Pixe 9 短期レビュー。不満はあれど実質4万円で購入出来たのでコスパ最高

Pixel 8シリーズの頃は少しでも安いPixelが欲しいユーザーや小型モデルが欲しいユーザーにおすすめしやすかった無印ですがPixel 9は現地価格で値上げされた影響もあり高価格化しています。

さらにPixel 9 Proが追加されてサイズ感とスペックに拘りたい人はProに流れる感じになりました。今回はGoogle Pixel 9を購入してから約1週間使ってきたので短期レビューを主観的にまとめたいと思います。

割と発熱しやすい。

執筆時点でPixel 9 Proが発売されていないことから全体的な評価が出来ていないので正直もどかしい状態にありますがPixel 9を短期間使って気になることを確認したいと思います。

まず一つ目としては発熱でPixel 9 Pro XL対比になりますが発熱しやすい印象を受けます。同じ使い方だとPixel 9 Pro XLは本体が冷たいままでもPixel 9は簡単に暖かくなる印象です。

一部情報によるとPixel 9 Proシリーズは発熱対策としてベイパーチャンバーを搭載との話です。単純に考えればベイパーチャンバーを搭載したことで放熱性能が強化され表面温度が上がりやすいです。

ただその分パフォーマンスの持続性は改善する傾向にあり逆にベイパーチャンバーがないと本体内部に熱が篭りやすいので内部温度上昇を避けるためにスロットルダウンをかけやすいです。

その結果表面温度は割とは上がりにくい一方でパフォーマンスの持続性はあまり良くない傾向になりやすいです。ただ自分の使い方だとPixel 9の方が発熱を感じやすくパフォーマンスの持続性も良くない感じです。

GoogleがPixel 9 Pro XLのチューニングをかなり頑張ったのか定かではありませんが個人的にはPixel 9の方が圧倒的に発熱を感じやすいのでどうしても不快に感じるシーンが多いです。

どうしてもこの時期だと外気温が高いのでスマホを持っているだけでも発熱はしやすくなります。ただ同じSoCを搭載している機種で筐体サイズが違うとはいえ発熱の印象がだいぶ違うと思います。

自分は高負荷なゲームをやらないため特段ヤバいと思いませんが負荷をかけた時は相当差がつくかもしれません。ちなみに開封した当日にベンチマークを3回連続で回した時にPixel 9は35./35.6/35.6度に対してPixel 9 Pro XLは33.6/34.8/34.7度なのでPixel 8シリーズの時と発熱に関しては逆転した感じです。

前モデル対比で大型化しているとはいえ単純にコンパクトモデルのデメリットがそのまま出ている印象です。

Pixel 9 Proを使ってからの総合判断になりますがこれだとPixel 9 Pro XLの方が不快に感じにくいです。またGoogleの発表によるとGoogle Tensor G4のチューニングを最適化したことからアプリの応答速度が17%改善した上でウェブパフォーマンスも最大で20%も改善したことを明らかにしてます。

それぞれで触ると十分に滑らかに感じますがPixel 9は同じゲームでもPixel 9 Pro XL対比でたまにカクツクことがあるので両方使わないと分からないレベルの差ですがちょっと気になります。

また編集マジックや消しゴムマジックは何回か使いましたがPixel 9の方が処理が僅かに遅い印象です。これは本体の発熱のしやすが影響しているのか不明ですがスペックで分からない違いが発生しています。

まだ使い始めて1週間程度なので今後様子見をが必要ですが現時点では地味に発熱に差があります。

スコアほど電池持ちの良さを感じない。

次に電池持ちですが海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にするとPixel 9は13時間5分です。同サイトの現在のバッテリーテスト方式になってからは現時点で最も電池持ちがいいPixelになります。

ちなみにPixel 8は11時間17分であったことを考えるとスコアはめちゃくちゃ改善しています。

スコア バッテリー容量 スコア
iPhone 15 3349mAh 13時間20分
Pixel 9 4700mAh 13時間5分
Pixel 9 Pro XL 5060mAh 12時間32分
Pixel 8a 4492mAh 11時間25分
Pixel 8 4575mAh 11時間17分

ただここ数日使ってきた感じだと自分の使い方ではスコアほど電池持ちが良くない印象を受けます。

レビューの準備やら何やらでいつもより触っている時間が少なかったこともあり寝る前の電池残量が50%以上のことが多いですが単純計算だと日常的な使い方でPixel 9のスクリーンオンタイムは8時間までいかないという感じですがPixel 9 Pro XLはギリギリ8時間を超えるという感じです。

ちなみに海外サイトのバッテリーテストでみるとPixel 9 Pro XLのスコアは12時間32分と地味に劣っていますが自分の使い方だとPixel 9 Pro XLの方が僅かに安定しているという印象を受けます。

こうなると発熱も感じにくくより大画面で明るいディスプレイでコンテンツを楽しめるPixel 9 Pro XLの方が満足度が高いという感じになりますが発熱と同様に様子見をしておきたいところです。

少なくともPixel 9 Pro XLとの比較で自分の使い方であればの評価になりますがPixel 9はちょっと寂しい印象を受けてしまう感じでもしかしたら発熱のしやすさも影響している可能性があります。

ただ一方で同じPixelで見てもPixel 8やPixel 8aと比較すれば安定していることを実感出来ます。これはユーザーの使い方によって大きく印象が変わる部分で自分であれば基本屋内のWi-Fi環境で使っていることが多いので負荷がかかるマップアプリなどはほとんど使わないので消費電力も少ないです。

少なくともハードユーザーからすればまだまだ電池持ちが安定していると評価するのは難しいと思います。一方でPixel 9が発熱しやすく電池持ちもスコアほど良くなく感じるからこそPixel 9 Proは不安です。

ただ何よりGoogleは電池持ちを改善させるためにGoogle Tensor G4の最適化をより強化したと実感できるのは嬉しいところでTSMC製に切り替わるPixel 10シリーズでは化ける可能性があります。

カメラソフトをもって頑張って欲しかった。

そして3つ目としてカメラですがいつものPixelらしい写真や動画を撮れるので使いやすいです。接写に強いことはもちろんポートレート含めてフォーカス精度が優秀なので取り回しがいいです。

さらに動体の撮影にもかなり強いので自分が今まで使ってきた機種の中では唯一気兼ねなく動き回る子供をポートレートでも撮れるという感じでどこか遊びに行く時にPixelのカメラは重宝しています。

風景などを撮りたいのであればもっと良いカメラを搭載した機種が存在しますが動体の撮影は別格に感じます。またリアルトーンの効果をより感じやすい印象で娘の肌の色をより正確に描写してくれています。

メインカメラセンサーは前モデルの時に変更されたとはいえ実質GN1の延長線のようなセンサーで変わり映えがしない感じで超広角に関してはセンサーサイズが大型化したことで低照度の撮影はしっかり改善したことを実感出来ますが高照度の環境になるとそこまでの違いを実感出来ません。

またマクロ撮影もしっかり比較すればフォーカス精度が改善した上でよりクリアになった印象です。ただ自分はPixelのカメラに求めていることが動体撮影なので超広角の刷新の恩恵は限定的です。

何より変わり映えはしないですが誰でも簡単に綺麗に撮れ癖が少ないカメラなのでおすすめです。カメラ自体に関してはPixelらしさを求めていたので個人的には寂しさはあっても不満はそこまでないです。

一方でちょっと残念だったと思うのがソフト面で一つ目としては8Kへのアップコンバートに非対応でもいいので動画ブーストに対応してほしかったことに加え望遠センサーがない機種だからこそPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLが対応しているズームエンハンスに対応して欲しかったです。

ズームエンハンスは撮影した写真の一部をクロップしてAIで画質を改善するという機能です。ただ個人的には例えば2倍で撮影した画像をズームエンハンスでクロップして30倍にした画像と最初から30倍で撮影した画像の画質が同程度なら面倒なので最初から30倍で撮影しちゃいます。

これはズームエンハンスに求めていることが自分とGoogleで大きく乖離しているからこ発生していると思います。Googleとして撮影した画像の一部を高画質の状態で切り取りができるようになったとアピールしています。

一方で自分は撮影した画像をクロップするのではなく単純にズーム画質をもっと底上げしてほしかったです。動画のズーム機能はより底上げされていますが自分は動画より写真の強化の方が嬉しかった感じです。

何より望遠を搭載していない機種こそズームエンハンスに対応すればめちゃくちゃ重宝されそうです。

デザインが良さげで所有欲が高い。

少なくともPixel 9 Proシリーズが存在している以上Pixel 9にスペックをそこまで求めていないです。ただ発熱や安定性の部分は上位モデルよりスペックが抑制されているから頑張って欲しかった所です。

さらにカメラに関してもハードの物足りなさをカメラソフトで楽しくカバーして欲しかったところです。ただラインナップにおける差別化も必要なのでPixel 9 Proシリーズを引き立てるためにも仕方ないのかもしれません。

ちょっと辛口目になってしまいましたがそれ以外の部分に関しては非常に満足度が高いです。デザインは自分好みに進化してくれたこともあり単純にカッコいい感じで約1週間使ってきましたが手持ちのウインターグリーンはバックパネルが光沢仕上げとはいえ指紋が全然気にならない感じです。

他のカラバリになると印象が変わるのかもしれませんが指紋が目立ちにくいように明るめのカラバリを選択肢したのは正解だったと思っており自分は開封レビューでご紹介したTHE FROST AIR ULTRAとSpigenのケースを使い分けている感じで屋内で動画を見ながら充電したい時以外はケースはつけません。

また普段大型モデルや折畳式機種を使っていることもありPixel 9は200g弱と他の小型モデルと比較すればずっしり感は強めに感じますが折畳式機種に慣れていると軽いことに違いはないです。

横幅も73mm以下なので片手操作もしやすく長時間使っていても手首にそこまで負担がかからずです。ただ動画見ている時に音量を大きめにした時はPixel 9 Pro XLよりも共振を感じやすいです。

前モデルと比較すれば定価で見れば高くなったのは残念ですがその分スペック以上に品質が向上しています。まだちょっと物足りない部分もありますが歴代と比較すればようやく安定したPixelという印象です。

GoogleとしてはAIをよりユーザーの身近な存在にしつつ出来るだけ長く使って欲しいんだと思います。その上ではGoogle Tensor G4のチューニングはベンチマークではなくユーザビリティの改善が中心になっていることは個人的に好印象で今後もベンチマークに変に固執してほしくない印象です。

約4万円で買えたのでコスパは最高。

最後に価格に対しての評価ですが約13万円と考えると正直その良さは分かりにくいかなと思います。少なくとも多くのユーザーは13万円も出すならこの程度は当たり前と思うかもしれません。

なので定価で見れば厳し目の評価になりがちですがGoogle Storeの購入特典があれば別の話です。先日の開封レビューでもGoogle Tensor G4のパフォーマンスと本体価格を基に評価していないから信用出来ないみたいなコメントを頂きましたが自分は実質3万9800円で購入しているのでそこまでの文句も出ないです。

少なくともストアクレジットがなく下取りだけで見ても6万円程度で購入出来ているので安いです。Googleとしても定価の値上げは様々な要因から苦渋の決断だったと思いますがその分購入特典を充実させることで魅力的な価格で購入できるようになっておりこれで6万円程度なら十分です。

少なくとも6万円前後の機種でベンチマークが100万点前後でAIもしっかり使えた上でサポート期間も最大7年に対応している機種ってそれこそPixel 8aが条件良く購入することが出来た時くらいだと思います。

このことを考えると十分に競争力があると思っており他社の直販版が逆にここまで実質価格を抑制することも難しいという感じで正直販促を上手く活かすことできればめちゃくちゃ安いと思います。

なので正直6万円程度で購入できた機種と考えると価格以上の満足度は絶対的にあると思います。少なくとも世界的なインフレや為替の影響からも多くのメーカーは努力しているとはいえ値上げ傾向にあります。

シェアを拡大するという面ではどんなユーザーでも安く購入できる価格設定にした方がいいです。ただそれだとブランドロイヤリティに繋がらないのでメーカーとしては既存ユーザーを大切にします。

これはどのメーカーであってもそうですが既存ユーザーを大切にする傾向はどんどん強くなっています。なのでPixelユーザーからすれば特典を上手く活かすことでPixel 9シリーズもそれなりに安く済います。

そしてGoogleで見ればシェア拡大のためにaシリーズが用意してある感じでフラッグシップであるPixel 9シリーズを定価で安くする必要もなく何より既存ユーザーからすれば十分に安いです。

まとめ。

今回はPixel 9を購入してから約1週間使ってきたのでざっくりとですが短期レビューをしてみました。まだまだ試せていない部分もあり今後Android15へのアップデートで評価が変わる可能性もあります。

ただ現時点で見れば安定性こそ他社と比較すれば見劣りしますがようやくまともになってきた感じです。Google Tensor G4のベンチマークの低さが批判されていますが個人的にはゲームをガチでやらないしカメラ撮影とAI処理がしっかり動作してくれているので全然問題ないかなと思います。

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