総務省がキャリアの販売に横槍を入れるようになってから端末自体は売れにくい状況に。そのためキャリアはユーザーの選択肢を増やすためエントリーモデルやミドルレンジモデルのラインナップを拡充しています。
何より以前はフラッグシップモデルしか発売されていなかったことが異常だったのかもしれません。今回は国内でメーカーがスマホを販売する上でハードルになっている部分について主観的にまとめたいと思います。
技適の存在。
まず一つ目として「技適」でもちろん日本と同様に認証が必要な地域も存在しています。
電波の利用における混信等を防止するため、国内で使用される無線設備は、電波法第三章に定める技術基準に適合している必要があります。
少なくとも日本で発売されているスマホは技適が必要になり、技適がないスマホを国内で使うのは電波法違反になります。ただこうなると外国の方が国内に持ち込んで日本で使用した場合は違法になるのか?
訪日観光客等が自ら持ち込む無線設備(携帯電話端末・BWA端末、無線LAN端末等)については、無線設備の利用の円滑化を図るため、技適マークが付されていない機器であっても、電波法に定める技術基準に相当する技術基準に適合する等の条件を満たす場合かつ入国の日から90日以内に限り、日本国内での利用を可能としています。
90日以内であれば問題ないとしていますが、例えばビジネスビザなどで来日している外国の方が「技適」を把握しているのか謎です。また政府としてはどこまで管理できているのかも謎です。
ちなみに以下のような補足もあります。
日本の技術基準に相当する技術基準(国際標準)に適合するものであり、海外から持ち込んだ者が国際ローミング又は日本国内の携帯電話事業者・BWA事業者のSIMカードにより使用するもの。
期間限定とはいえヨーロッパなどで認証を受けている機種であれば大丈夫としていることからもスマホに関してはもうちょい緩和してもいいのかなと思っちゃいます。
少なくともメーカーが日本で展開するとなった時にベースになるのは「グローバルモデル」になると思います。逆に中華メーカーが日本で展開する時に大陸版をベースにするとは考えにくくグローバル版をベースにすると思います。
また技適の特例措置に関しても認可性ではなく届出制となっていることからも中途半端に緩いです。このことを考えるとより多くのメーカーが日本国内に展開しやすいように「技適」をより緩和してもいいのでは?と素人目線だと思っちゃいます。
技適は国内において違法電波の使用を避けるために制定された制度だと思いますが、スマホに関してはグローバルで認証が通過しているものであれば個別に技適の認証が必要ないくらいが今の現状にあっているように感じてしまいます。
キャリア主導の販売。
そして2つ目としてはキャリア主導の販売方式で、従来キャリアに扱ってもらうためにキャリアが求める端末を作る流れだった。その弊害がメーカーのグローバル展開で、現状まともに国内メーカーでグローバル展開できているのはSonyくらいです。
ほとんどのメーカーはスマホ黎明期に市場から撤退してしまった。結局ローカライズが最優先で、何より多くのユーザーはスマホをキャリアで買うというイメージがついています。
総務省としても寡占市場に近い通信市場を活性化させるために端末で客寄せをするのではなく料金で勝負しろとの話だった。そのため端末の割引を規制していますが、結局イタチごっこになっている感じで、正直これだったらキャリアは土管屋に徹するべきとキャリアが端末の販売を禁止するくらいの方がわかりやすいです。
キャリアの実店舗でもメーカーの直販版をおいてもらうくらいにすれば端末の購入はもっとシンプルになるかもしれません。ただ現状だとキャリアに扱ってもらうかが重要で、キャリアに扱ってもらうにはローカライズをしっかり行う必要があります。
今後色々なメーカーが国内に参入するには直販版が売れる市場を作らないとな厳しいと思います。ただ現状だと総務省が横槍を入れるためにキャリアは端末をいかに安くみせるかのイタチごっことなっており競争が活性化するとは思えないです。
PixelやiPhoneは最初からキャリアにべったりという感じではありませんが、結局のところキャリア経由の販売台数が圧倒的に多い。そのためメーカーもキャリを疎かに出来ないとジレンマになっている。
なんだかんだ国内市場は年間3000万台近く出荷されており、人口を考えると活気がある市場なのかもしれません。この市場を今後継続するにも総務省はより柔軟な発想でスマホ市場を最適化していってほしいと思います。