昨年と同じ流れであればGoogleは8月頃にフラッグシップであるPixel 10を正式発表する可能性があります。また実際のところは不明ですがAndroid16が例年より3ヶ月前倒しになったことを考えるとPixel 10で標準搭載させたい狙いがあるのかもしれません。
つまり8月頃に発表するPixel 10シリーズに間に合わせるためにずらしたと考えることが出来ます。今回はGoogle Pixel 10シリーズが欲しいと思う理由について主観的にまとめたいと思います。
Qi2への対応。
先日には有名なリーカーがPixel 10シリーズのレンダリング画像を公開しており同氏の過去の実績を考慮すればほぼ確定的ともいえ現行モデルと比較してほとんど変わっていないです。
ちなみにPixel 10 Pro Foldのデザインは執筆時点でリークしていませんがこれは存在しないという意味ではなくレンダリング画像が現時点でリークしていないだけと考えるべきだと思います。
Pixel 9シリーズの時でみるとPixel 9 ProとPixel 9 Pro Foldのデザインがリークした時期は2週間近くあいておりPixel 9 ProとPixel 9では1ヶ月近くのタイムラグがありました。
何よりPixel 10シリーズのデザインをみる限り新製品としての新鮮味は全くないです。ただ個人的にはめっちゃ楽しみにしており一つ目としてはQi2への対応にちょっと期待しています。
SIMトレイが本体上部に移動したことに加え現行モデル対比で本体の厚みが0.1mm増しています。
デザイン | Pixel 9 | Pixel 10 |
本体サイズ | 152.8x72x8.5mm | 152.8x72x8.6mm |
重さ | 198g | ? |
ディスプレイサイズ | 6.3インチ |
現時点ではなぜ厚みが僅かに増したのか不明ですが勝手な推測ではバッテリー容量を増やすために内部スペースをより有効活用しようとした結果本体の厚みにまで影響が出たと考えることも出来ます。
サイズ | Pixel 9 Pro | Pixel 10 Pro |
本体サイズ | 152.8x72x8.5mm | 152.8x72x8.6mm |
重さ | 199g | ? |
ディスプレイサイズ | 6.3インチ | 6.3インチ |
一方でバッテリー用のスペース確保はSIMトレイの移動でできたけど厚みが増した理由としてワイヤレス充電コイル部分にマグネットを内蔵した結果なのかなと期待をこめて推測したくなります。
少なくとも認証情報からもPixel 9 Pro Fold以外のPixel 9シリーズはQi2に対応していることが判明しています。ただ本体にマグネットを内蔵していないことからもQi2対応と表記出来ずロゴも使えないと指摘されています。
一方で今年のCESで本体にマグネット内蔵を省いたQi2 Readyが発表されており認証通りならPixel 9シリーズにGalaxy S25シリーズは専用ケースを用意することで実質Qi2対応になります。
一方でQi2 Readyが出来たことで逆にQi2に正規対応する機種が増えにくい状況になりました。その中でGoogleの幹部がWPCに参加しているからこそPixel 10シリーズで正式対応に期待です。
ケースを使う人がほとんどだと思うので正直ケースありで実質使えれば問題ないとの声が多いです。ただ自分のように屋内ではケースをはずす人間にとっては本体に内蔵されていた方が助かります。
それこそマグネットが使えるスタンドは実際に使っているとかなり便利でケースなしで使いたいところです。実際のところどうなるのか不明ですがかりにバッテリー容量を増やすなら充電速度もしっかりと見直す必要がありせめてPixel Stand 2での充電速度よりは速く充電出来るようにしてほしいです。
アクセサリーの汎用性を拡大するという面でも正規対応してくれれば非常に面白いと思います。
SoCの最適化。
次に2つ目に楽しみだと思う理由としてはGoogle Tensor G5で最適化にかなり期待です。少なくとも本体価格を安くすれば売れるのでシェアを拡大することが出来ても維持できるかは別の話になると思います。
そのためGoogleはブランドロイヤリティの改善に注力していると言われており特に安定性が重要です。ユーザーからPixelが返品される理由として発熱のしやすさと電池持ちの悪さがかなり多いとの話です。
そのためGoogleはGoogle Tensor G5で安定性の改善にフォーカスしているとの予測です。本体価格が歴代と比較して高くてもユーザーの満足度が上がればコスパは必然的に改善します。
そして安定性を重視してくるとなればSoCの最適化を中心に考えている可能性が高いと思います。
中華メーカーを中心にパフォーマンスの高さを強調するためにベンチマークスコアの高さやトップクラスに負荷が高いと言われている原神のプレイ時のパフォーマンスをアピールする流れです。
そもそも原神自体が全スマホユーザーの中でどの程度プレイしているのか不明で何とも言えずです。またベンチマークスコアが高い=実使用の面で快適に使えるというわけではないので注意が必要です。
例えば原神をトップパフォーマンスで出来たとしても発熱がひどすぎて本体を持ってられないとかベンチマークスコアは300万点いくけど熱耐性が低くてすぐにアプリが強制終了になるとか正直ベンチマークが100万点行かずとも熱落ちしない上にと発熱を感じにくい機種の方が満足度が高いと感じるユーザーが多い印象です。
その中で2024年は最適化を優先した機種も地味に増えた印象で、まずXperia 1ⅥはSnapdragon 8 Gen 3の最適化を優先しておりベンチマークは200万点以下です。
ただSoCに余裕を持たせたチューニングをしていることからも消費電力を抑制することに成功しています。その結果発熱抑制に加え電池持ちの改善に操作性も十分に快適と多くの人に望ましい結果です。
またOppo Find X8はDimensity9400が当たりなのかバランスモードだとベンチマークで負荷をかけてもほぼ発熱しないけどスコアは200万点オーバーと個人的には驚異的な存在です。
スコアが安定して高いことからも長時間負荷をかけてもかなり安定する可能性があると思います。正直分かりやすい見せかけのスコアよりも最適化して電池持ちの改善や発熱の抑制の方が嬉しいと思います。
Tensor G5 | 構成 |
メインコア | 1×3.4GHz Cortex-X4 |
ミドルコア | 5×2.85Ghz Cortex-A725 |
高効率コア | 2×2.4GHz Cortex-A525 |
Google Tensor G5のアーキテクチャをみるとメインコアはSnapdragon 8 Gen 3などと一緒です。またミドルコアが増えて全体的にクロック数が増加しているのでパフォーマンスが向上すると思います。
ただトップスコアでも200万点もいかない可能性があり150万点前後で御の字なのかもしれません。一方でTSMCの3nmプロセスノードを採用することから全体的に電力効率も改善する可能性が高いです。
つまり消費電力が抑制される可能性が高くアーキテクチャだけで見れば明らかに性能を重視した構成ではなく最適化を優先した構成で全体的に安定する可能性が高いと思います。
負荷の高いゲームをやらない自分にとってトップパフォーマンスより最適化の方が嬉しいところです。特にPixel 10 Pro Foldで電池持ちがさらに安定してくれるならめっちゃ嬉しいところです。
Samsungから卒業。
次に3つ目としてはSamsung製のコンポーネントからかなり卒業して自立が進むことです。直近の情報からもGoogle Tensor G5でTSMC製に切り替わるのはプロセスノードだけではないです。
Samsung-built Tensor chips | Tensor G5 | |
---|---|---|
Audio processor
|
Google AoC
|
Google AoC
|
Memory compressor
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Google Emerald Hill
|
Google Emerald Hill
|
DSP
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Google GXP
|
Google GXP (next-generation)
|
TPU
|
Google EdgeTPU
|
Google EdgeTPU (next-generation)
|
各種コントローラなど全てSamsung製から他社へ切り替わる感じでSamsung製はほぼないです。
Samsung-built Tensor chips | Tensor G5 | |
---|---|---|
Video codec
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Google “BigWave” (AV1 only)
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Chips&Media WAVE677DV
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Samsung MFC (other formats)
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Display controller/2D GPU
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Samsung DPU
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VeriSilicon DC9000
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ISP
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Samsung ISP with custom Google blocks
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Fully custom Google ISP
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ちなみにリーク通りであればビデオコーデックに関しては従来GoogleのBigWaveとSamsungのMFCの組み合わせでしたが半Google製をやめ完全にサードパーティ製造に切り替えと予測されています。
一方でGoogle Tensor G5から完全にGoogleが開発したGoogle ISPに切り替わるとしています。海外サイトによると従来はSamsungのISPをベースに一部ブロックをGoogleがカスタムしていたことを指摘しています。
それが完全に純正に切り替えるというのはGoogleが本来実現したかった描写ができるようになるかもしれません。
Samsung-built Tensor chips | Tensor G5 | |
---|---|---|
MIPI DSI PHY, CSI PHY, DisplayPort PHY, I3C, I2C, SPI, LPDDR5x PHY
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Samsung-built
|
Synopsys DesignWare IP cores
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SPMI controller
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Samsung-built
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SmartDV SPMI
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PWM controller
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Samsung-built
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Faraday Technologies FTPWMTMR010
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UFS controller
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Samsung-built
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Most likely 3rd party, no information on the specific vendor
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USB3 core
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Synopsys DesignWare USB3
|
Synopsys DesignWare USB3
|
本来IPの構築と検証は結果がついてくるとは限らないことからもコストがかかる努力としています。そのため他社が構築した実証済みバージョンがライセンスを取得的できる場合はいくつかの制限があるとはいえベースにすることは妥当な判断としておりGoogleの判断も妥当だったと指摘しています。
一方でGoogleはSamsungとGoogle Tensorを共同開発していたからこそISPの開発にコストと時間をかけることが出来たと意味のある提携だったポジティブに捉えています。
またSamsung製のコンポーネントで一番評判が悪かったのが5GモデムでGoogle Tensor G5はMediaTek製に切り替わるとされていることからも通信品質は改善する可能性があると思います。
歴代PixelをみるとGoogleのソフトのチューニングが悪かったのかハードの品質問題なのか通信関連の不具合が多発していたことからもMediaTek製に切り替えることで状況が変わるかもしれません。
自分が調べている範囲だと良くも悪くもMediaTek製の5Gモデムは何の声も聞こえてこないです。もちろんMediaTek製に切り替えることで今まで以上に不具合が増える可能性がないわけではないので注意が必要です。
何よりGoogle Tensor G5でTSMC製に移行しても完全にGoogle純正と言えるのはISPくらいです。なのでほとんど部分はSamsung製から他社へ切り替えで言ってしまえば寄せ集めに近い感じです。
GoogleにSamsung製を継続するという選択肢があったのか不明ですがほぼ完全に卒業の流れになります。少なくともSoCで見れば全体的に品質が向上する可能性があるので非常に楽しみという感じです。
ちなみに現時点での情報では判断出来ませんがPixel 9シリーズでみるとディスプレイにメインカメラセンサーにRAMにストレージと多くの主要スペックはSamsung製を採用しています。
そのため全てのSamsung製コンポーネントがダメというわけではありませんが依存度が高すぎた印象を受けます。Google Tensor G5がどのような仕上がりとなっているか不明ですがSamsungのモバイル部門がSamsung製コンポーネントを積極的に採用していないことを考えると卒業は大きな転換期になるかもしれません。
まとめ。
個人的にはPixel 10シリーズがかなり楽しみでやはり折畳式機種にかなり期待したくなります。見た目がほとんど変わっていないからこそ中身がしっかり強化されていることに期待したいです。
ただAIが中心とはいえ主な進化がGoogle AIだけで誤魔化すような感じにはなってほしくないです。