今年の1月にPixel 9 Pro XLとPixel 9 Proのデザインがリークした時の印象としてはiPhoneに非常に似たデザインを採用したなという感じで今や中華メーカーも同様の流れです。
中華メーカーに関してはEdgeディスプレイを進化させたマイクロクアッドカーブディスプレイを採用したこともあり差別化していますがPixel 9の場合はフラットなので余計に似ています。
今回Android AuthorityがiPhoneとPixelのデザインが似た理由に言及しているのでまとめたいと思います。
Googleのデザインの拘り。
最初に確認しておくとPixel 9シリーズが採用しているのは第3世代のデザイン言語との話です。初代のデザイン言語はPixel 3シリーズまでで第2世代はPixel 5a 5Gまでとなっています。
現行のデザイン言語の大きな特徴としてはPixelだと一目で分かるカメラデザインだと思います。Googleによると多くのメーカーは内部設計の効率化を優先していると指摘した上で内部設計の最適化が少なくともスマホ本体のデザインに最適化されるとは限らないことに言及しています。
その一つの例としてカメラデザインでGalaxyやiPhoneにXperiaなど内部デザインを効率化するためにカメラ部分を本体左端に寄せていますがPixelの場合は並列型を採用しています。
また年々フラッグシップモデルを中心にカメラセンサーの大型化に伴いカメラ部分も大型化しています。さらにカメラバンプもひどくなっておりテーブルに置くと左右にガタガタしてしまうことが多いです。
その中でGoogleはテーブルにおいてもガタガタしないようにカメラデザインを設計しています。さらにカメラバンプを上手く使うことでテーブルに置いた時にユーザー側に傾斜するように配慮しています。
また同じPixel 9シリーズでもPixel 9 Pro Foldのみスクエア型を採用しておりGoogle自ら拘りに反しているかと思いきやテーブルにおいても左右にガタガタしないように設計しています。
おそらくですがカメラ部分に対してカメラフレーム部分に余裕を持たせた結果なのかなと思います。少なくともPixel 9シリーズのカメラデザインはGoogleの拘りが反映されつつ差別化に繋がっている印象を受けますが全体的に見るとiPhone 16シリーズに似ているように見えます。
その理由としてはサイドフレームにバックパネルがフラット化したことが原因かなと思います。単純にiPhoneが先にディスプレイやサイドフレームにバックパネルをフラット化させたに過ぎないと思います。
ただそれでもiPhoneのデザインに似たとかパクったと言われる流れになってしまうと思います。少なくともGoogleのデザインチームは独自デザインを考えるのが面倒になったからiPhoneのデザインをコピーしたと思われるかもしれませんが今回海外サイトはその意見を否定しています。
少なくともiFixitとの対談からもデザインチームが怠惰だったわけではなくGoogleが今後のことを見据えて踏み出した一歩が結果的にiPhoneと似てしまっただけと指摘しています。
EUにおける新たな新規則。
少なくともPixelのデザインがiPhoneに似てきた理由の一つとしては2024年6月14日にEU議会で採択されたデバイスの修理可能性に関する標準規則が原因になっていると指摘しています。
この規則の猶予期間は2026年7月31日までとなっており翌日からEU圏内でスマホを販売したいメーカーは規則を遵守する必要がありそのためにスマホの内部構造含めて見直している可能性があります。
この規則が効力を持つとユーザーが特殊なツールなしでバッテリーを交換できるような構造を採用する必要があると言われており現状のスマホの内部構造だと条件を満たすことは出来ないです。
iPhoneやPixelなど多くのスマホは現状ディスプレイ側とバックパネル側は接着剤で固定してます。この時点で特殊なツールが必要になるためユーザーが簡単にバッテリーを交換することが出来ないです。
ちなみにAppleは修理キッドの貸し出しなどを行なっていますが結局のところ特殊なツールが必要であることに違いはなくEUはあくまでもツールなしで交換できることに拘っています。
とはいってもEUの新規則に合わせて一気に内部構造を変更するのはメーカーとしてもリスクが高いと思います。
そのためAppleは徐々に修理しやすい構造に変更しており一つとしてばディスプレイ部分に加え背面部分も比較的簡単にはずせるように変更しており従来であればバッテリーを交換するにもディスプレイを一度はずす必要がありましたが新しい内部構造ではバックパネル部分を外せばバッテリーを交換することが可能になっており以前よりバッテリーを交換する難易度が下がりました。
またスマホのバッテリーは位置ずれを防ぐために接着剤で固定されているパターンもあります。ただiPhone 16 Proで電圧放出接着剤を使用した新しいバッテリーを発表しています。
従来と異なりバッテリーをはずすためには2つのタブに12Vの電圧を流すだけではずすことが可能です。そのため従来のように接着剤を剥がすのに苦労するということはなくなってきたことになります。
逆にSamsungはタブを使うこともなければバッテリーも接着剤で固定していることからもパートナーシップを結んでいたiFixitがポリシーに合わないということで提携を解除しています。
またPixel 9シリーズで見るとバッテリーの接続にはタブを採用した上で交換した場合はバックパネル側からアクセスすることが可能になるなど修理しやすい内部構造を採用しています。
ただiPhoneのように洗練されているわけではなくPixel 9シリーズは背面部分をはずせても結局バッテリーにアクセスするためには一部コンポーネントをはずす必要があるので手間がかかります。
少なくともPixelにしてもiPhoneにしても内部構造の見直しによって修理しやすくなっています。ただEUの新規則を満たしているわけではないので今後更なる改良が必要になってくると思います。
ちなみに新規則に関して効力を持つ2026年8月1日以降に発売される新製品に適用されるとしています。つまりPixelで見ればPixel 11シリーズでiPhoneで見るとiPhone 18シリーズから適用されます。
EUだけで勝手にやってくれ。
何より内部デザインを最適化した上で修理しやすいデザインを採用するとなった時にiPhoneのデザインは最も効率的でGoogleに関しても効率性を求めた結果デザインが似た可能性があると指摘しています。
一方で現時点でAppleやGoogleが最終的にどのようなデザインを採用するのか現時点で不明です。少なくともバッテリーを特殊なツールなしで交換できるようにすることが目的になっているのでバックパネル部分もしくは一部サイドフレームのデザインが変更される可能性があります。
また記憶違いだったら申し訳ないですが同じバッテリーを最低10年は使えるようにとの話です。例えばiPhone 18シリーズで採用されたバッテリーは10年間に渡ってメーカーが在庫を維持することになります。
つまりバッテリーの革新は遅れる可能性があり数世代にわたって同じバッテリーを採用する流れになるかもしれません。何より同じ機種を長く使いたいと思うユーザーにとって嬉しい流れだと思いますがツールなしで簡単にバッテリーを換装できる構造を採用するとなれば背面含めた防水/防塵性能が下がる可能性があります。
また何か新しいギミックを採用するのであればギミックが本体の故障に繋がる可能性があります。結局メーカーとしてはスマホに可能な限り最大容量のバッテリーを搭載するために換装が出来ない今の内部構造を採用した可能性があり現状だとバッテリーは硬いプラスチックでカバーされていないです。
基本修理するのは慣れた人が行うようになっているので修理時の安全性より容量が優先されています。ただ今後誰でも簡単に交換できるとなった場合には事故のリスクを減らすためにもガラケーみたくバッテリーをプラスチックのケースで覆う可能性があり単純に考えればバッテリー容量が減ります。
もしくはシリコンカーボンバッテリーを採用してバッテリー容量を担保しつつ本体価格の値上げに繋がる可能性があります。
また悪質なサードパーティ製のバッテリーが市場に流れる可能性があるので安全性を考慮すると有線にしろワイヤレスにしろ充電速度を制御する可能性があり今まで通りでいい人にとってはデメリットの方が多い新規則で個人的には完全にEU議会の勝手なエゴに感じてしまいます。
そもそもメーカーの対応も不明でEU向けのモデルのみ遵守したデザインを採用するのか不明です。AppleでみるとEU議会の規則からサイドローディングが解禁されましたがヨーロッパのみです。
またヨーロッパのユーザーであってもヨーロッパ圏から離れると使えなくなるように制御しています。あくまでもサイドローディングはソフトの問題なのでめちゃくちゃコストがかかるわけではないです。
ただ全世界で共通のモデルを採用するのかEU向けの特別モデルを用意するのか現時点で不明で仮にEU向けに特別モデルを作るとなればほとんどの市場では関係ないのかなと思います。
むしろ特別モデルを作る場合は露骨にスペックダウンした上でデザインをダサくしてほしいです。それでEU議会の考え方が変わるくらいヨーロッパのユーザーに反感を持ってほしいところです。
まとめ。
今回はPixel 9シリーズとiPhoneのデザインが似ている理由についてまとめてみました。現時点でPixel 10シリーズのデザインは不明ですが折畳式機種のカメラデザインがヒントになるかもしれません。
つまりPixel 9 Pro Foldでスクエア型のカメラデザインを採用していることからPixel 10はシリーズ共通してスクエア型のデザインを採用する可能性もありもっとiPhoneに似てしまうかもしれません。