勝ちを狙わず。Pixel 9はiPhone 16より先に発表したのは成功だったのか

先日よりGoogleは一部市場で「Google Pixel 9」シリーズの販売を開始しています。今年の分かりやすい特徴としてはプレミアムモデルの追加によるラインナップの強化。そしてGeminiにより多くのユーザーが簡単にアクセス出来るようになっていることだと思います。

そしてGoogleがその理由を明らかにしていませんが例年と比較してフラッグシップモデルの発表時期を約2ヶ月前倒しにしています。今回9To5GoogleによるとGoogleがPixel 9シリーズの発表時期を前倒しにしたのは大成功だったとしているのでまとめたいと思います。

勝てないから仲間に加わる。

GoogleによるとiOSからAndroidがシェアを奪うために必要なことは「プレミアムモデルの拡充」であることを明らかにしています。そのためにGoogleはPixel 9シリーズでは小型のProモデルを追加した上で、折畳式機種の命名規則を変更してProモデルに統合したことでProモデルが充実したように見えます。

少なくとも同サイトによると初期のPixelやNexsuはプレミアムモデルの参入に遅れたことからも初期段階は失敗したと指摘。少なくとも直近一年でみるとGoogleのアメリカにおけるシェアは僅か3%に留まっておりAppleを意識する以上プレミアムモデルの拡充は必須だったと指摘しています。

とはいえGoogleがAppleの真似をしたところでiPhoneと同等の販売台数をPixelで実現するのは厳しいと思います。だからこそGoogleはAppleに「勝とう」とするのではなく「仲間に加わる」ことを選んだのではないかと指摘しています。

Pixel 9シリーズでエコをより意識した上でシャープなサイドフレームに均一なベゼルの採用。さらに背面の「G」のロゴが大型化しておりAppleのロゴを意識している可能性がある。

またAppleと同じくGoogleは独自SoCとなるGoogle Tensorに移行など。何より一般ユーザーの多くは最新機能などにそこまで興味がなく、これはiPhone自体が証明しています。

また進化がないと言われながらもAppleの新製品発表会の前後は話題の中心になります。このことからもGoogleがビルド品質を底上げした上でラインナップの強化。そしてオタク受けする機能を強化するのではなく一般ユーザーにとって分かりやすい進化を中心にPixel 9シリーズの開発を進めた可能性があります。

結局のところはiPhoneと同じ道を辿ることにしたのかもしれません。

AIをより幅広いユーザーに。

またAppleに対してGoogleにアドバンテージがある部分として「AI」だとしています。少なくともAppleはiPhone 16シリーズでApple intelligenceを大々的にアピールしていますがアメリカですら発売直後に使うことが出来ず多くの地域では来年以降になります。

一方でPixel 9シリーズはAndroid14を標準搭載しているとはいえGeminiを最大限使える状態にして発売しており、ここは大きな差に繋がる可能性があると指摘しています。

また有料になるとはいえ「Gemini LIVE」を常に使える状況にすることで真の音声アシスタントになるのかもしれません。少なくともGoogle AIを支えているのはGoogle Tensorですがベンチマークの低さからも批判の対象になっています。

ただどんなにベンチマークが高くてもAppleは現にiPhoneに実装することが出来ておらず、iPhone 16シリーズの機能の一つである「ビジュアル検索」はiOS版のGoogleレンズで結局Googleのサービスに依存していることになります。

現時点だとAIは黎明期に見えるので多くのユーザーにとってピンとこないかもしれません。ただ今後生活に浸透するとなった時にGoogleが他社より先行投資してきたAIを大きなアドバンテージを得ることになるかもしれません。

何よりGoogleはAppleより先に発表することでAIをしっかりとアピールすることが出来た。またハード自体もしっかり底上げできたからこそAIや未来に投資をしたいと思うニーズもしっかり獲得することが出来ました。

このことを考えるとiPhoneより先に発表できたことは「成功」だったのかもしれません。

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