一時期Androidタブレット市場は混沌していましたが結局は共倒れという感じでiPad一強の時代になった印象を受けます。多くのメーカーがタブレット市場から撤退した中ここ数年でみると一部メーカーはかなり頑張っている印象を受けます。
その中でも筆頭なのがSamsungで今や珍しきハイエンドAndroidタブレットを丁寧に出しています。今回はSamsung JapanさんからGalaxy Tab S11 Ultraをお借りすることが出来たので先行レビューをしたいと思います。
デザインを確認。
昨年発売されたGalaxy Tab S10シリーズで見ると無印がなくPlusとUltraの2モデル展開でした。ただGalaxy Tab S11シリーズでみるとPlusが廃止になった一方で無印が復活にUltraは健在という感じです。
そして今回Samsungさんからお借りすることが出来たのが最上位となるGalaxy Tab S11 Ultraです。まずデザインから確認していきたいと思いますが前モデル対比でより洗練された印象を受けます。
本体サイズを確認すると本当に僅かですが小型しており分かりやすい特徴としては薄型化しました。
前モデルから0.3mm薄型化したことも影響したのか26gも軽量化されたので地味に軽くなりました。やはりこの重さになってくると決して軽いは言えませんが軽量化してくれただけでもありがたいところです。
そしてインカメラがある部分を本体上部とした場合に電源ボタンに音量ボタンにSDカードスロットを搭載しています。ちょっと詳細を把握していませんが音量ボタンと電源ボタンの搭載位置が前モデルと逆になりました。
次に本体左側面にアンテナスリットと2つのスピーカーグリルの搭載を確認することが出来ます。
そして本体左側面を確認すると2つのスピーカーグリルにアンテナスリットにUSB-Cを搭載しています。
最後に本体下部を確認するとキーボードの接続部分とそこまでの大きな変更はありません。ただスピーカーグリルのデザインや本体の薄型化などGalaxy Sシリーズと傾向は同じです。
筐体はアルミを採用しておりサイドフレームからバックパネルまで繋ぎ目がないので一体感があります。国内においてカラバリはグレーの1色展開で前モデルと比較しても色味などに大きな違いはないです。
またカメラデザインに関して前モデルはGalaxy Z Fold6などと同様にカメラリングが太めです。一方でGalaxy Tab S11 UltraはGalaxy Z Fold7のようなカメラデザインでスッキリした印象を受けます。
あと前モデルはS-Penを充電するための白いラインがありましたがGalaxy Tab S11 Ultraではカットされたからこそデザイン全体で見た時により洗練した印象があるのかなと思います。
ただS-PenからBluetoothがカットされているのでデザインとのトレードオフにもなっています。個人的には背面のデザインがよりスッキリしたことでタプレットとしてよりカッコよくなった印象を受けます。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認していくとディスプレイサイズや表示解像度にアスペクト比と特段変更がありません。
またディスプレイサイズが一緒で筐体サイズもほぼ一緒であることからもベゼル幅も一緒に見えます。
コンテンツの表示を比較。
一応YouTubeを再生してみたところGalaxy Tab S10 Ultraの方が青みが強く見えます。チューニングが変わったのか不明ですがスペックでは分からない部分でも改善されている印象です。
ディスプレイ輝度の進化。
一方で分かりやすく進化している部分がディスプレイ輝度で標準表示でもかなり底上げされました。実際に屋内で比較してみてもGalaxy Tab S11 Ultraの方が明るくなっていることを確認できます。
また屋外で比較した時の方がより違いが顕著という感じで出先で使う人ほど恩恵があると思います。
Wi-Fiモデルのみなので屋内で使うことが前提になるとはいえ輝度の改善は単純に嬉しいところです。正直タブレットでも今や1000nitsを超える時代になってきたことを考えるとちょっと恐ろしいです。
反射率がカットされたディスプレイ。
また前モデルから踏襲されている部分としてディスプレイに反射防止加工が施されていることです。スマホでみればGalaxy S25 Ultraが採用していますがこれがあるかないかで視認性が違います。
ちなみに前モデルの時は屋内で使うことを想定していたためスクリーンプロテクターは一切使いませんでした。
ガラスフィルムを貼ったiPadと比較してもディスプレイの反射率がかなり違うことを確認出来ます。普段自分はガラスフィルムを貼ることが多いからこそ前モデルは思い切ってフィルムを使わなかったです。
また前モデルと同じであればGorilla Glass 5だと思いますが個人的には十分な耐久性だと思います。
正直前モデルを使っていた時でもディスプレイが暗くて見にくいと思ったことはほとんどありませんでした。ただGalaxy Tab S11 Ultraでしっかり底上げしたからこそより見やすくなった印象を受けます。
基礎スペックを確認。
そして基礎スペックを確認していきたいと思いますが通信方式としてはWi-Fiモデルになります。次に容量構成を確認すると1TBモデルのみRAM16GBに対応しており動作性優先の人は1TBモデルを選んだ方がいいのかなと思います。
ただストレージ容量自体はSDカードスロットを搭載しているためそこまで気にする必要はないかもしれません。そして前モデルから同じ流れですがDimensity9400+を搭載しておりベンチマークをかけてみました。
発熱とパフォーマンスの持続性を確認。
スコアでみるとGalaxy Tab S11 Ultraの方が20万点近く改善しているのかなと思います。自分はゲームをやらないため恩恵を受けることが出来ず前モデルの時点で十分な動作性でした。
そして計測終了ごとに外部温度を計測したところGalaxy Tab S10 Ultraは34.1/34.0度でGalaxy Tab S11 Ultraは34.7/35.2度とパフォーマンスが高くなった影響か発熱に違いがあります。
筐体サイズが大きいことからも放熱性能は十分という感じですが薄型化したことも影響したのか同じ環境で負荷をかけた場合Galaxy Tab S11 Ultraの方が発熱を感じやすくなったかなと思います。
次にパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
安定率はまさかの同じで単純にGalaxy Tab S11 Ultraのパフォーマンスが向上した感じになります。ちなみに計測終了後に外部温度を計測したところGalaxy Tab S10 Ultraは32.5度に対してGalaxy Tab S11 Ultraは32.6度と先ほどと異なり長時間負荷をかけた場合だと発熱に差がありませんでした。
その他を確認。
そしてバッテリーに関してバッテリー容量は薄型化しながらも着実に増えたのはポイントです。SoCの進化による電力効率の改善とバッテリー容量の増加で電池持ちが改善している可能性があります。
また生体認証や防水防塵規格に関しても変更はないですがIP68対応タブレットは付加価値が高いです。
ハイエンドタブレットに求めること。
次に完全に主観になりますが自分がハイエンドタブレットに求めることの一つ目はエンタメを楽しめるかどうかです。そもそも長年iPadを使ってきましたがGalaxy Tab Ultraに替えた理由がエンタメを楽しむためでした。
やはりデカいタブレットを購入するなら大画面でしっかりとコンテンツを楽しめるかが重要です。音量を50%に設定した上でスピーカーテストをしてみたところ最新世代ではないとはいえiPad Proと比較すると音量にしろ音質にしろ明らかに優秀なことを確認することが出来ます。
一方でYouTubeなどで色々な音楽を再生していると前モデルはボーカルの声にフォーカスをあてたチューニングという感じで周りの音楽はちょいぼやける印象を受けます。
一方でGalaxy Tab S11 Ultraはボーカルの声に集中させるのではなく全体的により強調した印象を受けます。その結果Galaxy Tab S11 Ultraの方が例えばコーラスなど細かい音まで聞きやすくなったので全体的に臨場感が増した感じでスピーカーに拘りがある自分としてはかなり嬉しい進化を遂げた印象を受けます。
大画面の勉強道具。
そしてハイエンドタブレットに求める2つ目としては子供の学習教材として使えるかどうかです。自分の子供は発達障害を抱えているので療育の一環として保育園の時から自宅でプリント学習をやらせることが多かったのですがプリントを印刷するのが正直地味に手間がかかりストレスでした。
家庭用の安いプリンターだと印刷スピードも遅い上に数ヶ月分まとめて印刷することが多かったのでいざ印刷しようとなった時にコピー用紙やインクがなくなったりと自分のタイミングに合わない時もありました。
また幼い頃は鉛筆で実際に紙に書くというと感覚を掴んで欲しかったのでデジタル化はしませんでした。ただ昨年からはプリントの内容を理解してほしいことからもデジタル化を少しずつ進めていた感じです。
その上でGalaxy Tab S11 Ultra専用の機能ではないですがウェブページをPDF化する機能がかなり便利に感じます。ネット上で子供用の学習プリントのサイトがあり勉強させたい課題に合わせてウェブページを開きます。
その上でS-PenのアイコンをタップするとPDF化してくれるのでS-Penで直接書き込めるようになります。もちろん実際に紙に書く感覚とは違いますが印刷する時間含めた手間を大幅短縮できるのが良いです。
あと自分は保存する必要もないと思っているので終わった後は通常のウェブページに戻すだけです。
また自分がタブレットでS-PenのBluetooth機能を使うことがなかったので今回の変更も特段困っていません。ちなみに前モデルまでは背面部分にマグネットで装着してあげることが出来ましたがGalaxy Tab S11 Ultraでは本体側面にマグネットで装着するタイプとなっています。
何より新しいS-Penはデザインも変更されており従来と比較してまさに鉛筆のようなデザインになりました。小学生になった娘にとっては丁度いいデザイン変更で自分にとっても慣れ親しんだデザインです。
またS-Penに物理ボタンを搭載しており押すとペンの種類や色をその場で変更できるようになりました。大画面だと子供にとても見やすいので個人的にGalaxy Tab S11 Ultraは非常に魅力的な存在に感じます。
編集ツールとして使いやすいかどうか。
最後に3つ目として単純に編集ツールとして大画面の方が非常に相性がいいかなと思っています。以前より海外メーカーのライブイベントをレコーダーアプリで録音させた上で翻訳させていました。
もちろんスマホでも同様のことが出来ますが単純にディスプレイサイズがでかい分視認性がいいです。また個人的によく使うツールとして音声消しゴムと消しゴム機能でGoogleと比較して後から追加されました。
なので例えばオブジェクト消去は自動で消したい対象物を選択してくれる上に処理速度が速いです。さらに音声消しゴムはPixelのように2分縛りがないためGalaxy AIの方が使い勝手がいいです。
何より本体で撮影した画像や動画だけしか編集出来ないわけではなく例えば自分だったらGoogle Photoに全ての写真や動画をバックアップしているので編集したい写真や動画を端末にダウンロードしてあげれば純正のアルバムアプリからGalaxy AIで編集が出来るので便利です。
またOneUI8.0の新機能としてGalaxy Z Fold7なども使えますが編集前と編集後の両方を同時に開きながら確認することが出来るので特にオブジェクト消去を使う時は重宝している機能です。
あとは今まで以上にマルチタスクへのアクセスがしやすくなった印象で何かアプリを一つ開くとインカメラ部分下にバーが表示されるため画面分割をするかなど3つのオプションから選択が可能になりました。
従来であればタスクバーを開いてマルチタスクしたいアプリを一覧から検索してドロップする感じでした。ただタスクバーを開くことなく画面分割状態にすぐ切り替え可能であとは合わせて開きたいアプリを選択すればいいだけと本当に地味な違いですが個人的にはかなり便利になった印象でめっちゃいいです。
またデスクトップモードへの切り替えも以前よりシームレスとなっているのも進化ポイントなのかなと思います。SamsungはもっとGalaxy AIをどんどん使ってほしいんだと思いますが自分が使う用途は限定的です。
ただ普段使っている機能が僅かとはいえ進化するだけでもユーザビリティがかなり改善した印象です。
まとめ。
今回はGalaxy Tab S11 Ultraを先行してお借りすることが出来たのでレビューをしてみました。¥Samsungオンラインショップにおいて9月4日より予約開始で9月19日に発売予定となっています。
割と嬉しい部分としては前モデル対比でモデルによりますが2~3万円も安くなっているのはデカいです。さらに期間限定ですが発売キャンペーンとして2万円相当の純正キーボードケースが貰えます。
このことを考えると結構安いかなと思っており今回も自分は256GBモデルを購入する予定です。
パフォーマンスという部分ではもっと他に安いタブレットでもいいかもしれませんが自分が拘るスピーカーを満たす機種はなかなか存在せずコスパが良いと評判のタブレットを購入して使ってみたらスピーカーが残念すぎてすぐに売却したことがあったからこそ高くても妥協したくない部分です。
何より購入した実機が手元に届いたらじっくりと使っていきたいかなと思っています。
製品貸与: Samsung Japan