いよいよ国内で発売されたGoogle Pixel 8aですが前モデル対比で値上げが行われたことで7万円を超えてしまったことからも「高くなった」という印象を受けてしまうかもしれません。
またNothing Phone (2a)が4万9800円から購入でき、Redmi Note13 Pro+においても6万円以下で購入できることから、今年のPixel 8aは円安の影響があるとはいえ余計に高く見えてしまうのかもしれません。
今回は中価格帯の機種の中でもGoogle Pixel 8aは割と付加価値が高い機種だと思うので主観的にまとめたいと思います。
販路が豊富。
近年より多くのメーカーが直販版に力を入れていることからもメーカーの販売力が落ちてきている可能性がありますが昨年の市場調査結果において直販版の国内市場におけるシェアは8%前後だとされています。
このことからもほとんどのユーザーはキャリア経由でスマホを購入していることになります。だからこそメーカーとしても国内でのシェアを拡大するためには大手キャリアに扱って必要があります。
Pixel 8aのライバルになる機種とその取り扱いキャリアをまとめると以下のようになります。
機種名 | docomo | au | SoftBank |
Pixel 8a | ⚪️ | ⚪️ | ⚪️ |
Xperia 10Ⅵ | ⚪️ | ⚪️ | ⚪️ |
Galaxy A55 5G | ⚪️ | ⚪️ | – |
Redmi Note13 Pro+ | – | – | – |
Nothing Phone (2a) | – | – | – |
同価格帯の機種であれば大手キャリアも取り扱っていますが、Pixel 8aより安いNothing Phone (2a)はそもそもキャリアの扱いがないです。逆に言えば販路が限定されているからこそ販促費を抑えることができ価格を安くできている可能性があります。
自分はスマホの保証はそこまで気にしないですが日本市場は他の市場と比較しても求められる保証のレベルが高いと言われており、やはり多くのユーザーにとって保証が充実しているかしてないかでも大きな影響があります。
また何かあったときにオフラインのサポートがあった方がいいと考えているユーザーも多く実店舗を多く抱えている大手キャリアで販売されているだけでもユーザーからすれば一つの安心になります。
この辺はGoogleはキャリアとしっかり協力しており、むしろPixelの販売をキャリアに推してもらっていることは絶対的な強みになります。
アップデートサポート期間が充実している。
次にGoogleの強みの一つですがアップデートサポートが充実していることで、現状Pixel 8aは中価格帯の機種の中で最もアップデートサポート期間が長い機種となっています。
最大回数 | メジャー | セキュリティ |
Pixel 8a | 7回 | 7年 |
Xperia 10Ⅵ | 2回 | 4年 |
Galaxy A55 5G | 4回 | 5年 |
Redmi Note13 Pro+ | 3回 | 4年 |
Nothing Phone (2a) | 3回 | 4年 |
アップデートサポート期間が長ければ長いほどユーザーにとっては嬉しいところですがメーカーからすればコストが増加します。そのため多くのメーカーはフラッグシップモデルを中心にアップデートサポート期間を拡張していますがGoogleはPixel 8aでもフラッグシップと同様に最大7年に対応しています。
もちろん7年に対応しているからといって本体が7年何事もなく使えるとは限りません。ユーザーによっては途中で修理する必要が出てくる可能性がありますが、アップデートサポートに関してはユーザーの意思で変えることは出来ないです。
少なくとも中価格帯の機種が欲しい人の多くは出来るだけ長く使えた方がいいと思うので、Pixel 8aはしっかりそのニーズを満たしています。
生体認証を地味に強化。
今や多くのiPhoneが搭載しているFace IDは「3D顔認証」となっており赤外線を利用して顔を認証するためセキュリティは高い一方でコストも高いです。また内部スペースの問題もあるのかAndroidの多くは「3D顔認証」に対応していません。
今やスマホは個人情報の塊なので本体のセキュリティも重要になってきている中でGoogleはPixel 8aの顔認証で「2D顔認証」とはいえクラス3に対応させています。
多くのAndroidはインカメラを利用した2D顔認証に対応していますがセキュリティの問題から本体のロック解除に限定していることが多い一方でPixel 8aはクラス3に対応しているため支払い時の生体認証に顔認証を使うことができます。
これはフラッグシップの顔認証でもクラス3に対応している機種はかなり限定的なので付加価値はかなり高いです。今後GoogleがPixel 4シリーズの時のように3D顔認証を復活させるのか定かではありませんがセキュリティへの意識はかなり高いと思います。
AIを満遍なく使える。
最後にユーザー自身が使うかどうか別としてテクノロジー分野でトレンドになっている「AI」に関してPixel 8aは中価格帯の機種の中でも圧倒的に進んでいる印象です。
Pixel 8シリーズが対応しているGoogle AIのほとんどを使うことができ、Galaxy AIに力を入れているSamsungですらGalaxy Aシリーズには全然拡張しきれていない感じです。
オンライン処理のAI機能を中心に追加するのであれば今後ミドルレンジでも最新機種を中心に対応できるようになるのかもしれませんが、オフライン処理になると本体のスペックに依存します。
Pixel 8aは良くも悪くもGoogle Tensor G3を搭載しているからこそ満遍なく使えている感じです。少なくともこのアドバンテージは今後Googleが力を入れていけばいくほど開いていく可能性があります。
何よりPixel 8aは多少高くても同価格帯の機種など比較すると地味にアドバンテージがあるように感じます。