中華系の最上位モデルを中心に望遠を大幅に強化した結果超広角が犠牲になっている印象を受けます。一方でGalaxyやiPhoneなど中華系以外は超広角を強化しておりメーカーで方向性が大きく異なる印象を受けます。
今回はハード最強にどこまで通用するのかXperia 1ⅦとXiaomi 15 Ultraの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
デザインを比較。
歴代Xperiaがよく言われる批判の一つとしてSonyはなぜカメラセンサーを開発しているのにXperiaは最新の大型センサーを積極的に採用しないのかということであり現状ハードでは世界最強に近いXiaomi 15 Ultraと比較したらどうなるのか試したくてこの2機種にしました。
その上でとりあえずデザインから確認していきたいと思いますが縦はXiaomi 15 Ultraが僅かにスリムで横幅に関してはXperia 1Ⅶの方がスリムと微妙にサイズ感が違います。
注意点としてXiaomi 15 Ultraはカラバリでサイズが異なり今回のサイズは手持ちのブラックでみた場合の話になります。一方で本体の厚みに大きな違いがありますがラップアラウンドフレームを採用していることで実際に持った時にスペックほど分厚いという印象は受けずそこまで気にする必要はないです。
またサイドフレームは両機種ともフラット形状でXiaomi 15 Ultraはシンプルなマット仕上げを採用しています。一方でXperia 1Ⅶはグリップ力を改善させるためにスリットが入っているので全然違います。
あくまでも自分の手の大きさだとXperia 1Ⅶの方がフィット感がよく滑りにくい印象です。ただXiaomi 15 Ultraはスペックほどフィット感は悪くなく気になるとしたら重さだと思います。
そしてバックパネルを確認すると両機種ともガラスを採用していますがXiaomi 15 Ultraはカメラを意識したデザインに対してXperia 1Ⅶはスマホとしてのデザインを意識しつつも撮影時にバックパネルが原因で光が乱反射しないように独自コーティングを採用しています。
そのため実際に触った質感も独特という感じでSonyは撮影時のユーザーの体験を大事にしている印象を受けます。
好みが大きく分かれるカメラ。
そしてやはり好みが大きく分かれる部分としてはカメラデザインでXiaomi 15 Ultraは巨大なサークル型を採用していますがXperia 1Ⅶは垂直型を採用していることからスッキリです。
Xiaomi 15 Ultraはカメラバンプが目立たないよう配慮されているとはいえ存在感が違います。ただカメラ部分がデカいからこそテーブルなどに置いたと時に左右にガタガタしないのは魅力です。
デザイン自体は好みで自分は中華系のスマホもよく買うのでカメラデザインに違和感がないです。ただ完全に好みが分かれる部分となっており両機種とも高級感より独自デザインという感じです。
ちなみに耐久性の部分に関して両機種ともサイドフレームはアルミですがXiaomi 15 Ultraはバックパネルの耐久性を明らかにしておらず防水防塵性能は共通してIP68となっています。
ディスプレイを比較。
そしてディスプレイですがデザイン部分と重複する部分としてXperia 1Ⅶはフラット形状です。一方でXiaomi 15 Ultraはベゼル部分をスリムにみせるためか四隅を中心に湾曲させたマイクロクワッドカーブディスプレイを採用しているので好みとアクセサリーとの相性が出やすいです。
個人的にはベゼルの太さは気にならないので単純にフラットディスプレイの方が好きです。
そしてXperia 1Ⅶはデュアルフロントスピーカーを搭載していることに加え他社のようにパンチホールデザインやノッチデザインを採用しないことからも上部ベゼル部分にインカメラを搭載しています。
そしてデザインに対照性を持たせるために下部ベゼルが太くなっていることから好みがでやすいのかなと思います。また上下ベゼルのせいもありXperia 1Ⅶの方がアスペクト比で見れば19.5:9なので太めですがデザイン全体で見た時に縦長に見えてしまいディスプレイサイズの違いも原因になっている可能性があります。
コンテンツの表示を比較。
そしてYouTubeを再生してみるとXperia 1Ⅶの方が圧倒的に発色がいい印象を受けます。
Xperia 1ⅦはAIを駆使することでBRAVIAと同等の色表現を出来たとアピールしていますが個人的に面白いと思うのがクリエイターモードで写真や動画を表示する時自動設定の場合は基本クリエイターモードでその理由はSNSなど共有する写真を編集する際に邪魔にならないように配慮した結果です。
その機種のディスプレイの色味の影響が出た状態で編集してしまうと他の機種で表示した時にイメージと異なる可能性があるからこそ出来るだけ忠実に表示することを優先していると思います。
一方で動画を視聴する時などはBRAVIAの良さを活かすためにスタンダードモードで表示しています。オプションで固定化することも出来るのでユーザーの楽しみ方に選択肢が増えるのは嬉しいところかなと思います。
ディスプレイ輝度を比較。
そしてディスプレイの視認性に直結する部分としてディスプレイ輝度で海外サイトを参考にするとXperia 1Ⅶは自動調節で1475nitsに対してXiaomi 15 Ultraは1599nitsと僅かに明るいです。
一応屋内で比較するとXperia 1Ⅶの方が明るく調整されている印象を受け屋外にカメラのサンプルを撮影しにいった時も同様と短期間試した感じだと明るさに困るディスプレイではないです。
正直テスト結果においてはXiaomi 15 Ultraの方が上ですがXperia 1Ⅶの方が常に明るいです。また屋外で動画を再生した感じだとXperia 1Ⅶはサンライトビジョンモードのお陰か明るい印象を受けます。
何より照度センサーを搭載したこともありディスプレイ輝度をより最適化してくれるのはいいです。
あと耐久性の部分としてXiaomi shield GlassがGorilla Glass Victusの10倍の耐久性としています。このことを考えるとXiaomi 15 UltraはXiaomi shield Galss2.0なので耐久性が優秀なのかなと思います。
どうしても解像度ばかり言われがちですが今回試した感じだとXperia 1Ⅶの方が見やすいです。
基礎スペックを比較。
次に基礎スペックを確認していくと両機種ともAndroid15を標準搭載していますが地味に違います。何よりXperia 1ⅦはサイドセンスなどはあるにせよPixelよりもピュアアンドロイドに近い印象を受けます。
そのため他社で割と修正されているWi-Fiの設定に関してもAndroid標準のままとなっています。一方でXiaomi 15 UltraのAIはGoogleやPixelと比較するとかなりしょぼいかなと思います。
ただそれでもXperia 1Ⅶと比較すると機能としては充実している印象でXperia 1Ⅶに関しては機能として使うというよりは動画を見たり写真を撮ったり音楽を聴く時に自動で使っている感じのイメージです。
そのためAIといっても方向性が全く異なりリアルタイム翻訳など使いたい人は向かない感じです。
ローカライズに大きな差。
あと地味に大きい部分としてローカライズの差でXiaomi 15 Ultraはdocomoの一部バンドやおサイフケータイに非対応となっており特にドコモユーザーは注意が必要なのかなと思います。
また大手キャリアの取り扱いもないことからキャリアのサービスに依存している人ほど向かないと思います。あとはアップデートサポート期間は一緒ですが長く使いたいとなった時にキャリアの扱いがあるXperia 1Ⅶの方がサポートを受けやすいのは大きなメリットでXiaomiはハードルが高いです。
正直自分はおサイフケータイ含めてローカライズは気にならないですがおすすめはしにくくなります。
容量構成を比較。
そして容量構成に関してXiaomi 15 Ultraの方がストレージ関係なくRAM16GBに対応しています。またUFS4.1に対応と処理速度も速いと思いますがXperia 1Ⅶのような拡張性はありません。
あとは地味に差に繋がる可能性があるとすればXiaomi 15 Ultraは空いたストレージを活かした仮想RAMに対応しています。
パフォーマンスの持続性に大きな差。
そして発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。自分の手持ちがハズレ個体なのか不明ですがXiaomi 15 Ultraは連続でテストするのが無理です。
しかも今回は2回目の途中で発熱によって強制終了になってしまったので試すほど悪化しています。
ちなみにXiaomi 15 Ultraは1回目計測終了時点で41.0度で2回目途中では45.9度です。一方でXperia 1Ⅶは37.2/38.1/38.3度と外部温度で見ても圧倒的に低いという感じです。
ちなみに強制終了した時にXiaomi 15 Ultraを触ってみると不快になる熱さという感じです。また室内温度が24度で定点撮影かつ4K/60fpsに設定した上で連続撮影をしてみました。
Xiaomi 15 Ultra | Xperia 1Ⅶ | |
15分経過時点 | 39.6 | 37.0 |
30分経過時点 | 42.0 | 37.7 |
45分経過時点 | 40.9 | 39.1 |
60分経過時点 | 43.4 | 41.6 |
両機種とも1時間は無事継続することが出来た感じでXiaomi 15 Ultraが熱落ちしなかったのは意外でした。またベンチマークの時と比較すると外部温度も想定よりは抑制されている印象でした。
そして持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみましたが残念な結果に終わりました。
Xiaomi 15 Ultraは18週目の途中で強制終了となっており外部温度を計測すると46.3度でした。ちなみにXperia 1Ⅶはもちろん完走しており外部温度を計測したところ43.6度でした。
自分は負荷が高いゲームをやらないため何ともですがゲームを長時間することは可能なのか疑問に感じます。少なくともベンチマークでみる限りXiaomi 15シリーズの持続性は最低レベルという感じです。
これから発売して初めての夏を迎えるわけですが発熱対策グッズを持った方がいいのかなと思います。折畳式機種よりもある意味ひどいといえるのでカメラメインの利用でもある程度覚悟した方がいいと思います。
バッテリー関連を比較。
バッテリー関連を確認するとXiaomi 15 Ultraは大陸版と比較してバッテリー容量が削減されています。それでもXperia 1Ⅶと比較すると多めで海外サイトを参考にすると16時間オーバーと優秀です。
海外サイトのテスト結果をみる限り一番評価に差がある部分は連続通話時間となっています。
Xperia 1Ⅶは前モデル対比でも悪化しており通話時間のせいでスコアが伸びなかった感じです。一方で唯一優れている部分としては動画の連続再生でユーザーの使い方で印象が変わります。
少なくともいつも参考にしているテスト結果でみれば電池持ちはXiaomi 15 Ultraが圧倒的です。そして充電速度に関してXperia 1Ⅶは充電開始30分で51%でフル充電に要した時間は87分です。
一方でXiaomi 15 Ultraは充電開始30分で72%でフル充電に要した時間は51分と圧倒的です。またワイヤレス充電にも大きな差がありますが国内だとXiaomi 15 Ultraは最大速度で充電するための環境を構築するのが難しいのがネックでどちらを重視するかでも変わるところかなと思います。
生体認証を比較。
生体認証に関してXiaomi 15 Ultraは2D顔認証に加え超音波式画面内指紋センサーを採用しています。
個人的にはXperia 1Ⅶの側面式の方が認証しやすいですが電源ボタンに統合されていることから触れる機会が多く故障リスクが高いことに加え顔認証非対応のため指紋認証に万が一があると生体認証が一切なくなるのがリスクでだからこそサポートは重要になってくるかなと思います。
オーディオ関連を比較。
そして大きな差に繋がっている部分としてオーディオ関連でXperia 1Ⅶはワイヤレスイヤホンを接続している際の送信パワーは最大2倍に向上したことで従来より安定した接続性を実現しています。
またハイレゾではない音源をハイレゾ相当にアップコンバートしたり360 Reality Audioに非対応の曲をアップコンバートしてくれる機能などオーディオをより楽しみやすい機能に対応しています。
またイヤホンジャックを搭載しているだけでもありがたいのに音質まで底上げしています。そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたが音質に関しては明らかにXperia 1Ⅶという感じでXiaomi 15 Ultraは音がかなり軽いです。
またXperia 1Ⅶは360 Reality Audio対応音源を本体のスピーカーでも再生することが可能となっています。デュアルフロントスピーカーのメリットを活かした感じで他社とチューニングの方向性がちょっと違いますがオーディオ全般で見た時にXperia 1Ⅶはかなり圧倒しているかなと思います。
カメラを比較。
最後にカメラですが大きな差がありXperia 1Ⅶは2層トランジスタ技術を採用したIMX888を搭載しています。
一定の条件下でみるとフルサイズセンサーのデジカメと同程度の描写力になることからSonyはXperiaに1インチの大型センサーの採用に消極的になっていることが判明しています。
何よりハードガチ勢に近いXiaomi 15 Ultraと比較してどれだけ違いがあるのか写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはXiaomi 15 Ultra/Xperia 1Ⅶの順番になっているので予めご了承下さい。
やはりセンサーサイズに差があることもありXperia 1Ⅶの方がノイズが少ないことに加えフォーカスも悪くないです。またXiaomi 15 Ultraはライカバイブラントモードで撮影したこともあり色味に大きな差があります。
広角で撮影。
Xiaomi 15 Ultraはより黒を強調する感じだからこそ天気がイマイチな日に撮ると全体的に暗くなりがちです。
次に接写してみましたがセンサーサイズの差からもXiaomi 15 Ultraの方は寄りにくいです。
センサーサイズの割にはノイズなどそこまで大きな差を感じないです。
ポートレートで撮影。
面白いくらい色味が全くちがいますが、Xperia 1Ⅶの方が現実寄りです。
センサーサイズで考えるとXiaomi 15 Ultraの方が被写体によりにくいですが、Xperia 1Ⅶのボケモードは最短撮影距離がちょっと長すぎです。
次に2倍で撮影してみました。
Xperia 1Ⅶはちょっと白っぽくなっています。
次にXiaomi 15 Ultraは3倍でXperia 1Ⅶは3.5倍と両機種とも光学ズームで撮影してみました。
割とフォーカス精度は頑張っている印象を受けますが、Xperia 1Ⅶは倍率が上がると白っぽくなるため被写体によっては分かりにくい写真になります。
次にXiaomi 15 Ultraは4.3倍でXperia 1Ⅶは7.1倍と光学範囲で最大の倍率で撮影してみました。
倍率が全然違うためXperia 1Ⅶの方がノイズが多いですが、Xiaomi 15 Ultraは被写体によっては色が潰れています。
望遠で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
そしてXiaomi 15 Ultraは3倍でXperia 1Ⅶは3.5倍と両機種とも光学ズームで撮影してみました。
次にXiaomi 15 Ultraは4.3倍でXperia 1Ⅶは7.1倍と光学範囲で最大の倍率で撮影してみました。センサーサイズに違いがありすぎますが意外とXperia 1Ⅶも頑張っている印象を受けます。
そして10倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅶの方がノイズが多いとはいえそこまでの差でもない。
15倍になってもXperia 1Ⅶが割とくらいついている感じに見えます。
ようやく20倍で雲泥の差になりましたが15倍程度までであれば意外とXperia 1Ⅶも頑張っているというか、Xiaomi 15 Ultraのチューニングが甘いのかもしれません。
光学ズームで撮影。
まず次にXiaomi 15 Ultraは3倍でXperia 1Ⅶは3.5倍と両機種とも光学ズームで撮影してみました。
看板の文字だとそこまで差がない印象で背景に関してはXperia 1Ⅶの方がちょっとノイズが多い印象を受けます。
次に接写してみましたがXperia 1Ⅶの方がノイズが多い印象を受けます。
ただサンプルによっては同程度のという印象でXperia 1Ⅶは豆粒センサーでも頑張っている印象を受けます。
次にXiaomi 15 Ultraは4.3倍でXperia 1Ⅶは7.1倍と光学範囲で最大の倍率で撮影してみました。
センサーサイズの違いに加え倍率の違いからもXperia 1Ⅶの方がノイズが多いです。
接写してみるとより顕著でボケ感やノイズに大きな差があります。
ただ上記のサンプルだと意外とXperia 1Ⅶの方も頑張っている印象を受けます。
マクロで撮影。
そしてXiaomi 15 Ultraはテレマクロのみに対応していますがXperia 1Ⅶは超広角のマクロ撮影にも対応しており、上記のサンプルはテレマクロで撮影しています。
Xperia 1Ⅶのテレマクロはマニュアルフォーカスですが最短撮影距離が4cmとXiaomi 15 Ultra対比でかなり寄れます。またマニュアルフォーカスだからこそ逆にフォーカスが合わせやすい感じで、オートがいいなら超広角のマクロを使えるなど汎用性が高いです。
超広角(低照度)で撮影。
そして次に低照度の環境で手持ちでサンプルを撮影してきました。ちなみに両機種ともナイトモードは自動判定となっていることも影響しているのか手ブレしやすいです。
Xperia 1Ⅶの方がノイズが少ない上に明るく撮れています。
Xperia 1Ⅶは光源が強めだとフリンジが発生しているのがちょっと気になります。
広角(低照度)で撮影。
僅かにXperia 1Ⅶの方が白飛びというかフレアが強い印象を受けます。
Xperia 1Ⅶの方が暗いですが照明の色の影響が最小限になっている印象を受けます。
強い光源があるシーンでも意外とそこまで差がないです。
望遠(低照度)で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
次にXiaomi 15 Ultraは光学3倍でXperia 1Ⅶは光学3.5倍で撮影してみましたが、手ブレが発生したのかXperia 1Ⅶの方が文字の部分の鮮明さが劣る。
最後にXiaomi 14 Ultraは光学4.3倍でXperia 1Ⅶは光学5倍で撮影してみましたが、やはりノイズが多い印象でしょうか。何よりXiaomi 15 Ultraはナイトモードを固定化出来なくなったのは個人的にマイナスに感じます。
まとめ。
今回はXperia 1ⅦとXiaomi 15 Ultraの比較レビューを主観的にまとめてみました。価格差はかなりありますが中華メーカーをみるとローカライズなしで2~3万円安くなるのかなと思います。
なので両機種とも条件が同じであれば価格帯はほとんど一緒だったのかなと思っています。エンタメを楽しむのであればXperia 1ⅦであとはAIをどこまで許容できるかなと思います。