すでに一部市場で予約を開始しているGoogle Pixel 9シリーズですが国内のGoogle Storeで「在庫状況」を確認する限りではPixel 9 Pro Foldの反響が非常に高いように感じます。
少なくとも初期在庫は完売しており執筆時点では予約すら出来ない状況となっておりGoogleの想定を大きく超えたと判断することが出来ます。今回9To5GoogleはPixel 9 Pro Foldのフォームファクターが上手く機能する理由について言及しているので簡単にまとめたいと思います。
他社が築いた進歩を一気に詰め込んだ。
少なくとも中国市場ではHUAWEIにHONORにvivoにOPPOなどのメーカーが折畳式機種を発売していますがグローバル市場で見ると長らく「Samsung」の独壇場でした。
2023年に入ってようやくHONORにGoogleにOppoにOnePlusなどグローバル展開するメーカーが増えてきたとはいえGalaxy Zシリーズユーザーが圧倒的に多いことは言うまでもありません。
一方でSamsungの独壇場だったからこそグローバル市場において折畳式機種市場は進化がのんびりだった印象です。例えばGalaxy Z Foldシリーズのサブディスプレイは縦長過ぎて使いにくいとの声が多くてもSamsungは抜本的に見直すことはなくユーザーからしても他に選択肢がないためGalaxy Zシリーズを買うか。それとも折畳式機種自体を購入するのを諦めるかの2択という感じでした。
その中で市場を刺激してくれたのはOppo Find N3/OnePlus Openでサブディスプレイのアスペクト比は20:9を採用したことで絶妙なサイズ感。さらにアメリカでみれば$1699とGalaxy Z Fold 5より安いことからも注目を集めました。
一方でGoogleはPixel Foldを2023年に正式発表しましたがそのデザインはおそらくアプリの最適化を優先した結果の可能性があります。Googleはアプリ開発者にタブレットや折畳式機種への最適化を斡旋していますが想定ほど進んでいない印象です。
その中でGoogleはアプリの最適化を待つのではなくPixel Foldはより多くのアプリをタブレット表示できるように横長のデザインを採用した可能性があります。ただ多くのアプリは両端に大きな余白が発生しておりサイズ感的には横幅がありすぎて持ちにくかった感じです。
一方でPixel 9 Pro Foldでは他社が今まで学んできたことを一気に取り入れたことで大刷新となっています。その結果メインディスプレイは正方形に近いからこそマルチタスクに最適と言える感じでサブディスプレイも横幅がしっかりある上で20:9と割と標準的だからこそ視認性に優れます。
何よりPixel 9シリーズと同じアスペクト比を採用しているのでPixel 9 Pro Foldのサブディスプレイにおける表示は違和感が出にくい可能性があります。少なくともデザインがより洗練されたからこそPixel 9 Pro Foldの反響が高いのかなと思います。
もちろん課題もある。
初代と比較してこれだけデザインを刷新したのはそれなりにリスクもあったと思いますが、そのリスクをとったからこそ今があると思います。一方で初代が抱えていたデメリット部分をどれだけ改善できているかも重要になります。
例えば180度に開かないヒンジや極太なベゼルは改善されていますがフレックスモードにおけるヒンジの角度調整や開閉のしやすさにヒンジの耐久性などは実際に試してみないと分かりません。
またRAM16GBに増強されたとはいえGeminiと組み合わせたマルチタスクはGoogle Tensor G4のパフォーマンスでも十分に快適に動作するのか。また本体の薄型化を優先した結果なのか事前情報通りであればカメラは小型化した上でバッテリー容量も減少しています。
特に前モデルは電池持ちがかなりひどかったのでPixel 9 Pro Foldの電池持ちはかなり気になるところです。まだまだ改善の余地もありますがPixel 9 Pro Foldは前モデルのデメリットを可能な限り改善するためにデザイン中心に刷新したモデル。
後継機種ではデザインよりも中身の改善が優先される可能性があります。何よりデザイン的に見ればブック型の折畳式機種の理想に近い感じなので実際の試してみるのが楽しみです。