Googleは日本時間の8月21日に新製品発表会を開催することを告知しており合わせて公開されたティザー動画や画像をみる限りではGoogle Pixel 10シリーズを正式発表する可能性が高いです。
今回Evan Blass氏が新たに公開したGoogle Pixel 10シリーズの公式プレス画像から一部スペックが判明したのでまとめたいと思います。
Qi2に正規対応する可能性。
まずリークの中でも一番気になっていた部分としてPixel 10シリーズがQi2に正規対応するかどうかです。事前情報からも充電プロファイル的にはQi2に対応していることはほぼ間違いないと思います。
ただ個人的にはそこではなく本体にマグネットを内蔵しているかどうかが非常に重要でした。
充電プロファイル的にはQi2に対応していても本体にマグネットを内蔵していなければQi2に正規対応しているとは言えず別途マグネットを内蔵したケースと合わせて使うことで実質Qi2に対応したことになるQi2 Ready対応機種であればGalaxy S25シリーズなど選択肢は増えています。
ただ本体にマグネットを内蔵したQi2正規対応した機種は全然増えてない中で今回リーカーが公開した公式プレス画像をみる限りだとiPhoneのMagSafeのような充電器を用意しています。
またプレス画像をみる限り本体側面にアンテナスリットが見えるので本体に直接装着しているように見えます。あくまでもこの公式プレス画像がフェイクでなければQi2に正規対応している可能性が高いです。
直近の情報からもGoogleはWPCと協力開発をしてQi2の最大充電速度を25Wに強化しています。個人的には15Wでも25Wでもどちらでもいいので本体にマグネットを内蔵していれば文句なしです。
また合わせてリークした純正ケースのプレス画像をみると従来通りのシリコンタイプだと思います。ただこのプレス画像だけだとケース自体にマグネットを内蔵しているかどうかまで確認が出来ません。
以前のリークを考慮すると純正ケースでもマグネット内蔵タイプとそうではないタイプの2種類を用意している可能性もありAppleと同じ戦略を採用する可能性があるのかなと思います。
ほとんどの人は都度ケースを外したりしないと思うのでケースが対応していればいいのかなと思います。ただ自分は自宅ではケースをつけたくないので本体にマグネットが内蔵していれば超便利です。
何より公式プレス画像通りであれば主要メーカーでは初めてQi2に正規対応する流れになります。また実質iPhone用として発売されているQi2対応のアクセサリーもPixel 10で使えるようになります。
とりあえず価格優先のPixel 10で対応している可能性が高いことを考えればシリーズで共通対応している可能性があります。個人的にはQi2に正規対応しているだけでもPixel 10シリーズに買い換える価値は十分にあります。
カメラの一部スペックが判明。
そしてリーカーがPixel 10シリーズの一部スペックに言及しているので確認したいと思います。まず一つ目としてはカメラでカメラセンサーに関する情報はだいぶ前にリークしていました。
Pixel 9a | Pixel 9 | Pixel 10 | Pixel 10 Pro | Pro XL | Pixel 9 Pro | Pro XL | |
---|---|---|---|---|---|
広角
|
Samsung GN8
50 MP 1/1.95” |
Samsung GNV
50 MP 1/1.31” |
Samsung GN8
50 MP 1/1.95” |
Samsung GNV
50 MP 1/1.31” |
Samsung GNV
50 MP 1/1.31” |
超広角
|
Sony IMX712
13 MP 1/3.1″ |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Sony IMX712
13 MP 1/3.1″ |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
望遠
|
–
|
–
|
Samsung 3J1
11 MP 1/1.3” |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” |
インカメラ
|
Sony IMX712
13 MP 1/3.1″ |
Samsung 3J1
11 MP 1/1.3” Autofocus |
Samsung 3J1
11 MP 1/1.3” Autofocus |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” Autofocus |
Sony IMX858
48 MP 1/2.55” Autofocus |
ざっくりいえばPixel 10はPixel 9aのカメラ構成+望遠とセンサーで見れば退化です。
Pixel 9 Pro Fold | Pixel 10 Pro Fold | |
---|---|---|
広角
|
Sony IMX787
64 MP (cropped) 1/1.73” |
Samsung GN8
50 MP (cropped?) 1/1.95” (cropped?) |
超広角
|
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
望遠
|
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
Samsung 3J1
12 MP 1/3.2” |
インカメラ(メイン)
|
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
インカメラ(サブ)
|
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
Samsung 3K1
11 MP 1/3.94” |
そしてPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLは変更がなくPixel 10 Pro Foldに関してはメインカメラセンサーがPixel 9aやPixel 10と同じSamsungのGN8になるとの予測です。
一方で今回の情報からも新たに望遠を実装するPixel 10の最大ズーム倍率が20倍との話です。そして記載がないため確定ではないですがPixel 10 Pro FoldとPixel 10は同じ望遠を採用している可能性が高いことからもズーム倍率も同じく20倍になる可能性が高いかなと思います。
現行モデルが最大20倍のズーム撮影に対応していることを考えると変更がなくてもおかしくないです。そしてPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLに関しては最大100倍ズームに対応する可能性があります。
小型のProモデルで最大100倍ズームに対応するのはPixel 10 Proが初めてになる可能性もあります。以前の情報においてGoogleは新しいアルゴリズムとAIに加え望遠センサーを刷新することでPixel 11シリーズからは最大100倍ズームに対応する可能性があるとの予測がありました。
ただ今回の情報通りであればAIとアルゴリズムは完成したのか最大100倍まで底上げの可能性があります。センサーが変わっていないので過度の期待は出来ないですがどこまで改善するのか楽しみです。
特にGalaxy S25 Ultraに対してどこまでズームで勝負できるようになるのか気になるところです。
動画ブーストへの対応。
そして同じくカメラにおいて今のPixelの強さの一つとなっているのが動画ブーストになります。Googleフォト経由でサーバーにアップロードした上でAIを元に動画を補正する機能になります。
AIを使って補正するんだから出来が良くても当たり前と思うかもしれませんが他社では出来ない機能になります。結局ユーザーは動画ブーストで撮影してバックアップをとればいいだけと余計な手間はかかりません。
だからこそ対象機種が拡大してほしいと思っていましたがPixel 10は相変わらず非対応かもしれません。
そしてPixel 10 ProとPixel 10 Pro XLに関しては現行と同じく最大8Kへのアップコンバートに対応している可能性があります。一方でPixel 10 Pro Foldに関しては記載がないですが現行と同じであれば対応している可能性があります。
ただPixel 10 Proのように8Kへのアップコンバート機能に対応していない可能性があります。この感じだとPixel 10は望遠センサーを搭載してもズームエンハンサーにも非対応なのかなと思います。
何より動画ブーストは最新世代ではそろそろ当たり前のように使えるようになってほしいところです。ただサーバーの管理コストもあるからこそPixel 10シリーズもProに限定の可能性があります。
効率性の改善が最優先。
そして2つ目としては電池持ちでPixel 10シリーズの特徴の一つがGoogle Tensor G5の搭載だと思います。Samsungの半導体部門が安定した製造が出来ないことからもTSMCに注文が殺到している状態で完全に需要過多の状態になっていることからもTSMCもメーカーに対して値上げ交渉を行なっていると言われています。
つまりサプライヤーをSamsungからTSMCに変更するだけでもSoCのコストが増加する可能性が高いです。そしてコストをかけてまでもGoogleがTSMCに移行させたかった理由が効率性の改善です。
事前情報通りであればPixelが返品される理由として電池持ちの悪さと発熱のしやすさです。
特にGoogle Tensorに移行してから他社に大きく離されており優先度の高い課題の一つです。少なくともTSMCのプロセスノードにパッケージング技術を採用するだけでも電力効率は改善すると思います。
さらにGPUに関してもコストと電力効率のバランスを見た上で刷新するとかなり気合が入っていると思います。これでGoogle Tensor G5で電力効率が改善されるのであれば電池持ちの改善に期待できます。
ただ今回の情報だとスーパーバッテリーセーバーモード使用時の最大駆動時間に言及しています。
電池持ちはそこまで改善せず?
Pixel 10/Pixel 10 Pro/Pixel 10 Pro XLは100時間でPixel 10 Pro Foldは72時間と記載されています。つまり現行モデルと同じでここだけで見ると電池持ちが劇的に改善している可能性は低いです。
ちなみにGoogleの公式サイトにおいてもう一つ電池持ちの指標となっているのが通常時の駆動時間です。Pixel 9シリーズは24時間以上の駆動時間とされておりPixel 9aだけが唯一30時間以上です。
あくまでもGoogleの指標でみればPixel 9シリーズよりPixel 9aの方が電池持ちが良いことになります。ちなみにPixel 9aはスーパーバッテリーセーバーモードの状態で最大100時間と一緒です。
現時点だとPixel 10シリーズの通常時における駆動時間の情報がないため正直何ともです。
ただ明らかに電池持ちが改善したと実感できるPixel 8シリーズからPixel 9シリーズでみるとPixel 8シリーズはスーバーバッテリーセーバーの状態で最大72時間となっていました。
このことを考えるとPixel 10シリーズはPixel 8シリーズからPixel 9シリーズほどのインパクトのある電池持ちの改善はない可能性があり僅かな改善に留まっている可能性があることになります。
あくまでもこれはGoogleの公式サイトにおける表記でPixel 9シリーズでも同じ表記だから同じ電池持ちというわけではなくPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLでは地味に差があります。
何より実際に使ってみないと分からない部分なので今後の続報を待つ必要があると思います。ただ少なくともGoogleはそこまで劇的な改善をしていないと思っているからこそ表記の変更をしていないと判断することができバッテリー容量が増えてもそこまで伸びなかった可能性があります。
ベンチマークより最適化を優先してほしい。
まだまだ気になる部分もあるとはいえ見た目以上に中身はしっかり進化している可能性が高いです。結局はGoogle Tensor G5を搭載した上で最適化をどこまで出来ているかで評価が変わります。
これでパフォーマンスが改善しつつも電池持ちが地味に改善しているのであれば高評価になるかもしれません。またベンチマーク自体はどうでもいいと思っていますが180万点前後までいけば批判が減ると思います。
現状最大300万点は出るはずのSnapdragon 8 Elite搭載機種でも300万点近くまでいくのは中華系の一部機種でGalaxyやXperiaで見れば200万点以下でも特段批判されていないです。
なのでPixel 10シリーズが180万点前後でスコアが安定するならそれでも十分かなと思います。少なくともスコアが改善して電池持ちが改善するだけでもだいぶ印象が変わることに違いはないです。
また事前情報からもPixel 10シリーズは最大で3000nitsに対応すると予測されていますが電力効率が最適化されるのであれば平均輝度をちょっと高くしてもらった上で輝度の自動調節をもっと最適化してもらえるだけでもユーザーのディスプレイの印象は大きく変わると思います。
現状だとPixel 10シリーズでどのような新機能が追加されるのか詳細は分かっていません。ただGoogle Tensor G5ではユーザビリティに直結する細かい部分での最適化を頑張ってほしいところです。
今回はPixel 10シリーズの一部スペックに関する情報が出てきたのでまとめてみました。もともと購入予定でしたがQi2に正規対応する可能性が高くなったことからもっと欲しくなりました。
何より4モデルそれぞれに個性があるからこそ価格含めて選ぶのが非常に難しくなりそうです。