原神が先日に対応GPUに関する情報をアップデートしており遠回しにPixel 10シリーズが対象外であることを明らかにしてスマホ用ゲームに対してPixel 10は非常に厳しい立場です。
ただGoogleとしてもそうなることが分かった上でGoogle Tensor G5でGPUを刷新した可能性があります。今回はGoogle Pixel 10シリーズの意外とすごいことについて主観的にまとめたいと思います。
ギアレスヒンジを中心とした進化。
まず一つ目としてPixel 10 Pro Foldで採用されたギアレスヒンジで技術が詰め込まれています。GoogleがPixel 10 Pro Foldを開発するにあたって悩んだ部分としては進化の方向性です。
ざっくりいえば保守的な進化を採用するのか積極的な進化を採用するのかで後者を採用したとことを明らかにしています。その上でPixel 10 Pro Foldの進化に大きく貢献したのが先ほどのギアレスヒンジになります。
一般的なヒンジにおいて歯車が4つあり開閉時にデバイスの2つの半分が対照的に回転します。一方でGoogleはCAMを採用しておりざっくり言ってしまえばバネを新たに採用した感じです。
そしてギアレスヒンジを採用することで本来ギアがあった部分のスペースを節約することに成功したとしています。そのため折畳式機種としては初めてIP68に対応することが出来たとしておりヒンジ部分の小型化に成功したことで内部スペース自体をより効率化することに成功したことをアピールしています。
その一つとしてサブディスプレイ側にあった太いフレームを極限までカットすることに成功したとしています。そのため折り畳んだ時のスリム化に成功した上でサブディスプレイ自体も大型化することが出来ています。
次に2つ目としてはバッテリー容量の増加でPixel Foldでは初めて5000mAhを超えたことを強調しています。最後に3つ目としてはQi2への正規対応で前モデルでみればワイヤレス充電に対応していますが内部スペースに全く余裕がなかったのか背面中央に充電コイルは搭載していないのがデメリットです。
そのため純正であるPixel Stand 2にも対応することが出来なかったのはマイナスだと思います。
一方でPixel 10 Pro Foldは充電コイルが背面中央に搭載されただけではなくマグネットも内蔵していることから充電速度の改善はもちろんアクセサリーとの汎用性も大幅に改善しました。
何より技術チームがギアレスヒンジを開発できたからこそギアレスヒンジを中心とした進化を遂げることが出来た可能性が高く折畳式機種としては世界初を2つも達成と偉業なのかなと思います。
一方で前モデル対比で本体の厚みが増した理由としてはユーザビリティの改善を優先した結果なのかギアレスヒンジが原因で厚みを増すしかなかったのか個人的には地味に気になるところです。
薄く軽くすればいいというわけではありませんがもうちょっと軽くなってもいいかなと思います。
オフラインにおけるAIズームの強化。
次に2つ目としてはPixel 10 Proシリーズが対応している超解像ズーム Proかなと思います。事前情報ではPixel 11シリーズの世代で望遠センサーを強化しつつAIを組み合わせることで最大100倍のズームに対応するとの予測がありましたがPixel 10 Proシリーズで早くも実現しています。
センサー自体は前モデルから変わっていませんが30倍以上の倍率には生成AIの組み合わせで底上げしています。割とどのメーカーもAIズームみたいなアピールをしていますが逆にPixel 10 Proシリーズほど分かりやすく生成AIを組み合わせている機種は他になくむしろ組み合わせることが出来ないです。
例えばHONOR Magic 7 Proで見ればAIズームに対応していますが撮影時にオンライン接続が必要です。つまりSnapdragon 8 Eliteのパフォーマンスがあってもオフラインで処理が出来ないことになります。
一方でPixel 10 Proシリーズの場合は非力と散々叩かれているGoogle Tensor G5だとオフライン処理ができるのでGoogleが他社と明確に違う部分を強化したのが明白だと思います。
また他社の場合だと30倍だけとか50倍以上とか使い勝手がそこまで良くない印象を受けますがPixel 10 Proシリーズは30倍以上であればしっかり対応しており補正前と補正後の写真の両方をGoogle Photoに保存してくれるのはユーザーにとっては地味に嬉しい部分だと思います。
やはり生成AIなので仕方ないと思いますが文字化けがしやすいからこそ補正前の写真も重要です。逆に事前情報通りの流れになるのであればPixel 11 Proシリーズでは望遠センサーを強化してハードによりズーム画質を底上げすることで生成AIへの依存度を下げる可能性があります。
そうなればPixel 10 Proシリーズと比較してより高画質かつ自然なズーム撮影が可能になるかもしれません。Googleはあまり強調していませんがGoogle Tensor G5ではGoogle独自のISPを搭載しているのでISPの搭載とTPUに強化によってハードに依存せずズーム性能を一気に底上げした感じです。
方向性が明確。
そして3つ目としてはGoogleが目的を達成するために方向性を非常にシンプルにしたことです。先ほどの話とも重複しますがGoogle Tensor G5が採用したGPUはフラッグシップ向けではないです。
つまり負荷の高いゲームは満足に動作するはずがないことは分かりきっている話でありゲーム性能をある程度強化するよりもGoogleが優先したかったことは簡単に言えばAIです。
Googleは先日行われた海外サイトのインタビューにおいてもAI分野では明確なリードがあるとアピールしておりGoogleとしてはAndroidにAIを組み込むことが当面の目標だと思います。
その中でPixelに関してはリファレンス機的な立ち位置でAIに振っている可能性があります。またSamsungやAppleのようにシェアを拡大することは目的ではなく健全なビジネスが出来ればそれで十分としておりAndroidユーザーにAIを使ってもらうことで収益化を強化することが目的だと思います。
正直ここまで割り切ってスマホを開発出来ているメーカーは他にあまりないのかなと思います。
新機能に興味があるユーザーがあまりいない。
ちなみにAIなんて使わないとの声をよく聞きますが単純にトレンドのAIでかこっているだけでざっくり言ってしまえば新機能を使うかどうかという話で逆に言えば多くのユーザーはメーカーが苦労して開発した新機能はあまり使わず単純に電池持ちや発熱にカメラなど基礎的な部分を重要視していることがはっきりした感じで新機種の訴求に新機能はあまり意味がないのかもです。
また原神が実質非対応になったことでどの程度のユーザーに影響が出るのか気になるところです。ちなみに原神の公式が年間のアクティブユーザーを公表していないため何ともですが過去の発言から推定700万人弱かなとも言われておりモバイル向けゲームとしては大人気なのかなと思います。
一方で年間でみるとスマホはグローバル市場で10億台近く出荷されているので単純に計算すれば原神のアクティブユーザーは1%以下になるのでGoogleが対象からはずしてもおかしくないです。
少なくとも国内市場でみればXiaomiにSamsungにAppleにSonyにNothingなど多数のメーカーが新製品を導入していることからも選択肢が豊富でGoogleの方針に合わない人は他社を選べばいいだけでこれが例えばPixelとiPhoneの2択しかないなら文句を言いたくなるのもわかりますが実際のところはそんなことはないので過剰反応かなと思います。
Appleを露骨にパクったりしない。
最後に4つ目としてAppleを意識していることに違いはないですが露骨にパクったりしないです例えば直近でみるとXiaomiは先日中国市場でXiaomi 17シリーズを発売しており大人気となっています。
少なくともiPhone 17シリーズに匹敵する売上を記録するなど出だしはかなり好調かなと思います。ただ命名規則は主観ですがナンセンスだと思っておりナンバリングを飛ばしてXiaomi 17シリーズに合わせた上でProの大型モデルにはXiaomi 17 Pro Maxとパクったとしか言いようがないです。
またソフトに関してAppleはiOS26からほぼ10年ぶりの刷新となるリキッドグラスを採用しています。少なくとも先日vivoが発表したOriginOS 6はリキッドグラスをもろにパクった印象です。
またSamsungもOenUI8.5でリキッドグラスに似たデザインを採用する可能性があるとの予測です。そしてSamsungにしろ中華系にしろiPhoneのDynamic Islandに似たUIを採用しています。
結局Androidをベースにした独自UIを採用したところでAppleが何かすればすぐにパクる印象を受けます。なので独自性があるように見えて結局のところAppleの影響を受けすぎなのかなと思います。
一方でGoogleの場合Pixel 10シリーズからMaterial 3 Expressiveを採用しています。雰囲気的に似ている部分もないとは言えないですがリキッドグラスと比較すると方向性が違います。
Google自身もiPhoneユーザーからシェアを奪還することでAndroidのシェアを拡大したいので強く意識していることに違いはないですが同じことをしてもAppleには結局勝てないです。
また中華系だったら中国国内では通用するかもしれないしSamsungであれば韓国国内で通用するかもしれませんがグローバル全体で見た時にAppleのブランド力に及ばない可能性があります。
AirPodsやApple WatchなどAppleの絶対的なエコスシテムが崩壊するのであればAndroidメーカーがパクっても意味があるかもしれませんが逆にエコシステムが崩壊しない限りiPhoneユーザーからみてAndroidメーカーがパクっても魅力的に見えない可能性があります。
だからこそGoogleはAIを主軸にブレない姿勢をみせることが今後かなり重要になると思います。
まとめ。
どうしてもゲームパフォーマンスの低さからもマイナスのイメージが強いですが最新世代では他社が成し遂げていないことを意外と実現しており技術力はやはり高いのかなと思います。
一方で今世代でゲームユーザーを切り離したからこそPixel 11シリーズはもっと分かりやすい存在になるのかもしれません。