折畳式機種もありじゃない?Pixel 9 Proと9 Pro Foldを比較してみた

いよいよ発売されたPixel 9 ProとPixel 9 Pro FoldですがGoogle Storeにおける在庫状況でみるとPixel 9 Pro Foldは壊滅的でPixel 9 Proも一部モデルは予約分の在庫が完売するなど地味に不安定とハイエンドコンパクトを待望していたユーザーが多いのかもしれません。

今回はPixel 9 ProとPixel 9 Pro Foldをざっくりと比較した上で折畳式機種はありなのか主観的にまとめたいと思います。

デザインを比較。

あくまでも自分の周りで見ていると折畳式機種であるPixel 9 Pro Foldに興味を持つ人が多いです。また人によってはPixel 9シリーズの中からどれか選びたいという感じで今回はサイズ感がある意味似ている機種同士を比較したいと思いますがまずはデザインから確認したいと思います。

あくまでもPixel 9 Pro Foldは折畳式機種なので詳細に比較することに意味はないです。ただ小型モデルが欲しい人にとってPixel 9 Pro Foldはどうなのかでみるとちょっと面白いです。

その上で本体を閉じた状態で比較すると縦幅はそこまで差がないですが横幅に大きな差があります。ディスプレイサイズでみるとPixel 9 Pro Foldは160mmでPixel 9 Proは161mmなので対角線で見た時にディスプレイ部分の長さは1mmしか違いがなくインチ表示なら同じく6.3インチです。

なのに本体サイズに差があるということはPixel 9 Pro Foldの方が無駄が多いことになります。折り畳んだ状態とはいえヒンジ部分があることからも横幅は嵩みやすい一方でベゼルも太めです。

その差が本体サイズに繋がっていると考えることができスッキリ見えるのはPixel 9 Proです。

ただ何よりディスプレイサイズでみるとほとんど一緒というのはかなり興味深いところです。事前情報通りであればSamsungのM14を採用していると言われているのでサイズ含めて同じ物を採用している可能性がありPixel 9 Pro Foldはベゼル幅などで上手く調整している可能性もあります。

何よりサブディスプレイで比較すれば同じように見えますが持ちやすさなどは全然違います。

一方でサイドフレームは同じくフラット形状ですがPixel 9 Proは光沢仕上げを採用しておりPixel 9 Pro Foldはマット仕上げですがヒンジ部分はポリッシュ仕上げとなっています。

カラバリによるのかもしれませんがPixel 9 Proの方が光沢感があるため高級感を感じますが個人的には出来るだけ指紋が目立ちにくい方がいいのでPixel 9 Pro Foldの方が好きです。

そして大きくデザインが異なる部分としてはカメラでPixel 9 Proはお馴染みの並列型を採用しています。

一方でPixel 9 Pro Foldは内部スペースの問題だったのか不明ですがスクエア型を採用しています。実際に使って印象が変わったのはPixel 9 Pro Foldのカメラデザインでテーブルなどに置いた時にガタガタするかと思いきや全然ガタガタしないのでGoogleが配慮して設計した可能性があります。

他のスクエア型デザインを採用している機種にもちょっと見習ってほしいと思うくらい想定外でした。少なくとも本体を閉じた状態だと259gという重さはかなりきますがPixel 9 Proも比較的持ちやすいサイズ感だからこそずっしりくる感じでやはり気になるのは横幅の違いです。

また本体の厚みにめちゃくちゃ差があるのかと思いきや正直気になるほどの差はありません。

バックパネルは両機種ともGorilla Galss Victus2を採用した上でマット仕上げを採用しています。少なくとも取り回しの良さではPixel 9 Proの方が圧倒的に優秀だと思いますがPixel 9 Pro Foldは折畳式機種だからといってそこまで嵩張っている感じでもないです。

サブディスプレイを比較。

次にサブディスプレイを確認していきたいと思いますがディスプレイサイズにアスペクト比は一緒です。ただ地味に違う部分としては表示時解像度がPixel 9 ProはWQHD+に対応しています。

ちなみに電池持ちを少しでも安定させたいのであればオプションからFHD+に固定が可能です。

コンテンツの表示を確認。

そして色味含めてコンテンツの見え方を確認していきたいと思いますがYouTubeを再生するとディスプレイサイズが一緒ということもあり当たり前ですがコンテンツの見え方は変わらずです。

もちろん全画面表示にしても変わらずで発色に関して個人的にはそこまで差がない印象を受けます。

次に合わせて少年ジャンプ+で漫画を表示してみても当たり前に近いですが表示に差はないです。

強いていうなら表示領域が一緒だからこそPixel 9 Pro Foldの方がベゼルが気になるくらいです。少なくともコンテンツの表示に関してサブディスプレイとの比較であればほとんど一緒です。

ディスプレイ輝度を確認。

またディスプレイ輝度に関してスペックでは差がありますが個人的な印象としてはPixel 9 Proが本当に僅かに明るい程度で屋外でそこまで使わないのであればほとんど差がないという印象です。

少なくともPixel 9 Pro Foldでも十分な明るさを実現しているので心配は不要かと思います。

メインディスプレイを確認。

一方でメインディスプレイと比較していきたいと思いますがまず本体を縦向きでYouTubeを再生してみると当たり前の話ですがコンテンツの大きさも一度に表示できる情報量も雲泥の差があります。

次にPixel 9 Pro Foldは本体縦向きのままで全画面表示にしてみましたがやはり雲泥の差です。とはいってもPixel 9 Pro Foldは折畳式機種なのでここで負けたら正直駄目という感じです。

ちなみにPixel 9 Pro FoldをフレックスモードでYouTubeを再生するとほぼ一緒の大きさです。そのためPixel 9 Pro FoldはPixel 9 Pro 2台分の大きさで表示できるということになります。

もちろん画面分割する上での視認性が優れていることにスタンド要らずで使えるのが便利です。

次に本体を縦向きで少年ジャンプ+で漫画を表示してみるとPixel 9 Pro Foldは拡大表示になるためコンテンツの大きさに雲泥の差が発生しており余白も意外と少ないのがびっくりです。

また少年ジャンプ+は見開き表示を強制するオプションがあるのでPixel 9 Pro Foldのみオンにした状態で比較するとPixel 9 Pro 2台分とほぼ同じ大きさで表示できている印象です。

動画や漫画などはアプリによって表示が異なるため自分が使うアプリで確認する必要があります。

ディスプレイ輝度を確認。

またディスプレイ輝度に関してPixel 9 Pro Foldのメインディスプレイはサブディスプレイと比較してピーク輝度は一緒ですがHDR表示は僅かに下がり最大1600nitsになりますが問題ないです。

屋内で比較するとPixel 9 Proの方が僅かに明るいかなという感じで気になる差ではないです。一方で屋外においてメインディスプレイで動画などHDR表示をしたい時などは地味に差が出ます。

何より改めて比較して思うのはサブディスプレイ部分に関して基本は共通の体験ができることで取り回しに差ががあれど良く言えばサブディスプレイでも十分に普通にスマホとして使えます。

一方でメインディスプレイを開くと当たり前の話ですがコンテンツの見え方が全然違います。正直ここに魅力を感じるかどうかでここに魅力を感じて10万円追加投資できるならありです。

自分はこの絶妙なサイズ感にハマっていることからもPixel 9 Pro Foldの方が魅力的です。

基礎スペックを比較。

そして基礎スペック関連で気になる部分として一つ目はストレージオプションに差があることです。ただPixel 9 Proはターゲット層を考えるとベースモデルの価格を安く見せるために存在している可能性があります。

そして同じGoogle Tensor G4を搭載していますがベンチマークを3回連続で回してみました。

パフォーマンスの持続性と発熱を比較。

両機種とも開封初日にベンチマークを計測したとはいえスコアの安定性に大きな差があります。何よりPixel 9 Proは今後検証が必要ですがスコアだけで見ればはちょっと低すぎです。

一方で最近困っている部分としてはベンチマーク計測終了後に内部温度が表示されないことです。

とりあえず計測終了ごとに外部温度を計測してみましたがPixel 9 Proは35.5/36.1/36.0度でPixel 9 Pro Foldは35.1/35.4/35.2度で実際に持ち比べると数字以上の差があります。

同じくベイパーチャンバーを搭載しているはずですがPixel 9 Proは排熱が苦手なのかもしれません。何より放熱性能を強化してもスコアをみる限りではソフト制御をすることで無理に発熱を抑制しているという印象で何より同じ負荷だとPixel 9 Proの方が不快に感じることが多いです。

そしてパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stress Testを実施してみました。

トップスコアにしろPixel 9 Pro Foldの方が高い上で安定率も77.4%と悪くないです。筐体サイズに大きな違いがありますがパフォーマンスで見ればPixel 9 Pro Foldの方が優秀です。

良くも悪くも真夏が終わってしまったので何ともですがPixel 9 Proは発熱しやすいです。

バッテリー関連を確認。

次にバッテリー関連を確認するとPixel 9 Pro Foldの方がディスプレイサイズが大きいのにバッテリー容量は小さいとなっており同じSoCを搭載していることを考えると電池持ち悪いです。

現に公式サイトを確認するとPixel 9 Proはスーパーバッテリーセーバーを使用した状態で最大100時間に対してPixel 9 Pro Foldは72時間となっているので悪いことは確定です。

執筆時点で海外サイトがバッテリーテストの結果を公開していないため何ともですが同じく100時間に対応しているPixel 9 Pro XLの12時間31分より悪いことはほぼ確定です。

ちなみにここ数日Pixel 9 Pro Foldを触っていますが電池持ちはかなり悪い印象を受けます。Pixel 9 Proを全然触れていないので何ともですが他のPixel 9シリーズより明らかに悪いです。

そして充電速度に関しても地味に差がありPixel 9 Pro FoldはPixel Stand 2に非対応です。原因としては充電コイルの搭載位置がが背面中央より僅かに下に配置されたことが影響しています。

ちなみにPixel Stand 2に対応していたPixel Foldの充電速度が7.5Wなので大して期待出来ないです。バッテリーの容量がほとんど一緒であることを考えると充電速度はPixel 9 Proの方が優秀です。

その他Pixel 9 Pro FoldはIPX8なので防塵非対応ですが両機種ともお風呂やプールはNGです。

その他を比較

そして生体認証ですがクラス3に対応した顔認証は共通ですがPixel 9 Pro Foldは電源ボタンに統合された光学式に対応している一方でPixel 9 Proは超音波式画面内指紋センサーに対応しています。

セキュリティ面でみれば超音波式の方が優秀だと思いますが単純に側面の方が認証しやすいです。ここは好みの問題で側面に搭載している方がアクセサリーの影響を受けないのは嬉しいところ。

そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみましたが音量にしろ音質にしろ個人的な印象としてはPixel 9 Proの方がまだ安定している印象です。また音量が70%レベルになってくるとやはりPixel 9 Pro Foldは共振が気になる感じです。

カメラを確認。

最後にカメラを確認していきたいと思いますがPixel 9 Pro Foldに一番アドバンテージがあるのはディスプレイに対してPixel 9 Proにアドバンテージがあるのはカメラという感じです。

ハードに大きな違いがありPixel 9 Pro Foldはいくら折畳式機種とはいえ1/2.0インチは貧弱です。またペリスコープを搭載しているとはいえセンサーサイズが小さいためズーム倍率も弱いです。

カメラソフト面でみるとPixel 9 Proはマニュアル撮影や8Kの動画ブースト撮影などに対応しています。一方でPixel 9 Pro Foldは実質本体のみで天体写真モードを使えるのは面白いところで、とりあえず写真と動画のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。

超広角で撮影。

今回のサンプルはPixel 9 Pro/Pixel 9 Pro Foldの順番になっているので予めご了承下さい。

気になる部分としてはPixel 9 Pro Foldの方が逆光などの環境になるとフレアがひどいです。

広角で撮影。

センサーサイズに差があるとはいえ高照度の環境だと想定ほど差がない印象を受けます。

次に接写をしてみましたがPixel 9 Pro Foldの方がセンサーサイズが小さいこともあるのか被写体に寄って撮影しやすい印象を受けます。

高照度の環境だとPixel 9 Pro Foldのノイズはほぼ気にならないです。

ポートレートで撮影。

Pixel 9 Pro Foldはちょっとよく分からない部分にフォーカスが合っています。

少なくともPixel 9 Pro Foldの方がフォーカスを合わせにくい印象で今回のサンプルも同じ撮り方をしていますがPixel 9 Pro Foldはちょっと残念な感じに。

次に2倍で撮影してみました。

やはりPixel 9 Pro Foldの方がフォーカス精度が甘いです。

マクロで撮影。

両機種とも超広角を利用したマクロ撮影になります。

センサーに差があれど割と良い感じに撮れる一方でPixel 9 Pro Foldの方がフォーカスが甘い時があります。

ズームで接写

まずは2倍で撮影してみました。

次に5倍で撮影してみましたがPixel 9 Pro Foldの方がシャープさが足りない印象を受けます。

そして8倍で撮影してみましたがPixel 9 Pro Foldはフォーカス精度も甘ければノイズがかなり多めです。

望遠で撮影。

まずは2倍で撮影してみました。

次に同じく光学となる5倍で撮影してみましたがPixel 9 Pro Foldの方がノイズが多い印象を受けます。

次に10倍で撮影してみました。

正直15倍になると両機種ともかなり厳しい印象を受けます。

最後にPixel 9 Pro Foldの最大となる20倍で撮影してみましたが意外とそこまでの差がないです。今回のサンプルでみると5倍から10倍程度であればPixel 9 Proの方が優秀ですが、それ以上になるとPixel 9 Proが必ずしも優れているという印象を受けません。

超広角(低照度)で撮影。

次に低照度の環境で手持ちかつナイトモードでサンプルを撮影してきました。

Pixel 9 Proはチューニング不足なのかフレアや白飛びがひどい印象を受けます。

広角(低照度)で撮影。

割と広角になるとPixel 9 Pro Foldも頑張っている印象を受けます。

今回のサンプルをみる限りだとGoogleのカメラソフトの技術がすごいという感じでカメラセンサーが弱ければ弱いほど際立つという感じです。

流石に強い光源があるシーンだとPixel 9 Proの方がまだマシという感じです。

望遠(低照度)で撮影。

まずは2倍で撮影してみました。

3倍になるとPixel 9 Pro Foldの方がノイズが多い印象を受けます。

最後に5倍で撮影してみました。全体的にみるとPixel 9 Pro Foldはポートレートモードと10倍以下の中倍率撮影が劣るという印象です。一方でハードの差があれどカメラソフトが優秀なのかそれなりに頑張っている印象を受けます。

まとめ。

今回はある意味似ている部分があるPixel 9 ProとPixel 9 Pro Foldを比較してみました。同じPixel 9 ProシリーズとはいえPixel 9 Pro Foldのカメラはちょっとお粗末に感じます。

一方でコンテンツを消費するという面では最強という感じでどっちに拘るかなと思います。自分は折畳式機種にハマっているのでGoogle Storeにおける価格差が約10万円もあってもPixel 9 Pro Foldを選ぶという感じでカメラは他の機種でもカバーできるという感じです。

一方でコンテンツを最大限楽しむという部分は折畳式機種じゃないとカバー出来ない感じです。自分のようにスマホで何か生産したりゲームを大してやらない人からすれば折畳式機種はある意味特化型だと思うので非常に面白いと思っており興味があるなら触ってほしいところです。

 

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