幹部が説明。Pixel 9搭載Google Tensor G4のベンチマークが低い理由

Google Pixel 6シリーズからGoogle Tensorに移行して大きな批判の一つとなっているのが「ベンチマークスコア」の低さです。Google Tensorの頃は他社のSoCと比較してそこまで差があったわけではありませんがGoogle Tensor G3は120万点前後に対してSnapdragon 8 Gen 3は200万点と大きくスコアが乖離。

現時点でGoogle Tensor G4のベンチマークスコアの詳細は不明ですがリーク通りであれば120万点の可能性があり、Snapdragon 8 Gen 4と比較すればスコアはさらに乖離する可能性があります。

今回Phone ArenaによるとGoogle Tensor G4のチューニングとベンチマークに言及しているので簡単にまとめたいと思います。

ユーザー体験の改善が優先。

先日にGoogleがPixel 9シリーズを正式発表した際に、そもそもPixel 9シリーズのハードを説明している時間自体が短かった印象を受けますが、Google Tensor G4の説明に関しては本当に短かった感じです。

そして今回PixelのプロダクトマネージャーであるSoniya Jobanputra氏によるとGoogle Tensor G4は破壊的なパフォーマンスを提供をするような設計をしていないことを明らかにしました。

チップを設計するときは、スピードや偉業のために設計しているわけではありません。私たちは、そこにある特定のベンチマークを打ち負かすように設計しているわけではありません。私たちは、ユースケースに合わせて設計しています。

私たちは、アプリを開くことに問題点があることを知っていました。そして、G4を構築するにつれて、私たちは本当に、その経験がユーザーにとってより良いものであることを確認するために何をする必要があるかに焦点を当てました

これは初代Google Tensorを発表した時も同様の発言をしておりGoogleとしては一貫しています。一方で今回のコメントにある「ユーザー体験」においてどのような改善が行われたのか。

少なくともGoogle Tensor G3までの課題の一つとして「アプリの起動速度」だったことに言及した上でGoogle Tensor G4ではアプリの起動速度を17%改善した上でウェブパフォーマンスも20%改善していることを明らかにしました。

パッとしないと思うかもしれませんが操作感が大きく変わる可能性があり全体的に滑らかに動作する可能性があります。

AIをより最適化するため。

何よりパフォーマンスを優先するのであれが「Snapdragon」を継続すれば良かっただけです。ただGoogleは既製のSoCではPixelにAIをブレイクスルーすることは不可能と判断したからこそGoogle Tensorに移行したことを明らかにしています。

ちなみに今回の情報によるとAIモデルのパフォーマンスを計測する方法として1秒あたりにどれだけのトークン数を処理することができるのか。Google Tensor G4は45トークン/秒としており現時点で業界トップクラスだとしています。

またGoogleのAIに焦点を当てたDeepMindリサーチラボと協力してデバイスがテキスト/画像/オーディオをよりよく理解できるようにマルチモダリティでGemini Nanoを実行するように最適化したとしています。

私たちはTPU(テンソル処理ユニット)に同じアプローチを採用しています。私たちはDeepMindチームと協力して、モデルがどこに行くのか、どのようなモデルをデバイスで実行したいのかという長距離予測を検討しています。

それはどのサイズですか?どれくらいの大きさですか?どのくらいの速さで処理する必要がありますか?これらのGeminiオンデバイスモデルを使用しているこれらのユースケースのために設計する際に、メモリ帯域幅が本当に作用するなど、チップの他の要素がより速く実行されるのを防ぎます。そのため、チップの構築と設計には、そのすべてを考慮に入れます。

何より現状のAnTuTuやGeekBench 6などではAI関連のベンチマークを測定することが出来ない。一方でGoogleはCPU関連は制御気味で発熱抑制や電池持ちの改善にフォーカスしている。だからこそ既存のベンチマークではスコアが出ないという感じです。

今後AI関連機能も正確に測定できるようになった時に見え方は大きく変わってくるのかもしれません。今思うとベンチマークをアピールしているのは既製品を使っているメーカーの機種のみで独自SoCを採用しているメーカーこそ全体ではなく自分達がこだわっている部分のみアピールしている印象です。

 

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