Xperia 1Ⅶで加速。ある意味矛盾した中国嫌いとモバイル部門の今後

発売直後から海外含めて不具合報告として上がっていたのがXperia 1Ⅶが再起動する現象です。さらにひどい個体は文鎮化する現象が発生していましたがSonyは事態を重くみて緊急で対応プログラムを発表しました。

単純に考えるとXperia 1Ⅶの文鎮化問題はモバイル部門にトドメをさしたようにも見えます。今回CNET JapanによるとSonyがモバイル部門の今後について言及していると報告しているので簡単にまとめたいと思います。

モバイル部門を継続する理由。

2013年くらいをピークに出荷台数の減少がとまらなかったこともあり10年くらい前からモバイル部門は市場から撤退すると言われてきましたが国内では無事生誕15周年を迎えました。

一方で15周年という節目の年に発生したのが文鎮化問題で後がないように見えるからこそ絶望的です。そして今回の情報によると8月上旬に開催されたSonyの決算説明会において幹部がXperiaに言及したことが判明しました。

幹部によると通信技術はSonyが長い間培ってきた非常に重要な技術とした上でスマホ以外にも活用されている。だからこそ通信関連の基礎技術の開発にもなっているXperiaは今後も大切にしていきたいと今後も継続することを明言しました。

モバイル部門を継続させる理由。

ちなみにモバイル部門を存続させている理由の一つとして通信技術の開発のためであることは以前も言及しています。ただだからといって赤字を垂れ流した状態で続けていいわけではないことからも2018年にモバイル部門のトップに就任した岸田さんの指揮下で黒字化できるように一気に進めてきた感じです。

そのため中国の北京にあった工場を閉鎖した上でモバイル部門の人員配置に加えリストラも実施しています。その結果コロナで各社業績を落としている中でSonyはモバイル部門の黒字化に成功しています。

また昨年だったと思いますがSonyはモバイル部門に対して収益性も悪ければ成長性もないことも明言しています。ただ事業を存続させるために今まで以上に利益率を改善させていく必要があることに言及しています。

おそらくその一つがラインナップの見直しでXperia 5シリーズがカットされた可能性があります。

そしてもう一つがXperia 1Ⅶの文鎮化問題の原因になりましたが中華メーカーに製造を委託したことだと思います。またあるサイトによるとXperia 1Ⅶの内部コードからもそのサプライヤーの記述を確認できるとしています。

自分はこの手のことに素人なのでよく分からないですがその情報を鵜呑みにすればXperia 1Ⅶのハードの開発にも関与していた可能性がありSonyは自社で拘って開発を進めるべき部分以外はそのサプライヤーに開発から任せた可能性があり仕上げの部分だけSonyが行うことでコストカットしたのかなと思います。

全てを丸投げしたとは考えにくい。

単純に考えれば開発の全てを丸投げはしていないと思っており部分的に開発に携わることで人件費含めてコストカットが狙いだった可能性が高いのかなと思っており残念なことに裏目に出たのかなと思います。

ちなみに以前YouTubeでXperia 5シリーズの開発が昨年の4月頃に外部委託されたとコメントで教えて頂きましたが現状をみるとXperia 1シリーズの開発を委託したと考えると整合性があります。

当初はXperia 5シリーズの委託を検討していたが利益率の改善のためにXperia 5シリーズ自体がカットされた可能性があります。その結果Xperia 1シリーズの開発を外部委託することで利益率を改善しようとした可能性があります。

何よりハードの開発が仮に外部委託していたとしてもどこまで委託していたのか全く分からずです。とりあえず今回の発言からもSonyは今後もモバイル部門を継続することを明らかにしました。

そしてモバイル部門に求められることは通信技術の開発で市場シェアを拡大することではないです。もちろん市場シェアを拡大すれば利益率が改善する可能性がありますが拡大するために利益率の低いエントリーモデルを出すことは考えにくいと思っており何よりモバイル部門は利益重視だと思います。

利益重視の路線は継続すべき。

一方で以前頂いたコメントからも利益率を優先しているのはあまり良くないとの指摘を受けました。あくまでも主観ですが企業が製品を出すのは売るためであって決してボランティアではありません。

また安く売ること=ユーザーのためでもないと思っており個人的には利益重視でも問題ないです。少なくともSonyはSamsungやAppleなど世界トップのメーカーと比較すれば余力はないです。

このことを考えるとラインナップを厳選した上でしっかり利益が出るようにしてほしいところです。

ぼったくりではない。

Xperia 1シリーズの原価率が公開されることはないので実際のところは不明ですが一つ言えることとして他社から高い+利益率が高い=ユーザーからぼったくっているわけではないことです。

例えば直近のデータをみるとXperiaの出荷台数は240万台程度と言われている中でAppleは2億2000万台程度であることからも単純に出荷台数だけでみればとんでもない差があることになります。

つまり全く同じ物を作ろうとなった時にAppleは生産台数が多いため規模の経済の効果も大きいです。そのためSonyより圧倒的に安く製造できる可能性がある一方でSonyの場合は安く出来ない可能性があります。

あくまでも噂にすぎませんがXperia 1Ⅵでアスペクト比21:9/4Kのディスプレイを廃止した理由はコストカットのためと言われておりXperia用の特注品に近かったからこそコストも高かった可能性があります。

結局Xperia 1シリーズの出荷台数だけで見れば規模の経済でコストカットするにも限界があります。もちろん高いことが良いことだとは思いませんがそもそもあらゆるコストが高くなっているから他社よりも高くなっているだけでボッタクっているから高くなっているわけではないことです。

マーケティングの最適化にも尽力。

販売台数が減少して規模の経済が効かなくなりコスト増加で本来採用したいスペックも搭載出来ないとなると製品開発の上では負のサイクルとなっていますがそれでもSonyは出来るだけ安くしようとしているのかなと思います。

その一つが裏目に出てしまいましたが製造を外部に委託することでヨーロッパでみると今までは地域ごとに公式サイトと販売拠点を設けていましたがヨーロッパで公式サイトを統一する流れになっています。

イギリスやドイツなど例外もありますがヨーロッパにおける拠点も集約することで効率化しています。またオフラインでの販売を出来るだけ限定することで販促費を出来るだけ抑制しようとしています。

そうすることで本体価格を出来るだけ安くしようとしており出来ることはどんどんやっている印象を受けます。

サポートも重要。

またバルミューダが失敗した理由の一つとしては家電製品のように売ったら終わりではないことです。スマホの場合はアップデート含めたサポートにもかなりのコストがかかるので利益は重要です。

結局利益度外視で本体価格を安くしたとしても余力のないSonyのようなメーカーはサポートが疎かになるだけで利益をしっかり確保しているからこそXperia 1Ⅶでもサポート期間を伸ばせたのかなと思います。

結局利益をしっかり確保してないと新製品の開発も出来ないし発売した後のサポートも疎かになります。だからこそ個人的には利益をしっかり確保する今の方針は全く問題がないのかなと思います。

むしろ中途半端に価格を意識して中途半端なものを出すとそれこそ失敗に終わる可能性があります。

ある意味矛盾した中国嫌い。

またネットで話題になっていてびっくりしたのがSonyの最高責任者に中国人が就任したとの話です。ちなみに話題となっているタオ・リン氏はSonyグループのトップではなく最高財務責任者です。

財務部門の最高責任者であることに違いはないですが最高責任者という言葉が一人歩きしている印象を受けます。例えばSonyの取締役は公式サイトを確認すると全部で11人いて外国人はその内5人と約半数です。

またビジネスCEOでみると全部で9人いて外国人は4人とこちらも役半数と外国人の比率が高いです。Sony自体がグローバル企業であることを考えると幹部に外国人がいても何もおかしくないです。

だからこそタオ・リン氏が中国人と中国という言葉に過剰に反応している人が多い印象を受けます。

自分が頂くコメントもそうですがXを見ているとニュース記事のタイトルしか読んでいない人が多い印象を受けます。そのためタイトルだけを鵜呑みにしている人が多いことからも変な誤解が広がっていく印象です。

ちなみに外資に買収されたSHARPに関して会長にしろ代表取締役にしろ日本人じゃないです。

中国に対してあまりいいイメージがないことは共感できる部分もありますが中国人というだけで嫌悪する声がかなり強いという印象を受けてしまい尚更Sonyの場合トップでもない人間一人が絶大な影響力をもてるのかとなった時にほぼ影響がないのではないのかなと思っちゃうところです。

また決算説明会の際にモバイル部門を今後も大切に事業を継続したと発言したのはリン・タオ氏です。同氏の人事には嫌悪感覚える人が多いのに同氏の発言に安堵する人も多いと正直意味が分からないです。

国家総動員法を危惧。

中国の国家総動員法を危惧する人が多いことからも企業の幹部やトップに中国人を採用するべきではないと考えている人が多いと思いますがとそれなりの権力がある立場についている場合は逆に監視ができる体制になる上に行動に責任を負わせることもできるようになります。

このことを考えると危惧している最悪の事態がそう簡単に起こるとは正直思えないかなと思います。むしろ何の役職も責任もない人や転売ヤーなど一般人の方が何の真絡みもないので怖いと思います。

あくまでもこれは自分の考え方で国家総動員法をどう捉えるかはユーザー次第でいいと思います。

一方でXperia 1Ⅶの文鎮化問題に加え直近でみればマックの転売問題など中国が重なっているから余計にSonyの人事にも過剰反応を示している人が多いかなと思っておりXperiaに関しても今後信頼を取り戻すという意味でも製造を委託するサプライヤーは中国以外にした方がいいと思います。

サプライヤーは変更すべき。

今回の文鎮化問題からも中国のサプライヤーに委託したのがだめとの声もありますが主語がデカすぎだと思います。今回委託したサプライヤーがダメだったというだけで中華メーカー全てがダメなわけじゃないです。

ただ一緒くたに中国とされてしまうことからも中国以外のサプライーに委託した方がいいと思います。Sonyでみた場合カメラなどは政治的な影響を避けるために中国以外で製造するように変更しています。

その中でモバイル部門はなぜ中国に戻ってしまったのかはちょっと気になるところです。

まとめ。

今回はSonyがモバイル部門の今後について改めて言及したので簡単にまとめてみました。何より数年前も今もモバイル部門を継続させている理由が変わっていないことが明白になりました。

一方でどうせ高くなるなら変にコストカットせずしっかり拘ったものを出して欲しいと思います。

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