしまった

例年であればSHARPは上半期にフラッグシップを発表することが多かったですが2024年でみると実質ミドルレンジモデルとなったAQUOS R9のみで上位モデルが発表されることはありませんでした。

ただ10月下旬に開催された新製品イベントにおいて最上位となるAQUOS R9 proを正式発表しました。今回はAQUOS R9 proを購入してから使ってきたので短期レビューを主観的にまとめたいと思います。

電池持ちは優秀。

正直な話AQUS R9 proのスペックを見てカメラに期待し過ぎたという印象を受けてしまいました。とりあえず気になった部分を確認していきたいと思いますが一つ目としては電池持ちです。

SHARPによると画像処理に影響がなく電力効率を優先した結果Snapdragon 8s Gen 3を搭載しています。ゲームをやらない自分からするとパフォーマンスの高さよりも電池持ちを優先してもらった方がいいです。

そして肝心の電池持ちですがここ短期間使った感じだと寝る前の電池残量が70%前後のことが多いです。使用した期間を考えると最適化も終了していない可能性がありますが電池持ちはかなり良いです。

自分の使い方だと寝る前の電池残量が70%前後になる機種は海外サイトのバッテリーテストにおいて14時間前後の機種と同程度で体感的にはGalaxy S24 Ultraなど同程度という印象です。

また自分の使い方だとスクリーンオンタイムで9時間近く持つ可能性があるので不満も出ないです。もちろんiPhone 16 Pro MaxやXperia 1Ⅵなどフラッグシップの中でもトップクラスの機種と比較すると及ばない感じですが多くのユーザーにとって満足できる電池持ちなのかなと思います。

おそらくSHARPがSnapdragon 8s Gen 3を搭載した最大の理由はコストカットだと思います。ただ消費電力が地味に多いと言われるSnapdragon 8 Gen 3を無理に搭載しなくて良かったです。

スコアでみてもSnapdragon 8 Gen 2と同程度なのでゲームもある程度できるかなと思います。時期的なものもあると思いますが発熱も自分の使い方だとほぼ感じることもなく電池持ちもいいです。

なのでカメラ重視で購入した自分にとっては十分な安定性で正直ここまで安定すると思わなかったです。

動作性がちょい気になる。

そして2つ目としては動作性でTwitterなどでスクロールをするとカクツキが発生することもあります。ただ毎回という感じではなくアプリの最適化の問題なのか正直現時点で確認することは無理です。

またカクツキはSoCのパフォーマンスが原因と思われがちですがおそらくチューニングの問題です。現にスコアで見れば圧倒的に低いPixel 9シリーズの方がよほど滑らかに表示される印象です。

Googleによるとアプリの応答速度やウェブパフォーマンスをチューニングによって強化しています。その結果Pixel 8シリーズと比較しても滑らかに動作するようになりカクツキ自体が改善しています。

少なくとも既製品を使っているAQUOS R9 proにそこまでの最適化を求めるべきではないのかもしれません。とはいえ20万円近くする機種でカクツキが発生しているのはちょっと残念に感じてしまいます。

アプリのリロードが多い。

またカクツキに影響しているか不明ですが気になったのがアプリのリロードが地味に多い印象です。端末を放置した時間で発生しているのか同じアプリを開いた回数で制限されているのか不明です。

ただ体感的にはリロードされる頻度が高い印象で個人的にはPixel 7aやPixel 8aなどと同じです。廉価版であればRAMの容量が少ないので仕方ないと思いますがAQUOS R9 proはRAM12GBに対応しています。

また自分は幅広いアプリを開いて使う感じではなくほぼ決まったアプリしか開かない感じです。このことを考えるとリロードが起きる頻度が他社の機種と比較するとちょっと高い印象を受けます。

ただ電力効率を改善するためにバックグランドにおけるアプリの制御を厳し目にしている可能性もあります。

自分が直近で使った機種と比較してAQUOS R9 proはリロードが多いように感じただけかもしれません。また最近ハマっている放置ゲームですがAQUOS R9 proはリロードされず途中再開した場合は音が出なくなる現象が発生しておりバックグランドの制御が影響しているのか不明です。

もちろんアプリ側に問題がある可能性がありPixel FoldはダメだけどPixel 9 Pro Foldは問題なくてGalaxy Z Fold 6はダメだけどGalaxy Z Fold Special Editionは大丈夫と正直良くわかっておらずざっくり見ればRAMの容量が多い機種こそ安定しているという感じです。

かなり細かい部分ですが普段自分がよく使う環境だと特にカクツキとリロードが気になりました。

カメラの使い勝手が悪い。

次に3つ目としてはカメラでこれは慣れの問題もありますがズーム倍率の変更が他社と逆です。ズーム倍率を上げるのに多くの機種は上から下にスワイプしますがAQUOS R9 proは下から上にスワイプするので自分はめちゃくちゃ違和感がある感じですが慣れれば問題ないのかなと思います。

これはPixelの電源ボタンと音量ボタンの搭載位置が他社と逆で違和感があるので同じ感じです。また折角メインカメラセンサーはでかいからこそ2倍はワンタップで切り替えられると嬉しいと思っちゃいます。

2倍撮影ですら慣れないズーム倍率の変更でちょっと面倒に感じてしまう時が多かった感じです。

また大型望遠を搭載しているのは大きな特徴ですが光学3倍で撮ることが前提に感じます。一応最大20倍に対応しているとはいえ6倍時点でもちょっと画質は怪しくなってくることが多いです。

そのため65mmの単焦点レンズを搭載していると割りきって使うのが一番わかりやすいと思います。一方でSHARPとしては大型望遠センサーの搭載は実質ポートレートセンサーを大型化させたかったと考えてほしいのか自分の認識ではポートレートで3倍固定は使いにくいです。

折角メインカメラセンサーにLYT-900を搭載しているのにポートレートで使うことが出来ないので自分の使い方だとメインカメラセンサーを使う機会がかなり限定されてくるという印象です。

こうなってくるとそもそもメインカメラセンサーが1インチである必要もなくなってきちゃいます。

あと被写体やシーンによるのかもしれませんがポートレートで撮影した時に画像処理がめちゃくちゃ遅い時があり自分の中で優先度が高い子供を撮るということに正直向かないです。

動体の撮影どうこうの前にポートレートは3倍で固定化され画像処理も遅いと正直期待ハズレです。普段自分は子供がごはんを食べている時に試し撮りすることが多いですがAQUOS R9 proは正直撮りにくいことが多くわざわざ写真を撮るために立つ必要があることもあるので面倒に感じます。

また自分はライカの色味が好きではないのかAQUOS R9 proを使ってよく分からなくなりました。

Xiaomiとvivoで比較するとXiaomiは黒の表現を大切にしている印象を受けますがAQUOS R9 proは夜屋内で子供をポートレートで撮ると子供の顔が黒潰れする感じになります。

顔の部分自体はあまり明るく補正せずに室内灯の色に影響をうける上でライカの黒が強調されている印象を受けます。その結果個人的には非常に残念な写真が撮れることが多く自分自体がライカが好きではないのかAQUOS R9 pro自体のカメラが好きではないのかよく分からなくなってきたという感じになります。

また大型センサーを搭載しているとはいえカメラソフトが甘いのか低照度の撮影は強いと思わないです。

低照度の撮影は弱いと言われがちなXperia 1Ⅵとシーンによってはほとんど変わらないです。あくまでもSHARPとしてカメラの使い方をシンプルにしたかったのかもれませんがvivoやXiaomiなど大型センサーを搭載した機種と比較するとカメラの取り回しはかなり悪いです。

なので知らずに購入すると戸惑う人が多いのかなという印象でやはり割り切る必要があります。自分がカメラに期待し過ぎただけの可能性もありカメラ自体は好みがはっきりする部分です。

なので絶対だめという感じではありませんがvivoやXperiaのカメラが好きな自分にとっては正直全く合わない感じで折角監修してもらっているライカが悪い部分だけ感じるという印象です。

アップデートでの改善に期待。

きっとカメラに関しては上手い人が撮れば素晴らしい写真が撮れる機種なんだと思います。ただ自分にはその知識もなければ技術もない上に日常をいかに綺麗に切り取ることができるかが重要です。

そのため自分にとってはAQUOS R9 proのカメラは合わない感じで気軽さを求めるのであればGalaxyやPixelにiPhoneの方が分かりやすく簡単にカメラを使うことができるのかなと思います。

歴代モデルが抱えていた被写体に全く寄れないということはなくなりましたがカメラソフトが微妙です。もちろん今後アップデートを重ねることで今よりは全然使いやすくなる可能性はあると思います。

なので今後アップデートによってカメラソフトが少しでも改善してくれることに期待です。特にポートレートの倍率と2倍にワンタップで切り替えることが可能になれば印象は変わると思います。

ただ全体が大きく変わることがないと思うので来年の2月に正式発表が予測されているXiaomi 15 Ultraがローカライズもある程度された上で国内で発売されたら厳しいと思います。

一方でスピーカーに関してはXperia 1ⅥやHuawei Pura70 Ultraなどトップクラスに及ばないです。とはいえ歴代モデルと比較すればしっかり改善することができます。スピーカー自体をアピールする機種があまりいないので個人的には今後も頑張ってほしいところです。

まとめ。

今回はAQUOS R9 proを短期間使ってきて気になった部分についてまとめてみましたが辛口です。ただSHARPがこのカメラセンサーを採用してくれたのは非常に嬉しいところで今後に期待したくなります。

今後カメラソフトがライカ監修のもとで安定してくれば化ける可能性は十分にあるかなと思います。ただ現状だと手放しでカメラがすごいと褒めることは出来ず残念に感じる部分が多かった印象です。

ハードでゴリ押しでカメラソフトが追いついていないと数年前のXiaomiを見ている感じです。

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