Pixel 10搭載Tensor G5。GPU刷新でも他社と性能は大きな差

先日にはGoogleの内部関係者からの情報なのかPixel 10が搭載するGoogle Tensor G5のドキュメントがリークしており合わせてGoogle Tensor G6の一部スペックも判明しています。

少なくともこのドキュメントがリークしたことからGoogleの狙いが僅かに見えてきます。今回Android AuthorityがGoogle Tensor G5のパフォーマンスに言及しているのでまとめたいと思います。

GPUのパフォーマンス。

まず前提としてGoogleがPixel 6シリーズの発表に合わせてGoogle Tensorを発表した時にベンチマークでハイスコアを獲得するようなチューニングをしていないことを明らかにしています。

何よりGoogle Tensorの開発を始めた理由は既製のSnapdragonやDimensityではPixelにAIをブレイクスルーことは難しいと判断したからこそ莫大な開発費をかけていると思います。

一方でユーザーからすればベンチマークスコアというのは分かりやすい指標の一つになります。そのため他社のSoCと比較してパフォーマンスが劣るように見えてしまうのは仕方ないと思います。

またGoogleが拘っているAI性能を計測できるベンチマークアプリがないから余計にそう感じてしまうかもしれません。ただGoogle Tensor G5ではTSMCの3nmプロセスノードに最新のパッケージング技術を採用すると予測されています。

そのため箱部分で見ればAppleのA18 Proなどと同じであることからも期待したくなるユーザーも多いと思います。そして今回海外サイトがGoogle Tensor G5のGPUを中心にパフォーマンスを推測しているので確認していきたいと思いますが最初に他社と比較して2年程度の遅れがあると推測しています。

まずGoogle Tensor G5では従来のArmの MaliではなくImagination TechnologiesのDXTシリーズを採用すると予測されており個人的には全く聞き覚えのないメーカーでした。

それものそのはずで近年Imagination Technologies製のGPUを採用しているのはDimensity930などミドルレンジ向けSoCの一部のみとなっておりほとんど採用されていません。

ただAppleは独自GPUに切り替える前のA10 Fusionまで採用していたGPUになります。そのためiPhoneの情報をしっかり追っていたユーザーからすれば懐かしく感じるかもしれません。

ではGoogle Tensor G5が搭載するGPUのパフォーマンスは実際にどの程度になるのか。あくまでもGPUだけでベンチマークを比較するには注意が必要とした上でTensor G5は1.1GHzで動作することからも単純に計算すると1.69TFLOPになると指摘しています。

そして1.7TFLOPに対応しているSnapdragon X Plus GPUはWild Life Extremeで約3200点のスコアを獲得していることから同程度のスコアを獲得する可能性があると推測しています。

この推測通りであればGoogle Tensor G4対比でGPUのパフォーマンスは20%前後強化されるのでGoogle Tensor史上最大のアップデートになる可能性があると指摘しています。

ただ従来通りArmかつ最新のMali-G925を3nmプロセスノードで採用すれば更なる飛躍を遂げていた可能性があるとしています。何よりリーク通りであればGoogle Tensor G5のGPU性能はSnapdragon 8 Gen 2より低く最新となるSnapdragon 8 Eliteと比較すると大きな差があることに言及しています。

Armから変更するメリット。

一方でImagination TechnologiesのDXTシリーズを採用するメリットにも言及しています。一つ目としてはレイトレーシングに対応することでゲームプレイ時の描写力が改善する可能性があります。

ただ注意点としてはオプションの一つに過ぎず実際に実装されるかは別の話になるとしています。そして2つ目として仮想化をサポートしていることで仮想マシンで加速グラフィックスを使用できGoogleが多数の仮想化ベースの機能の一つをPixel 10シリーズで導入できる可能性があることです。

何よりGPUの仮想化はGoogle Tensor G4までは非対応なので新機能が追加しやすくなる可能性があります。

ちょっと難しい部分は省きますがざっくり言うと独立して動作する2つのGPUコアと組み合わせると並列処理効率が改善するお陰でグラフィックスやコンピューティングワークロードをクランチするときにパフォーマンスの向上や消費電力の抑制に期待することができるとしています。

何より海外サイトによるとGoogleが今になってMaliからDXTに切り替えた狙いとしてはIPコストに電力効率や対応できる機能とのバランスを見て変更した可能性があるとの推測です。

なのでGoogleにとってはImagination Technologiesを採用することが最善と判断したのかもしれません。

少なくともGPUの変更で潜在的に見れば35%~60%程度パフォーマンスが改善するとの予測もありますが先ほどの20%前後というのが割と現実的な範囲としており仮に60%改善したとしてもライバルのSoCと比較すればGPU性能が大きく劣っていることに違いはないと指摘しています。

またドキュメントからもGoogle Tensor G6の詳細なアーキテクチャは判明していません。ただ同サイトによるとマイナーアップデートに留まる可能性がありDimrensity9500などと比較すればさらにGPUのパフォーマンスに差がつく可能性があると推測しています。

少なくともGoogleはパフォーマンスを最優先していないことからも最新のアーキテクチャを単純に搭載することはなく他社と比較すればあまり期待できない状況にありますがTensor G5は従来のPixelと比較するとゲーム性能の改善に加え何かPixel専用の新機能が追加される可能性があります。

また仮想化によってどのような新機能が追加されるのか不明ですが従来にないパターンの可能性もあります。あとはやはりGoogleにとって重要になるのはGoogle Tensor G5と合わせてどのようなAIの新機能を追加したいかでAIがこれでしょぼいとなると厳し目の声が増える可能性があります。

ベンチマークがリーク。

また先日にはGoogle Tensor G5を搭載したプロトタイプのベンチマークが早くもリークしています。少なくともプロトタイプなのでベンチマークスコアにほぼ意味がないことに注意が必要です。

ちなみにベンチマークスコアで見るとマルチスコアはPixel 9 Pro XLの方が高いくらいです。一方でこのベンチマークスコアで有用性がある部分としてはCPUのクロック数が判明したところです。

アーキテクチャ Tensor G3 Tensor G4 Tensor G5
メインコア Cortex-X3 x1 Cortex-X4 x1(3.1GHz) Cortex-X4 x1(3.40GHz)
ミドルコア Cortex-A715 x4 Cortex-A720 x3(2.60GHz) Cortex-A725 x5(2.66GHz)
高効率コア Cortex-A510 x4 Cortex-A520 x4(1.92GHz) Cortex-A520 x2(2.2GHz)

実際にどの程度のパフォーマンス向上につながるか不明ですがメインコア含めて全体的にクロック数が高めで特に高効率コアを減らした上でミドルコアを増やした分全体的なパフォーマンスは改善すると判断することができ少なくともPixel 9シリーズは超えると思います。

またTSMCの3nmプロセスノードに変更するだけでも電力効率が大幅に改善する可能性が高いです。そのためGoogleとしてはCPUのミドルコアは強化した上で全体的にクロック数を上げた可能性があります。

もちろんクロック数を上げればパフォーマンスは高くなりますが消費電力が増えるので発熱しやすくなります。ただプロセスノードとパッケージング技術の進化によって上手くカバーしている可能性があります。

何よりPixel 9シリーズを見るとよほど発熱しやすく電力効率が悪いSoCなのか不明ですがチューニングによって発熱に対してかなりシビアに制御されている印象で余裕が全くない感じです。

少なくとも日常使う上で問題ないですが負荷をかけた時にスロットルダウンがきつめにかかります。また海外サイトによるとスロットルダウンをかけてパフォーマンスを制御した後に他社なら発熱とのバランスをみて再びパフォーマンスをあげようとしてくる中無理にあげてこない感じです。

そのため長時間負荷をかけても発熱という部分では極端に熱くなったりしませんが一度下がったパフォーマンスが上がってくることもないのでゲームの長時間プレイなどが厳しいかもしれません。

ちなみにコメントでたまに頂きますが重いゲームでもフレームレートや画質を落とすことでPixelでもある程度楽しむことが出来ます。ただSnapdragon 8 gen 3など他社のSoCはそこまで制御することもなくプレイすることができるためやはり満足度は変わってくる可能性があります。

何よりGoogle Tensor G5も制限すれば多くのタイトルは十分に遊べる可能性があります。ただ他社のようにある程度制限なしで快適に遊ぶというのは厳しい可能性が高いかなと思います。

何より海外サイトによるとGoogle Tensor G5でも他社と比較すれば周回遅れと指摘しています。

まとめ。

今回は海外サイトがGoogle Tensor G5のGPU性能に言及していたのでまとめてみました。正直専門用語が多く自分にはよく分からない世界なので表面的に分かりやい部分のみまとめました。

GoogleはPixel 11シリーズでオフライン機能をさらに強化すると言われている中でGoogle Tensor G5やGoogle Tensor G6のGPU性能で本当に大丈夫なのか気になるところです。

またGoogleは以前動画ブーストをオンライン処理に決定した時に既存のSoCでは十分な性能がないことを明らかにしていましたがGoogle Tensor G6で必要十分になるのか気になるところです。

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