Xperia 10Ⅶ 短期レビュー。久しぶりの大ヒットXperiaなのでは

従来と異なりXperia 10Ⅶが下半期に発表されることでSonyは何かしらサプライズを準備しているかと思いきや現時点で特段何もなくXperia 10Ⅶも従来の延長線に過ぎないです。

ただグローバル市場で反響が良さげに見えむしろSonyがサプライズを貰った立場かもしれません。今回はXperia 10Ⅶが想定以上に売れている理由と短期レビューを主観的にまとめたいと思います。

最初は期待出来なかった。

自分は国内版を待てなかったので香港版を購入して使ってきましたが今までと全然違います。普段ハイエンドモデルを使っている人間からすれば従来のXperia 10シリーズはもっさり感が強めでした。

特段ゲームをやらない自分からしてもスクロールをするとかアプリを切り替えるとか日常的な使い方でもモタつきを感じて正直ストレスでしっかり使ってみようと思える動作性ではなかったです。

またカメラに関してもSNSを意識したのかXperiaの中では変に加工感が強めの印象でした。それで価格が香港版でも個人輸入した場合に7万円前後と安くないからこそ正直微妙な印象でした。

だからこそXperia 10Ⅶが正式発表された際にSnapdragon 6 Gen 3を搭載と見て愕然としました。

短期間使って感じたこと。

ただ実際に使ってみるとXperia 10シリーズで初めて120Hz表示に対応したことが大きいのか歴代で感じていたもっさり感はだいぶ改善されたことで今まで以上にしっかり使ってみたくなりました。

また従来はSonyらしさを感じることはあまり出来ませんでしたがXperia 10Ⅶでは地味に底上げされています。その一つがスピーカーの改善だと思っておりスピーカーテストをしてみました。

スピーカーの改善。

コストカットのためか上位モデルとの差別化なのか不明ですがXperia 10シリーズの進化は正直遅いです。ただ世代を重ねるごとに着実に進化している印象でXperia 10Ⅶは音の輪郭がよりはっきりしました。

もちろん上位モデルと比較すると音質はかなり物足りないですが正面から音を聞いている限り前モデル対比で音の輪郭がよりはっきりしたからこそ従来より臨場感が増して音質が改善した印象を受けます。

カメラの改善。

そしてもう一つはカメラの進化が魅力だと思っており前モデル対比で全てのセンサーが刷新されています。正直インカメラと超広角は刷新されたとはいえ微妙なところですが広角に関しては印象が違います。

広角は1/1.56インチのIMX766を採用しておりセンサーサイズでみればGalaxy S25と同程度です。フラッグシップモデルの無印に採用されがちなセンサーサイズとはいえミドルレンジでは贅沢なのかなと思います。

何より前モデルは1/2.0インチであることを考えるとだいぶSonyはコストをかけたかなと思います。そして個人的に特に良いなと思った部分が広角による低照度撮影で絶妙なチューニングです。

たまたま条件が奇跡的に揃っただけなのかもしれませんがその場の雰囲気をしっかり撮れています。また極端に強い光源や極端に暗くなければノイズや白飛びもある程度抑制してくれるので割と安定しています。

正直このサンプルを撮った時はXperia 1Ⅶよりいい写真が撮れたのではと思ったくらいです。

今までのXperiaの低照度撮影は他社と比較すれば諦めに近い感じでミドルレンジなら尚更です。ただ何も考えずに撮った写真でこれだけの仕上がりになるのであればめちゃくちゃデカいと思います。

Sonyらしさをより強化。

電池持ちに関しては短期間使った感じだと自分の使い方であれば寝る前の電池残量は60%前後です。消費電力が少ないSoCを搭載していることからももうちょっと頑張って欲しかったところですがおそらく120Hz表示のチューニングが不十分な結果使用頻度が高い人ほど電池持ちが悪く感じるかなと思います。

ただターゲットとなっているライトユーザーにとっては十分な電池持ちを実現している印象です。

正直なところXperia 10シリーズを買うならXperia 1シリーズかXperia 5シリーズの中古品を買った方がいいと思っていたくらいXperia 10シリーズはおすすめできる存在ではなかったです。

ただXperia 10Ⅶではようやくおすすめできる存在になった感じでライトユーザーには悪くない選択肢だと思います。イヤホンジャックやSDカードスロットはもちろん健在でさらにスピーカーにカメラの底上げに動作性の改善とSonyらしさが強化された上でスマホとしても使いやすくなった印象を受けます。

だからこそ今までのXperia 10シリーズと比較しても興味を持つユーザーが増えたのかなと思います。

価格の安さが強み。

実際に使ってみてXperia 10Ⅶはかなり良くなったとは思いましたがここまで売れるとは正直思っていなかったです。その理由の一つとしては価格で直販版の7万4800円はちょっと高いと思いましたがYouTubeで頂くコメントをみると8万円以内に抑えてくれたことでむしろ安く感じるとポジティブな声が多かった印象です。

またアップデートサポート期間がXperia 1Ⅶと同じく最大6年に対応したことで従来と比較して長く使えるようになったことからより安いと感じるユーザーが増えた可能性があるかなと思います。

またドコモオンラインショップでみると動画撮影時点の売れ筋ランキングで初登場1位を獲得しています。

従来のXperia 10シリーズもなんだかんだ上位にいることは多かったですがXperia 10ⅦはiPhone 17シリーズの発売と近かったから影響をもろに受けると思っていましたがiPhone 17を抑えて1位を獲得したくらいなのでむしろ今までにないくらい勢いがあるのではと思っちゃいます。

そしてドコモに関してはMNPの場合だと割引が適用されていきりなり半額の4万円ちょいはデカいと思います。実際にどの程度のユーザーがdocomoに乗り換えた上で買っているか不明ですがインパクトがあります。

さらに半額になった上でdocomoのプログラムを利用することで実質月1000円以内に抑制できます。

Xperiaの市場価値は残念なことに低いことからも設定できる下取り額は必然的に低いです。そのため一部機種のように実質24円のような安さはありませんがそれでも興味を持つ人が多い印象を受けます。

ドコモ版の一括価格は8万円ちょいと高いですがMNP限定とはいえ半眼となると話は別だと思います。Xperia ACEシリーズはガラケーユーザーのスマホ買い替え促進機種として有用な存在でしたがXperia 10Ⅶに関しては他社からの乗り換え促進機種としてドコモも期待している可能性もあります。

そしてXperia 10Ⅶがキャリアやメーカーの想定を超えれば後継機種はさらに頑張ってくれるかもしれません。高いのが当たり前になりつつあるXperiaの中でXperia 10Ⅶは安いからこそ人気が出たのかもしれません。

在庫状況は不安定。

海外ユーザーからの報告をみるとXperia 10Ⅶは地味に品切れしている印象で実際にどの程度の数量が売れているのか不明ですがSonyの想定を超えて売れていることに違いはないと思います。

また国内の直販版においても一部カラバリは完全に品切れになっていることをからも反響が高く、一時期Amazonでも完全な品切れになっていたことを考えると割と異常事態かなと思います。

一方で個人的に気になる部分としてはデザインの刷新がどこまで影響してるのかで特にアスペクト比が19.5:9に変更されたことで従来と比較してディスプレイの視認性は改善しました。

デザイン刷新の影響。

割とXperia 10シリーズは中高年に人気があるとも言われていましたがアスペクト比21:9に6インチのディスプレイだと持ちやすいけど見にくかった可能性がありXperia 10Ⅶでアスペクト比が変更されたことで単純に老眼にも優しいスマホになったことが評価された可能性もあります。

現行シリーズの特徴としては好きな人にとことん好きになってもらえるようにとニッチ向けです。またSonyの強みが映像に音楽にカメラとハード寄りだからこそスマホとしての側面よりも機材としての側面が強調されるプロモーションが行われたことで一般層にあまり馴染まなかった可能性があります。

Xperia 1シリーズは明らかにオタク向けなのでそれでも良かったですがXperia 10シリーズはライトユーザー向けであったことからそもそもアスペクト比21:9にする必要があったのかも正直疑問に感じます。

一方で昨年よりSonyは機材としての側面よりもスマホとしての側面を強調する流れに変更しました。なので多くのユーザーが重要視する電池持ちを最大2日間とアピールしたカメラはシンプルなUIに変更などユーザーが自身のライフスタイルに合わせてイメージしやすいように変えてきた感じです。

この流れの影響なのかXperia 1Ⅵも反響が高かったと言われておりXperia 1Ⅶに関しては文鎮化問題さえなければ昨年以上の勢いがあった可能性があるのでかなり勿体無いかなと思います。

一方でXperia 10Ⅶも今まで以上にスマホとしての側面が強化されたからこその勢いなのかもしれません。ただ仮に推測通りであれば今までのSonyのコンセプトは半分正解で半分不正解にも見えちゃいます。

まとめ。

今回はXperia 10Ⅶを短期間使ってきたのでざっくりと良かった部分を確認した上で売れている理由についてまとめてみましたがこの勢いが今後も続くのであればかなり強いかなと思います。

サプライズはない可能性がありますがXperia 10Ⅶは一般層が求めていた存在なのかもしれません。

 

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