先日正式発表されたXperia 1Ⅵはスペックだけで判断するとXperia 1Ⅴ対比でSonyの拘りが消えたように見え、個人的には現行シリーズにおけるSonyの拘りが好きだったからこそちょっと残念に見えていました。
ただ先日参加させて頂いたXperia 1Ⅵの国内イベントにおいてSonyの拘りがしっかり詰め込まれていることが判明したのでまとめたいと思います。
表示解像度にFHD+を選んだ理由。
Xperia 1シリーズの大きな特徴としてはアスペクト比21:9に4Kの表示解像度に対応していること。ただXperia 1Ⅵではアスペクト比19.5:9に変更された上で表示解像度もFHD+に変更されています。
あくまでも噂によると4K+アスペクト比21:9のディスプレイは非常にコストが高くコストカットのためにディスプレイが変更されたと言われていますが実際のところは分からず、仮にそうであったとしてもSonyの人が教えてくれることはないと思います。
一方で気になる部分として4Kから2KではなくFHDが採用されたのか。あくまでもスペックで見れば大幅ダウンに見えますがその理由をざっくりまとめると以下のようになります。
- 8K対応製品が登場しているとはいえ一般化はしていない。この状況で見るとSonyにとって4Kの優先度が高い。ただ次に表示解像度で優先度が高くなってくるのはFHDであること。
- 実生活において「2K」アピールしているテレビなどもほとんどなく、そもそも2Kに最適化されたコンテンツもほぼなく、むしろ4Kより対応コンテンツは少ない可能性がある。
だからこそBRAVIAのチューニングを活かしつつFHDを最適化させたとの話。また岸田体制のもとで始まった現行シリーズですが開発する上での最優先事項として「クリエイター」にとってどう感じるか。
クリエイターにとって無駄なものは躊躇なくカットする。
岸田さんがいなくなった今でもコンセプトが継続されているからこそXperia 1Ⅵで迷わずFHDを選択したみたいです。他社と比較すればスペック上を見劣りしますが、クリエイター視点でみた場合2Kに合わせてコンテンツを作ることは考えにくい。
だらこそ迷わずカットしたというのはSonyらしく「拘り」が反映されているように感じます。
デザインも非常に重要な要素。
またXperia 1Ⅵの大きな進化ポイントとしてズーム性能が最大170mm(光学7.1倍)に強化されたこと。従来とペリスコープ機構に加えレンズを変更することでセンサーサイズを変更することなくズーム性能を強化しています。
ただ一方で素人目線でみると望遠センサーを大型化した方が早かったのでは?と思っちゃいますが、Sonyの拘りの一つとしてスタイリッシュなデザインを継続するためとしています。
iPhoneのスクエア型のような中華メーカーのようなサークル型デザインを採用すればセンサー自体を大型化することをできるとの話。さらにXperia 1Ⅳからは4K/120fps撮影に対応するために読み出し/書き出し速度を優先するためにセンサーサイズを小型化させてまでIMX650を採用しています。
Sonyの担当者に同じ処理性能を持ったより大型のセンサーがあるのか?と質問したところ選択肢はあるとの話だったので大型化させることも出来ないことはないとの話。
ただSonyは本体のデザイン世も重要だと思っているからこそ最低限の変更で最大限の強化をしている感じに。
またベイパーチャンバーを搭載した理由としてペリスコープ部分が大型化したことでSoC含めた本体上部の発熱がしにくくなった。なので本体上部の発熱対策としてベイパーチャンバーを搭載している。
ただベイパーチャンバーを搭載するにしてもそのまま搭載すれば本体の厚みがます。そのためバッテリーなど内部構造を見直した上でベイパーチャンバーを搭載しつつも前モデル対比で本体の厚みが0.1mm薄型化させています。
デザインに拘りがあるからこそSonyはその中で最大限できる強化をしていることになります。
テレマクロへの対応。
Xperia 1Ⅵでは前モデル対比でマクロ撮影が大幅に強化されていますが意外だったのが超広角を利用したマクロ撮影と望遠を利用したテレマクロの両方に対応していること。
ただ「マクロ撮影」にも拘りがあって、被写体に寄ることで超広角を利用したマクロ撮影に自動的に切り替わりますが、これはスナップ撮影の側面が強くフォーカスに関してもオートフォーカスとなっています。
一方でテレマクロに関しては作品として写真を撮るという側面が強いため自動的に切り替わることはなくカメラUIで見ると「その他」の中に格納されています。またユーザーがしっかり寄って撮影できるようにとフォーカスもオートではなくマニュアルを採用しています。
作品として写真を撮る場合はユーザーが自身で調節すると思うからこそ撮影難易度が上がっても問題ないのかもしれません。カメラアプリが一つに統合されたことで以前のようなマニュアルに対してそこまでの拘りがなくなったなのかと思っていましたがテレマクロで見るとSonyらしい拘りがしっかり詰め込まれています。
まだまだ確認しきれていない部分もありますが、スペックでは一般向けに進化したように見えてもSonyの強烈な拘りはXperia 1Ⅵでも継続されていることになります。
取材協力:ソニーマーケティング株式会社