直近のXiamoiやPOCOをみると国内市場におけるローカライズは不十分とはいえその分価格を安くしてインパクトを出している印象でスマホが好きなユーザーにとっては直販市場がかなり熱い展開になっている印象を受けます。
一方で直販市場で絶対的に忘れていけない存在だと思うのがデザインが異質なNothing Phoneです。今回Nothing Phone (3a)を購入したので開封レビューをしつつ先日ご提供頂いたPixel 9aとの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
開封。
まず開封をしていきたいと思いますが青を基調とした化粧箱でカラバリによって異なる可能性があります。また地味に嬉しい部分として開封する際に化粧箱の一部完全にむしりとる感じじゃなくなったことです。
前モデルまでは一度開封してしまうと化粧箱を綺麗な状態に戻せなかったのが本当に嫌でした。
付属品を確認するとUSB-Cケーブル。
次にSIMピンです。
説明書とGalaxyやiPhoneなどと同じです。一方で価格帯的にはライバルとなるPOCOなどと比較するとちょっと寂しく感じてしまいます。
本体には開封時点でスクリーンプロテクターが標準装着されているので別途必要ない感じです。ちなみにNothing Phone (3a)はPD+PPS対応の充電器で最大速度で充電すること可能です。
充電速度も50Wに強化されたので50W以上に対応した電源アダプターを買ってもいいかもしれません。
デザインを確認。
そして最大の特徴とも言えるかもしれませんがデザインから確認していきたいと思います。本体上部を確認するとマイクのみです。
そして本体左側面を確認すると音量ボタンを搭載しています。
次に本体右側面を確認すると電源ボタンと新たにエッセンシャルキーを搭載しています。
最後に本体下部を確認するとマイクにスピーカーグリルにUSB-CにSIMトレイを搭載しています。
そしてNothingによるとサイドフレームは100%再生アルミを使用しているとの話ですがスリットが全くないことに加え触った感じからも前モデルと同様にプラスチックのような雰囲気があります。
フラット形状かつマット仕上げなのでスッキリしていますが高級感はそこまで感じられません。
そして背面を確認するバックパネルはフラット形状ですがNothing Phone (3a)ではガラスに変更されています。ディスプレイと同じパンダガラスが採用されているかは不明で耐久性もどの程度あるのか不明です。
カラバリは3色展開となっており今回購入したブルーでみる限りは指紋はほとんど目立たないです。
ただ先日の発表イベントでみた感じだとブラックはそれなりに指紋が目立つという印象を受けました。またNothingの特徴であるグリフインターフェイスも健在で3つのライトセグメントに加え26個の個別設定可能なLEDランプを搭載しておりユーザーの任意でカスタマイズ出来るのが面白いと思います。
Pixel 9aと比較。
そして先日ご提供頂いたGoogle Pixel 9aとどのような違いがあるのか比較したいと思います。ディスプレイサイズ含めて本体サイズは全く違うという感じで小型モデルと大型モデルという感じに見えちゃいます。
Pixel 9aのサイズ感ですらちょっとデカいと感じる人もいるのでNothing Phone (3a)のサイズ感は完全にユーザーを選ぶ感じでGalaxyのUltraやiPhoneのPro Maxと同程度の大きさえです。
本体はPixel 9aより薄いとはいえ横幅が77.5mmもあるので完全にユーザーを選ぶサイズ感です。
またAndroidに慣れている自分からするとNothing Phone (3a)は音量ボタンが左側に搭載でPixel 9aは電源ボタンと音量ボタンの位置が上下逆とどっちも違和感があると思っちゃいます。
バックパネルを確認するとデザインの方向性が全く違うのでここは完全に好みかなと思います。主観ですが質感の高さでみればPixel 9aという感じですがデザインに面白みはないかなと思います。
またカメラ部分を比較してみるとPixel 9aはカメラフレームがないため非常にシンプルです。ちなみにカメラバンプ込みで計測するとNothing Phone (3a)は11.8mmでPixel 9aは9.8mmええした。
あとテーブルに置いた時に見た目と反してNothing Phone (3a)は左右にガタガタしないです。個人的にはカメラがより強調されているデザインの方が好きなのでNothing Phone (3a)がいいです。
今回比較している機種で見ればまずサイズ感で好みが分かれ次にデザインに求めることで分岐するのかなと思います。Nothing Phone (3a)は指紋が目立つとちょっと安っぽさは否定出来ないという印象です。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認していきたいと思いますがNothing Phone (3a)は前モデル対比で大型化しています。デザイン部分とも重複しますがベゼルが均等で価格帯を考えると十分にスリムな印象を受けます。
ただベゼルが散々太いと批判されているPixel 9aと比較してみるとそこまで差がある印象はないです。Pixel 9aは上下ベゼルがちょっと太くて不均等だからこそぱっと見の印象が良くないのかもしれません。
そして両機種とも表示解像度でみるとFHD+で最大120Hz表示に対応と基礎的な部分は似ています。
コンテンツの表示を比較。
ちなみにYouTubeを再生してみるとNothing Phone (3a)の方が色がはっきりしている印象です。一方でPixel 9aの方が黒がまだ上手く表現しているという感じで好み次第なのかなと思います。
Nothing Phone (3a)はちょっと安い中華スマホによくあるチューニングという印象を受けます。
ディスプレイ輝度を比較。
そしてもう一つディスプレイの視認性に直結する部分としてディスプレイ輝度を確認するとNothing Phone (3a)は標準で最大800nitsで高輝度モードで1300nitsでピークは3000nitsとしています。
海外サイトのディスプレイテストの結果を参考にすると自動調節で1273nitsを記録しています。ちなみにNothing Phone (2a)は自動調節で981nitsであったことを考えると大幅に改善しています。
一方で執筆時点でテスト結果が公開されていませんがPixel 9aはHDR表示で最大1800nitsでディスプレイスペックが全く一緒であるPixel 9を参考にすると自動調節で約2200nitsを記録しています。
Pixel 9より僅かに暗く感じることからもPixel 9aはそこまでの記録は出ないのかなと思います。
そして実際に屋内で比較してみると平均値の差なのかNothing Phone (3a)の方が明るいです。一方で屋外で比較してみるとPixel 9aの方が明らかに明るいと感じることが多い印象を受けます。
ただPixel 9aはチューニング不足なのかディスプレイが明るくなるまでがかなり遅いです。
単純にディスプレイサイズの違いからもNothing Phone (3a)の方がコンテンツは見やすいです。ただここは筐体サイズにも影響してくる部分なのでユーザーの優先すべきことで選ぶべきだと思います。
ディスプレイ全体で見た場合はNothing Phone (3a)の方がコストをかけている印象を受けます。
基礎スペックを確認。
そして基礎スペックを確認していきたいと思いますが両機種ともAndroid15を標準搭載しています。ただPixelはシンプルなUIに対してNothing Phone (3a)が採用しているNothing OSは独特です。
ドット調のデザインはかなりオシャレに見えることに加え豊富なカスタムウィジェットも用意されています。
そして新たに追加された新機能であるエッセンシャルキーですがAIを利用した日々のタスクを整理することが出来ます。
あとで確認したいスクリーンショットや写真などを開いた状態でエッセンシャルキーを押すことでエッセンシャルスペースに送信されあとはユーザーが見やすいようにAIが整理してくれます。
またエッセンシャルキーを二度押しすることで音声メモが起動するので録音して文字起こしも可能です。
ただ注意点として現時点では登録制のβ版という感じで今後情報を重ねることで精度が上がっていくのかもしれません。ちなみに登録はNothingのアカウントにログインするだけとシンプルで自分はGoogleアカウントを使いました。
とりあえず普段からメモをとる習慣がある人にとってエッセンシャルキーを押すだけで代わりに記憶してくれます。ただ後で確認するためのメモ機能という感じで確認した後に調べたいとなった時の連続性がないです。
かこって検索に対応しているのでどうにかなりますが未来がありそうで使用用途はかなり限定的です。一方でAI全般で見た時はGoogle AIの方がより豊富なAI機能が用意されている印象を受けます。
ローカライズに差。
そしてローカライズに関してNothing Phone (3a)はおサイフケータイには対応していますがドコモのB21やn79に非対応なのでdocomo系列のSIMで使いたい人はちょっと注意が必要です。
一方でPixel 9aに関してはミリ波に対応していないとはいえ大手キャリアのバンドに対応しています。あと個人的に気になる部分としてNothing Phone (3a)はWi-Fi6に対してPixel 9aはWi-Fi6Eに対応しています。
Wi-Fiで使う環境が多いからこそ個人的にはWi-Fi6までしか対応していないのはちょい残念です。アップデートサポートに関してPixel 9aはメジャー含めて最大7年に対応しているので大きな差があります。
容量構成を比較。
そして容量構成を確認するとNothing Phone (3a)は上位構成がRAM12GB/ROM256GBです。一方でPixel 9aに関してはRAM8GBはストレージオプションに関係なく共通となっています。
ちなみにPixel 9aはRAM8GBでもGemini Nanoを統合していることを考えるとやはりAIに本気という印象を受けます。両機種ともSDカードスロットは非搭載ですがNothing Phone (3a)のストレージ規格はUFS2.2です。
NothingによるとSMSやアプリの起動などでユーザーの日常使いでみればUFS2.2とUFS3.1ではほとんど差がないことからもユーザーの体験を最大化するために選択したとしていますが物は言いようなのかなと思います。
PixelのUFS3.1でも散々批判されていることを考えるとちょっと微妙としか言いようがないです。
発熱とパフォーマンスの持続性を確認。
そして発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続回して負荷をかけてみました。NothingによるとSnapdragon 7s Gen 3を選んだ理由として専用のAIエンジンを搭載しているからとの話です。
そしてトップスコアでみると40万点近くの差があるのでPixelが下だったら批判されてもおかしくないスコア差かなと思います。
内部温度を確認するとPixel 9aは42度近くまで上がっていますがペイパーチャンバーでしっかり放熱しています。
そして計測終了ごとに外部温度を計測してみましたNothing Phone (3a)は28.7/29.7/30.5度でPixel 9aは34.3/35.2/37.0度とNothing Phone (3a)が全然暖かくならないのが衝撃的です。
そしてパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
Nothing Phone (3a)は驚異の安定率99%となっていますがスコアで見ればPixel 9aの半分です。
少なくとも日常使いでは十分な動作性を確保していますがゲームをそれなりにやりたいとなった時にPixel 9a以上に苦労する可能性がありそもそも発熱するようなパフォーマンスのSoCを搭載していないとも考えることが出来るのでゲームを最低限やりたい人はちょっと危険かもです。
バッテリー関連を確認。
そしてバッテリー関連を確認すると筐体サイズの違いからも単純にPixel 9aの方がすごいと思います。海外サイトのバッテリーテストを参考にするとNothing Phone (3a)は13時間38分で前モデルが15時間53分であったことを考えると電池持ちは大幅悪化しているので残念に感じます。
一方でPixel 9aは執筆時点でバッテリーテストの結果が公開されていないため何ともです。ただここ最近使ってきた感じだとバッテリーテストで12時間30は超える電池持ちなのかなと思います。
なのでおそらくですがNothing Phone (3a)と似たようなスコアになるのかなと勝手に思っています。
そして充電に関してNothing Phone (3a)は充電開始30分で61%でフル充電に66分と悪くないです。一方でPixel 9aは最大充電速度が約半分でバッテリー容量が多いことを考えると2倍以上の時間を要する可能性があり充電速度に関しては圧倒的にNothing Phone (3a)の方が速いと思います。
またNothing Phone (3a)はワイヤレス充電は非対応ですがリバースワイヤレス充電に対応とややこしいです。
その他を確認。
その他Nothing Phone (3a)はIP64と防塵は強化されましたがPixel 9aのIP68には及ばずです。生体認証に関してインカメラを利用した2D顔認証は一緒ですがPixel 9aはクラス3に対応しており支払い時の本人認証や銀行系アプリの本人認証に使えることからもセキュリティはより高いです。
そして両機種とも光学式画面内指紋センサーとなっており自分の指だとほとんど変わらない感じです。ただ自分の手の大きさだとNothing Phone (3a)はセンサーの搭載位置が低すぎて認証がしにくいです。
次に音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみました。音量は明らかにNothing Phone (3a)の方が大きいですが高音はかなり軽いという印象を受けます。
ただ音量がでかいだけではなく低音も最低限出ているので分かりやすいスピーカーかなと思います。
カメラを確認。
最後にカメラですがNothing Phone (3a)は広角に1/1.57インチのGN9でPixel 9aに関しては1/1.95インチのGN8をクロップして1/2.0インチにしているとの話がありセンサーサイズに地味に差があります。
そして超広角に関してNothing Phone (3a)は1/4.0インチのIMX355に対してPixel 9aは1/3.1インチのIMX712でPixel 9aはマクロ撮影やマクロフォーカス動画に対応しているのが特徴です。
一方でNothing Phone (3a)はセンサーが不明ですが1/2.74インチのSamsung製の望遠センサーを採用しており、とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはNothing Phone (3a)/Pixel 9aの順番になっているので予めご了承下さい。
Pixel 9aの方がフレアが発生しにくいことを確認することが出来ます。
広角で撮影。
色味が全く違う感じでNothing Phone (3a)は過剰補正に近い印象を受けます。
センサーサイズの違いもありPixel 9aの方が背景処理が雑というかデジタル処理という印象が強いです。
やはり色味に関しては大きく好みが分かれるのかなと思います。
ポートレートで撮影。
ちなみにPixel 9aは最低倍率が1.5倍なので1.5倍で撮影しておりNothing Phone (3a)は1倍で撮影しています。
被写体が小さくなるとNothing Phone (3a)は被写体に全然寄れなくなります。
次に2倍で撮影してみました。
2倍であってもPixel 9aの方が被写体に寄りやすいです。
そして3倍で撮影してみました。
Pixel 9aの方が寄って撮影しやすい分ノイズがちょい目立ちやすい印象を受けます。
望遠で撮影。
まず2倍で撮影してみましたがNothing Phone (3a)は色潰れしている印象でPixel 9aはちょいノイズが多い印象を受けます。
次に5倍で撮影してみました。
そしてPixel 9aにとって最大となる8倍で撮影してみましたがノイズは多めです。一方でNothing Phone (3a)は加工感が強めというかベタ塗り感が強い印象を受けます。
一応Nothing Phone (3a)で10倍で撮影してみました。
最後に最大となる30倍で撮影してみましたが、今回試した感じだと10倍程度までであればかなり健闘しているのかなと思います。
ズームで接写。
次に2倍で接写してみました。
一貫してPixel 9aの方が被写体に寄りやすい印象で、Nothing Phone (3a)は慣れてないせいか被写体との距離感を掴みにくいです。
次に4倍で撮影してみました。
Nothing Phone (3a)はインナーズームで4倍となっていますがPixel 9aの方が安定している印象を受けます。
一応4倍で中距離も撮ってみました。
5倍になるとPixel 9aの方がかなり厳しいですが4倍だとむしろ安定している印象を受けます。なので今回試した感じだと5倍以上の倍率で撮影したいかどうかで印象が変わってくるかなと思います。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードでサンプルを撮影してきました。
正直Pixel 9aもあまり良くないのですが、Nothing Phone (3a)は白飛びがひどい上のノイズもかなり多めです。
広角(低照度)で撮影。
Nothing Phone (3a)は無理に明るくしすぎに見えてしまいます。
高照度のシーンと一緒ですが夜でもNothing Phone (3a)は過剰補正になっている印象を受けます。
Nothing Phone (3a)の方が圧倒的に手ブレがしやすい印象を受けます。
望遠(低照度)で撮影。
まず2倍で撮影してみました。
次に3倍で撮影してみました。
最後に4倍で撮影してみましたがNothing Phone (3a)は望遠になる特に手ブレがひどいです。正直ハードの前にカメラソフトで圧倒的にGoogleの方が優れているという印象を受けます。
価格をとるか安心をとるか。
最後にNothing Phone (3a)は公式サイト及び各種ECサイトから購入することが可能ですがブルーのみ楽天モバイル限定で一番人気が出そうなカラバリを楽天限定にしたのはやり方が上手いです。
また楽天を好むユーザーと相性がいい感じですがPixel 9aは大手3キャリアからの取り扱いがあるのが大きな強みだと思います。ちなみにブルーに関しては直販版と比較して僅かに高いので注意が必要ですがそれでも安いかなと思います。
少なくとも256GBモデルが欲しい人は価格差が3万5000円近くあるのでNothing Phone (3a)の方がおすすめしやすいです。一方で128GBモデルは2万5000円もありますがサポート含めて安心感をとるか安さを選ぶかです。
Nothing Phone (3a)は安いですが細部のわかりにくい部分でコストカットしておりPixel 9aは長く使いたいと思うユーザーのニーズに応えつつGoogle VPN対応などセキュリティも強化しています。
何を優先するかで選ぶべきで単純に価格だけで選ぶならPOCOなども含めた検討した方がいいかもしれません。
製品提供: Google Japan