AIによるスマホ値上げ問題。実際にどの程度高くなる可能性があるのか

早くも年が明けてしまいましたが今年はスマホ市場にとって大変厳しい一年になるとの予測です。その理由としてはAIの強化に伴い世界的にRAMやストレージのコストが爆増しているからです。

今回は今年登場するXperiaやPixelなどスマホがどの程度高くなるのかざっくりとまとめてみたいと思います。

コストの増加率。

海外の調査会社であるCounter Point Researchが2026年の市場分析を新たに公開しました。そのレポートからまず2026年全体で見た場合に出荷台数は前年対比で2.1%減少すると指摘しています。

その理由としては繰り返しになりますがRAMやストレージのコスト増加に伴う値上げが要因です。そしてメーカー別の成長予測にも言及しておりAppleは2.2%でSamsungは2.1%のマイナスと予測しています。

一方でHONORに関しては-3.4%と主要メーカーの中でも特に苦戦すると予測されています。何より今回のレポートだと中華メーカーが苦戦するとの予測で中華メーカーの括りだと2.6%減少するとしています。

ダメージを受ける価格帯。

そして実際にどの程度の影響を受けるのかレポートによるとエントリーモデルが一番のダメージを受けるとしています。ちなみにエントリーモデルは$200未満の機種で国内でみれば3万円前後の機種が該当します。

少なくとも部品コストは2025年年初から2025年年末時点で20~30%も増加しているとの指摘です。一方でミドルレンジモデルとハイエンドモデルは10~15%とエントリーモデルの方がダメージはデカいのかなと思います。

またメモリのコストは今年の第2四半期までにさらに40%近く上昇する可能性があるとの指摘です。そのため部品コスト結果的に2025年末時点より8~15%近く増加する可能性があるとしています。

少なくともコストが増加した分本体価格が上がるというわけではありませんがレポートによると平均販売価格が前年対比で6.9%近く上昇すると指摘しておりそれだけ高くなる可能性があります。

ちなみにCounter Point Researchの2025年9月時点での予測では3.9%だったので僅か3ヶ月程度で3%近く上方修正されており今回のレポートをみる限り値上げは避けられないです。

コストカットの方法。

一方でメーカーとしてはどのようにコストカットをして値上げを出来るだけ回避するのか。今回のレポートをみるとまず最初にメーカーが行う部分としてはラインナップの見直しになります。

すでにローエンドモデルのラインナップが縮小傾向であることは市場動向からも見えていると指摘しており値上げのインパクトが一番大きいエントリーモデルを中心にカットするのは妥当です。

また他の戦略としては古いコンポーネントの再利用や上位モデルをより魅力的に仕上げることでフラッグシップ含めた上位モデルへのアップグレードを斡旋したり分かりやすい進化を採用するとしています。

分かりやすい進化が重要。

エントリーモデルは価格優先のユーザーが多いと思うので難しいかなとは思いますがユーザーからすればデザインもほぼ変わらずマイナーアップデートで値上げが行われると高くなったという印象を持ちやすいので値上げに合理性を持たせるような分かりやすい進化を遂げることが出来れば値上げになったとしてもユーザーの買い替えを促進できる可能性があります。

特にフラッグシップでは有効的な戦略で普段無印を使っているユーザーをProやUltraにアップグレードさせることが出来ればメーカーとしては利益率の改善を狙うことが出来るとと思います。

とはいえミドルレンジやハイエンドの方がエントリーモデルよりはコスト増加率は低いとはいえそもそものコストが高いことを考えるとそれなりにインパクトのある値上げになる可能性もあります。

何より中華メーカ-は薄利多売かつアジアやアフリカなど発展途上国でエントリーモデルを大量に販売することでシェアを維持しているからこそエントリーモデルのコスト増加はきついです。

またラインナップの縮小に伴い製造台数が減少すれば製造コスト自体も高くなる可能性があります。だからこそ中華メーカーで括ると2.6%の減少と厳しい一年になる可能性があるのかなと思います。

割と優位なメーカー。

一方で値上げをしないという意味ではありませんがRAMやストレージの供給不足の中でまだマシな立ち位置につける可能性があるメーカーはシェアが大きく幅広いラインナップに加えハイエンドモデルの売れ行きが安定しているメーカーとしておりAppleとSamsungが強い可能性があります。

Appleに関しては実質ハイエンドモデルしかないことに加え徹底した利益優先主義という印象を受けます。そのためコンポーネントのコスト増加に合わせて利益をまだコントロールしやすい立場です。

一方で中華メーカーに関しては薄利多売かつエントリーモデルが中心のため利益コントロールが難しい状況でハイエンドモデルもSamsungやAppleと比較すると売れている状態にはないです。

短期利益を重視する中華メーカーと長期利益を重視するメーカーで命運が分かれる感じです。

ハイエンドモデルの重要さ。

何よりハイエンドモデルをしっかり開発しているメーカーほど垂直統合しやすいのでミドルレンジやエントリーモデルを開発する際のコストも抑制しやすく、これはスマホに限った話ではないと思います。

なのでSamsungやAppleは利益コントロールをしつつ開発コストを抑制して値上げを最小限にする可能性があります。一方で中華メーカーに関しては利益を削りようがないので値上げを避けようとなればスペックダウンが中心になる可能性もあります。

すこしでも値上げを避けるためにスペックを削る必要が出てくる可能性がありスペックを削っても値上げを回避できるか難しいところでおそらく赤字でもいいか売るという流れにはならないと思います。

そもそも出荷台数が多いことからもAppleやSamsungの方が成長率で見れば厳しい可能性があります。とはいえ中華メーカーと比較すればまだメーカーがコントロールしやすい立場になるのかもです。

AIの強化=コスト増加とも言い切れない。

何よりAIが原因でRAMやストレージのコスト増加に繋がっていますが必ずしも強化が原因ではないのかなと思います。Googleはセキュリティの問題からもオフライン処理を主軸にしていますがSamsungでみればオンラインとオフラインは大体半数程度で多くのスマホ向けAIはオンライン処理という感じです。

そしてオンライン処理ということはAI用のサーバーが必要になるためデータセンターが必要になります。そしてこのAI用データセンサーでも大容量のRAMとストレージが必要な結果全体的にコストが増加です。

もちろんAI自体が進化すれば今まで以上にサーバーに負荷がかかると思いますが単純にAIを使用するユーザーが増えるだけでも負荷がかかるので結局データーセンターが必要になってきます。

つまりAIを強化しないのであればこの原価コストが上昇する問題を回避できるわけではありません。

スマホとパソコンの違い。

またスマホ向けのAIが強化されるといってもパソコンと比較すればスペックに限界がある感じです。例えばPixel 10シリーズはGeminiの中で最も規模が小さいGemini Nanoを統合しています。

一方で編集マジックなど負荷の高い機能はGemini ProとGoogle Cloudを使って処理しています。さらにGeminiで見ればGemini Ultraと最上位モデルもあり月額の料金が1万円を超える感じです。

スマホでみればAIの利用者をパソコンと比較すれば圧倒的に多いかもしれませんががタスクは軽めです。一方でパソコンでAIを使う人はスマホと比較すれば少ないかもですがタスク自体は重めという感じなのでAIといってもスマホとパソコンではちょっと求められているレベルが違う感じになります。

オフライン処理とAI

またオフライン処理とオンライン処理ではオンライン処理の方がいいとの声も地味にあります。AIによる処理が高くなることに加え本体のスペックに過度に依存しないため間口が広がりやすい可能性があります。

ただ一方でサーバーで処理するとなればセキュリティのリスクが高く現状のAIは何方かと言えばビジネスで愛用される機能が多い中でセキュリティの問題から結局AIを使えないということになります。

またオフライン処理といっても例えばGoogleやSamsungが処理をかける際にデータを一度メーカー側にわたっている感じになるのであれば使いにくいという声もかなり聞く感じです。

少なくともAIを比較的快適に動作させられるとすればパソコンもスマホもハイエンドが中心になると思います。ただ多くのユーザーはミドルレンジ以下を購入するので結局はオンライン処理がメインになります。

なのでメーカーがミドルレンジのAI機能に力を入れれば入れるほどどんどん供給不足になるのかもしれません。

欲しい機種を早めに決める。

そして結局のところ2026年にスマホの購入を見送るべきなのかは判断が難しいところだと思います。現状だとRAMやストレージのコスト増加による値上げが問題になっていますがスマホの構成要素はそれだけではなく今後の状況次第ではそれ以外の部分のコスト増加で値上げに繋がる可能性もあります。

そもそもとしてRAMやストレージの供給不足問題がいつまで継続するか不明で一部情報だと2027年の第4四半期頃まで継続するとも言われていますがそれ以上になる可能性ももちろんあります。

だからといって今のうちに買っておくのがBESTとも言い切れない状態にもあるかなと思います。なので機種変更を考えている人は既存モデルの中でとりあえず欲しい機種を見繕うのがいいです。

一律で高くなるとは言えない。

それで価格動向を常にチェックしつつ後継機種が出てきた時に後継機種との価格差をみるべきかなと思います。結局今回のレポートも全体像をみる上では参考になると思いますがメーカーごとに対応が異なる可能性もあります。

また機種によっても対応が異なる可能性があるので一概に高くなるとは言えないと思います。例えばSamsungでみればGalaxy S25の販売が絶好調なので後継機種でもこの流れを継続したいかなと思います。

一方でグローバルと比較すれば国内ではUltraがあまり売れていないイメージがあるのでGalaxy S26は出来るだけ値上げを避けてGalaxy S26 Ultraを値上げすることでバランスをとる可能性もあり同じ機種であっても市場ごとの売れ行きに合わせて変動する可能性があります。

なのでユーザーに出来ることがあるとすれば欲しい機種をある程度前もって決めておくことだと思います。

Googleが意外と強いかも。

またメーカーによっては販促に力を入れる可能性もありGoogleが一番分かりやすい例かなと思います。Googleの場合は端末で利益を獲得しつつシェアを拡大することが最優先事項ではなくGoogleのサービスを使ってもらうためにもAndroidが売れるように努力しているとちょっと異質です。

そしてAndroidの売り上げが苦戦しているからこそGoogle自らPixelを強化してカバーする感じなので定価でみれば高くなったとしても大型セールを上手く利用すれば十分に安く買える可能性もあります。

まとめ。

今回は2026年におけるスマホ市場の最新のレポートが公開されたので簡単にまとめてみました。値上げされると覚悟しておいた方がいいですが実際には機種が発表されるまではちょっと分からずです。

焦って行動することが一番のリスクに繋がる可能性もあるので慎重に動向を見極めたいところです。

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