早めの損切りも重要かも。GoogleはPixelにTensorを今後継続採用できないかも

事前情報からもGoogleはGoogle Tensor G5やGoogle Tensor G6で発熱対策や電力効率の改善を主軸にしている可能性があり、アーキテクチャの進化によりパフォーマンスを向上させるというよりはプロセスノードの進化によってパフォーマンスを改善させる可能性があることに。

多くのユーザーにとって「安定性」が改善することは嬉しいですが、独自SoCを継続する必要があるのか疑問に。今回はGoogleが今後もGoogle Tensor事業を継続する必要性があるのか主観的にまとめたいと思います。

現状のままだとヤバい。

リークしたドキュメント通りであれば、GoogleがGoogle Tensor事業を継続するにあたって、Google Tensorのコストは$65前後に抑える必要があるとの話です。ちなみにリークしたGoogle Tensor G4のコストは$80と言われており、リーク通りであれば現時点でコストオーバーしていることになります。

またGoogle Tensor G5からはTSMC製に切り替わる可能性が高い中で、AppleのA18チップのコストは$135前後。そしてSnapdragon 8 Eliteで見れば$190前後との話で、Appleの場合は独自SoCだからコストを抑制出来ていますが、仮にQualcommのように研究開発費なども上乗せすると$180前後のコストになる可能性。

つまりGoogle Tensor G5ではTSMC製に切り替わりプロセスノードが進化することによってコストが爆増する可能性があります。つまり先ほどの話と重複しますがGoogleが事業存続のための目標値からどんどん乖離していく可能性があり、現状で見ると継続するのが厳しいのかもしれません。

独自SoCの広がりに期待出来ない。

一方でAppleで見るとMチップをMacBookやiPadに採用することでコストカットしている可能性があり、AチップとMチップでノウハウを共有している可能性があります。

そのため独自SoCはラインナップが豊富なほど相乗効果に期待出来ますがGoogleの場合は現状厳しいです。Pixel Buds Pro 2で初めてTensorの派生であるA1チップを搭載していますが、Pixel Watchで今後どうなるのか不明。

何よりスマホと比較するとスマートウォッチやイヤホンが搭載する半導体では求められていることが違います。さらに直近の情報からもPixel Tablet 2の開発はキャンセルされたとも言われています。

このことを考えるとGoogle Tensorは現状だとスマホ向けのみとなっており、単純にPixelの売り上げが拡大しないと規模の経済でコストカットもしにくい可能性があります。

どれだけAIに活用できているのか不明。

何よりGoogleはGoogle Tensorを採用した理由としてAIをPixelにブレイクスルーするためと言われています。少なくともその当時は今ほどAIと騒がれていませんでしたが、現状だとMediaTekもQualcommもAI性能の強化に力を入れています。

またユーザーからしても「AI」がどれだけ優れているか見えにくいからこそベンチマークで大きく劣るGoogle Tensorにマイナスのイメージがあることになります。単純に素人目線で見れば、例えばSnapdragon 8 Eliteを搭載したPixel 9はGoogle Tensor G4を搭載したPixel 9とどの程度AI機能やそのパフォーマンスに差があるのか気になるところ。

仮に差がないのであれば、SamsungのようにSnapdragon 8 Elite for Pixelみたいな感じでNPUやTPU部分だけ独自カスタマイズをすればいいのでは?とも思っちゃいます。

もちろん独自SoCではなく既製品をカスタマイズする流れになるためコストは爆増する可能性があります。ただGoogle Tensorの開発にかかっているコストよりは安く済むかもしれません。

何より現状だとAIは「機能」の一部に見えるからこそ他のSoCでもどうにかなるように見えてしまいます。Googleは事業を廃止するのが早いことでも有名で、現状だとGoogle Tensor G6の開発も進めているみたいですが、今後のPixelの売れ行きによってはGoogle Tensor自体が廃止になる可能性もあるかもしれません。

何よりオタク目線で見ればSnapdragonを採用してくれた方が、例え値上げになっても興味を持つユーザーが増えるかもしれません。

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