今までは中華メーカーがグローバル展開を強化すればするほどSamsungは市場で厳しい立ち位置になってきた印象を受けます。ただ先日より国内でも発売されたGalaxy Z Fold7でその流れを大きく変えた可能性があります。
あくまでも韓国での話ですがFlipより人気が出たFoldというのは今までなかったと思います。今回はvivo X Fold 5のグローバル版を購入したので短期レビューと合わせてまとめたいと思います。
開封。
すでに大陸版の開封レビューを公開しているのでスペックの詳細などはそちらをご覧下さい。その上で今回購入したのは香港版で化粧箱に関しては毎度お馴染みですが黒を基調としています。
付属品を確認すると電源アダプターにUSB-CケーブルにSIMピンに説明書と大陸版と一緒です。
また専用ケースも同梱されており大陸版と専用ケースのデザインは完全に一緒となっています。おそらくですが大陸版と一緒であれば本体のカラバリに合わせたケースが同梱されている可能性があります。
ちなみにvivo X Fold 3 Proのグローバル版は大陸版と異なりヒンジ部分は保護せず背面のみを保護するタイプと仕様が異なりましたがvivo X Fold 5に関しては完全に一緒です。
開封時点でサブディスプレイにスクリーンプロテクターも標準装着されているので最低限揃います。マグネット内蔵のケースが欲しい時などは別途購入が必要ですがこれでも十分だと思います。
デザインを確認。
そしてvivo X Fold 5の注意点の一つにもなりますがカラバリによって本体サイズが異なります。大陸版で見るとグリーン含めた3色展開ですがグローバル版だとグレーとホワイトの2色展開になります。
その上でグリーンは本体を開いた時の厚みが4.55mmで本体を閉じた時が9.7mmで重さは226gです。一方でグレーは本体を開いた時の厚みが4.2mmで本体を閉じた時が9.2mmで重さは217gです。
短期間グリーンを使ってきて感じることは最新世代にしては薄くも軽くも特段感じないことです。Oppo Find N5やHonor Magic V5を触っているせいもありアドバンテージは感じないです。
ただグレーを触ってみると明らかに薄くなって軽くなったことを実感できるので新鮮味があります。正直vivo X Fold 3を触ったことがある人からすればグリーンとホワイトは感動がないと思います。
本体サイズが違う原因。
一方でカラバリによって本体サイズが違う理由としては材質でグリーンとホワイトは背面にガラスを採用しているのに対してグレーはガラスファイバーを採用したことで薄型化/軽量化しています。
サイドフレームにアルミかつ光沢仕上げを採用しているのは共通で個人的にはちょいマイナスです。
そしてバックパネルに関してグリーンはマット仕上げでありながらグラデーションカラーに近いこともあり指紋は全然目立ちませんがグレーに関してはちょっと指紋が目立つという印象です。
ちなみにvivoによると高級感のある質感と洗練されたグリップ感を実現するために二重層背面コーティングを採用しているとの話でシルキーな手触りだけど指紋も目立つ感じです。
またHONOR Magic V5で話題となったスペックと実測値によるずれですが手持ちのスケーラーで計測してみるとグリーンは10.4mmに対してグレーは9.8mmと割と明確な違いがある感じです。
あくまでもサブディスプレイのフィルムありで計測しており個体差がある可能性もあるので注意が必要です。
Galaxy Z Fold7との違い。
ちなみにGalaxy Z Fold7の本体を開いた時の厚みは4.2mmとなっていますがサイドフレームのデザインの違いからもvivo X Fold5のグレーの方が僅かに薄く見えるのはちょっと意外でした。
一方でGalaxy Z Fold7で本体を閉じた状態かつガラスフィルムで計測してみると9.5mmです。ぱっと見はvivo X Fold5の方が薄く見えますが実測してみるとGalaxy Z Fold7の方が薄いです。
また横幅の差からもGalaxy Z Fold7の方が持ちにくいことも影響しているのかvivoのグレーの方が明らかに重いという印象で正直スペックの2g差以上に重さに違いを感じます。
とはいえGalaxy Z Fold7は全体的にフラットで薄いのに対してvivo X Fold 5は手へのフィット感を重視した結果なのか僅かに丸みをもたせたことでかなり持ちやすい印象を受けます。
正直このレベルになるとこれ以上の薄型化や軽量化は望んでおらずスペックを強化してほしいです。
短期間使って感じたこと。
そしてvivo X Fold 5の大陸版を短期間使ってきたので気になる部分をまとめたいと思います。
電池持ちは安定している。
まず一つ目としては電池持ちで自分の使い方だと寝る前の電池残量は60%前後のことが多いです。体感的にはvivo X Fold 3 Proと同程度でOppo Find N5ともほとんど変わらな感じです。
少なくとも直近で使ったGalaxy Z Fold7と比較すると寝る前の電池残量が10%以上違います。ちなみにスクリーンオンタイムが8時間半で電池残量が8%なので9時間近くは持つ可能性があります。
そして海外サイトのバッテリーテストを参考にするとメインディスプレイで13時間21分です。ちなみにvivo X Fold 3 Proは13時間26分なので搭載SoCは一緒でバッテリーが増えたのに電池持ちは悪化したのが残念ですが一方でGalaxy Z Fold7は11時間44分なので圧倒しています。
またサブディスプレイのみのテストでは16時間11分でvivo X Fold 3 Proの14時間41分を圧倒しています。ちなみにGalaxy Z Fold7は12時間55分となっており現時点で折畳式機種の中でトップクラスになります。
何よりサブディスプレイの電池持ちが良いのでユーザーの使い方次第で評価が変わると思います。自分は屋内で使うことがほとんどでその場合だとメインディスプレイが9割という感じです。
なので移動が多くてサブディスプレイの使用頻度が高くなりそうな人はかなり安定する可能性もあります。ちなみにスコアが16時間を超えてくると電池持ちが良いと言われた機種と同程度なので特段心配する必要はないのかなと思います。
一方で今回のテスト結果をみるとメインディスプレイにおける電力効率が悪いということになります。おそらくグローバル版は共通してSamsung製のディスプレイを採用しているのかなと思います。
このことを考えるとメインディスプレイのコンポーネントが原因ではない可能性があります。とりあえず自分の使い方だと電池持ちは十分に安定しておりあとはグローバル版でどう変わるかだと思います。
単純に考えればGMSを標準搭載しているグローバル版の方が燃費が悪くなる可能性が高いです。ちなみにFuntouchOSの方がバックグラウンドにおけるアプリ制御が緩くなりがちです。
その結果なのか不明ですが電池持ちが悪化したとしてもアプリの通知は安定しやすい印象です。
スピーカーは物足りない。
次に2つ目としてvivoなので仕方ないですが残念に感じる部分としてスピーカーの物足りなさです。とりあえず音量を70%に設定した上でGalaxy Z Fold7と比較してみました。
前モデル対比で僅かに悪化したとはいえGalaxy Z Fold7は折畳式機種の中でトップクラスであることに違いはありません。その中でvivo X Fold 5のスピーカーの音質や音量はかなり物足りなく感じることが多いです。
Appleとの連携機能が削除。
そして3つ目としてソフトでグローバル版はメジャーアップデートが最大4回に対応しています。一方で推測はできましたが大陸版では実装されているApple製品との連携機能は基本カットです。
この辺はOppoの方がグローバル版でもしっかり対応しているので進んでいるかなと思います。個人的には大陸版のようにAirPodsやApple Watchとペアリングが出来たら便利でした。
ただグローバルでみるとApp Storeの審査を専用アプリがクリアできないのか気になるところです。何よりApple製品との連携が削除されているのは大陸版と比較するとかなりマイナスだと思います。
ただ大陸版でもおそらくiPhone側に専用アプリを落とすには中国でのApple IDが必要なのかなと思います。このことを考えると多くの人にとってはハードルが高いと思うのでちょっと判断が難しいところです。
まとめ。
今回はvivo X Fold 5のグローバル版を購入してみたので大陸版の短期レビューと合わせてまとめてみましたが個人的にはサイズよりもカメラをもっと頑張ってほしかったところです。
意外とvivo X Fold 3 Proのカメラと差がないとはいえvivoにしては物足りないです。一部噂によるとProモデルが存在していると言われていますがカメラを頑張ってほしいです。
ただその場合グローバル展開なしで中国限定とかありえそうでちょっと怖いかなと思います。何より折畳式機種の中ではカメラが強いとはいえ絶対的な特徴と言えないからこそ中途半端に感じてしまうのかもしれません。
今年は完成度という部分ではGalaxy Z Fold7がかなり強いことを改めて実感します。