ゲームパフォーマンスやベンチマークスコアの低さからもネットではかなり叩かれている印象のPixel 10シリーズですが個人的には負荷の高いゲームをやらないので特段問題はありません。
今回は来年正式発表が予測されているGoogle Pixel 11シリーズにこれだけは期待したいことについて主観的にまとめたいと思います。
ベンチマークだけでは判断出来ない。
指標としては非常に有能であるベンチマークスコアですがそれだけで判断している人が非常に多いのかなと思います。あくまでも手持ちでみるとスコアが350万点近くになるvivo X300 Proと120万点前後のスコアしか出ないPixel 10シリーズでホワイトアウトサバイバルを比較するとPixel 10の方が快適です。
それこそGPU性能もトータルスコアで見ても最大3倍近くの差がありスコアが絶対的なものであればVivo X300 Proの方が快適じゃないとダメなはずなのに実際には挙動が非常に不安定です。
ゲーム側がDimensity9500に最適化していないか標準搭載されていないGoogle Play Storeのゲームだからこそ不安定になっている可能性もあり今後登場するグローバル版で試す必要があるかなと思います。
何よりベンチマークスコアが高いだけで全てが快適になるわけではないので注意が必要かなと思います。
GPU性能が低い理由。
ちなみにPixel 10シリーズのGPU性能が低い理由としてはGPUドライバーが古いことが原因と指摘されています。あくまでもスペックに対しての話ですが現状だとGPUのパフォーマンスは3分の1程度に抑制されていると言われています。
ただ一方でGoogleによると四半期を目処にGPUドライバーを刷新することを明らかにしました。なので単純に考えれば12月のFeature DropでGPUドライバーがアップデートされる可能性があります。
もちろんGPUドライバーのバージョンと関係なく意図的にGPUを制御しているのであればGPUドライバーが最新の状態になったからといってGPUのパフォーマンスが大幅に向上しない可能性もあります。
とはいえ仮にスペックに対してほぼMAXまでのパフォーマンスが出るようになれば180万点近くにスコアが改善する可能性があり多少なりとも負荷の高いタスクもより滑らかに処理できるかもしれません。
一方でベンチマークとして使われることが多い原神の公式がPixel 10シリーズに対して実質非対応であることに言及しており今までと違い原神をやる人は他社を選べば良いだけです。
Pixelはゲームが出来ないからことからも価格に見合った価値がないと言われることが多いです。ただそれはゲームをやる人の主観で自分からすればゲーム性能が高いと評価されている機種は正直恩恵がないのでむしろ使わない機能に対して余分なコストを払っているのでコスパが悪いです。
何よりゲームをやる人とやらない人の意見はおそらく一生平行線なのかなと思っています。なのでGoogleとしては自分たちのやりたい方向にPixelを導くことが正解なのかなと思います。
電力効率の改善。
海外サイトがPixel 10シリーズを評価する上で共通している部分として発熱の改善です。もちろんユーザーの使い方次第の面もあると思いますが海外サイトが言う長年の問題が改善されたと評価できるほどPixel 10シリーズの発熱が改善したのかといわれれば微妙に感じます。
少なくとも自分の使い方だと前モデル対比で僅かに改善した程度でPixel 10シリーズで発熱が改善したと評価できるのであればPixel 9シリーズの時点で改善していたとも言えると思います。
発熱は絶対悪だとは思っていませんが発熱を感じやすいということは消費電力が多いことになります。なので来年登場するGoogle Tensor G6では電力効率をより改善して発熱抑制に期待したいです。
| Tensor G3 | Tensor G4 | Tensor G5 | Tensor G6 | |
|---|---|---|---|---|
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Big cluster
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1x Arm Cortex-X3
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1x Arm Cortex-X4
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1x Arm Cortex-X4
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1x Arm C1 Ultra
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Mid cluster
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4x Arm Cortex-A715
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3x Arm Cortex-A720
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5x Arm Cortex-A725
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6x Arm C1 Pro
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Little cluster
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4x Arm Cortex-A510
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4x Arm Cortex-A520
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2x Arm Cortex-A520
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–
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Google Tensor G5でみるとTSMCの3nmプロセスノードを採用した上で1+5+2の構成を採用しています。一方で事前情報通りであればGoogle Tensor G6はTSMCの2nmプロセスノードを採用した上で1+6の7コア構成と高効率コアはあまり貢献していないことから全カットになるとの予測です。
またメインコアはTensor G4以来の刷新となりますがDimensity9500と同じくC1 Ultraを採用して、ミドルコアはC1-Proを6つ搭載とアーキテクチャの刷新で電力効率は改善する可能性があります。
ベンチマークスコアでみれば200万点もいけば御の字かもしれませんが最新のアーキテクチャを採用することで処理性能に加え電力効率も改善すれば電池持ちや発熱の印象が変わる可能性があります。
GPUはコストカットがメイン。
またGPUに関しては現状2コアですが3コアになると言われておりクロック数は最大1.1GHzは一緒です。一方で有効化されていないので関係ないですがレイトレーシングやGPUの仮想化は非対応になると予測されています。
GoogleがGoogle Tensor G5の時点でレイトレーシングを実装化しなかった時点でゲームにそこまで力を入れていないことは明白でGoogle Tensor G6で完全にハードでカットする理由はダイ面積を小型化することでGoogle Tensor G6のコストカットをすることが狙いとの話です。
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Tensor G4
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Tensor G5
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Tensor G6
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GPU
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Arm Mali-G715 (7 cores)
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IMG DXT (2 cores)
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IMG CXT (3 cores)
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Frequency
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900 MHz
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1100 MHz
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1100 MHz
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Ray tracing
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Not supported
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Supported
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Not supported
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GPU Virtualization
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Not supported
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Supported
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Not supported
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Die area
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14.7 mm^2 (4LPE)
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16.6 mm^2 (N3E)
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14.1 mm^2 (N3P)
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アーキテクチャだけで判断ができるものではありませんがGPU含めて全体的に刷新される可能性があります。また搭載GPUをみてもGoogle Tensor G5と同じく原神は非対応のままの可能性が非常に高いです。
少なくとも現時点での情報でみればAIをより快適に動作させるためにCPUやGPUを刷新するのかなと思います。何よりアーキテクチャを刷新することで長年の課題である発熱や電池持ちの改善に繋がる可能性があります。
通信関連も安定?
またGoogle Tensor G6と関係してくる部分として5GモデムがついにSamsung製から卒業すると予測されています。直近の情報によるとGoogle Tensor G5で採用すると予測されていたMediaTekのT900ではなくM90を採用すると言われておりすでにGoogleはテストを開始しているとも言われています。
Exynos5400iと比較してどこまで改善するか不明ですが歴代Pixelは通信時の燃費が悪いです。なので5Gモデムが刷新されて最適化されれば消費電力が改善され電池持ちや発熱の抑制に繋がる可能性があります。
何よりGoogle Tensor G6をしっかり仕上げて電池持ちと発熱の抑制をしっかり底上げすべきだと思います。
もう一つ期待したいこと。
少なくともPixel 11シリーズで求めることとしてはAIなど小難しいことよりも単純なことです。海外サイトのバッテリーテストをみる限りPixel 10シリーズのスコアは悪すぎるので後継機種はスコアの改善に期待したいところで日常使いと高負荷時のバランスはとった方がいいです。
Googleが日常使いとAIにフォーカスしているのは明白ですが負荷をかけた時のバランスが悪いく、だからこそ高いと批判されやすいように見えるのでもう少しオールマイティに使えるといいのかもしれません。
カメラセンサーの刷新に期待。
一方で個人的に期待したい部分としてSamsung製のセンサーをそろそろ卒業してほしいところです。少なくともPixel 10 Proシリーズで見ればメインカメラセンサー以外は全てSony製です。
ただ一番重要な広角がコストの問題なのか不明ですがSamsung製なので中途半端に感じてしまいます。Pixel 5まではずっとSony製だったのかPixel 6ではGN1に変更されPixel 8からはGNKです。
またPixel 8シリーズでセンサーが刷新された理由の一つとしてGN1が生産終了になったからと言われています。つまり事前情報通りであれば消極的な理由で変更されただけでPixel 8からすでに3世代一緒です。
なのでそろそろセンサーが刷新されてもいいところで今まではSony製で1/1.3インチ前後のセンサーがありませんでしたが今年でみればLYT-828など魅力的なセンサーが出てきています。
なのでセンサーを全て統一することで色味などをある程度統一してほしいかなと個人的に思います。また望遠センサーもAI超解像ズーム Proに対応したからこそ刷新した方がいいかなと思います。
Pixel 10 Proシリーズが対応しているAI超解像ズーム Proは30倍以上から動作する仕様でざっくり言ってしまえば生成AIを使って30倍以上の倍率で撮影した写真を加工しちゃう感じです。
Google Tensor G5を搭載しているからの機能の一つで非常に面白いですが現状だと生成AIにかなり依存していることからもハードを強化することで依存度を減らせばより自然な写真を撮れるようになるのかなと思います。
もちろん生成AIの精度を上げることでカバー出来ると思いますが正直30倍以上の写真を日常的に撮影する人は限定的でそれ以下のズーム倍率になると単純にハードに依存することになります。
中華メーカーのような1/1.4インチクラスの大型センサーを搭載しろとは正直思いません。ただ中華系がよく採用している1/2.0インチ前後に底上げされるだけでも印象が変わってくるかなと思います。
個人的にはゲームよりカメラを優先しているからこそカメラ性能の底上げに期待したいところです。またPixel 10で無印ですらトリプルレンズカメラ構成になったことで差が分かりにくいです。
価格差がある割にはソフト依存の差しかないから分かりにくく価格差に合理性を持たせるためにもカメラはしっかり強化してほしいところでカメラの強化で価格が高くなるなら個人的に問題はありません。
独自SoCへのこだわり。
独自SoCに切り替えたことでSoC自体の原価という部分で見れば安くなったと思います。少なくともQualcommやMediaTekより買うよりは表面的な価格は安くなったかなと思います。
そのためPixelはもっと安くすべきとの指摘もありますが開発費用に莫大なコストがかかっているが高いので全て込み込みで考えればむしろGoogle Tensorの存在自体が赤字と思っちゃうところです。
ただそれでもGoogleが独自SoCを継続していることを考えるとGoogleがやりたいことを実現するためには重要な存在でありAndroidにAIを反映させるための投資なのかなと思います。
何よりGoogleがやりたいことを貫くべきでユーザーに声に惑わされないことが重要だと思います。