中国市場において直近で見れば好調のvivoですが今年は特にAppleを強く意識している印象です。何よりシェア1位を維持するためにもプレミアムモデルの売り上げをしっかりと伸ばす必要があると言われています。
その中でiPhoneより魅力的な機種をユーザーに提供することができるかがキーになります。今回はvivo X200 ProとiPhone 16 Pro Maxの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
デザインを比較。
少なくとも使いやすさの部分を求めているのであればiPhone 16 Pro Max一択だと思います。残念なことにvivo X200 Proが国内で発売される可能性はゼロに近いと思うので正直論外です。
その上でデザインから確認していきたいと思いますがトレンドというべきなのかiPhoneを意識した進化を遂げている機種が多い印象でvivo X200 Proも良くも悪くも似ている印象です。
結局デザイン性にコストに耐久性を考えるとバックパネルもサイドフレームもフラット化が効率的なのかもしれません。また両機種ともサイドフレームがフラット形状なのは一緒ですがiPhone 16 Pro Maxはチタンを採用しています。
耐久性の部分ではvivo X200 Proが採用しているアルミよりも優れている可能性が高いです。一方でvivo X200 Proは光沢仕上げを採用しているため指紋が目立ちやすいように感じます。
とはいえiPhone 16 Pro Maxもマット仕上げのように見えつつ指紋は思っていた以上に目立ちます。
あと気になる部分としてiPhone 16 Pro Maxはカメラコントロールを採用したことで物理ボタンが世代を重ねるごとに増えているので正直デザインの面では微妙に感じてしまいます。
あとはAndroidを使っているかiPhoneを使っているかで評価が分かれるかなと思いますがiPhone 16 Pro Maxは音量ボタンが本体左側面にあるので個人的には違和感があります。
また合わせて本体サイズを確認すると縦幅は一緒ですが横幅はvivo X200 Proの方がスリムです。本体の厚みに関してはiPhone 16 Pro Maxの方が薄いとはいえ横幅がある分取り回しが悪いです。
ただ重さがほとんど一緒であることからも持ちやすい分vivo X200 Proの方がずっしり感強めです。
ちなみにデザインで一眼で分かりますがvivo X200 Proは重心がかなり上に寄っている感じです。
そしてバックパネルは両機種ともガラスを採用していますがvivo X200 Proは光沢仕上げを採用しています。iPhone 16 Pro Maxはマット仕上げを採用していることもありシックで高級感があります。
一方でvivo X200 Proのブルーはグラデーションカラーとなっているため光の反射によってデザインの見え方が大きく変わるので個人的にはvivo X200 Proのデザインの方が楽しいです。
ただ光沢仕上げということもあり当たり前の話ですが指紋は全体的に目立ちやすい印象を受けます。
あとカメラデザインに関しては好みが分かれる部分で正直どちらが正解はないかなと思います。ただvivo X200 Proは背面上部のほとんどカメラになっていることもありテーブルなどに置いた時に左右にガタガタしないのでvivo X200 Proの方が置いては使いやすいかもです。
正直手入れの部分ではvivo X200 Proの方が全体的に光沢仕上げなので指紋が目立ちます。ただここにきてグラデーションカラーを復活させてくれたのは個人的に面白いと思います。
ディスプレイを比較。
そしてディスプレイを確認していきたいと思いますがvivo X200 Proはベゼル部分が僅かに湾曲したマイクロクアッドカーブディスプレイを採用しておりiPhone 16 Pro Maxのようにシンプルなフラットディスプレイではなくアクセサリーの面ではマイナスかなと思います。
ちなみに正面から見た場合にベゼル部分が湾曲していることからもスリムに見えるのがメリットです。
ただvivoの発表によると1.6mmとされておりiPhone 16 Pro Maxは1.3mm前後との話です。正直自分はベゼルの太さをあまり気にしないのでどっちであっても問題ないという感じです。
コンテンツの見え方。
そして事前情報通りであればiPhone 16 Pro MaxはSamsungのM14を採用している可能性があります。一方でvivo X200 Proに関してはBOE製の可能性がありますがカメラに拘りを持っているからかツァイスマスターカラースクリーンを搭載しておりリアルかつナチュラルな表現が可能になりました。
YouTubeを再生してみるとiPhone 16 Pro Maxの方が暖色系ということもあるのか個人的には発色よく見えますがvivo X200 Proは撮影した写真をより忠実に表示できるのが特徴です。
何よりディスプレイの色味は調整できるとはいえユーザーにとって好みが分かれる部分です。あくまでもデフォルトのままだとvivo X200 Proの方が全体的にシャープに見える印象です。
スペック部分に関しては単純にインチ表示で見ればiPhone 16 Pro Maxの方が大きいです。さらに横幅もあるためiPhone 16 Pro Maxの方がよりコンテンツを大きく表示できる印象です。
ただアスペクト比の違いからもvivo X200 Proの方が一度に表示できる情報量が多いです。
ちなみにvivo X200 Proは0.1Hzから可変式120Hz表示に対応していますが違いは分からないです。何よりiPhone 16 Pro Maxは非常に滑らかに対してvivo X200 Proはサクサク寄りの印象を受けます。
ここは好みが分かれる部分でAndroidに慣れているとiPhoneはもっさりに感じる可能性もあります。
ディスプレイ輝度を比較。
そしてディスプレイの見やすさに直結する部分としてディスプレイ輝度で海外サイトを参考にするとiPhone 16 Pro Maxは手動調節で900nitsで自動調節で1796nitを記録しています。
一方で動画撮影時点でvivo X200 Proのディスプレイテストの結果が公開されていません。ただ同じピーク輝度に対応したvivo X Fold 3 Proを参考にすると手動調節で579nitsで自動調節で2129nitsとなっていることからもvivo X200 Proも同程度の明るさに期待です。
何より屋外でサンプル撮影をしている時はvivo X200 Proの方が明るく感じることが多いです。またディスプレイの色味も影響しているのかvivo X200 Proは寒色系なので屋内においてもiPhone 16 Pro Maxより明るく感じることが多く全体的にいい勝負だと思います。
少なくともプロが評価すれば変わるのかもしれませんが素人だとvivo X200 Proが分かりやすい印象を受けます。
基礎スペックを比較。
次に基礎スペックを確認していきたいと思いますがOSが違うため単純な比較は厳しいです。むしろiPhone 16 Pro Maxはハードで見ればそこまでの魅力がない感じですがApple製品とのエコシステムが超強力という感じでApple製品と合わせて使うことで本領発揮という感じです。
一方で日本で発売されていないvivo製品を揃えて使う人なんて正直滅多にいないと思います。その上で使いやすさを求めるなら日本で正式販売されているiPhone 16 Pro Max一択になります。
アップデートに関しては両機種とも正確なサポート期間を発表していないため正直なんともです。またAIに関してはiPhone 16 Pro Maxの方が進んでいる可能性がありvivo X200 Proは今後発表される可能性が高いグローバル版でGeminiを使う際にどの程度対応するのか次第です。
容量構成を比較。
そして容量構成ですがRAMに関してはOSが異なるため動作条件も違うので単純な比較は出来ません。ちなみにAppleによると最低でもRAM8GBですがAndroidだとAIのために最低でも12GBは欲しいところです。
ストレージオプションに関しては同じでvivo X200 Proは別途衛星通信モデルがあります。この辺ストレージオプション関係なく衛星通信に対応しているiPhone 16 Pro Maxが良心的です。
発熱とパフォーマンスの持続性。
そして発熱の程度を調べるためにベンチマークを3回連続で回して負荷をかけてみました。スコアで見るとvivo X200 Proの方が圧倒していますが計測方法が違うとの話もあります。
計測終了ごとに外部温度を計測してみましたがvivo X200 Proは40.3/38.5/37.3度です。一方でiPhone 16 Pro Maxは34.5/38.5/37.3度と明らかに発熱しにくい印象です。
開封初日ということもありvivo X200 Proの方が明らかに発熱しやすくスロットルダウンもかなりきつめにかかることからもスコアが安定していない印象をどうしても受けてしまいます。
そして持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testをしてみました。自分が違う項目でテストしてしまっているのかiPhone 16 Pro Maxのトップスコアがvivo X200 Proの4分の1となっていることからも安定率が高いのは当たり前という感じです。
むしろトップスコアでこれだけ差があることを考えるとvivo X200 Proも悪くはないです。
そして計測方法が一緒と言われているGeekBench 6を計測してみましたがシングルスコアはiPhone 16 Pro Maxの方が優秀ですがマルチスコアではvivo X200 Proの方が優秀です。
スコアが優秀でもあまり意味はないですがAndroidがiPhoneを抜いたのは久しぶりの印象です。
バッテリー関連を比較。
またバッテリー関連を確認するとバッテリー容量だけで見ればvivo X200 Proの方が多いです。残念なことに執筆時点でvivo X200 Proのバッテリーテストの結果は公開されていません。
ただ歴代機種をみるとiPhoneのように最適化されて電池持ちが良いという印象はなくバッテリー容量を増やすことでハード的に電池持ちを力づくで底上げしているという印象です。
前モデルが13時間53分に対してvivo X200 Proは電力効率が改善したDimensity9400に加えバッテリー容量が増えていることからも電池持ちはおそらくですが底上げされている可能性が高いと思います。
ただiPhone 16 Pro Maxのスコアが17時間オーバーと現状ではトップクラスのスコアです。個人的にvivo X200 Proは15時間は超えてもいいと思いますが17時間までいくかは微妙なところかなと思います。
そして充電速度に関してはvivo X200 Proの方がバッテリー容量が多いとはいえ有線の場合は速い可能性がある一方でワイヤレスに関してはチューニング次第ですがiPhone 16 Pro Maxの方が速いかもしれません。
ちなみにiPhone 16 Pro Maxは充電開始30分で46%でフル充電に要した時間は1時間57分です。
その他を比較。
そしてイヤホンジャックなしは共通ですがvivo X200 ProはIP68に加えIP69にも対応しています。単純に沈めることが大丈夫なことに加え激しめの水流を浴びせても大丈夫という感じです。
そして生体認証の関してはvivo X200 Proはインカメラを利用した2D顔認証に対応しており顔認証という部分ではiPhone 16 Pro MaxのFace IDにセキュリティ的にも汎用性も劣ります。
一方で好みの問題ですがvivo X200 Proは超音波式画面内指紋センサーにも対応しています。ちなみに本人認証が必要な場合vivo X200 Proは指紋認証に限定される感じです。
そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみました。音量はほとんど一緒ですがvivo X200 Proの方が音の輪郭がまとまっていない印象で、少なくとも自分の耳だとiPhone 16 Pro Maxの方がまだ音質は安定している印象です。
カメラを比較。
最後にカメラを確認していきたいと思いますがスペックで見ればめちゃちゃ差がある感じです。メインカメラセンサーでみるとセンサーサイズは両機種とも1/1.28インチだと思います。
一方で大きな差があるのは望遠で最大ズーム倍率はもちろんズーム性能に大きな差があります。少なくともiPhone 16 Pro Maxはテトラプリズム機構を採用しているとはいえズームがあまり強い機種とは言えない一方でvivo X200 Proは最大限までズームを強化してきた感じです。
さらに最大20倍のマクロズーム撮影に対応するなど被写体に寄れないiPhoneと真逆で、とりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはiPhone 16 Pro Max/vivo X200 Proの順番になっているので予めご了承下さい。
iPhone 16 Pro Maxは影になっている部分が黒潰れしていることを確認できます。
広角で撮影。
超広角の時はフレアが両機種とも厳しかったですが広角になる頑張っている印象を受けます。
意外にもvivo X200 Proの方が被写体に寄りにくかった印象ですが、ボケ感に大きな差があります。
ただ被写体が小さくなるiPhone 16 Pro Maxは寄れなくなります。
ポートレートで撮影。
iPhone 16 Pro Maxの方がボケ感は抑えめの印象を受けます。
vivo X200 Proは別に無理に寄っているわけではありませんが最短撮影距離に大きな差があります。
次に2倍で撮影してみました。
そしてiPhone 16 Pro Maxは5倍でvivo X200 Proは5.9倍(135mm)で撮影してみました。
思っていたよりiPhone 16 Pro Maxの方が寄りやすいですが、何方かと言えばvivo X200 Proはチューニング不足なのかフォーカスがちょっと甘いというか距離感を掴みにくいです。
マクロで撮影。
iPhone 16 Pro Maxは超広角を利用したマクロ撮影となっておりvivo X200 Proは望遠を利用したテレマクロとなっています。
個人的にはテレマクロの方が撮影しやすい印象を受けます。
望遠で撮影。
まずは2倍で撮影してみました。
次にvivo X200 Proでは光学となる3.7倍で撮影してみましたがデジタルズームということもありiPhone 16 Pro Maxはノイズが増えた印象です。
次に10倍で撮影してみました。
15倍で撮影してみましたがノイズに大きな差があります。
そして20倍で撮影してみましたがズーム性能に関しては雲泥の差です。
10倍で撮影。
vivo X200 Proに関してはマクロモードで10倍で撮影しています。
正直iPhone 16 Pro Maxはズームで接写するのは向かないです。
超広角(低照度)で撮影。
次に低照度の環境かつ手持ちでサンプルを撮影してきました。
vivo X200 Proは露光時間が短いこともあり、中途半端な明るさだと全体的に暗くなりがちです。
広角(低照度)で撮影。
vivo X200 Proは設定を見逃していない限り両機種ともナイトモードの切り替えは自動です。
vivo X200 Proの方が白飛びが抑制されています。
全体的にvivo X200 Proの方がフレアが抑制されています。
望遠(低照度)で撮影。
まず2倍で撮影してみました。
次にvivo X200 Proは光学となる3.7倍で撮影してみました。
最後にiPhone 16 Pro Maxが光学となる5倍で撮影してみました。
まとめ。
今回はvivo X200 ProとiPhone 16 Pro Maxの比較レビューを主観的にまとめてみました。ちなみに中国現地でみるとvivo X200 Proは5299元でiPhone 16 Pro Maxは9999元からです。
なので価格差で見ると約2倍とvivo X200 Proの方が圧倒的に安いということになります。少なくともハードで見ればvivo X200 Proの方が強いですがソフトだとiPhone 16 Pro Maxだと思います。
正直これは好み次第ですがハードに拘りがない人がわざわざ海外スマホを個人輸入するかとの疑問もあります。