Pixel 9 Pro XL 2週間レビュー。感動はないけど着実な進化を感じる良機種

ようやく国内においてもPixel 9とPixel 9 Pro XLが先行して発売された感じになります。ただ正直市場の反応を見ると本命ではないモデルが先に発売された感じに見えてしまっています。

今回はGoogleさんからご提供頂いたGoogle Pixel 9 Pro XLを約2週間使ってきたので短期レビューしてみたいと思います。

ベンチマークは低いけど。

最初に某サイトの記事が話題になっていますがPixelを褒めなきゃいけない決まりはないです。そもそも自分のチャンネルが好きな人はご存知だと思いますがPixelが好きだからこそレビュー依頼を受けているのであって興味がないのであれば自分は最初から受けないです。

何よりPixel 9 Pro XLを1週間以上使ってきたので気になる部分を確認したいと思います。まず一つ目としてやはりGoogle Tensor G4のベンチマークの低さは批判の対象になっています。

一つ言えるのはベンチマークに拘りを持つ人はPixelは絶対的に避けた方がいいかなと思います。やはりベンチマーク最強はiPhoneのProモデルでAndroidではゲーミングスマホの方がいいです。

一方で室内で使うことが多いので外で長時間試していませんが発熱はほとんど感じないです。機種によってはこの時期だと室内でも勝手に暖かくなっていることがありますが少なくともPixel 9 Pro XLを短期間使ってきた上では発熱しやすいなという印象はなかったです。

ただ流石に外気温が35度を超えるような日はポケットに入れておくだけでも暖かくなります。

また自分が最近やるゲームといえばLINEぽこぽこと新たにホワイトアウトサバイバルです。どちらもGPUに負荷がかかるゲームではないので自分の環境だと全く問題ないという感じです。

動作性はしっかり改善。

一方で驚いたのが動作性で従来はサクサク感強めだったのがiPhoneのようにヌルヌル感強めです。RAMが16GBに増強されたことが影響したのかタッチレートサンプリングが改善したのかと勝手に思っていましたがGoogleによると前モデルからの課題としてアプリの応答速度を改善したとしています。

Google Tensor G4自体でしっかりチューニングしてきたことで全体的な応答率が改善しています。その結果前モデルと比較してもかなり滑らかに動作することを実感できるのはびっくりです。

またPixelと言えば発売直後はTwitterやChromeなどのスクロールが安定しない印象です。少なくともGoogleによるとAndroid15で完全に解決できることを明らかにしていましたがPixel 9 Pro XLはAndroid14の段階で解決しており逆に今後のアップデートが怖いくらいです。

少なくともゲームをやらない自分からすれば発熱もしにくく動作性はヌルヌルで非常に快適です。あと影響がでるとすればデフォルトがGoogle AssistantではなくGeminiに変更されています。

そのためGoogle Assistantを起点にホームアシストを組んでいた人はちょい面倒かもしれません。あと最近年末の旅行先を調べる時にGeminiを頻繁に使っていますが流石に連続で使っていると発熱を感じることはありますがベンチマーク一回分にも満たない感じで個人的に問題ないです。

電池持ちは想定以上に良い。

そして電池持ちですが個人的には想定以上に電池持ちがいいかという印象を受けます。直近で使っていたのがPixel Foldということもありギャップがありすぎてビビっています。

ちなみにGalaxy Z Fold 6を使っていた時にスクリーンオンタイムが約4時間で電池残量が47%です。ざっくりと言えばGalaxy Z Fold 6はスクリーンオンタイムが8時間前後で電池切れになります。

その上で海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にすると11時間31分とスコア的には微妙です。

一方でPixel 9 Pro XLはスクリーンオンタイムが3時間12分で電池残量が61%となっています。

使っているアプリがほぼ一緒のためGalaxy Z Fold 6を基準にしていますがこの感じだとPixel 9 Pro XLのスクリーンオンタイムは自分の使い方だと8時間ちょいなのかなと思います。

なのでかなりざっくりですがGalaxy Z Fold 6よりはバッテリーテストのスコアが優秀かもしれません。その上で海外サイトがバッテリーテストの結果を公開していたので確認すると12時間32分と改善しています。

バッテリーテスト バッテリー容量 スコア
iPhone 15 Pro Max 4441mAh 16時間01分
Galaxy S24 Ultra 5000mAh 13時間49分
Pixel 9 Pro XL 5060mAh 12時間32分
Pixel 8a 4492mAh 11時間25分
Pixel 8 Pro 5050mAh 11時間14分

ちなみにPixel 8 Proは11時間14分でPixel 8aは11時間25分なのでしっかりと改善しています。少なくともスペックでみれば前モデル対比でバッテリー容量がほぼ一緒ででディスプレイ輝度を強化しています。

そのため電池持ちはGoogle Tensor G4次第かなと思っていましたが大幅に改善してきました。一方で電池持ちが安定しているGalaxy S24 Ultraが13時間50分弱であることを考えると及ばずです。

少なくとも前モデル対比で改善は実感できますが電池持ちがいい機種とは到底言えない感じです。ただ歴代のPixelユーザーからすればPixel 9 Pro XLの電池持ちはちょっと感動するかもしれません。

何よりPixel 8シリーズは全く使っていないくても簡単に電池が減る印象ですがPixel 9 Pro XLは明らかに電池の減りが遅いので触っていない時間が少ないからこそ余計に電池持ちが良く感じます。

これはユーザーの使い方によって印象が変わる感じで自分の使い方なら十分に安定している印象ですが一方でがっつり使いたい人にとってはまだ課題の残る電池持ちなのかなという印象を受けます。

ちなみに充電速度において海外サイトは45Wの電源アダプターでテストができなかったとの話です。そのためSamsungの45W電源アダプターで充電したところ充電開始30分で67%まで充電が可能だっとしています。

充電テスト 充電開始30分 フル充電に要した時間
Galaxy S24 Ultra 69% 65分
Pixel 9 Pro XL 67% 78分
Pixel 8 Pro 53% 83分
iPhone 15 Pro Max 46% 109分

つまり純正の電源アダプターでなくても同じ規格のものであれば同程度のスピードで充電が可能ということになります。何より自分の使い方だと電池持ちはかなり安定してくれた印象なので満足度が高くなりました。

新鮮味をあまり感じないカメラ。

次にカメラに関しては超広角や望遠が刷新されたとはいえ広角は一緒なので感動はないです。特にPixel 8 Proと比較すれば進化していることを確認できますが分かりやすい進化ではないです。

やはりメインカメラセンサーが変わるくらいしないと自分はあまり感動しないのかなと思っちゃいます。もちろん数世代前のPixelから買い換える人や他社から買い換える人は感動する可能性があります。

ただPixel 8シリーズのユーザーからすればそこまでの感動は正直感じないのかなと思います。一方で取り回しの良さは健在で接写に強ければフォーカス精度も優秀なので使い勝手がいいです。

またPixel 7 Proの時はひどくてPixel 8 Proの時はそれなりに改善していたのが動体撮影です。写真を撮影する際にプレビュー画面を見ながら撮影しますが動体を撮影する時は処理不足なのかかなりカクついて安定して撮れないということがありましたがPixel 9 Pro XLは安定しています。

特に娘がブランコに乗っている時などに同様の現象が発生していましたが問題なく動作しています。

あとはズームエンハンス機能がようやく実装されましたがイメージしていたものと違いました。あくまでも編集機能の一つでズーム画質自体をAIで底上げしてくれるわけではないので拍子抜けです。

何より動体の撮影に強いことからも個人的にはかなり重宝するカメラを搭載しており色味も個人的に好きですが直近でみればvivo X100 Ultraを使った時のような感動はありません。

いつものPixelのカメラという感じで逆に最新機種でありながらもいつもの感じで撮れるので楽と言えば楽です。カメラにどこまで求めるかはユーザー次第ですがあまり過度の期待はしない方がいいです。

あと低照度においても白飛びやフレアは前モデル対比で改善したとはいえまだまだ課題があります。なので後継機種ではSony製の大型センサーに刷新してくれないかなと期待しています。

スピーカーの音量が小さい。

そして他の機種と比較して思うのはボリュームの設定の問題なのかスピーカーの音量が小さいことです。音質に関しては前モデルよりまとまりが出た印象を受けますがそもそもの音量が小さいです。

あと今まであまり意識したことがなかったですが音量が70%になると共振が地味に気になります。そもそもそこまで期待していなかったので改善しただけでも嬉しいところですが改善の余地はまだまだあると思うので今後どのように進化させていくのか非常に気になるところです。

最上位モデルとしての立ち位置。

個人的には大型モデルが好きなのでPixel 9 ProよりもPixel 9 Pro XLの方が圧倒的に好きです。一方でまだまだ電池持ちなど分からないことがあるため断定は出来ませんがスペックだけで見ればPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLはほぼ差がないので上位モデルとしては正直微妙です。

Google Storeにおける価格差を見ると1万8000円となっていますがこの価格差が納得できる明確な差がスペック上から確認出来ないのでPixel 9 Proでも十分と思っちゃう人も多いのかなと思います。

少なくとも予約/購入特典を上手く利用することで実質価格差をなくすことを可能ですが期間限定です。両機種とも手元に届いたら改めて比較したいと思いますが立ち位置が難しくなった印象です。

iPhoneのように大型モデルのみメインカメラが違うとか望遠が強いとかあった方が分かりやすかったと思います。また筐体サイズが大きい分アクセサリーの価格も物によっては高くなるので注意が必要です。

ほぼ筐体サイズの違いだけだからこそシンプルで選びやすいですが価格差を納得させるのが難しいかもしれません。これでPixel 9 Proの安定性がよほどヤバいとかじゃない限りPixel 9 Proでもいいと思うかもしれません。

ただこのように考える人が出てくるとGoogleも想定しているはずなのでそもそもの狙いかもしれません。個人的には短期間使った上で前モデルよりしっかり進化をしていることを実感できるので満足度は高いですがめちゃくちゃ分かりやすい進化があるといえば難しいところです。

個人的には現時点でみればPixel 9 Proの方が圧倒的におすすめしやすいという印象です。

製品提供:Google Japan

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