スマホ市場の黎明期と異なり今のミドルレンジモデルはハイエンドモデルには及ばずとも、ツールとしてみた場合はかなり安定して使えるようになっており、価格的にも多くのユーザーが満足できる仕様になっています。
一方で10万円を超えてくるハイエンドモデルを購入するユーザーは一般層というよりはオタク寄りになってきており、スマホは「ツール」という側面より「嗜好品」の側面を求めている割合が増えてくると思います。
今回はまもなくXperia 1Ⅵが正式発表される可能性が高いですが自分がXperiaを応援したと思える理由についてまとめたいと思います。
ただ「スペック」を強化することに興味はない。
今のフラッグシップモデルで見れば基礎スペックの部分ではほぼ横並びとなっており、正直Xperiaにそこまでのスペックは求めていません。Xperia 1Ⅵでは現行シリーズの大きな特徴だったアスペクト比21:9に4Kがカットされアスペクト比19.5:9に表示解像度は2K+になると予測されています。
一方で大きな特徴を失いますが、事前情報通りであれば高輝度モードの追加によるディスプレイ輝度の底上げ。さらに可変式120Hz表示の対応と他社のフラッグシップではお馴染みの機能に対応することになりますが、結局横並びになるだけで差別化できているわけではありません。
中華メーカーを見るとピーク輝度やディスプレイの素材などをアピールしており、年々アピールしている部分が細かく分かりにくくなっている。またユーザー視点で見ればアピールしている部分を実際に使った時に恩恵があるのか定かではない。
逆に言えば細かい部分をアピールしないと他社と差別化出来なくなっている感じで、ざっくりと言えばほぼ横並びになっている感じです。あくまでもディスプレイを例に見ましたが基礎スペックの強化に固執したところで差別化できるわけではなく、実際に使っていてあまり恩恵を感じられないのであればそこまでスペックの強化に固執する必要がないように感じます。
コンセプトを継続しているかが重要。
現行シリーズは好きな人にとことん好きになってもらえるようにとニッチ路線を採用しており、個人的にXperiaを応援したいと思う理由はコンセプトです。先ほどのディスプレイの強化の話と重複しますが基礎スペックを底上げしたところで他社と差別化できるわけではない。
その中でSonyはグループ企業の強みを活かして「エンタメ」を強化しており、例えばスピーカーの強化にかなり力を入れていること。自分の用途的にはイヤホンを使うことよりスピーカーを使うことが圧倒的に多い。
一方でスペックでゴリ押ししてくる中華メーカーは、そこまでの需要がないと判断しているのかスペックで見えない部分だから手を抜いているのか不明ですが音量は優秀でも音質が優秀な機種はあまりないように感じます。
またカメラにおいてSonyはαシリーズのエントリーモデル的な立ち位置にするためか、αシリーズのユーザーからのフィードバックを元にXperiaのカメラを進化させています。
そのためスマホのカメラに求められる部分が進化しているというよりは一眼ユーザーが求めている部分が進化している感じで、ざっくり言えばスマホカメラとしてちょっと物足りない可能性もあります。
ただ個人的に面白いと思うのは「高速オートフォーカス」と「バースト撮影」に注力していることで、自分は子供を撮ることが多いので動体の撮影に強いカメラを搭載した機種が好きです。
どんなに綺麗に風景画が撮れたとしても子供を上手く撮れないのであれば自分の中で意味がないです。Sonyの強みを活かすことが差別化に繋がっており、ちょうど自分が求めていることと一致しているからこそ今のコンセプトが継続するのであれば応援したいと思います。
Xperia 1Ⅵは正念場。
ただ一方でXperia 1Ⅵ含めてより一般向けの進化を遂げる可能性があり、個人的に一番気になるのはSonyのコンセプトがどこまで継続しているのか。結局一般向けの進化を遂げるとなれば他社との差別化が難しくなります。
そうなった時にカスタマイズ性に優れたGalaxyやアップデートサポートが非常に丁寧なGoogleに圧倒的なブランド力を誇るAppleと真っ向勝負になり、今までコンセプトで尖ってたからこそ我慢できていた部分が一般向けになることで我慢できなくなる可能性があります。
また既存ユーザーからしても「尖った部分」がなくなるのであれば他社の方が完成度が高いことから他社でもいいという流れになる可能性。Sonyは板挟みになっている可能性があり、ニッチ向けにしたところで多くのユーザーが離れた一方で今のXperiaを支えているのはニッチなコンセプトが好きなユーザーで、一般向けにすることでファンをやめる可能性があります。
なのでSonyにとってXperia 1Ⅵでの方針転換は大きな正念場になる可能性があります。