GoogleはAndroidのシェアを拡大するためにiPhoneからシェアを奪還する必要があるとしています。そのための優先課題としてプレミアム部門の拡充でPixel 9シリーズでは小型のProモデルであるPixel 9 Proを追加しています。
何より現状だとAndroidのハイエンドコンパクトモデルは選択肢がほぼないので貴重です。今回はGoogle Pixel 9 Proとvivo X200 Pro miniの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
デザインを比較。
まずデザインを確認していきたいと思いますがvivo X200 Pro miniの方が僅かに小さいです。ディスプレイサイズはインチ表示では一緒ですがアスペクト比が異なりPixel 9 Proの方が僅かに縦長です。
そのためvivo X200 Pro miniの方が縦幅が僅かにコンパクトで横幅はほとんど一緒です。
デザインでみるとサイドフレームはフラットでバックパネルとディスプレイにかけて僅かに湾曲しているのは共通でアルミを採用しているのも共通ですが質感が大きく異なります。
Pixel 9 Proは光沢仕上げに対してvivo X200 Pro miniはマット仕上げで好みが分かれると思います。あとPixel 9 Proは音量ボタンと電源ボタンの搭載位置が逆なのでユーザーによっては違和感があると思います。
バックパネルに関して両機種ともフラット形状を採用しておりマット仕上げも共通採用しています。質感に関しては両機種とも大きな差はありませんがカラバリで好みが分かれる可能性があります。
また好みが分かれる部分としてはカメラデザインでPixel 9 Proは並列型を採用しています。そしてvivo X200 Pro miniはサークル型のデザインを採用して両機種とも個性が強いです。
個人的にはPixel 9 Proのカメラデザインの方がまだスッキリしている印象を受けます。
ちなみに両機種ともテーブルに置いた時にカメラバンプのせいで左右にガタガタしそうですが実際にそんなことはなくvivo X200 Pro miniはカメラ部分がでかいからこそ安定しています。
一方でPixel 9 Proはガタガタしないように最初からデザイン設計されている感じです。
少なくとも取り回しの部分でみるとvivo X200 Pro miniの方が持ちやすい上に軽いです。ただ極端な言い方をするとvivo X200 Pro miniはスペックほど薄く感じずでずんぐりむっくりに見えなくもないです。
とはいえ個人的にはサイドフレームもマット仕上げを採用していることから高級感を感じます。ただサークル型のカメラデザインは国内で発売されている機種ではほとんど採用されてことからも、カメラデザインで評価が分かれる可能性があり違和感を持つユーザーが多いかもしれません。
ディスプレイを比較。
次にディスプレイを確認していきたいと思いますが両機種ともフラットディスプレイを採用しています。またディスプレイサイズはほぼ一緒ですがvivo X200 Pro miniはアスペクト比19.54:9を採用しています。
ベゼルを比較してみるとvivo X200 Pro miniの方がスリムですが劇的な違いがあるようには思えません。だからこそアスペクト比の違いが大きいんだと思いますがディスプレイサイズが一緒なのは面白いです。
コンテンツの見え方を比較。
そしてvivo X200 Pro miniはツァイスマスターカラースクリーンを採用しています。カメラがカールツァイスと協力して開発していることからもディスプレイも合わせてチューニングした感じになります。
多くのユーザーはスマホで撮った写真や動画はスマホで見て楽しむことが多いかなと思います。このことを考えれば折角拘って撮影した写真や動画を出来るだけ忠実に表示できた方がいいです。
ちなみにYouTubeを再生してみるとvivo X200 Pro miniの方が濃い色に臨場感を感じます。Pixel 9 ProはSamsungのM14を採用していると言われており発色は十分に綺麗だと思います。
ただvivo X200 Pro miniと比較した場合に全体的に優しめの印象を受ける感じです。
ディスプレイ輝度を比較。
そして見やすさに直結する部分としてディスプレイ輝度でピーク輝度では大きな差があります。海外サイトのディスプレイテストの結果を参考にするとPixel 9 Proは手動調節は1298nitsで自動調節は2331nitsとピーク輝度に対してHDR表示で大きく乖離していないのが大きな特徴です。
例えば一部中華メーカーの機種はピーク輝度が5000nits前後でもHDR表示が1300nits前後とか実際にスペックの恩恵を受けれないことが多々あります。何より現状だとPixel 9 Proのディスプレイ輝度はiPhone含めてトップクラスとなっています。
一方でvivo X200 Pro miniは執筆時点で海外サイトがディスプレイテストの結果を公開していませんが同じピーク輝度に対応しているvivo X200 Proは自動調節で2000nitsを記録しています。
そのためテスト結果ではPixel 9 Proの方が明るいですが実際に比較すると差を感じません。ただ発色の差もあるのか屋内だとvivo X200 Pro miniの方が明るく感じることが多いです。
少なくともPixel 9シリーズは十分に明るいですが分かりやすく明るいという感じではないです。一方でvivo X200 Pro miniは平均値が高いのか分かりやすいと感じることが多いです。
ディスプレイサイズもほぼ一緒なので正直ディスプレイの色味で好みが分かれる感じです。Pixel 9 Proはとにかく最高品質のディスプレイを採用した一方でvivo X200 Pro miniはカメラを活かすためにチューニングを最適化した感じで個人的には面白いアプローチに感じます。
基礎スペックを比較。
そして基礎スペックを確認すると両機種ともAndroid15を搭載していますが使いやすさの部分は癖のある大陸版とグローバル版とは比較にならない感じでPixel 9 Proの方が分かりやすいです。
少なくとも大陸版はGoogle Play Storeを簡単にインストールできるとはいえQuick Shareなど制限されている機能もあるので使うアプリによっては不便だと思います。
そしてアップデートサポート期間に関してPixel 9 Proは最大で7年とかなり長めです。さらに毎月セキュリティアップデートが配信されるなどサポートの手厚さに大きさ差があります。
そしてAIですがvivo X200 Pro miniはグローバル版がでればGeminiを採用する可能性があります。ただ同じGeminiを採用するとなった場合はPixel 9 Proにアドバンテージがあると思います。
容量構成を比較。
容量構成に関して大陸版と比較するとPixel 9 Proは128GBからで最大512GBと一段階低いです。一方でPixel 9 Proはストレージ関係なくRAMが16GBに統一されているのが分かりやすいです。
ただPixel 9 ProはAI Coreを常駐させてAIの起動に処理速度を改善するためにRAM3GB分をロックしており実質12GB程度になっているのでAIをあまり使わない人にはマイナスに感じるかもしれません。
発熱とパフォーマンスの持続性。
そして発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。Pixel 9 Proは自分が購入してからベンチマークで120万点を超えたのは初めてです。
一方でvivo X200 Pro miniの約半分のスコアとなってしまうのである意味衝撃的だと思います。
また計測終了ごとに外部温度を計測してみましたがvivo X200 Pro miniは38.6/40.1/38.3度でPixel 9 Proは34.7/35.7/35.1度と実際に持ち比べても明らかな差を感じます。
今後vivo X200 Pro miniは最適化が進めば印象が変わるのかかもしれませんが現時点だと発熱しやすい印象でソフトでガチで抑制しているPixel 9 Proとは雲泥の差です。
そして持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
何よりトップスコアに大きな差があることからもPixel 9 Proの方が安定率が高いのは当たり前という感じになりますがここはユーザーの使い方次第で評価は難しいところです。
自分はゲームをやらないためトップパフォーマンスよりも発熱しにくい方が満足度が高いです。何よりvivo X200 Pro miniの方が今回のテスト結果では明らかに発熱しやすいです。
バッテリー関連を比較。
バッテリー関連を確認するとvivo X200 Pro miniは筐体サイズを考えると容量はかなり多めです。何よりPixel 9 Proより縦横が小さく薄いのにバッテリー容量が1000mAhも多いのは驚異的です。
一方で電池持ちに関しては今後様子見が必要ですがどこまで安定しているの不明という感じです。ちなみにvivo X200 Proは14時間56分と最新SoCにバッテリー容量を考えると伸びきれずという印象です。
何よりiPhoneなどと比較すると最適化で電池持ちを改善するというよりはハードでゴリ押しの印象を受けます。
海外サイトのバッテリーテストによるとPixel 9 Proは13時間11分とコンパクトの中では悪くない感じですが短期間使った印象としてはvivo X200 Pro miniの方が優秀に感じます。
とりあえず現時点では評価しきれないですがハイエンドコンパクトの中では悪くない可能性があります。充電速度に関しては大きな差がありPixel 9 Proは充電開始30分で55%でフル充電に84分です。
少なくとも有線の場合は充電速度に3倍近くの差があるためvivo X200 Pro miniの方が速いです。一方でワイヤレス充電に関してはバッテリー容量の差を考えると同程度になるかもしれません。
ちなみにPixel 9 ProはQi対応の充電器だと12Wまで落ちるので注意が必要です。
その他を比較。
その他IP68は一緒ですがvivo X200 Pro miniはIP69にも対応しているのでより優秀です。生体認証に関してPixel 9 Proはインカメラを利用した2D顔認証とはいえクラス3に対応しています。
そのため決済時の本人認証などに顔認証が使えるのでセキュリティ面でアドバンテージがあります。
またPixel 9 Proは超音波式画面内指紋センサーを搭載していますがvivo X200 Pro miniは光学式画面内指紋センサーを搭載していることからも認証速度ではPixel 9 Proの方が優秀です。
また指紋認証のサンプルを撮影している時にvivo X200 Pro miniは顔認証でロックが解除される時もあることから2D顔認証はいかに雑に認証しているかを実感します。
何よりセキュリティの部分でみるとPixel 9 Proの方が圧倒的に優秀だと思います。そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたが音量に関してvivo X200 Pro miniの方が大きく、音質はPixel 9 Proの方が優秀に感じます。
少なくともPixel 9 Proの方が低音から音が無難にまとまっているので安定しています。
カメラを比較。
最後にカメラを確認していきたいと思いますがvivo X200 Pro miniは1/1.28インチとPixel 9 Proより僅かに大きい感じですが超広角に関しては1/2.76インチと僅かに小さいです。
事前情報通りであればPixel 9 Proは1/2.55インチのIMX858をクロップして超広角と望遠に搭載しておりvivo X200 Pro miniの望遠は1/1.95インチと地味に大きい感じです。
また地味に大きな差がある部分としてvivo X200 Pro miniのみテレマクロに対応しており、とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはPixel 9 Pro/vivo X200 Pro miniの順番になっているので予めご了承下さい。
雲が多く時折晴れ間も出る日に撮影したことからタイミングの問題もあったかもしれませんがvivo X200 Pro miniの方が全体的に明るく補正されている印象です。
広角で撮影。
Pixel 9 Proの方が全体的に暗いことからも天気が悪いように見えてしまいます。
次に接写してみましたがvivo X200 Pro miniの方がフォーカスを合わせやすかった印象です。
色味としてはPixel 9 Proの方が現実よりですが照度はvivo X200 Pro miniの方が現実よりという印象です。
ポートレートで撮影。
Pixel 9 Proは最低倍率が1.5倍なのでvivo X200 Pro miniは35mm(1.5倍)で撮影しています。
単純にPixel 9 Proの方が被写体に寄って撮影しやすいです。
次にPixel 9 Proは2倍でvivo X200 Pro miniは50mm(2.2倍)で撮影してみました。
vivo X200 Pro miniの方が加工感が強めの印象です。
次にPixel 9 Proは3倍でvivo X200 Pro miniは85mm(3.7倍)で撮影してみました。
2倍以上になるとPixel 9 Proはフォーカス精度が甘くなりがちで、何よりピントが全然合わないこともあります。
望遠で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
次にvivo X200 Pro miniは光学となる3倍で撮影してみました。
そしてPixel 9 Proは光学となる5倍で撮影してみましたがノイズが多い印象を受けます。
次に10倍で撮影してみましたがPixel 9 Proはノイズが一気に増えた印象を受けます。
そして15倍で撮影してみました。
20倍になるとvivo X200 Pro miniもノイズはかなり多い印象を受けますが、Pixel 9 Proと比較すればマシという印象です。
最後に30倍で撮影してみましたが、Pixel 9 Proは限界に対してvivo X200 Pro miniはもうちょいいける感じです。
マクロで撮影。
そしてPixel 9 Proは超広角を利用したマクロ撮影ですが、vivo X200 Pro miniは望遠を利用したテレマクロとなっています。
上記のサンプルをvivo X200 Pro miniでは3.7倍で撮影しています。
次にPixel 9 Proは10倍ズームでvivo X200 Pro miniはマクロモードの10倍で撮影しています。
テレマクロ+ズームが強いとなると汎用はかなり高くなるのでPixelにも今後対応してほしいところです。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードで撮影してきました。
やはりPixel 9 Proは白飛びしやすいです。
広角(低照度)で撮影。
vivo X200 Pro miniはチューニング不足なのかフレアが派手に発生する時があります。
全体的にvivo X200 Pro miniの方が明るく補正されています。
Pixel 9 Proは白飛びの影響もあるのか空の色がとんじゃっています。
望遠(低照度)で撮影。
まずは2倍で撮影。
次にvivo X200 Pro miniにとって光学となる3倍で撮影。
最後にPixel 9 Proにとって光学となる5倍で撮影してみましたがvivo X200 Pro miniの方が安定しています。ちなみに動画に関してPixel 9 Proは動画ブーストを使えば圧倒的という印象を受けます。
まとめ。
今回はvivo X200 Pro miniとPixel 9 Proの比較レビューを主観的にまとめてみました。Pixel 9 Proもハード品質がだいぶ向上したとはいえvivo X200 Pro miniの方がすごいです。
またカメラに関しては好みですがvivo X200 Pro miniの方が取り回しが優秀だと思います。一方でvivo X200 Pro miniは残念なことにグローバル展開されない可能性があります。
このことを考えると癖の強い大陸版に付き合う必要がありPixel 9 Proの方がシンプルで分かりやすいと思います。