上半期にAQUOS R9が正式発表された際のSHARPの発言をみる限りでは2024年に上位モデルが正式発表される可能性は低いのかなと思っていましたが下半期のイベントでまさかの正式発表。
またスペックで見れば中華メーカーに見劣りしないカメラ構成が大きな特徴となっています。今回はAQUOS R9 proを購入したので開封レビューをしつつXperia 1Ⅵと比較してみたいと思います。
開封。
まず開封をしていきたいと思いますが今回購入したのはdocomo版のため直販版と異なる可能性があります。化粧箱自体はいつものdocomoの安っぽい化粧箱と異なり割と高級感を感じる化粧箱を採用しています。
付属品を確認するとデータ移行用のアダプターに説明書と最低限のアクセサリーです。充電速度は見間違えでなければ32Wとなっていることからも充電速度を意識するのであれば最低でも45WクラスのPD対応の電源アダプターとUSB-Cケーブルを用意してあげる必要があります。
フィルムを購入。
そして今回本体を購入するのに合わせてTPUフィルムをAmazonで購入してみました。自分が購入したのはラスタバナナのフィルムでUSB-Cケーブルを使うことで簡易的な位置合わせをすることが可能になっていることからも貼るのは地味に楽だったかなと思います。
何より購入する時に注意すべきは指紋認証対応と記載されているもの以外は買っちゃダメです。またTPUフィルムであっても非対応のものは指紋認証が反応しない可能性があるので注意です。
いつも自分が愛用しているSpigenから出てないのは残念ですが世代を重ねるごとにアクセサリーの選択肢が増えてきたのは嬉しいところで今回はとりあえずこれで様子見の予定です。
デザインを確認
次にデザインを確認していきたいと思いますが個人的にはありとはいえ好みが分かれると思います。
まず本体上部を確認するとマイクにアンテナスリットと非常にシンプルで本体左側面は何もないです。
次に本体右側面を確認すると音量ボタンに電源ボタンにシャッターキーの採用が大きな特徴です。
最後に本体下部を確認するとSIMトレイにUSB-Cにスピーカーグリルにマイクとお馴染みです。ちょっと興味深い部分としてはSDカードスロット非搭載ながらもSIMピン不要のデザインを採用していることです。
サイドフレームはフラット形状に近くマット仕上げを採用していることからも質感は高めです。
またシャッターキー部分は押しやすいようにするためかサイドフレーム部分は凹んでいます。ただ個人的にはシャッターキー自体の色味がちょっと明るすぎて安っぽく感じてしまいます。
なので音量ボタンや電源ボタンと同じ色味にしてくれれば良かったのにと思っちゃいます。
そしてバックパネルを確認すると背面はレザー基調ですが背面全部をカバーしていないです。ちなみにXiaomi 14 Ultraはサイドフレームにかけて背面一部がアルミとなっていますが左右対称のデザインを採用しています。
一方でAQUOS R9 proに関しては左側部分のみアルミが目立つのでちょっと不均等に見えます。何より全体的にフラット形状を採用しておりスマホというよりはカメラに近いデザインの印象です。
Xperia 1Ⅵと比較。
そしてここからはアンケート調査で一番人気だったXperia 1Ⅵと比較していきたいと思います。縦幅に関してはほとんど一緒ですがAQUOS R9 proの横幅78mmはユーザーを選ぶ感じです。
今や78mm以上の横幅を持つストレートタイプはGalaxy S24 Ultraくらいなので大型モデルの中でもAQUOS R9 proは取り回しが悪い方ですが229gとスペックほど重くは感じないです。
何よりXperia 1Ⅵの方が圧倒的に軽く取り回しも優れている印象を受けてしまいます。
また質感にも大きな違いがありXperia 1Ⅵはサイドフレームにスリット形状を採用しています。
Sonyによると本体横持ちで左右にずらした場合指が捻れないようにしつつグリップ力を改善させるために採用したと言われておりカメラキーに関してもデザインに溶け込んでいます。
本体背面を確認するとXperia 1Ⅵはガラス+独自コーティングの採用で独特の質感です。マット仕上げとはいえガラスを採用している以上光が思わぬ角度で反射してしまう可能性があります。
それを防ぐために独自コーティングを採用しておりXperia 1Ⅵはスマホとしてのバランスをとりつつカメラの撮影体験を最大限邪魔しないようにに配慮したデザインなのが地味に大きな特徴です。
またカメラ部分に大きな違いがありAQUOS R9 proは逆に開き直っていていいかなと思います。ここまでデカいと逆にテーブルなどに置いた時に左右にガタガタしないので安定する感じです。
Xperia 1ⅥとAQUOS R9 proでは同じくカメラを意識したデザインでも方向性が大きく違います。
ちなみに実測値になりますがAQUOS R9 Proはカメラバンプ以外の厚みが9.8mmでカメラバンプ込みの厚みが14.5mmとなっていることからもカメラバンプは4.7mmもあります。
個人的にはAQUOS R9 proのデザインはありですがスマホとして取り回しはちょっと悪いです。何より好みがはっきり分かれるデザインでどっちが正解かはないかなと思います。
ディスプレイを確認。
次にディスプレイを確認していきたいと思いますが6.7インチで表示解像度は所謂2Kに対応しています。さらに1Hzからの可変式120Hz表示に対応しており基礎的なスペック的な部分でみると大きな違いはないです。
コンテンツの表示。
ただ気になる部分もあり一つ目としてXperia 1ⅥはFHDなので表示解像度がかなり低いです。両機種ともディスプレイに拘りを持ったメーカーで実際の表示でどれだけ違いがでるのかYouTubeを再生してみると自分の目だとAQUOS R9 proの方が青が強く見えます。
昔のXperiaもそうでしたが寒色系という感じでXperia 1Ⅵの方がより忠実な印象を受けます。
ディスプレイ輝度を比較。
そして2つ目としてSHARPによると全白色の場合最大で1000nitsでピーク輝度は2000nitsです。一方でXperia 1Ⅵに関してSonyはディスプレイ輝度の詳細を明らかにしていないので海外サイトのテスト結果を参考にすると手動調節で792nitsで自動調節は1310nitsです。
実際にXperia 1Ⅵを使っていると特に屋内において平均値が高いのか明らかに明るいです。
またカメラのサンプルを撮影していた時の印象としてはXperia 1Ⅵの方が明るく感じます。なので全体的にXperia 1Ⅵの方がディスプレイが明るくて見やすいと感じることが多いです。
輝度を計測するツールがないため何ともですがHDR表示で1300nitsも出ていない可能性があるので直近のフラッグシップモデルの中ではちょっと物足りなく感じる可能性があります。
またスペックというよりはデザインでも好みが分かれる可能性がありXperia 1Ⅵはデュアルフロントスピーカーとの兼ね合いからも上下ベゼルは太いですがパンチホールはないです。
一方でAQUOS R9 proはパンチホールデザインを採用している分ベゼルはスリムになっています。両機種ともフラットディスプレイを採用しているためアクセサリーとの相性も出にくいと思います。
あくまでも主観ですがXperia 1Ⅵの方が全体的に見やすいと感じるシーンが多いという印象です。
基礎スペックを確認。
次に基礎スペックを確認していきたいですが両機種ともAndroid14を標準搭載しています。Xperia 1Ⅵに関しては一部市場でAndroid15の配信が開始しているので国内版もまもなく配信されるかもしれません。
一方でAQUOS R9 proに関してはXperia 1Ⅵよりはだいぶ先の話になってもおかしくないです。あとセキュリティアップデートに関してはAQUOS R9 proの方が長いですが「最大」なので注意が必要です。
ちょっと細かいですがAQUOS R9 proは販路関係なくミリ波非対応ですがXperia 1Ⅵはキャリアモデルのみ対応しているので通信速度に拘りたい人はXperia 1Ⅵを選ぶべきです。
容量構成を確認。
そして容量構成を確認するとAQUOS R9 proは販路関係なくRAM12GB/ROM512GBの一択です。一方でXperia 1Ⅵは直販限定ですがRAM12GB/ROM512GBとRAM16GB/ROM512GBの選択肢があります。
ただXperia 1Ⅵは販路によって取り扱いのカラバリも異なるので注意が必要だと思います。あとXperia 1Ⅵのみ最大1.5TBのSDカードスロットを搭載しているので注意が必要です。
発熱とパフォーマンス。
そして発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。Xperia 1Ⅵは最適化を優先しているためスコアはSnapdragon 8 Gen 3搭載機種の中では控えめということもありトップスコアで見ればそこまで大きな差はない印象です。
AQUOS R9 proはスコアだけでみればSnapdragon 8 Gen 2に近い印象を受けます。
また開封初日に計測していることもあると思いますがAQUOS R9 proは内部温度が上がりやすい印象を受けます。ちなみに計測終了ごとに外部温度を計測してみましたがXperia 1Ⅵは31.7/34.5/35.0度に対してAQUOS R9 proは32.1/35.2/36.1度と内部温度の割にが外部温度はそこまで高くならないです。
またSHARPによるとカメラ部分で放熱するシステムを採用しているみたいですが割と表面温度が高いなと感じるのはカメラより下側のサイドフレームという感じです。
次に持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。
トップスコアに大きな差があることも影響しているのかAQUOS R9 proが75.9%とかなり安定している印象です。自分のようにゲームをやらない人間からすれば発熱含めて十分に抑制されている印象を受けます。
バッテリー関連を確認。
バッテリー関連を確認するとバッテリー容量は一緒でシリコンカーボンバッテリーではないです。AQUOS R9 proの電池持ちは今後じっくり試していきたいところですがXperia 1Ⅵを超える可能性は低いと思っておりXperia 1Ⅵの電池持ちはフラッグシップの中でもトップクラスです。
逆に超えることができるのであればAQUOS R9 proはゲームチェンジャーという感じになります。
開封初日の印象だと電池が簡単に減っていくので電池持ちが良くない機種と同じ減り方です。充電速度に関してAQUOS R9 proは公式サイトに記載がないため確認することが出来ません。
ちなみにXperia 1Ⅵは海外サイトを参考にすると充電開始30分で50%でフル充電に90分です。おそらくですがAQUOS R9 proもワイヤレス充電含めて同程度の充電速度の可能性があります。
その他を比較。
その他IP68は共通ですがXperia 1Ⅵのみイヤホンジャックを搭載しているので注意が必要です。生体認証に関してXperia 1Ⅵは電源ボタンに統合された指紋認証のみなのでちょっと寂しいです。
一方でAQUOS R9 proはインカメラを利用した2D顔認証に加えQualcomm 3D Sonic Maxを搭載しています。超音波式を採用していることもあり指紋認証は非常に快適で個人的には全く問題ないです。
そしてSHARPによるとフルメタルBOXスピーカーを2つ搭載したことで音質を改善しています。とりあえず音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたがAQUOS R9 proはステレオ感を意識したチューニングを採用していることから分かりやすいです。
一方で音の輪郭にしろ広がりにしろXperia 1Ⅵの方が圧倒的に安定している印象を受けます。好みが出そうな部分でもありますが個人的にはXperia 1Ⅵの方が優秀に感じます。
カメラを確認。
最後にカメラを確認していきたいと思いますがAQUOS R9 proの一番の特徴となっています。メインカメラセンサーはおそらくですが1インチのLYT-900に対してXperia 1Ⅵは1/1.35インチのIMX888で2層トランジスタ技術を採用しているとはいえ大きな違いがあります。
またAQUOS R9 proは望遠に1/1.56インチかつペリスコープとかなり大型のセンサーを採用しています。最大20倍であることを考えると光学2.8倍でいかに綺麗に撮れるかで最大化している可能性があります。
またシャッターボタンの挙動について基本的にはXperia 1Ⅵと同じで画面がオフの状態でも長押しをすることでカメラを起動することが可能で半押しでフォーカスを合わせることも可能です。
ただ好みの問題もあると思いますがAQUOS R9 proの方がちょっとボタンが緩い感じです。そのためXperiaよりはボタンをしっかり押してあげる必要があるので慣れるまではブレやすいかもしれません。
とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回サンプルはXperia 1Ⅵ/AQUOS R9 proの順番になっているので予めご了承下さい。
まず撮影していて気になった部分としてAQUOS R9 Proはプレビュー画面と撮影後の写真が大きく異なりプレビュー画面だと全体的に黒潰れしている感じでちょっと分かりにくいです。
広角で撮影。
一方で広角になるプレビュー画面と実際に撮影された写真での差は縮まる印象です。
やはりセンサーサイズの差もありXperia 1Ⅵの方が被写体に寄りやすいです。
完全に逆光のシーンで撮影してみましたがXperia 1Ⅵの方が全体的に白っぽくなっていることを確認できます。
ポートレートで撮影。
そしてポートレートに関して設定を見逃していたら申し訳ないですが倍率の変更は不可能です。人物モードとペットモードの2種類となっており共通して調整できるのはボケ感で人物モードでは別途美肌でペットモードでは毛並みを調整することが可能になっています。
AQUOS R9 proは倍率が変更出来ない方が分かりやすいのかもしれませんが他社と比較すると取り回しが悪い印象を受けてしまいます。
一方でXperia 1Ⅵはぼけモードに切り替えると最短撮影距離がかなり長くなるので被写体に寄れないです。
光学ズームで撮影。
次にAQUOS R9 proは3倍でXperia 1Ⅵは3.5倍と光学ズームで接写してみました。
やはりセンサーサイズの差からもボケ感に大きな違いを確認できます。
そのままちょっと離れた被写体を撮影してみました。
Xperia 1Ⅵは光学とはいえノイズが多い印象を受けます。
マクロで撮影。
Xperia 1Ⅵはマニュアル撮影となるテレマクロで撮影してみました。
あと事前情報ではテレマクロに対応との話でしたが挙動を見ると超広角のマクロ撮影に見えます。とりあえず他社のように倍率を変更することも出来ずテレマクロなら取り回しはちょっと悪いかなという印象です。
望遠で撮影。
まず最初に3倍で撮影してみました。
次に6倍で撮影してみましたがAQUOS R9 proは全体的に暗めです。
次に10倍で撮影�てみましたがXperia 1Ⅵの方がまだノイズが少ない印象を受けます。
そして15倍で撮影してみました。
最後に20倍で撮影してみましたが両機種とも残念です。どっちもズーム性能は微妙とイメージしておくのがいいかもしれません。
超広角(低照度)で撮影。
AQUOS R9 proはナイトモードがありますが露光時間はかなり短めです。
超広角だと両機種とも白飛びがしやすい印象を受けます。
広角(低照度)で撮影。
このサンプルだとAQUOS R9 proは露光時間が1秒もないくらいです。
空を撮ろうとするとフォーカスが迷いがちです。
Xperia 1ⅥはフレアがひどすぎですがAQUOS R9 proも褒められたもんじゃありません。
望遠(低照度)で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
AQUOS R9 proは望遠の3倍になると極端に暗くなるのでちょっと気になります。
最後に5倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵと大きな差がない印象です。ちょっと大型センサー+ライカであることを考えると低照度の環境は強いと言うのは厳しいと思います。
純正ケースを購入。
最後に純正ケースを購入したので確認していきたいと思いますが価格が約1万円と高いです。
ケース自体はハイブリットケースという感じで内側は軽くクッション素材を採用しています。背面部分に関してはAQUOS R9 proの背面のデザインとほぼ一緒なので分かりやすいです。
ただケース自体はかなり厚めなので装着するとどうしても取り回しは悪化します。
ちなみにケースのみだと39gと見た目の割には重くない感じで本体+フィルム+ケースだと268gなのでケース込みでみても個人的にはそこまで重くないかなと思っています。
ちなみにショルダー部分込みで324gになりますが肩にかければほぼ関係ないかなと思います。
何よりよくわからないケースを買うなら純正ケースを購入するのが一番安心という感じです。自分はショルダーが使えるのが非常に魅力に感じたので1万円でも迷わず購入しました。
まとめ。
今回はAQUOS R9 proを購入したので開封しつつXperia 1Ⅵと比較レビューをしてみました。ちなみに直販版でみるとAQUOS R9 proは19万4700円に対してXperia 1Ⅵは価格改定後で18万9200円と僅かに安いのであとは搭載SoCとカメラ性能で判断するのが分かりやすいかもしれません。
何よりAQUOS R9 proはカメラに全集中しているモデルなのでターゲットが明確だと思います。ただカメラは想定以上に制限されているというかハードに対してちょっと勿体ない印象を受けます。
何よりズーム性能がそこまでではないからこそXperia 1Ⅵもいい勝負ができている感じです。