Xperiaも目指すべき道?AQUOS R9 Proがカメラにデザインと進化しすぎ

インフレや為替の影響もあるのか上半期に発表されたAQUOS R9は搭載SoCで見ればミドルレンジになってしまいました。個人的にはAQUOS R6からの尖ったコンセプトが好きだったので面白みに欠けてた印象でした。

一方で上位モデルの存在は否定しておらず今後出る可能性があることも示唆していました。今回は正式発表されたばかりのAQUOS R9 proが思っていたよりも良さそうなので主観的にまとめたいと思います。

デザインの進化。

SHARPが10月28日に新製品発表会を開催することは把握していましたがミドルレンジであるAQUOS Sense 9の発表がメインかと思っていたので個人的には全く興味がありませんでした。

ただ合わせて上位モデルであるAQUOS R9 proが正式発表されたので確認したいと思います。公式サイトを確認すると背面はレザー基調でサイドフレームはアルミを採用しつつマット仕上げを採用しているように見えます。

またカメラ構成がAQUOS R8 proと大きく変わったことからもカメラデザインも刷新されています。

中華メーカーのフラッグシップでお馴染みですが巨大なサークル型を採用しており個人的にありです。さらにサイドフレームもフラット形状でディスプレイに関してもフラット形状を採用しています。

カラバリはブラックの1色展開で雰囲気としてはXiaomi 14 Ultraに近い感じかもしれません。個人的には大型カメラセンサーを搭載する上でこのデザインは一つの完成形かなと思います。

またAQUOS R9 proは試して見ないと分からないですがカメラ部分が巨大だからこそテーブルなどに置いた時に左右にガタガタしない感じで左端搭載よりもよほど安定しているかもしれません。

正直AQUOS R9と比較するとデザインは全く似ておらずAQUOSと言われても分からないです。ただそれだけデザインとしては一気に洗練された感じで個人的には実機を早くみてみたいです。

カメラが一気に進化。

次に2つ目としてカメラ周りで従来のシングルレンズカメラ構成は卒業した感じになります。前モデルではポートレート専用センサーを搭載していましたがAQUOS R9 proでは3眼構成とオーソドックスになりました。

まず標準を確認すると1/0.98インチで焦点距離は23mmで画素数は5030万画素となっています。詳細を確認できていませんがスペックだけで見ればLYT-900を搭載している可能性があります。

また前モデルまではシングルレンズカメラ構成だったので仕方なかったと思いますが焦点距離が19mmからと超広角寄りの仕様で一般的な24mm前後にはクロップが必要でした。

ただAQUOS R9 proでは23mmに変更されたことからも他社と同様の焦点距離で分かりやすいです。そして広角に関しては1/2.5インチで最短撮影距離が13mmで画素数が5030万画素であることからセンサーはIMX858の可能性があります。

そして望遠に関して1/1.56インチで画素数は5030万画素で最短撮影距離は67mmと光学2.8倍に対応しています。望遠としてみた場合センサーサイズはかなり大きめでおそらくですがIMX890の可能性があります。

またペリスコープ仕様となっていることからも望遠で見れば世界トップクラスになります。ただここまでのセンサーを搭載しながらも最大20倍に限定しているのがちょっと謎という感じです。

何より標準に超大型センサーを採用する流れは一緒ですが様々な画角で楽しめるのは嬉しいところです。

またXperiaのパクリに見えますが側面にシャッターキーを搭載したのも特徴の一つです。Xperiaより本体下部よりに搭載していることからも本体横向きで使うことが前提と分かりやすいです。

またiPhone 16シリーズのカメラコントロールのように中途半端に多機能にするのではなく押しやすい物理ボタンで長押しすることでカメラの起動はもちろん半押しでフォーカスの固定も可能です。

あとアタッチメントも別売りで用意されておりレンズフィルターの装着が可能となっています。ライカのバリオ・ズミクロンカメラシステムとなっておりソフト面も非常に気になるところです。

もちろん懸念点もある。

その他RAM12GBでストレージは512GBにIP68や超音波式画面内指紋センサーを採用しています。またディスプレイサイズは6.7インチで表示解像度はWQHD+と強化された上で輝度も1.5倍と底上げされています。

スペックでみるとAQUOSにしてはかなり攻めたなという印象を受けるので興味深いです。ただ一方で懸念している部分もあり一つ目としては本体サイズで162x78x9.3mmであること。

本体の横幅でみるとGalaxy S24 Ultraクラスでサイドフレームがフラットであることからも手にフィットしにくいことに加え本体の重さは229gとかなり取り回しが悪い可能性があります。

実際に持ち比べてみないと分からないですがGalaxy S24 Ultraの方が馴染みがいいかもしれません。何よりデザインはかっこいいですが大型モデルの中でも取り回しが悪い可能性が高いと思います。

次に2つ目としてSnapdragon 8s Gen 3を搭載していることでSnapdragon 8 Gen 3ではありません。Snapdragon 8 Gen 3の廉価版扱いでTSMCの4nmプロセスルールは一緒ですがCPUで見るとクロック数が全体的に低いことに加え高効率コアとミドルコアの構成が異なるという感じです。

ざっくり言えばSnapdragon 8s Gen 3の方がパフォーマンスより電力効率重視という印象です。ちなみにSnapdragon 8s Gen 3搭載機種のベンチマークを参考にすると150万点前後です。

そのためスコアだけで見ればSnapdragon 8 Gen 2と同程度でチューニングによっては低くなる可能性もあります。なので極論を言ってしまうとAQUOS R8 proからパフォーマンスの部分はあまり変わらないかもしれません。

またSnapdragon 8 Gen 3と比較すればレイトレーシング非対応などGPU周りに差があります。さらにカメラの画像処理に関しても差がある可能性がありベンチマークだけで判断出来ないです。

SHARPによるとAQUOS向けの画像処理エンジンとしてProPix Proを搭載していますが画像処理エンジンでどこまでカバーできているのか不明でカメラ主軸の機種だからこそ気になるところです。

そして3つ目として販路と価格で大手キャリアからはdocomoのみで直販版も販売予定です。現時点だと12月上旬よりdocomoから発売予定で直販版に関しては詳細が不明となっています。

一方で直販版に関して市場想定価格は19万円前後となっていることからも安くはないです。

おそらく19万円以下になるのかもしれませんがSnapdragon 8 Gen 3を搭載したGalaxy S24 UltraやXperia 1Ⅵと同程度の価格帯でちょっと出せばカメラキットがついたXiaomi 14 Ultraを購入できる感じでSnapdragon 8 Gen 3をもちろん搭載しています。

ただSnapdragon 8 Gen 3を搭載していればもっと本体価格が高くなってしまったのかもしれません。とはいえ直販版で19万円前後ならキャリア版は20万円前後なので判断が難しいところです。

少なくともおサイフケータイに拘りがないならXiaomi 14 Ultraの方が幸せかもしれません。

Xperia 1Ⅵと方向性は異なる。

あくまでも主観ですがこれだったらSnapdragon 8 Gen 3を搭載した方が分かりやすかったように感じます。一方でSHARPが搭載SoCを変えてまでコストカットに尽力しているにも関わらず価格は下がらないです。

このことを考えると規模の小さいメーカーはどう頑張っても20万円前後になってしまうのかもしれません。あとXperia 1Ⅵと比較されるかなと思いますがカメラの方向性は大きく異なる可能性があります。

AQUOS R9 proはと1インチの大型センサーを搭載していることからも描写力は高いです。

一方でレーザーオートフォーカスや可変絞りに非対応なのでシーンによってはボケ感が強すぎで被写体が小さいと寄って撮影できない可能性がありますがXperia 1Ⅵは1/1.35インチなのでフラッグシップモデルの中ではそこまでセンサーが大きくないことから癖は弱めです。

また画質は微妙ですがXperia 1Ⅵは光学7.1倍の光学シームレスズームに対応しており中距離以下のズーム撮影を強化してきた感じですがAQUOS R9 proはスペックだけで見ると何をコンセプトに大型望遠センサーを搭載してきたのかちょっと分かりにくい印象を受けてしまいます。

またXperia 1Ⅵはカメラの仕様からも動体撮影が強みでαシリーズ譲りの現実をより忠実に撮影するカメラコンセプトとなっていますがAQUOS R9 proはセンサーの構成などからも動体の撮影よりは風景や人物がメインでライカ監修のカメラソフトで簡単に綺麗に撮れる感じになります。

そのため方向性が違うのでハードではAQUOS R9 proの方が良さそうに見えますが結局は使い方次第だと思います。

そしてAQUOS R9 proはスピーカーの強化をアピールしていますがこれは実際に試さないと分からないですがXperia 1Ⅵ以上のスピーカーがそうそう出てくるとは思えないのが本音です。

またAQUOS R9 proではSDカードスロットやイヤホンジャックが廃止になったのもユーザーによっては残念かもしれません。

何よりXperia 1ⅥとAQUOS R9 Proでは方向性が違くXperiaが好きなユーザーのニーズをAQUOS R9 proが満たせる感じでもなく逆にAQUOS R9 proのニーズをXperia 1Ⅵは満たすことは出来ないと思います。

ただSonyがXperia PROシリーズで目指すべきだった道なのかなと思います。

まとめ。

今回はAQUOS R9 poが正式発表されたので気になる部分についてまとめてみました。デザインやカメラ構成は面白いと思いますが価格を考えるとSoCなども気になってしまう感じです。

やはりフラグシップを開発するのは大変でコストを抑制するのも難しいことを痛感します。何よりAQUOSが面白い機種を発表してくれたことに違いはないと思います。

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