直近の情報からも四半期ベースでSonyは国内市場においてメーカー別シェアでトップ5に入れずの状態です。あくまでも出荷台数がベースのためエントリーモデルがないのは地味に痛いのかもしれません。
今回Visual Capitalistが過去10年におけるSonyやGoogleなどメーカー別の生産台数の調査結果を公開していることが判明したので簡単にまとめたいと思います。
SamsungとAppleの動向。
まず今回の調査結果は出荷台数ではなく生産台数となっておりちょっと珍しいのかなと思います。翻訳ミスだったら申し訳ないですが生産台数と出荷台数はある程度一緒のイメージでもいいかもしれません。
そして2015年からシェア1位を獲得しているのがSamsungですが結果をみる限り芳しくないです。
2015年時点で3億2100万台生産していたのが2024年には2億2580万台まで減少しています。Samsungの売上において半分はGalaxy Aシリーズの最も安いモデルとも言われており売上の7割近くはGalaxy Aシリーズとされていることからも安いモデルが売れないと厳しくなります。
また価格勝負になると中華メーカーと勝負するのが厳しい感じで今回の調査結果にはないですが中華メーカーが勢いをつければつけるほどSamsungが一番ダメージを受けているのかもしれません。
単純に今回の結果をみると10年で生産台数が1億台近く減少しているのでかなりインパクトがあるのかなと思います。数字でみると2018年頃から減少傾向に入っており2020年以降はより保守的な印象を受けます。
2020年のパンデミックに加え世界的なインフレから値上げを避けることが優先してきた印象です。そのためソフト主軸に切り替えた印象でハードの進化は超マイナーアップデートの繰り返しになった感じに見えます。
またフラッグシップモデルでみれば値上げ回避のためかデザインの変更にも消極的な印象です。そのためかGalaxy Zシリーズは当初2000万台が出荷目標とされていましたが直近の情報だと今年の生産台数は大幅に削減されると言われており第7世代のGalaxy Zシリーズは500万台程度との予測です。
目標を達成するどころか減少傾向で噂通り2026年にAppleが折畳式機種を出せばとどめかもしれません。ただSamsungもこの状況がヤバイと思っているからかGalaxy Z Fod Special EditionやGalaxy S25 Edgeなど新技術を試す時は販路かつ販売地域限定で出している印象を受けます。
Galaxy S25シリーズの販売は好調と言われていることからも従来の路線を継続しつつ新しいことに挑戦することで再び革新的というブランドイメージを強化したい可能性があります。
一方で長年2位となっているAppleに関して2015年は2億1500万台に対して2024年は2億2200万台とここ10年でみると多少の増減はあってもほとんど変わらない感じになっています。
ちなみに2024年でみるとSamsungが2億2580万台に対してAppleは2億2250万台なので差がほとんどないです。
またアナリストによると2025年はiPhone 16eの発売に加えiPhone 17シリーズで刷新されると指摘しており、このことからもAppleは通期でシェア1位を獲得するとの予測があり結果が楽しみという感じです。
何よりSamsungが減少傾向をとめることが出来なければ勝手に2位に転落するという感じになります。それだけSamsungにとっては厳しい状況でAppleにとってはチャンスになる可能性があります。
Sonyの動向
そして次にSonyを確認していきたいですが以前は決算時に出荷台数は発表していましたが数年前から非公表になっており結局今は年間でどの程度売れているのか分からない状態でした。
またSony自身もぼやっとした言い方しなかったので余計に実情が分からない状態でした。そして2015年を確認すると2950万台に対して2024年でみると245万台と10分の1に減少しています。
ちなみに2015年はSonyにとってピークではなく2013年頃は4000万台以上だったとの話もあります。2015年はSnapdragon810の爆熱問題に悩まされた年でこの年はXperia Z5シリーズを発売しています。
Xperiaで初めて指紋認証の搭載に加え4Kに初対応と個人的には印象的だった世代に感じます。ただXperia Zシリーズでは売上減少をとめることができず2016年からはXperia Xシリーズに移行しています。
それでも売上減少がとまらなかった感じで2018年は前年対比で約半減となる700万台程度です。この年は変わらないと言われたXperiaのデザインが刷新されたXperia XZ2シリーズが登場しています。
ただユーザーからの評判が悪いことに加えオーディオに拘っていたのにイヤホンジャックの廃止で多くのユーザーがXperiaから離れたと言われており2019年には現行シリーズに移行しています。
現行シリーズはSonyの開発者が本当に作りたい物を作るというコンセプトかつSonyの強みを活かすための強化をした結果ニッチ向けとなりましたが軸自体はかなりしっかりした印象です。
ただニッチ向けに加えモバイル部門の黒字化が優先されたことで本体価格もかなり高くなりました。そのため利益率はは改善しても売上は減少しており2020年には285万台まで減少しています。
ただ意外にここで底をうった感じでパンデミックの状況下でも極端に下がることはなかったみたいです。ちなみに以前公開された調査レポートで2023年の国内市場は前年対比で40%減少したとの話です。
おそらくXperia Aceシリーズが出なかったことに加えXperia 1Ⅳなどの評判が悪かったが原因になっている可能性があります。ただ今回のレポートを見ると前年対比では20万台近く増えているので数字として見れば悪くないです。
海外ではXperia Aceシリーズは発売されてないのでフラッグシップが堅調に売れた可能性があります。
そして2024年に関しては35万台近く減少していますが原因としてはXperia 5シリーズの不在です。なので従来通りのラインナップを展開していれば生産台数は維持できた可能性があるかもしれません。
実際にシリーズ別の売上構成比は不明ですが以前Sonyの方に聞いた時はXperia 10シリーズがかなり売れるとしており次にXperia 5シリーズは及ばないもののそれなりに売れるとしています。
そしてXperia 1シリーズはそこまで売れないとしている中2024年は売上に貢献していた可能性があります。
Xperia 5シリーズが不在でも大幅なマイナスにならなかったことを考えるとXperia 1シリーズがそれなりに売れたと判断することができ今年でニッチ向けを進化しつつ基礎スペックの底上げとちょうど中間の路線をとってくるのは妥当で今後の売れ行きが非常に気になるところです。
仮に下半期にXperia 10Ⅶに加え新型Xperiaが出るなら昨年を超える可能性もあるかもしれません。
Googleの動向。
最後にGoogleですが特に国内市場ではダークホース的な存在で近年で最も成長したメーカーです。以前はHTCとLGの協力でNexusブランドを発売しており国内でも最後の方は発売されていました。
一方でPixelシリーズが生まれたのは2016年からとなっており今回のデータでみ過去9年分です。初代Pixelに関しては生産台数が僅か45万台と少ないですが販路がアメリカ限定かつ生産が全くおいつかつず発売から半年近くしてようやく在庫が安定してきたという話もあったくらいです。
そのため生産台数が全く伸びないのは仕方ない感じでPixel 2シリーズで一気に365万台に増加しています。
一方でPixel 3シリーズからPixel 5シリーズは伸び悩みという感じでGoogle Tensorの開発トラブルからも急遽ラインナップが変更されたと言われている2020年はむしろマイナスです。
フラッグシップモデルは存在しているとはいえハイエンドは存在していないことから厳しいです。そしてGoogle Tensorに移行かつデザイン含めて大刷新となったPixel 6シリーズで一気に飛躍していることを確認することが出来ます。
また2022年でみるとPixel 6aがしっかり売れたこともあり800万台と2020年対比で約2倍です。さらにアメリカでは無印が$599と他社と比較しても圧倒的に安かったのも大きな強みだったと思います。
一方でPixel 7aにPixel 8シリーズと前モデル対比で値上げされていますが1000万台を突破しています。
そして2024年も同様に1000万台を突破しており今後の課題としてはここからどう伸ばすかです。その戦略の一つとしてPixel 9aの販売地域を一気に拡大したことで出荷台数が増える可能性があります。
また事前情報通りであればPixel 10にPixel 10 Proシリーズは前モデルから価格が据え置きになると予測されています。ただ折畳式機種であるPixel 10 Pro Foldは現行モデル対比で$100近くの値下げになる可能性がるとの予測です。
アメリカの相互関税の影響で今後どうなるのか不明ですが価格で攻めてくる可能性があります。一方で国内のGoogle Storeにおいても大盤振る舞いという印象を受けますがアメリカは更に派手という印象でプロモーションへの依存度をどれだけ減らすことができるかが重要だと思います。
安売りを継続すればある程度のシェアを維持することが出来ますが流石に限界があると思います。なのでGoogleはPixel 10シリーズでの進化を最小限にして価格をある程度優先しつつもGoogle Tensor G5の搭載でネックになっていた安定性の部分をしっかり底上げするのかもしれません。
何より今回の統計でみるとGoogleの生産台数は僅か9年で22倍となっているので恐ろしい成長です。またAppleやSamsungと比較すると販路がかなり限定されているので今後拡大していけばもっと生産台数も増える可能性がありそうなれば規模の経済でもっとコストカットしやすくなると思います。
むしろ今がよくこの生産規模で他社のフラッグシップモデルと同程度の価格にできるなと思います。
まとめ。
今回は海外サイトが過去10年におけるメーカー別の生産台数を公開していたのでまとめてみました。これからも成長性を見込めるのはGoogleで逆にまだまだねばれそうなのがSonyかなと思います。
一方でSamsungに関しては正念場という感じで今年後半の新製品によっては首位転落の可能性があります。