従来のコンセプトを維持しながらもスペック的にみれば一般向けの進化を遂げたXperia 1Ⅵ。以前まではとっつきにくい存在だったからこそXperia 1Ⅵではより多くのユーザーが興味を持った印象を受け直販版をみる限りスカーレットを中心に長い間在庫状況が不安定でした。
今回は同じ一般ユーザーを意識したXperia 1ⅥとPixel 9 Pro XLの比較レビューを主観的にまとめたいと思います。
デザインを比較。
先日にはGoogleさんからPixel 9 Pro XLをご提供頂いており短期間使った上での満足度は高いです。だからこそ今回は自分は好きなメーカーの最新機種であるXperia 1Ⅵと比較したいと思います。
まずデザインを確認していきたいと思いますがXperia 1Ⅵの方が好みのデザインを採用しています。バックパネルは両機種ともフラット形状に加えGorilla Galass Victus 2の採用と共通です。
またバックパネルとサイドフレームの高さがほぼ一緒なので耐久性はほぼ一緒の可能性があります。
そして質感の部分で見るとPixel 9 Pro XLは前モデル対比でよりサラサラした印象です。一方でXperia 1Ⅵに関しては撮影体験を改善するために独自コーティングを採用しています。
ただ今回比較する限りでは指紋は地味に目立ちますが何より独特のグリップ力があり滑りにくいです。高級感は正直感じませんが質感に関してはXperia 1Ⅵは他社にはない魅力の一つだと思います。
またカメラデザインは大きく好みが分かれる部分で垂直型を採用したXperia 1Ⅵの方がスッキリしています。一方でPixel 9 Pro XLは本体が薄型化したこともありカメラバンプはかなり派手ですがテーブルなどに置いた時にガタガタしないのは地味ですけど大きなメリットかなと思います。
何よりSonyによるとスマホだからこそスタイリッシュであるべきだとかなり拘っています。
カメラバンプも出来るだけ目立たないようにするためにカメラセンサーサイズを出来るだけ変えずに画質改善に注力しているのはもちろん本体サイズにもかなり拘っている感じです。
ディスプレイサイズに違いがありますがXperia 1Ⅵはアスペクト比の変更で前モデル対比で横幅はかなりましたとはいえPixel 9 Pro XLよりスリムなため片手操作がしやすいです。
さらにサイドフレームがフラット形状というのは共通ですがXperia 1Ⅵはバックパネルと同様に撮影体験を強化するためにスリット形状を採用しておりサイドフレームも独特な質感です。
また本体の重さも30g近く差があるためXperia 1Ⅵの方が圧倒的に取り回しに優れています。
ただざっくり言えばガジェット感が強めのデザインでPixel 9 Pro XLのような高級感というかファッション性があるデザインではないのでデザインで好みがはっきり分かれるかなと思います。
個人的にはXperia 1Ⅵのデザインの方が好きですがアクセサリーと合わせて楽しみにくいです。何より取り回しの良さはXperia 1Ⅵでデザイン自体は好みで選ぶのがありかなと思います。
ディスプレイを比較。
次にディスプレイを確認していきたいと思いますがXperia 1Ⅵの評価が分かれる部分だと思います。アスペクト比が変更されたことでコンテンツが前モデル対比でより大きく表示されるのは多くのユーザーにとって歓迎されている印象ですが表示解像度が4KからFHDへの変更は極端です。
コンテンツの見え方。
YouTubeを再生してみるとディスプレイのチューニングの問題なのかXperia 1Ⅵの方が青味がかったディスプレイという印象でPixel 9 Pro XLの方が暖色系寄りに見える印象です。
少なくとも本体の横幅の違いからもPixel 9 Pro XLの方がコンテンツはより大きく表示されます。
以前のような4Kに対応してXperiaらしい黒に臨場感を感じるディスプレイであれば印象が違ったのかもしれませんが今回の比較で見れば単純にコンテンツの大きさの違いかなと思います。
ディスプレイ輝度を比較。
一方で気になる部分としてはディスプレイ輝度の違いでSonyはXperia 1Ⅵの輝度に関して詳細を明らかにしていませんが海外サイトのディスプレイテストの結果を参考にするとHDR表示で1300nits前後という感じでスペック的にみればトップクラスではないです。
ただ今回比較してみた限りだとXperia 1Ⅵの方が平均値が高いのかかなり明るく感じます。これは周りの照度によっても違った印象になると思いますがXperia 1Ⅵの方が試した感じでは明るくて見やすいのであとは単純にディスプレイサイズの違いから発生する大きさだと思います。
またYouTubeを再生してみた時もXperia 1Ⅵの方がディスプレイが明るく感じます。ただこれはXperia 1Ⅵのディスプレイが青みがかかっているからそう感じやすい可能性もあります。
リフレッシュレートの違い。
またXperia 1Ⅵは発売以降スクロール時の動作が不安定になる現象が一部個体で発生していました。ただ先日のアップデートで待機状態における最低リフレッシュレートが30Hzに変更されたことで改善したとの報告が多いですが手持ちの個体は最初から特段問題なかったので気にならずです。
またPixelに関しても毎年のように発売直後はスクロールが安定しない現象が発生していました。ただPixel 9 Pro XLでは十分に快適に動作してくれているので両機種とも不満はないです。
ちなみにxperia 1Ⅵは何方かと言えばサクサク寄りでPixel 9 Pro XLはヌルヌル寄りです。
何より今後Android15へのアップデートで両機種ともどうなるか不明なので油断大敵です。少なくともディスプレイ周りだとスペックに分かりやすい違いがあるという感じではないです。
ただざっくり言えばXperia 1Ⅵの方が分かりやすく明るいディスプレイを搭載している印象です。あとデザイン面に繋がりますがパンチホールを許せるかどどうかでも評価が分かれるかなと思います。
基礎スペックを比較。
基礎スペックを確認していくとアップデートサポート期間は圧倒的にPixel 9 Proの方が長いです。ただこれはユーザー自身が想定している使用期間に沿っていればいいのかなと思います。
ちなみにセキュリティアップデートに関してSonyは90日に1回が目安ですがGoogleは基本毎月配信されます。そのためアップデートのサポート期間に加え配信回数もPixelの方が圧倒的に多い感じです。
何より両機種とも今後控えているAndroid15へのアップデートでどれだけ安定できるのかが重要です。ちなみにXperiaのよくある深刻な不具合としてはメジャーアップデートで無限ループ状態でPixelに関しても昨年でみればストレージ問題による文鎮化と同じような現象が発生しています。
Pixelの場合はアップデートの配信回数が多いことが逆にデメリットにもなるので注意が必要です。
容量構成を比較。
そして容量構成に関してPixel 9 Pro XLはストレージ関係なくRAM16GBに統一されています。一方でXperia 1Ⅵの場合は最上位モデルとしてRAM16GB/ROM512GBに対応している感じです。
少なくともXperia 1シリーズはXperia 5シリーズのようなRAM管理問題に遭遇しにくいです。そのためゲームをガチでやる人以外はRAM12GBでも十分な可能性があり必要かどうはユーザー次第ですがXperiaはPixelやGalaxyのようなAI機能がないので大容量は必須ではないです。
ただ10月にはSamsungとPixel以外にもかこって検索が解放されるとの話なのでXperiaもAndroid15のタイミングでXperia 1Ⅵもかこって検索に対応してほしいかなと思います。
あとはXperia 1ⅥはSDカードスロットに対応しているのはAndroidの中で貴重な選択肢です。
パフォーマンスの持続性と発熱の違い。
そして発熱の程度とパフォーマンスを調べるためにベンチマークを連続で3回回してみました。
ベンチマークスコアに関しては両機種も散々批判されている感じですがXperia 1Ⅵの方がスコア的にはまだ高い感じでSoC自体のパフォーマンスが高いことに加え内部温度が42度前後でスロットルダウンをかけているのでPixel 9 Pro XLよりもハイスコアが出やすい感じです。
計測終了ごとに外部温度も計測してみましたがXperia 1Ⅵは36.8/38.3/38.3度に対してPixel 9 Pro XLは33.6/34.8/34.7度と実際に持ち比べてもしっかり発熱が抑制されています。
少なくともこのスコアでPixel 9 Pro XLがオフラインでAIをしっかり処理できるのがすごいと思います。またパフォーマンスの持続性を調べるために3D Mark Wild Life Stres Testをしてみました。
ハイスコアで比較すればPixel 9 Pro XLの方が圧倒的に低いですが安定率は逆転という感じです。何よりGoogleとしてはAIに全振りしている感じでベンチマークはどうでもいいのかもしれません。
バッテリー関連を比較。
そしバッテリー関連を確認するとバッテリー容量でみるとほとんど一緒という感じです。一方で海外サイトのバッテリーテストの結果を参考にするとXperia 1Ⅵのスコアは異常です。
正直これだけのスコアを獲得できる機種は滅多にいない感じでユーザーからすればSoCのチューニングはXperia 1Ⅵの方が理想と感じる人が圧倒的に多いのかなと思います。
電池持ちがめちゃくちゃ良くて発熱も抑制された上でゲームもそれなりにできるという感じです。一方で執筆時点でPixel 9 Pro XLのバッテリーテストの結果は公開されていません。
ただここ数日使ってきた感じとしてはXperia 1Ⅵを超える可能性はほぼないかなと思います。充電関連に関してXperia 1Ⅵは充電開始30分で50%でフル充電に要した時間は90分です。
一方でPixel 9 Pro XLは充電開始30分で70%とされておりXperia 1Ⅵより速いと思います。Sonyが明らかにしていませんがXperia 1Ⅵは33W前後と言われている中Pixel 9 Pro XLは37Wでバッテリー容量がほぼ一緒なのでPixel 9 Pro XLの方が速いのは当たり前かもしれません。
ワイヤレス充電に関してQi対応の充電器であればPixel 9 Pro XLは12Wなのでわずかに遅いです。一方でPixel Standを使うことで最大23Wなので今度はPixel 9 Pro XLの方が速いです。
その他を比較。
その他IP68に共通対応しておりイヤホンジャックに関してはXperia 1Ⅵのみ対応しています。そして生体認証に関してPixel 9 Pro XLの顔認証はクラス3に対応しているのが特徴です。
Xperia 1Ⅵに関してはそもそも顔認証に対応していないのがちょっと残念という感じです。
また指紋認証に関してPixel 9 Pro XLは超音波式に対応したことでデメリットを大幅改善しています。一方でXperia 1Ⅵは側面に光学式の指紋認証を搭載しておりセキュリティに地味な差があります。
2023年モデル以降は指紋認証の不具合が減りましたが万が一発生してしまうと生体認証が全く使えなくなるので今後の課題として生体認証をより強化してほしいように感じます。
そして音量を70%に設定した上でスピーカーテストをしてみました。Xperia 1Ⅵはサラウンド感を意識したチューニングでPixel 9 Pro XLはステレオ感強めです。
好みが分かれるところですがXperia 1Ⅵの方が音圧がしっかり安定している印象を受けます。
何よりXperia 1Ⅵの方が音量をあげても音のバランスが崩れないのが大きな強みです。
カメラを確認。
最後にカメラを確認したいと思いますがPixel 9 Pro XLは広角以外は刷新された感じです。一方でXperia 1Ⅵは望遠機構が強化されたとはいえセンサー自体に大きな変更はないです。
何よりの特徴としてズームで3.5倍から7.1倍まで光学シームレスズームとなっていますが最大21倍となっておりズーム範囲でみればPixel 9 Pro XLの方が強いという感じでとりあえず写真のサンプルを撮影してきたのでご確認下さい。
超広角で撮影。
今回のサンプルはXperia 1Ⅵ/Pixel 9 Pro XLの順番になっているので予めご了承下さい。
やはりXperia 1Ⅵの方が細部で白飛びしている印象を受けます。
広角で撮影。
ちょっと日差しが出ていたタイミングとはいえXperia 1Ⅵは僅かに白飛びしている印象を受けます。
次に接写をしてみましたがXperia 1Ⅵはフォーカスがずれてしまいました。
全体的にXperia 1Ⅵの方が現実に忠実というべきか「優しい」という感じで補正が嫌いなユーザーにとっては嬉しいところだと思います。ただシーンによりますが白飛びがしやすいのがデメリットです。
ポートレートで撮影。
ポートレートに関してはXperia 1Ⅵは1倍ですがPixel 9 Pro XLは最低倍率が1.5倍なので倍率は揃っていません。
圧倒的にPixel 9 Pro XLの方が被写体に寄って撮影しやすいことに加えフォーカス精度も優秀なことが多い印象です。
次に2倍で撮影してみました。
Android14のタイミングでXperia 1Ⅴはポートレートが強化された上でXperia 1Ⅵに継承された感じですが、ポートレートモード全体が他社と比較すると取り回しが悪いので今後の改善に期待したいところです。
とはいえ以前と比較すればだいぶ撮りやすくなった印象を受けます。ちなみに今回のサンプルだと問題ないですがXperia 1ⅥのポートレートモードはHDRが効きにくいのか撮影シーンによっては白飛びしやすいので注意が必要です。
望遠で撮影。
最初に2倍で撮影してみました。
次に両機種とも光学となる5倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵはノイズがかなり多い印象です。
次に10倍で撮影してみましたがXperia 1Ⅵはノイズが多くて厳し目という印象です。
そしてXperia 1Ⅵにとってほぼ最大ズーム倍率となる20倍で撮影してみましたが雲泥の差です。何よりXperia 1Ⅵは望遠センサーに切り替わると白飛びしやすく今回のサンプルでみても無駄に明るくなっているように見えます。
ズームで接写。
まず2倍で接写してみました。
次に5倍で撮影してみました。
最後に10倍で撮影してみましたが先ほどPixel 9 Pro XLと大きな差がある感じではありません。少なくともサンプルをみる限りペリスコープを搭載しているとはいえ遠くを撮影するためではなく中距離以下でより臨場感がある撮影をできるようにするためにズーム性能が強化されたという感じです。
そして超広角を利用したマクロ撮影をしてみましたがXperia 1Ⅵは被写体に寄れずPixel 9 Pro XLと同程度の画角にしようとするとフォーカスが合わないです。なのであとちょっとだけ寄りたい時に使う感じでガチで寄りたい時は「テレマクロ」を使うしかないという感じです。
一方でPixel 9 Pro XLに関してはテレマクロに対応していません。
超広角(低照度)で撮影。
そして低照度の環境で手持ちでサンプルを撮影してきました。ちなみにXperia 1Ⅵはナイトモードを固定することは出来ないです。
Pixel 9 Pro XLもあまり良いとはいえないですがXperia 1Ⅵはかなり白飛びしやすいです。
広角(低照度)で撮影。
広角になるとXperia 1Ⅵは画像重ね合わせ技術を採用していますが手ブレが発生しやすいです。
白飛びは同程度ですがXperia 1Ⅵは手ブレが発生しています。
強い光源があるシーンですがXperia 1Ⅵはある意味オンパレードになっています。
望遠(低照度)で撮影。
最初に1倍で撮影してみました。
次に2倍で撮影してみましたが手ブレ+白飛びという感じです。
逆に5倍になったらなぜか安定した感じです。何よりカメラ全般はPixel 9 Pro XLの方が圧倒的に取り回しがしやすいと思います。少なくとも今まではマニュアルでという流れになりましたがカメラUIの刷新からもオートを主軸にしたのは明白で今まで以上に他社と比較すると課題が見えてくる感じです。
何よりXperia 1Ⅵのカメラは自然に近い色味と動体撮影にどれだけ拘りがあるかだと思います。多くのユーザーにとってはPixel 9 Pro XLを選んでおいた方が間違いないです。
まとめ。
今回はPixel 9 Pro XLとXperia 1Ⅵの比較をしてみましたが好みが分かれそうです。直販版の価格で比較するとXperia 1Ⅵは18万9200円でPixel 9 Pro XLは19万2900円です。
同じ256GBで見るとXperia 1Ⅵの方が安いと前モデルまでで考えると逆転現象が発生です。Xperia 1Ⅵの方がエンタメを楽しむ上では優秀という感じでオーディオが特に強いです。
一方でカメラに関してはPixel 9 Pro XLの方が圧倒的に取り回しが優れていると思います。あとはAIをどこまで使ってみたいかで消しゴムマジックや編集マジックはGoogle Photoで使うことができますが実質有料に関してPixel 9 Pro XLは無料で使えるのが魅力です。
個人的にはXperia 1Ⅵの方がカメラが好みなら幸せになるのかなと思います。
製品提供:Google Japan