GoogleはNexus 9以来のタブレットとしてPixel Tabletを2023年に正式発表しました。コンセプトとしては非常に面白かったと思いますが刺さるユーザーは少なかったのか売上は微妙だったんだと思います。
その結果Pixel Tabletの開発チームはすでに解散したと言われておりAndroidタブレットが生き残るにはやはり厳しい環境です。一方でユーザーごとに好みの差はあれど個人的には面白いタブレットも増えてきた印象を受けます。
今回REDMAGICさんからREDMAGIC Astraをご提供頂いたので開封レビューをしたいと思います。
開封。
まず開封をしていきたいと思いますがタブレットの化粧箱だと思えないほどコンパクトに感じます。
そして付属品を確認するとUSB-Cケーブル。
さらにREDMAGICステッカーに説明書と非常にシンプルです。普段中華系のスマホを買ってばかりということもあり電源アダプターが同梱されていないのはちょっと寂しく感じてしまいます。
ちなみに最大80Wの有線充電に対応しており最速で充電したいなら別途購入が必要になります。ただ公式サイトで80W対応の電源アダプターが販売されているので購入はかなり分かりやすいです。
また開封時点でスクリーンプロテクターも装着されていないため気になる人は別途購入が必要です。中華系のスマホと比較するとちょっと付属品は寂しいですがタブレットだとこんな感じなのかもしれません。
サイズ感が良すぎる。
そして今回REDMAGIC Astraのレビューをしようと思ったのはこのサイズ感にめっちゃ惹かれたからです。普段リビングにいる時などはGalaxy Tab S10 Ultraなど大型タブレットを使うことが多いです。
一方で寝室などリラックスして使いたい時は長時間持ってもあまり負担にならないiPad miniを使っています。今までiPad miniの代わりになるタブレットを探していましたがなかなか見つからなかったのも事実です。
今年になってからはGalaxy Tab S10 FEを購入して使っていましたが10インチになるとちょいデカいです。なので結局iPad miniの方がストレスなく使えると思っていた中で登場したのがREDMAGIC Astraです。
デザインを確認。
まず本体上部を確認するとスピーカーグリルに指紋認証が統合された電源ボタンを搭載しています。
そして本体右側面を確認すると音量ボタンにスライド式のMagic Keyを搭載しているのが特徴です。
簡単に言えばショートカットボタンでデフォルトだとGameSpaceを開く設定となっています。
ただボイスコーダーを開いたり対面翻訳を開いたりサウンドモードの設定を開いたりすることが可能です。ちなみにMagic Keyで起動したことは再びスライドさせることで終了させられるので分かりやすいです。
最後に本体下部を確認するとUSB-Cにスピーカーグリルと面白いのがUSB-Cの搭載位置です。多くの機種は中央に搭載されていますが充電をしながらゲームをする時に邪魔にならないように上寄りに搭載されています。
またスピーカーを中央に配置したことでスピーカーからの音をより楽しめるように配慮しています。
サイドフレームはアルミを採用しておりフラット形状に加えマット仕上げを採用しているため質感は高めです。またバックパネルと一体化しているためデザインに統一性があり背面もマット仕上げとデザインは良さげです。
一方でREDMAGICの特徴ともいえるスケルトン風デザインを採用したことでアクセントになっています。逆にスケルトン風デザインがないとデザインがシンプルすぎてちょっとつまらなかった可能性もあります。
iPad miniと比較。
そしてここからはiPad miniのサイズ感のタブレットを求めていたこともありiPad miniと比較していきたいと思いますが手持ちのiPad miniは第6世代となっているの予めご了承下さい。
まず本体サイズでみると横幅はほぼ一緒ですが縦幅に関してはREDMAGIC Astraの僅かにデカいです。また本体がちょっと分厚いことに加え気になる部分としては本体の重さに70g近くの差があることです。
やはり長時間持っていることを考えるとこの重さの差が気になってくる人はいるのかなと思います。とはいえ個人的にはそこまで気になる差ではなく今まで使っていたAndroidタブレットより全然軽いので問題なしです。
改めてiPad miniと比較すれば僅かにデカい上に地味に重いという感じになります。ただ今までこのサイズ感のハイエンドAndroidタブレットがなかったからこそ貴重な選択肢に感じます。
しっかりコストをかけているディスプレイ。
そしてディスプレイを確認していきたいと思いますがこのサイズ感でありながらも9.06インチのディスプレイを搭載しています。
ディスプレイを可能な限り大型化出来た理由としてはベゼルをスリム化できたことで上下左右均等となる4.9mmとなっておりiPad miniに関しては8.7mmなのでパッと比較した時の印象は全然違います。
またタブレットほどベゼルがスリムになりすぎると誤反応の原因になりますが4.9mmは絶妙なところで実用性とデザインのバランスがとれています。さらにこのサイズ感のタブレットとしては初めてとなる有機ELディスプレイの搭載でコストをかけています。
コンテンツの表示を確認。
YouTubeを再生してみるとiPad miniのアスペクト比は3:2ということもあり黒帯が地味に発生します。一方でREDMAGIC Astraは16:10となっていることからもほぼ全画面で表示出来るので相性が良いです。
また画素密度で見ればREDMAGIC Astraの方が低いですが有機ELのお陰か発色がかなり良く感じます。
ディスプレイ輝度を確認。
さらに地味に差となっている部分としてはディスプレイ輝度でREDMAGIC Astraは最大1600nitsです。タブレットは1000nitsもあれば割と優秀な方の部類に入る中で十分な輝度に対応していると思います。
ただ今回試した感じだとREDMAGIC Astraは輝度が自動調節だとちょっと暗めに感じます。電池持ちを意識しているのか最適化が不十分なのか暗いと感じることがちょっとあるかなと思います。
またこれだけサイズ的にもディスプレイ的にも携帯性に優れているのでセルラーモデルが欲しかったところです。
ストレスがない動作性。
あとは個人的に嬉しい部分としてリフレッシュレートでiPad miniは60Hzなのでもっさり感強めの印象を受けます。これはOSによるアニメーションの差もありますがREDMAGIC Astraは最大165Hzなのでサクサク動作する印象を受けます。
ちなみにリフレッシュレートのオプションは自動/60Hz/165Hzの3択で自分の使い方だと自動で十分です。またわけが分からない数字になってきたように感じますがPWM調光は最大5280Hzとなっています。
リフレッシュレートが最大165Hzであることからも残像を感じにくいので目も疲れにくいです。その中でPWM調光もかなり強化しているのでユーザーの目にかなり配慮したスペックとなっています。
何よりiPad miniより多少デカいとはいえディスプレイの視認性はスペック以上にある印象を受けます。ディスプレイは割とコストカットされやすい部分ですがゲーミングタブレットだからこそしっかり強化している印象です。
基礎スペックを確認。
そして基礎スペックを確認していきたいと思いますがAndroid15をベースにしたREDMAGIC OS10.5に対応しています。一応REDMAGIC AI+という項目があり分かりやすい部分として翻訳機能に対応していることです。
対応言語は中国語/英語/日本語/韓国語/ドイツ語/フランス語と限定的ですが通話内容をリアルタイムで翻訳することが可能な上に通話中に字幕を表示することも可能と意外と使える感じです。
一方でGeminiには対応していますがかこって検索に対応していないかったのはちょっと残念です。
容量構成を確認。
そして容量構成を確認するとベースモデルがRAM12GB/ROM256GBモデルで中位モデルはRAM16GB/ROM512GBで最上位構成はRAM24GB/ROM1TBとゲームに合わせて選ぶのが分かりやすいかなと思います。
自分のようにコンパクトなタブレットが欲しい人はRAM12GBモデルでも十分かなと思います。一方で重いゲームをやりたい人は最低でもRAM16GBはあった方がよくがっつりやる人は最上位構成がいいと思います。
またSDカードスロットは非搭載ですがストレージ規格は最新となるUFS4.1にしっかり対応しています。
発熱とパフォーマンスの持続性。
そして搭載SoCはSnapdragon 8 Eliteで個人的には発熱がちょっと気になるところです。
REDMAGICによるとタブレット用に最適化された複合液体金属搭載のPAD ICE-X冷却システムを採用しています。
これは一部ハイエンドゲーミングパソコンに採用されている複合液体金属2.0を使用していることに加え従来の液体金属の課題だった安定性の問題を独自のサンドイッチ構造の採用で克服したとの話です。
また業界では初となるサンドイッチ型ベイパーチャンバー構造を採用でSoCの上下両面をカバーしています。この構造を採用したことで放熱効率が28%改善したことに加えコア温度は最大8度下がったとしています。
とりあえず発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。
スコアでみると250万点前後で安定しておりやはりタブレットである分安定しやすいのかなと思います。ちなみに計測終了ごとに外部温度を計測したところ42.3/46.1/45.4度と想定したよりは熱くなります。
またスケルトン風背面部分を中心に音量ボタンとMagic Keyの中間あたりにかけてかなり熱くなります。
なので本体縦向きで持っている場合は本体右側面がかなり熱くなるなという感じになりますが本体横向きにしている部分は上部が熱くなる感じでゲームプレイ時のユーザビリティは下がりにくいです。
少なくとも横向きで持っている時は出来るだけ快適にプレイできるように配慮されているのが分かります。またゲーミングタブレットらしいとも言えるのか冷却ファンを搭載しているのも興味深いところです。
なので冷却ファンをオンにした状態でベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。
個人的にはファンをオンにすることでもっと音がするのかなと思っていましたがむしろほとんど聞こえないです。またスコアでみるとファンなしと比較した場合にスコアが10万点近く上乗せになる印象を受けます。
ちなみに計測終了ごとに外部温度を計測したところ44.5/47.5/44.2度で想定より温度が高めです。
AnTuTu | ファンなし | ファンあり |
1回目終了時点 | 42.3° | 44.5° |
2回目終了時点 | 46.1° | 47.5° |
3回目終了時点 | 45.4° | 44.2° |
単純にパフォーマンスが高くなった分外部温度もかなり高くなるとイメージするのがいいです。またパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
ちょっと意外だった部分としてファンありの方が安定率が93.1%と高くなっているのは分かります。ただトップスコアで見るとファンなしより下がっておりAnTuTuの時とある意味逆の結果になっています。
3D Mark | ファンなし | ファンあり |
安定率 | 91.1% | 93.1% |
トップスコア | 2万2377 | 2万1681 |
外部温度 | 52.1° | 47.8° |
外部温度はかなり熱くなりますが排熱する場所が明確なので本体横持ちなら気にならないのが良いところです。
バッテリー関連を確認。
そしてバッテリー容量に関してREDMAGIC Astraは8200mAhとこの筐体サイズを考えれば大きめです。ちなみに筐体サイズが僅かに小さいiPad miniは公式発表ではありませんが5000mAh程度との話です。
そして充電速度に関してREDMAGICによると充電開始22分で50%の充電が可能なので1時間弱でフル充電が可能なのかなと思います。
電池持ちは今後様子見をしていきたいと思いますが個人的にはスマホと使い方が全然違うのでそこまでの電池持ちを求めておらず充電頻度が少しでも減ればいいくらいかなという程度です。
またバイパス充電に対応しているのでゲームをやる時などは給電のみにすることで発熱抑制も可能です。
その他のスペックを確認。
そして生体認証に関しては電源ボタンに統合された指紋認証に加え顔認証にも対応しています。認証速度は問題なく変に画面内指紋センサーを搭載しなかったからこそ使いやすい印象です。
ちなみに防水防塵性能はIP54となっておりちょっとした耐水性能があるのは嬉しいところです。推奨は出来ませんが雨でちょっと濡れた程度では故障する可能性はかなり低いのかなと思っています。
スピーカーを確認。
また個人的に気になっていた部分としてはデュアルスピーカーの実力で音量を70%でテストしてみました。やはりApple系は強く音量が大きい上に音質も地味に差がある印象でREDMAGIC Astra単体で聞いてる分には決して悪くないのですが比較してみると明確な差がある印象を受けます。
価格と発売日。
最後にタイムスケジュールに関して公式サイトは7月3日の午後12時より予約開始ですでに予約可能です。また7月30日の11時59分までに予約購入することで5000円オフとなるので地味に嬉しいところです。
定価/税込 | ブラック | シルバー |
RAM12GB/ROM256GB | 8万7800円 | |
RAM16GB/ROM512GB | 11万4800円 | |
RAM24GB/ROM21TB | 14万9800円 | – |
そしてカラバリは2色展開で最上位構成のみブラックでベースと中位に関しては2色から選択が可能です。ただ注意点としてシルバーは8月中旬から順次発売予定となっており現時点ではブラックのみです。
肝心の価格に関して予約購入した場合は5000円引きになるのでベースモデルは8万2800円から購入可能です。
正直1TBのストレージに対応したタブレットが14万4800円で購入できるのも十分に安いです。ちなみにiPad miniの第7世代の256GBモデルが9万4800円であることを考えると全然安いかなと思います。
REDMAGICは分かりやすくゲーミングタブレットの位置付けにしていますが自分のように高性能かつコンパクトなAndroidタブレットが欲しい人にとってREDMAGIC Astraは待望の存在かなと思います。
ここ短期間使ってきましたが自分が求めていたタブレットで今後日常から旅先までしっかり使っていきたいところです。
製品提供: REDMAGIC Japan