先日にHuawei Mate XTの開封レビューをさせて頂きましたが、Huaweiの技術力の高さを実感できる一方でネックとなっているのは「SoC」です。アメリカの規制強化を受ける前のKirinチップの電力効率は優れており電池持ちはかなり優秀というイメージでした。
一方でHuawei Mate60シリーズから復活したKirinチップはプロセスノードが7nmと他社に遅れをとっていることも大きく影響している可能性がありますが、Huaweiの機種としては電池持ちが良くない印象を受けます。
今回Phone ArenaがHuawei Mate70シリーズで搭載されるKirini9100に言及しているので簡単にまとめたいと思います。
アメリカからの規制強化。
Huaweiはアメリカからセキュリティの懸念があると2019年にエンティティリストに追加。エンティティリストに追加された企業とアメリカ企業が取引をする場合は、アメリカ政府からの許可が必要となるため実質取引が不可能の状態になります。
この影響としてGoogleはHuaweiと取引することが不可能になり、Huaweiの機種にGMSが搭載出来ない状態になりました。ただ一方でHuaweiの勢いが大きく失速することがなかったことからもアメリカ政府はHuaweiに対しての規制を強化。
この規制強化でアメリカの技術を採用した半導体をHuaweiに出荷することが禁止になりました。TSMCはアメリカの技術を利用した上で半導体の製造を行なっていることからもHuaweiに半導体の出荷が出来ない状況に。
そのためHuaweiはアメリカの技術に頼らず半導体を製造する必要が出てきた中で2023年のHuawei Mate60シリーズからKirinチップを復活させています。現状Kirinチップは中国のSMICによって製造されており、7nmプロセスノードを採用しています。
少なくとも極紫外線リソグラフィー(EUV)技術を採用せず、7nmプロセスノードの半導体を製造できているだけでもすごいという感じです。
Kirin9100はさらに化ける。
そして11月に正式発表が予測されているHuawei Mate 70シリーズは最新となる「Kirin9100」を搭載している可能性があると予測されています。少なくとも事前情報通りであれば、DUVと複数のパターンを採用した5nmプロセスノードを基に製造されている可能性があり処理性能は大幅に向上する可能性があります。
ちなみに直近の情報だと4nmプロセスノードを採用したSnapdragon 8 Gen 2よりも処理性能が優れている可能性があると予測されています。一方でHuaweiの製品ページを見ると分かりやすいですがSoCの詳細には言及していません。
このことを考えると何か後ろめたいことしているのではないか?と勘ぐっちゃうところで、アメリカ政府も同様に考えている可能性。何よりKirin9100でアメリカの技術なしに高性能の半導体を製造できるとなればアメリカ政府はさらに何かしらの形で規制を強化してくる可能性もあります。
とはいえ単純にHuaweiとSMICの技術力が進化しているだけの可能性もあり、何も後ろめたいことはないのかもしれません。Huawei Mate70シリーズはKirin9100とHoarmonyOS Nextの調整から発表が遅れているとの話もあります。
何より正式発表されたベンチマークでより詳細が分かると思いますが、アメリカがどのような対応をとるのか非常に気になるところです。