現行シリーズで見ると「Sony」の技術力を結集させたのがXperiaとして「Xperia」よりも「Sony」を全面に押し出している感じでした。ただXperia 1Ⅵでは「Sony」の拘りを強化するのではなく「スマホ」としてスペックを底上げした結果賛否両論になった印象です。
今回Sony Storeにおいて型落ちになったXperia 1Ⅴが値下げされたことが判明したので簡単にまとめたいと思います。
Xperia 1Ⅵとの違い。
まずざっくりとですがXperia 1ⅤとXperia 1Ⅵの違いを確認したいと思います。
Xperia 1Ⅴ | Xperia 1Ⅵ | |
ディスプレイ輝度 | 830nits程度 | 1300nits程度(約1.5倍) |
リフレッシュレート | 120Hz | 1~120Hz(可変式) |
発熱対策 | グラファイトシート | ベイパーチャンバー |
電池持ち(GSM Arena) | 12時間24分 | 17時間27分 |
アップデートサポート | メジャー3回/セキュリティ4年 | メジャー2回/セキュリティ3年 |
ズーム倍率 | 125mm | 170mm |
マクロ撮影 | 非対応 | テレマクロ |
特にディスプレイ周りは「スマホ」として見れば大幅な進化をしており、ディスプレイ自体が明るくなった上で、アスペクト比の変更からも幅広になり従来よりコンテンツがより大きく表示される可能性があります。
また電池持ちも比較にならないほど改善しておりカメラに関してはズーム性能が強化された上で、ついにテレマクロ撮影に対応と全体的にスペックがしっかり底上げされています。
少なくとも「スマホ」としてみた場合Xperia 1Ⅵを購入した方が明らかに満足度が高くなると思います。
Xperia 1Ⅴはありなのか?
一方で自分のYouTubeのコメント欄をみると「Xperia 1Ⅴ」を購入したとユーザーもチラホラいる感じで、ある意味現行シリーズのコンセプトを忠実に反映したのはXperia 1Ⅴが最後だったとも言えます。
Xperia 1Ⅴ | Xperia 1Ⅵ | |
本体サイズ | 165x71x8.3mm | 162x74x8.2mm |
重さ | 187g | 192g |
アスペクト比 | 21:9 | 19.5:9 |
表示解像度 | 4K | FHD+ |
SoC | Snapdragon 8 Gen 2 | Snapdragon 8 Gen 3 |
現行シリーズが好きなユーザーにとってXperiaの魅力の一つがアスペクト比21:9で横幅が狭いことからもコンテンツは小さく表示されがちですが一度に表示できる情報量が多く、特に画面分割機能を愛用しているユーザーにとっては見やすかったと思います。
また他社の大型モデルを使っていた人からすれば問題ないと思いますがXperia 1Ⅵでは横幅3mmも増した上で重くなっているので取り回しが悪化している可能性が高いです。
また表示解像度の変更でXperia 1Ⅴのメリットは一眼レフで撮影した写真や動画はもちろん、本体で撮影した写真や動画を4Kでそのままた楽しむことが出来ましたがXperia 1Ⅵでは表示することが出来ません。
そのためXperiaを「機材」として使っていた人からすればストレスで、本体で撮影した動画なども結局しっかり確認するにはパソコンなど4Kに対応したデバイスに一度移動させる必要があります。
スマホとして見ればオーバースペックですが「機材」の側面があったからこそ重宝されていた部分でもあります。
あとは気になる部分としてパフォーマンス部分でXperia 1Ⅵは発熱を抑制するためにSoCを大幅に制御しています。ちなみにAnTuTuでみるとXperia 1Ⅴは150万点近く出るのに対してXperia 1Ⅵは海外サイトを参考にすると160万点近くです。
そのためスコアだけで見ればExynos2400以下Snapdragon 8 Gen 2程度で、今年の秋に発表される可能性があるGoogle Tensor G4と同程度のパフォーマンスになるのかもしれません。
消費電力を最大限抑制した結果発熱しにくくなっているみたいですがパフォーマンス自体も大幅に制御されており、ユーザーの評価が分かれるところかもしれません。
価格差は絶妙。
そして今回Sony StoreにおいてXperia 1Ⅴは9900円の値下げで「16万9400円」で購入可能になりました。ちなみにXperia 1Ⅵの直販版の価格は正式発表されていませんが同じRAM16GB/ROM512GBで見ると20万5000円前後と言われています。
そのため価格差は4万円近く出てくるので、Xperia 1Ⅴがそれなりに安く見えると思います。結局のところXperiaに「スマホ」としての進化を求めていたのか。それとも「機材」としての進化を求めていたのかで評価が大きく分かれるところです。
今までのXperiaが好きだった人からすればXperia 1Ⅵの進化は他社と横並びになっただけで「普通のスマホ」になっただけです。機材として魅力を感じていたユーザーはXperia 1Ⅴを買うのもありだと思います。