モバイル部門は非常に厳しい立場にあると言われており、現状だと「収益性」も低ければ「成長性」も低いとされています。ただ事業を継続するためには利益率を改善させる必要があり、2024年モデルからはXperia 5シリーズ含めてラインナップが限定されたのかもしれません。
少なくとも2023年にシェアを大きく落としてから回復傾向にはないと言われている中で、やはり重要になってくるのはミドルレンジだと思います。今回はXperia 10Ⅵがそれなりに売れる理由について主観的にまとめたいと思います。
ブランドの強さ。
Xperia 10Ⅵで見ると、電池持ちの良さ/持ちやすさとシンプルな特徴だと思いますが、自分のようなオタクからするとコスパが悪いと感じてしまいます。ただ売れ筋ランキングを見ると意外と上位にいたりします。
その理由の一つとしてキャリアで購入するユーザーと相性がいい可能性があります。Xperia 1ⅥやGalaxy S24 Ultraなど20万円前後の機種になるとオンラインショップで購入する層が増えてくると思いますがミドルレンジモデルになると実店舗で見て購入している人の方が多いと思います。
また以前よりXperiaはdocomoでよく売れると言われています。docomoは現状国内最大手キャリアとなっており高齢のユーザーも多く抱えている可能性が高いです。
その中でシンプルな特徴に加え「Sony」というブランド力は強い可能性があります。高齢になるほど「日本製」の方が安心というイメージが強く、まして知らないメーカーの機種は怖いと考える人からも、特にドコモではXperia 10シリーズが実店舗においても売れやすいのかもしれません。
明確なライバル機種の不在。
また国内において近年最も勢いがあるのはPixelですがdocomoはあまり力を入れている印象を受けません。Pixel 3aを最後にしばらく扱っていなかったことも大きく影響したのかdocomoユーザーにとって認知度が低い可能性があります。
さらに取り扱っているラインナップをみると分かりやすいですがカラバラリやストレージオプションが限定的で、余計にPixelが買いにくい状況になっている印象を受けます。
その中で同価格帯のライバルとしてはGalaxy A55になりますが、「Samsung」というだけでマイナスになる可能性も。また2024年で見るとNothing Phoneなど面白い中価格帯の機種が増えたと思いますが直販版しか選択肢がありません。
全体の9割のユーザーがキャリアで購入することを考えると、直販版が充実して喜ぶのは自分のようなオタクだけで、多くのユーザーにとってはキャリアでの取り扱いがなければ選択肢に入る可能性も低いです。
その中でXperia 10Ⅵでしっかり取り扱ってもらっているからこそ地味に強いのかもしれません。
現状だと幸先は厳しい。
とはいえ今後直販版を購入するユーザーが増えてくれば状況は変わる可能性があります。また何より若年層にとって魅力的な選択肢ではないとiPhoneに潰されて結局を終わるという感じになる可能性があります。
少なくともブランド力は年齢が若くなるほど弱くなっている印象で、単純に本体のスペックと価格が重要になります。その中でXperia 10Ⅵはライバル機種と比較して競争力があるとはいえない状況になります。
今はXperiaを支持してくれる層が多いためXperia 10シリーズは地味に売れていくのかもしれませんが、この先明確な世代交代が起きた時に一気に売れなくなる危険性はあると思います。