イメージと真逆。Pixelは市場価値が高くなっているのにiPhoneは下がっている理由

ある芸能人によると日本人は旅先でもコスパコスパしか言わない上にお金を使わない割にはサービスの質を求めることから金払いのいい外国人の観光客を相手にした方がいいと発言しています。

賛否両論はあると思いますがここ数年で本当にコスパという言葉はよく使われるようになった印象を受けます。今回Phone ArenaがGoogleやAppleなど主要メーカーの減価償却率について言及しているのでまとめたいと思います。

発売から超短期間における減価償却率。

コスパとよく言われるようになってからより重要視されるようになったのがリセールバリューです。スマホを買い替えする際に古い機種を手元に残す人は関係ないですが下取りや売却に出す人はリセールバリューも重要視している印象で特に価値が高いといわれているのがiPhoneです。

一方でAndroidはiPhoneと比較するとリセールバリューは低いと言われ続けてきました。そして今回海外の調査会社がアメリカ市場における主要メーカーの減価償却率の調査結果を公開していることが判明しました。

発売から1ヶ月 Apple Samsung Google
2021年 18.5% 43.4%
2022年 32.4% 46.8% 42.3%
2023年 28.6% 42.2% 60.1%
2024年 35.7% 48.5% 58.9%
2025年 46.2%

まずiPhoneから確認にしていきたいと思いますが発売から1ヶ月経過した時点でみると2021年は18.5%となっていることからも仮に売却する場合に定価に対して約8割の価格で売れる感じです。

一方で2024年に登場したiPhone 16シリーズでみると35.7%なので2021年対比で約2倍になっています。つまり直近4年でみた場合に市場価値が落ちるのが2倍早くなっていることが判明したことになります。

そしてGalaxyを確認すると2021年のデータがないため2022年を参考にすると同じく発売1ヶ月の減価償却率は46.8%と先ほど2021年のiPhoneと比較すると2倍以上価値が落ちるのが早いです。

一方で2025年でみるとGalaxy S25シリーズは46.2%となっており2022年当時とほぼ変わらずです。むしろ2022年と比較すると0.6%改善しており世代を重ねるごとに市場価値が落ちにくくなったと判断することが出来ます。

最後にPixelを確認すると2021年は43.4%に対して2024年のPixel 9シリーズは58.9%です。つまり4年前と比較するとPixelの場合は市場価値がざっくりと落ちやすくなっていることを確認することができます。

まず最初に発売1ヶ月時点でのデータを確認しましたがiPhoneは市場価値が落ちるのが徐々に早くなっているとはいえGalaxyやPixelと比較すると市場価値は依然として高いままであると判断することが出来ます。

発売から中長期間における減価償却率。

次に発売から5ヶ月経過時点の各メーカーにおける減価償却率を確認していきたいと思います。まずiPhoneに関して2021年は24.7%に対して2024年は35.4%となっているので市場価値が低いです。

次にGalaxyを確認すると2022年は51.9%に対して2025年は46.6%になっていることを確認することが出来ます。

発売から5ヶ月 Apple Samsung Google
2021年 24.7% 50.4%
2022年 31.4% 51.9% 54.6%
2023年 30.1% 50.0% 58.0%
2024年 35.4% 47.3% 56.9%
2025年 46.6%

少なくとも4年前の機種と比較するとGalaxy S25シリーズは5.3%も市場価値が高くなっています。そしてPixelを確認すると2021年は50.4%に対して2024年でみると56.9%と6.5%も悪化している。

ここまできた感じだとAppleとGoogleは約4年前と比較して市場価値が落ちやすくなっています。一方でGalaxyに関しては世代を重ねるごとに市場価値が落ちにくくなっていることを確認することができます。

最新世代における長期の減価償却率。

そして長期でみるとiPhone 16シリーズは発売1ヶ月の時点で35.7%でしたが7ヶ月時点だと34.7%です。なので今回のデータをみると歴代モデルと比較すれば市場価値が下がるタイミングが早いことになります。

Apple 2021年 2022年 2023年 2024年
1ヶ月時点 18.5% 32.4% 28.6% 35.7%
2ヶ月時点 13.8% 28.6% 27.0% 34.5%
3ヶ月時点 16.9% 28.3% 28.7% 34.0%
4ヶ月時点 24.0% 32.3% 37.3% 36.3%
5ヶ月時点 24.7% 31.4% 30.1% 35.4%
6ヶ月時点 24.5% 29.3% 28.0% 35.5%
7ヶ月時点 26.7% 28.1% 31.2% 33.3%

ただそれ以上は大きく下がることなくむしろ7ヶ月でみれば市場価値は少し回復していることになります。

Google 2021年 2022年 2023年 2024年
1ヶ月時点 43.4% 42.3% 60.1% 58.9%
2ヶ月時点 43.8% 53.3% 59.4% 56.3%
3ヶ月時点 43.8% 53.3% 60.4% 57.0%
4ヶ月時点 48.5% 54.0% 59.4% 56.0%
5ヶ月時点 50.4% 54.6% 58.0% 56.9%
6ヶ月時点 51.4% 54.9% 58.6% 55.4%
7ヶ月時点 51.4% 58.7% 56.2% 54.3%
8ヶ月時点 48.6% 58.9% 57.1% 53.8%
9ヶ月時点 50.5% 59.5% 57.1% 51.5%
10ヶ月時点 56.3% 59.1% 55.9% 53.3%

次にPixel 9シリーズでみると発売1ヶ月時点だと58.9%に対して10ヶ月時点で53.3%と改善しています。ちなみにPixel 6シリーズでみると発売1ヶ月と10ヶ月時点で確認すると12.9%も悪化しておりPixel 7シリーズでみると16.8%も悪化していますがPixel 8シリーズでみると4.2%も改善しています。

また繰り返しになりますがPixel 9シリーズになると5.6%の改善とここ2年で市場価値が改善していることになります。つまりPixelの場合は最初にセールで安売りをするため市場価値が落ちるのが非常に早いです。

一方で単純に考えれば発売から時間が経過するごとに市場価値はゆっくり落ちていく流れですがPixelの場合は徐々に回復傾向にあるため世代を重ねるごとに市場価値が落ちにくくなっています。

1年における減価償却率を確認。

ちなみに今回公開されたデータだと1年通期のデータがある機種は限定的でiPhoneの中だと最新世代はiPhone 15シリーズで発売から1年で44.3%で発売1ヶ月と比較すると15.7%悪化しています。

iPhone 15 Galaxy S24 Pixel 8
1ヶ月時点 32.4% 48.5% 60.1%
6ヶ月 28.0% 46.6% 58.6%
12ヶ月時点 44.3% 49.3% 59.2%

次にGalaxyだと通期のデータがある最新世代はGalaxy S24シリーズで発売から一年で49.3%となっています。

ちなみに発売1ヶ月時点と比較すると0.8%しか悪化しておらずiPhone 15シリーズとGalaxy S24シリーズの一年経過時点での差は5%しか差がないのでよく言われるほどiPhoneのリセールバリューが高いというわけではないのが今回の調査結果で確認できる感じになります。

ちなみにPixelに関してはPixel 8シリーズでみると発売1年時点で59.2%なので0.9%の悪化となっています。最初に市場価値が下がりすぎと考えることもできますがセールの乱発でもそこまで下がらずです。

むしろ今と比較すればセールが控えめだったPixel 6シリーズの頃と比較すると市場価値が高くなっています。

今回の調査結果からもPixelはiPhoneやGalaxyに大きく離されていますがGalaxyに関してはiPhoneを抜くのは時間の問題の可能性がありGalaxyの方がリセールがいい時代になるのかもしれません。

ちなみに今回の情報によると早ければ2026年半ばにはGalaxyが抜く可能性があると指摘しています。あと注意点としてこれはアメリカ市場での話で市場によってはデータが変わる可能性があります。

AIの欠如。

一方でiPhoneの値崩れするスピードが早くなっている理由として魅力的なAI機能の欠如と指摘しています。例えばiPhone 15シリーズが発売1ヶ月時点で28.6%に対してiPhone 16シリーズは35.7%です。

Apple 2021年 2022年 2023年 2024年
1ヶ月時点 18.5% 32.4% 28.6% 35.7%
2ヶ月時点 13.8% 28.6% 27.0% 34.5%
3ヶ月時点 16.9% 28.3% 28.7% 34.0%
4ヶ月時点 24.0% 32.3% 37.3% 36.3%
5ヶ月時点 24.7% 31.4% 30.1% 35.4%
6ヶ月時点 24.5% 29.3% 28.0% 35.5%
7ヶ月時点 26.7% 28.1% 31.2% 33.3%
8ヶ月時点 26.3% 28.8% 31.6% 31.8%
9ヶ月時点 26.6% 28.7% 34.3% 34.7%

そして発売9ヶ月時点においてiPhone 15シリーズは34.3%に対してiPhone 16シリーズは34.7%となっています。結局期待されていたApple intelligenceもiPhone 16シリーズ発売当時では提供されませんでした。

また最初はアメリカ限定でベータ版扱いだったことに加えハードでみれば進化が乏しいことから同じくApple intelligenceに対応するiPhone 15シリーズに人気が集まった時もありました。

またGalaxyやPixelで見た場合にアップデートサポートが最大7年に対応したことに加え本格的にAIが強化された2024年モデルから市場価値が落ちるのがより緩やかになった印象です。

サポート期間の拡張。

もちろん機種によりますがiPhoneの場合はアップデートサポート期間は明言されません。一方でPixelやGalaxyは発表時点でサポート期間を明確にするためユーザーはイメージしやすいと思います。

もちろん公式サポートページにおいても記載されるためユーザーはいつでも確認が可能です。加えてAIはiPhoneと比較すればPixelやGalaxyの方が圧倒的に進んでいる印象を受けます。

AppleはAIに対して最初は積極的でなかったのかここまでAIの時代になるとは思ってなかったのか完全に開発が遅れている印象でAIを統合したSiriに関しても発表からほぼ1年で実装できずです。

そのためGoogleはPixel 10シリーズのティザーにおいてまもなくという言葉の定義を変えるか、それとも機種を買い替えるかAppleのAIの開発の遅れを煽っているくらい大きな差があります。

ちなみに海外のジャーナリストによるとGoogleのGeminiとApple intelligenceはすでに3~4年近くの差がありAppleによほどのことがない限りGoogleに追いつくことはないと指摘しています。

また自社のLLMの開発も遅れているからこそGeminiやChatGPTをiPhoneで使えるようにとの話です。何より今後AIがトレンドになればなるほどiPhoneの市場価値は下がりやすくなる可能性があります。

一方でAIでアドバンテージがあるGalaxyやPixelは市場価値が下がりにくくなる可能性があります。

国内シェアとの違い。

何より今回の市場調査結果をみる限りiPhoneのリセールバリューが高いという時代を終わるかもしれません。一方でPixelに関しては安売りを乱発して市場価値が下がり続けると言われてきましたが実際には逆となっています。

そして個人的に意外だったのがGalaxyでiPhoneを超える時代がくる可能性があることになります。ちなみにSoftBankがGalaxy S25シリーズを扱った際に最初から一気に積極的な価格構成を採用しました。

国内市場だと総務省のガイドラインのせいで派手な割引ができなくなっていますがGalaxyはグローバル市場で発売されていることもあり市場価値が高いからこそプログラム利用時の下取り金額を高めに設定することが出来たことからユーザーの実質負担金を抑制できたとの話です。

また定価に関してはSamsungから販売奨励金をもらえたことで当初の価格より低めにできた可能性があります。

アメリカの大手キャリアではGalaxyかiPhoneがかなり勧められるとの話でPixelに関しては直販版市場で上手く販売しているからこそ着実にシェアを伸ばせているとも言われています。

ただキャリアに積極的に販売してもらえないからこそアメリカでのシェアがイマイチ伸びにくい可能性があります。そしてGalaxyとiPhoneに関してはキャリアが積極的に販売するからこそシェアを維持しやすいんだと思います。

一方で国内でみると四半期によりますがAndroidの中ではPixelが圧倒的な強さを見せています。これはキャリアが積極的に販売してくれる結果であってこのポジションになったのは大きいと思います。

そしてGalaxyに関してはハイエンドモデルの展開が中心ということもあり控えめな印象を受けます。だからこそか近年直販版にかなり力を入れている印象で今後国内シェア5位以上になれるかどうかが重要になってくると思います。

とりあえず国内だとiPhoneの人気が絶対的であるからこそiPhoneの市場価値は高いままかもしれません。ただこれがアメリカのように変わってくるのであれば大きな節目になる可能性があると思います。

まとめ。

今回は海外の調査会社が主要メーカーの減価償却率についての調査結果を公開したのでざっくりとまとめてみましたが当たり前のように言われていることと結果が違ったので非常に面白いです。

一方でPixelに関してはブランドロイヤリティの改善が優先されている中でセールに安売りとどのようにバランスをとるのか気になるところでこのまま安売り乱発だとあまり良くないと思います

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