スマホとしての使いやすさが底上げされたXperia 1ⅥはSonyの想定以上の売上を記録したとされています。その結果利益率が改善したことを明らかにしておりXperia 1Ⅶも出だしが好調に見えました。
ただ一部個体で発生した深刻な不具合が原因で先日まで販売を一時停止するなど割と致命的な状態となっています。今回はXperia 1Ⅶに発生したハード的欠陥である文鎮化問題について主観的にまとめたいと思います。
交換プログラムを開始。
6月上旬より国内含めアジアの一部で発売されたXperia 1Ⅶですが発売直後から一部個体には勝手に再起動が発生する不具合が発生しており最も深刻な不具合は文鎮化で電源が入らなくなります。
少なくとも文鎮化が発生するタイミングが不明でユーザーの対処方法としてはバックアップをしておくくらいです。そしてSonyは文鎮化に関してかなり深刻な問題として受け止め先日までXperia 1Ⅶの販売を停止していました。
一方で先日より直販版などの出荷も開始しており今後徐々に販売が正常に戻る可能性があります。そして今回の文鎮化問題の原因としては製造上の不備で良きせぬタイミングで内部基盤が故障することです。
その結果電源が入らなくなるとの流れでSonyは製造上の不備が発生しているバッチも特定しています。
Sonyの公式サイトにおいてIMEI番号を入力することで該当する個体か診断テストが出来ます。注意点として該当する個体であっても問題なく使えている場合があり挙動では判断出来ないことです。
また予約開始直後に注文して発売日に手元に届いたら初期ロットと思うかもしれません。ただ実際にそんなことはなく製造時期はカラバリやストレージオプションによって異なります。
なのでXperia 1Ⅶを購入したユーザーは必ず診断テストで問題がないか確認することがおすすめです。ちなみに自分が購入した直販版と香港版は運がよく該当してなかったので今後も問題なく使えます。
販路によって対応が異なる。
また該当する個体であった場合Sonyが提供している無料交換プログラムを利用する流れになります。ただここで注意点がありユーザーが購入した販路によって地味に対応が異なってくることです。
まず直販版に関してはオンラインで完結する流れで申し込みしたら交換機が手元にとどみます。そして該当の個体を返送する感じですが大手3キャリアの場合は基本ショップへの来店が必須です。
ちょっと調べた感じだとauに関しては交換対応ですがdocomoとSoftBankは交換もしくは修理になります。またオンラインショップ限定カラバリに関しては確認がとれていませんが対応が異なるとの話です。
何より直販版が一番シンプルで分かりやすく単純に配送と返送の手続きをすればいいだけです。この交換プログラムも無期限に提供されるとは考えにくいのでユーザーは早めに確認した方がいいです。
販売停止してから原因が発表されるまでちょっとタイムラグがあったなとは思っていましたがその後の対応と交換機を準備する時間が必要だったからこそ時間がちょっとあいたんだと思います。
サプライヤーの信頼性。
ネットではSonyのスマホの開発に問題があるからやめた方がいいとの声もありましたが結果で見れば製造上の不備なのでSonyの開発自体が今回の問題にはなっていないと判断出来ます。
ただもちろん最終的な責任はサプライヤーに委託したSonyにあることに違いはないと思います。Sonyは2026年までに生産コストの最適化を強化することを明らかにしており2019年以降はタイにある自社工場においてXperia 1シリーズとXperia 5シリーズの生産をしてきました。
ただXperia 1Ⅶからコストカットのためか中国のサプライヤーに変更したことが裏目に出たのかなと思います。おそらく製造上の問題のため今回の不具合で発生した諸経費や交換機の手配はSonyではなくサプライヤーが補填するとは思いますがそれでもSonyにとってはお金以上のダメージを受けた可能性があります。
ちなみに一部情報によるとXperia 1Ⅶの内部コードからもハードの開発自体が製造を委託したサプライヤーが行っていた可能性があるとしておりSonyはソフトだけを開発した可能性があります。
委託したとしてもどこまでSonyが関与しているか不明とはいえフラッグシップモデルでハードの開発から製造まで委託と今まで以上にSonyが関与していないとなると寂しいところです。
むしろここまでくるとSonyのXperiaと呼んでもいいのかちょっと気になってしまうところです。少なくとも頂くコメントを見ている限りXperiaが好きなユーザーの一部は日本のメーカーであるSonyが開発しているスマホだからとしていますがハードの開発まで中華となると微妙なところです。
中華嫌いが加速。
何より他のメーカーの機種と比較してもXperiaが好きなユーザーには中華嫌いの割合が多いです。そのためかXperia 1Ⅶでサプライヤーが中国に変更されただけで嫌悪している人もいました。
その中でサプライヤーが原因で致命的な不具合を発生させたとなると中華嫌いが加速する可能性があります。今回の不具合が発生していなければまだマシだったかもしれませんが今後Xperiaの製造が中国以外に変更されない限り買うことはないとの声もあるので厳しい状況になる可能性もあります。
結局コストカットのためにサプライヤーを変更したら売れなくなる原因になった可能性があります。少なくとも今後手配される交換機や販売再開後の個体は問題がないロットだとしています。
また再発防止もしっかり行ったとしていますが今後絶対再発しないとは言い切れないので微妙です。一時期Zenfoneが文鎮化問題で話題になりましたがサプライヤーは一緒だとの話もあります。
機種は違うとはいえ結局は文鎮化問題を発生させているのでサプライヤーに信頼性が正直ないです。
販売停止は英断。
一方で発売がアジア圏と比較すると遅かったヨーロッパではそこまでの影響が出ていない印象です。オランダかどっかでは診断テストが公開されていましたがヨーロッパ向けのバッチは製造が遅かったことで良くも悪くも問題のあるバッチが含まれずに済んだのかなと思います。
北米やヨーロッパにある不具合報告はおそらく香港や台湾などアジア向けを個人輸入した結果です。交換プログラムも日本/香港/台湾で公開された感じで優先市場で積極的に販売した結果残念なことに問題のあるバッチも多く含まれておりヨーロッパのユーザーはラッキーだったと思います。
そしてコメントで頂いた情報ですが交換機の手配するためにショップに訪れた時の話として今回の交換対応件数はそこまで多くないみたいで現場がパニックになるような状況ではないのかなと思います。
その店員さんの話によると歴代Xperiaやもっと台数が出る他社の機種の方が初期不良は多いみたいです。Xperia 1Ⅶは20万円超えと高いからこそ購入したユーザーも限定的でその中でさらに該当する個体を持っているユーザーとなればかなり限定されると思うので対応も決めやすかった可能性もあります。
良くも悪くもあまり売れていないからこそ今回のような問題が発生しても影響が少ないのかもしれません。またキャリアによって対応が異なるとはいえ直販版でみれば割と大盤振る舞いかなと思います。
該当するバッチであれば文鎮化や再起動など症状が発生していなくても手続きだけで交換が可能です。また交換機は完全な新品なのかリフレッシュ品なのか不明ですが割と気前がいいかなと思います。
他社は販売停止にすることはほぼない。
例えば数年前のiPhoneでは一部キャリアのSIMだと通信関連に不具合が発生していました。不具合の発生で通信が出来なくてスマホとして使えないとしても販売停止になることはなかったです。
挙げ句の果てにキャリアには一切の非がなく全てはAppleが対応しないとどうしよもないと責任を押し付けている感じでGoogle Tensorに移行してからのPixelの通信関連の不具合も深刻だと思います。
アップデートによるバグが原因だったとはいえセルラーもWi-Fiも使用不可になったとしても販売を一時停止することもなくPixel 6シリーズは不具合でストレージにアクセス出来ない不具合が発生して文鎮化する問題も発生していましたが結局販売停止に繋がることはないです。
結局深刻な不具合が発生しても個々に対応するしかなく割と泣き寝入りすることが多い印象です。その中でSonyは症状の発生関係なく今後不具合が発生する可能性がある個体含めて全部対応になります。
販売停止でやばいと言われましたが早期に販売停止の決断を出来たのは英断だったと思います。良くも悪くも自社製造をしていなかったからこそ早期に決断できたメリットがあるのかもしれません。
Xperia 10Ⅶは重要。
個人的には今回の不具合に遭遇していないことからもXperiaに対して負のイメージはないです。ちなみにPixel 9 Pro Foldは夫婦で1台ずつはずれをひいて妻の個体は通信が突如できず。
さらに通信が出来ない症状が発生すると再起動が頻繁に発生するという不具合に遭遇してました。ただそれでも結局はPixel 9 Pro Foldに対して二度と使わないとはなってないので寛容なのかもしれません。
とはいえ多くのユーザーは深刻な不具合が発生すれば見限る人が多いのかなと思います。おそらくですが今回の問題はサプライヤーに原因があるので保証に要したコストに関してSonyは一切負担しないで済んだ可能性がありますが今後の売上に影響してくる可能性があります。
すでに自分のチャンネルでも見限ったとか今後数年Xperiaは買わないとの声も見ています。
サプライヤーは中国。
また今年の秋にXperia 10Ⅶを正式発表予定ですが従来通りであればサプライヤーは中国です。過去にXperia 10シリーズの製造も委託されていたことがあるのでXperia 1Ⅶと同じかもしれません。
そうなればイメージとしてXperia 10Ⅶでも文鎮化が発生してしまうというイメージがつきます。従来SonyはXperia 10シリーズを上半期に発表しておりXperia 1シリーズのおまけという感じです。
ざっくりとXperia 1シリーズの説明に全体の95%を使ってXperia 10シリーズはPVを流す程度です。その中でXperia 10Ⅶを秋にずらして単独で発表することを考えると何か仕掛けてくる可能性があります。
以前より噂されているようにミドルレンジモデルからミッドハイレンジモデルに昇格させて実質Xperia 5シリーズの代わりのような扱いにすることで注目を集める作戦なのかもしれないです。
もしくはXperia 10Ⅶとは別に何か新型Xperiaを用意してサプライズの流れにするのか気になるところです。何よりXperia 1Ⅶで発生した文鎮化問題は下半期に登場するXperiaでもイメージとして付きまとう可能性がありXperia 10Ⅶの完成度が高くないと最悪の流れのまま今年が終わるかもしれません。
まとめ。
今回はXperia 1Ⅶの文鎮化問題についてある程度形になったので主観的にまとめてみました。とりあえず今後数年はユーザーから不具合に対する意識はかなり強くなるので再発は絶対阻止する必要があります。
致命的な不具合を出さずに数年安定して販売が出来ればユーザーの信頼も戻ってくる可能性もあるのかなと思います。